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2012年5月29日火曜日

『また、あの人と働きたい-辞めた社員が戻ってくる! 人気レストランの奇跡の人材育成術-』(黒岩功、ナナ・コーポレート・コミュニケーション、2012)-ヒトを中心に据えた経営こそ中小企業のあるべき姿

ヒトを中心に据えた経営こそ中小企業のあるべき姿

採用するのにひじょうに苦労しながら、なかなか人材が定着しない。多くの中小企業が、同じような悩みを抱えているものと思います。

わたしも前職では中小企業の経営に「ナンバー2」として直接かかわっていましたので、この問題は痛いほどわかります。

そうでなくても人材の流動性の高い飲食業界で驚異的な人材定着率を示しているのが、この本の著者であるフランス料理店「ル・クロ」のオーナーシェフ黒岩功氏。常識を超える定着率を実現しています。

なんせ、「12年間で採用活動は2回だけ」、「辞めた社員が半年で戻ってくる」という会社だそうです。

飲食業、とくにフランス料理屋イタリア料理のシェフを目指す人は、独立を前提にキャリアを設計していますから、修行のためにお店を転々とするのは当たり前、また料理人ではなくても労働環境も給料もけっしていいとはいえない飲食業界では、人材が定着しないのは常識といっていいでしょう。

なぜ、「ル・クロ」では人材が定着しているのか、その秘密を知りたくて、さっそく読んでみました。


顧客を中心にすえた「顧客目線」が徹底されているか?

「ル・クロ」が、並の飲食業と違うのは、顧客を中心にすえて顧客目線を徹底しているところでしょう。

自らをフランス料理店というよりも、サービス業と位置づけているところも重要なポイントだと思います。

料理店においては、どうしても料理をつくる職人という意識が前面にでてしまいますが、料理店はあくまでもサービス業であるという認識、これはきわめて重要ですね。

この考えのもとに、ウェディングや料理活動といった関連サービスが派生してくるわけです。


「観察」の重要性-見て、見られること

キーワードとして強調されているわけではありませんが、じつはもっとも重要なのは「観察」です。

オーナーシェフである著者は、料理人として一人前になるために徹底的に「観察力」を鍛え上げたことが想像されますが、オーナーとして社員一人一人を日頃からよく見ていることが大切であることも語られています。

従業員の立場からすると、いつも経営陣から見てもらっていることは励みになりますし、またマネージャー層からすれば、適切なタイミングで適切なアドバイスや指示もできるということを意味しています。

そのためには、経営陣が率先して、考えをオープンにしてコミュニケーションの壁を低くすることが重要です。採用では、正直に話してリアリティ・ショックをなくすこともまた定着率を上げている理由の一つでしょう。


ヒトを中心に据えた経営こそ中小企業のあるべき姿

この本で説かれていることはきわめてまっとうです。いや、まっとうすぎるといてもいい。愚直までに基本に忠実です。

つまりは、ヒトを中心に据えたマネジメントを行っているということですね。中小企業というものは、あくまでも人で成り立っているのです。大企業のように組織が人に優先するのではなく、あくまでも人が集まって組織となるわけです。

すべての業種がサービス業化している現在人の上に立つということの意味を知る上でマネージャーにはぜひ読んでほしい本です。

できれば、まず経営者が読んで、マネージャーに「これを読んだらいいよ」と薦めてあげるのがいいでしょう。

中小企業の経営は、経営者の器量によって方向性も内容も決まるというのもまた、否定できない事実ですから。

ぜひ、「また、あの人と働きたい」と言われるような人になりたいものですね。ぜひ一読をおすすめします。





目 次


はじめに
1. 「誰と働くか」が問われる時代
2. 出戻り社員が主役になる仕組み
3. 正社員の底力を活用する
4. 朝まで語り合える関係性の作り方
5. 主体性を引き出すモチベーション管理術
あとがき

著者プロフィール   
黒岩功(くろいわ・いさお)
レストラン「ル・クロ」オーナーシェフ。19歳で調理師免許を取得、21歳で全国司厨士協会の調理師派遣メンバーとしてスイスに渡る。ヨーロッパで3年間、三ツ星レストラン「タイユヴァン」「ラ・コート・サンジャック」、二ツ星レストラン「ジラール・ベッソン」のシェフらに師事し、本場のフランス料理を学ぶ。帰国後、いくつかの有名料理店でスーシェフ、料理長を勤めたのち、2000年にフレンチレストラン「ル・クロ」をオープン。一号店は裏路地の和食店を改装したことから「靴を脱いで、掘りゴタツで箸を使って楽しめるフレンチ」として評判を呼ぶ。現在は3店のフレンチレストランを経営する傍らウェディング事業、人材派遣業、ケータリング事業、プロデュース事業、食育活動での講演会も積極的に行う。1967年、鹿児島県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


<関連サイト>

大阪 フレンチレストラン「ル・クロ」(公式サイト)



<ブログ内関連記事>

中小企業経営・オーナー経営

書評 『日本でいちばん大切にしたい会社』、『日本でいちばん大切にしたい会社2』(坂本光司、あさ出版、2008、2010)

クレド(Credo)とは

書評 『跡取り娘の経営学 (NB online books)』(白河桃子、日経BP社、2008)

書評 『ホッピーで HAPPY ! -ヤンチャ娘が跡取り社長になるまで-』(石渡美奈、文春文庫、2010 単行本初版 2007)

飲食業

書評 『CoCo壱番屋 答えはすべてお客様の声にあり』(宗次徳二、日経ビジネス人文庫、2010 単行本初版1995に改題加筆)

書評 『言葉にして伝える技術-ソムリエの表現力-』(田崎真也、祥伝社新書、2010)

書評 『世界一の映画館と日本一のフランス料理店を山形県酒田につくった男はなぜ忘れ去られたのか』(岡田芳郎、講談社文庫、2010 単行本 2008)

「観察」の重要性

書評 『ユダヤ人が語った親バカ教育のレシピ』(アンドリュー&ユキコ・サター、インデックス・コミュニケーションズ、2006 改題して 講談社+α文庫 2010)

「人間の本質は学びにある」-モンテッソーリ教育について考えてみる






(2012年7月3日発売の拙著です)






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