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2011年4月30日土曜日

NHKのアニメ 『もしドラ』 の第5回放送(4月29日)のおさらい-イノベーションという仮説はデータで検証する


 昨夜、NHKのアニメ「もしドラ」の第5回放送みましたか?

 さて、昨日(4月29日)の放送は、「みなみは過去の高校野球を捨てた」というタイトル。

 第2回と第3回の「おさらい」に書きましたが、ドラッカー経営学のエッセンスは顧客創造、そのための二本柱がマーケティングとイノベーションです。

 今回は、その 2本目の柱であるイノベーションを実地に応用するして実験してみるドラマが開始されたわけですね。

 監督が導入した「新機軸」は 「ノーバント、ノーボール作戦」。攻撃に際しては点を取るための常識であったバントはいっさいしない。守備に際してはピッチャーはストライクしか投げないという、常識やぶりの「戦略」です。

 野球についてある程度知っていればわかると思いますが、つまるところ「打たせて取る」戦術ということですね。

 そのココロは、ピッチャーの投球数をミニマム(最小)にするということ。夏の炎天下でもっとも疲弊するのがピッチャー。そのピッチャーの疲労からくる肉体的、精神的な負担をミニマムにするために、一試合の投球数を100球以内に抑える。

 これは、日本の野球よりも、アメリカのベースボールでは常識となっている考えです。大リーグでは、ピッッチャーには一試合を最後まで投げさせずに、かならず交代させますが、これはきわめて理にかなったことなのです。

 しかし、この戦術を実行するには条件があります。

 守備がしっかりしていないといけない。これは経済学でいう「トレードオフ」の関係でもありますね。あっち立てれば、こっち立たず。打たれたら取らなくてはならない。

 ピッチャー一人に依存せず、全員がそれぞれのポジションで積極的に責任を果たす。これは、日本の政治家もよく使う表現でいえば、「全員野球」ということになるでしょう。ピッチャーとキャッチャー以外の野手も、控えの選手もすべてがチームの一員として、果たすべき役割を果たすのがチームメンバーが全員参加する「全員野球」

 さて、大学生との練習試合で実験することにした監督は、いったん打ち出した戦術を最初から最後まで変更しませんが、それはなぜでしょう?

 ブレない姿勢で臨んだのは、選手を動揺させないという精神的意味もあったでしょうが、監督の目的があたらしい戦術という「仮説」を、実地で「検証」することにあったからですね。そのプロセスのなかで、実験結果は、スコアブックに記入されたデータのなかに如実にあらわれてくる。

 試合には負けても、「仮説検証」という目的は十分に実現できたわけですね。仮説検証はかならずデータと実際をつき合わせて行う。数字で考えることの重要性。


 また、主人公みなみの役割についても重要なシーンがありました。

 それは、プレイイング・マネージャーという立ち位置ではないみなみが果たしている役割について。

 変化をもたらしたが変化の主体ではない。しかし、変化を起こす触媒(カタリスト)として機能しているという「気づき」です。

 これはまさに「社内コンサルタント」の重要な機能です。この機能をもつ存在は、きわめて重要な存在です。命令系統のなかにいなくても、組織に変化を起こすことはできる。

 「触媒」というコトバは使ってませんが、このことに気がついたことは、本人にとっても、チーム全体にとっても、大きな収穫であったといえるでしょう。

 この物語の最初からあった「ネジレ」が、ようやく意味のあるものであることがわかってきました。


 さて、次回(5月2日)の放送では、「みなみは戦略と現状について考えた」というタイトルでストーリーが進行していきます。

 来週月曜日もまた楽しみですね。






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『もしドラ』(NHKアニメワールド)


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NHKのアニメ 『もしドラ』 の第4回放送(4月28日)のおさらい-イノベーションとはあたらしい価値をもたらす変化のこと


レビュー 『これを見ればドラッカーが60分で分かるDVD』(アップリンク、2010)

書評 『知の巨人ドラッカー自伝』(ピーター・F.ドラッカー、牧野 洋訳・解説、日経ビジネス人文庫、2009 単行本初版 2005)




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2011年4月29日金曜日

NHKのアニメ 『もしドラ』 の第4回放送(4月28日)のおさらい-イノベーションとはあたらしい価値をもたらす変化のこと


 昨夜、NHKのアニメ「もしドラ」の第4回放送みましたか?

 さて、昨日(4月28日)の放送は、「みなみはイノベーションに取り組んだ」というタイトル。

 第2回と第3回の「おさらい」に書きましたが、ドラッカー経営学のエッセンスは顧客創造、そのための二本柱がマーケティングとイノベーションです。

 今回は、その 2本目の柱であるイノベーションについてドラマが展開し始めたわけですね。

 イノベーションというと、経済学者シュンペーターを思い出しますが、ドラッカーはマネジメントの観点からイノベーションについて一冊の本にまとめています。

 『イノベーションと起業家精神 上下-その原理と方法-』(上田惇生訳、ダイヤモンド社、1997)という本です。日本のビジネス界では、イノベーションとは「技術開発」を指していることが多いのですが、ドラッカーはこのように言っています。

イノベーションは技術に限ったものではない。モノである必要さえない。それどころか、社会に与える影響力において、新聞や保険をはじめとする社会的イノベーションに匹敵するイノベーションはない。(上巻 P.46)

 このように述べたあと、ドラッカーは明治以降の近代日本を社会的イノベーションの格好の事例だとして2ページ以上を費やして説明しています。興味のある人は直接読んでみるといいでしょう。



 イノベーションは、より大きな価値、新たな価値や行動を生み出し、市場や社会に変化を与えるものである。このように捉えると、とくにビジネスの世界に限定して考える必要がないことがわかります。

 さて、昨日の放送では、野球部の練習方法に導入されたイノベーションから、高校野球界全体を変革するようなイノベーションの話までふくれあがりました。ビジネスでいえば業界全体に該当しますね。

 練習方法にかんしては、みなみがかかわることになった、陸上部や柔道部など、野球部以外の部活にとって「価値を提供」することをつうじて「巻き込み」、お互いにとって相乗効果(シナジー)をもたらすということがなされることになりました。

 高校野球界全体をにイノベーションをもたらすとは、具体的な例でいえば、かつて徳島県立池田高校と取手二高があげられていましたが、いずれも従来の、スパルタ野球の常識を打ち破る考えを導入したことで、弱小チームを甲子園に出場させただけでなく優勝までもたらしました。

 この2つの高校が導入した「新機軸」は、その後の高校野球の世界を一大変化させたのですね。その「新機軸」こそがイノベーションです。

 ここでまた、『イノベーションと起業家精神』から引用を行っておきましょう。

イノベーションとは、意識的かつ組織的に変化を探すことである。それらの変化が提供する経済的、社会的イノベーションの機会を体系的に分析することである。(上巻 P.51)


 本日(4月28日)の放送では、「みなみは過去の高校野球を捨てた」というタイトルでストーリーが進行していきます。

 さて、どのようなイノベーションが野球部に導入されることになるのでしょうか? 楽しみですね。







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2011年4月28日木曜日

NHKのアニメ 『もしドラ』 の第3回放送(4月27日)のおさらい-マネジメントは「ヒト」を中心に!


 昨夜、NHKのアニメ「もしドラ」の第3回放送みましたか?

 さて、昨日(4月27日)の放送は、「みなみは人の強みを生かそうとした」というタイトル。

 日本では、ヒト・モノ・カネをもって「経営三資源」という言い方をします。ヒト・モノ・カネ、これに情報をくわえて「経営四資源」という言い方もしますが、いずれにせよ順番からいって、ヒトがもっとも重要だということを意味しています。

 ドラッカーも、マネジメントにおいては、何よりもヒトが重要であるといっています。おそらく、この点が、ドラッカーが活動した米国はさておき、日本でもっとも受け入れられた理由の一つでしょう。そしてまた復活した理由でもあるでしょう。

 米国では、みなさんもご存じのように、カネを中心にする傾向がなきにしもあらずです。カネを中心とするから「資本主義」。これに対して日本では、ヒトを中心にするから「人本主義」(じんぽんしゅぎ)であると、かつて日本を代表する経営学者の一人である伊丹敬之教授が命名したこともあります。

 米国でも、「人的資源」という言い方で、「ヒトを中心にすえた経営」を論じることもありますが、実はこの流れはそれほど古いものではありません。「人的資源」(human resource:ヒューマン・リソース)論は、1980年代以降に日本を徹底研究して生まれてきたものです。この時代の日本的経営は、日本企業の実践とドラッカーの主張が合致してできあがったという言い方も不可能ではないでしょう。

 「人的資源」は、最近では「人的資本」(human capital:ヒューマン・キャピタル)という言い方をする人もいます。財務諸表には資本として記載されませんが、もっとも重要な資本はヒトであるという意味ですね


 さて、第3回の放送のテーマである、一人一人のメンバーのやる気を出すにはどうしたらいいのでしょうかか?

 昨日の放送では、信頼して、責任をもたせて、まかせることの重要性が指摘されていました。要らない人なんか誰もいない、と。
 
 大きな共通の目標にむけてチームをまとめていく一方、練習にやる気をもたせるために競争原理を導入することの意味も語られていました。

 「目標管理」というコトバもでてきましたね。「目標管理」(MBO:Management by Objective:マネジメント・バイ・オブジェクティブ)とは、企業金融の世界でいうMBO(Managemnet Buy-Out:マネジメント・バイアウト)のことではありません。個人個人が自ら達成すべき目標をたてて、PDCAサイクルを回しながら達成にむけて邁進することを意味しています。

 目標管理の重要性を最初に主張したのもまたドラッカーでした。

 
 ただ、2回目の放送の「おさらい」にも書きましたが、野球部のマネージャーがマネジメントを誤解したことから始まった物語、やはり最初から「ネジレ」があることは否定できません。

 主人公の みなみは、プレイイング・マネージャーではありませんね。組織のメンバーだが、プレイヤーそのものではない。この立ち位置は、会社組織のなかでは、プロフィット部門ではなく、コスト部門である間接部門のスタッフという位置づけです。

 本来なら、野球部のキャプテンがマネージャーの位置にあり、監督は専門家というよりもジェネラル・マネージャー(GM)の位置にあるのがフツーでしょう。

 しかも、コーチでもない。ちょっと距離をおいたスタンスは、「社内コンサルタント」のスタンスに近いかもしれません。
 
 また、野球部のメンバーを「顧客」と見るという視点は、実は応用編の発想であって、すこし理解するのが難しいことは否定できません。「インターナル・マーケティング」ととらえたほうがムリがないことは、再2回のおさらいでも指摘しました。

 本来なら、応援してくれるであろう、同じ高校の生徒や父兄、地域社会の人たちを「顧客」、あるいは「ステークホールダー」としてとらえるほうが、マネジメントの観点からいったら素直な発想です。
 
 ここが、わたしのようなマネジメントの専門職からみると、やや違和感が残るところではありますね。


 本日(4月28日)の放送では、「みなみはイノベーションに取り組んだ」が取り上げられます。

 第2回の「おさらい」に書きましたが、ドラッカー経営学のエッセンスは顧客創造、そのための二本柱がマーケティングとイノベーションです。次回はその2本目の柱であるイノベーションについてドラマが展開するわけですね。

 さて、これからどのようなイノベーションが導入されることになるのでしょう? 楽しみですね。







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2011年4月27日水曜日

NHKのアニメ 『もしドラ』 の第2回放送(4月26日)のおさらい-「組織変革」 と 「インターナル・マーケティング」のドラマなのだ


 昨夜、NHKのアニメ「もしドラ」の第2回放送みましたか?

 さて、昨日(4月26日)の放送は、「みなみはマーケティングに取り組んだ」というタイトル。

 ドラッカー経営学のエッセンスは、「顧客創造」。そのための方法論は、「マーケティング」と「イノベーション」の二つしかない、というものですが、今回はその「マーケティング」がテーマ。

 「マーケティング」(marketing)とは「セリング」(selling:販売)をなくすことである、というのがドラッカーの有名なテーゼですが、今回の番組を見ている限りでは、どうもその意味では使っていないようですね。一般で使っている「マーケティング」とはちょっと違うニュアンスのようです。

 むしろ、みなみが取り組もうとしたのは、組織内のメンバーを「顧客」ととらえた、組織内のメンバーに向けた「インターナル・マーケティング」のことだと考えたほうがいいでしょう。
 
 「インターナル・マーケティング」(internal marketing)というコトバはあまり聞いたことがないかもしれませんが、一言でいってしまえば、組織内のメンバーとの双方向のコミュニケーションのことです。別の言い方をすれば「対話」(ダイアローグ)をつうじて、組織を目標達成にむけて行うものと言っていいかもしれません。

 みなみが、「マネージャー」の役割は「専門家」の言うことを「翻訳」してメンバーに伝えることであると解釈していたようですが、つまるところは、専門家が言うことをそのまま伝言ゲームでメンバーに伝えるのではなく、自分のコトバでかみ砕いて伝えるということですね。しかも一方方向の伝達ではなく、双方向のコミュニケーション。

 ですから、わたしからみると、このドラマは一般的な意味の「マーケティング」というよりも、「組織変革」のドラマといったほうが適切です。

 このドラマを「組織変革」ととらえると、まず取り組んだのがメンバーの一人一人との面談調査であるということは、きわめてセオリーどおりの手順を踏んだことになります。一般にヒアリングというコトバを日本ではつかっているようですが、正確にいうとインタビュー調査ですね。

 病室のなかという、比較的リラックスできる(?)空間のなかで、話を「引き出し」やすいように、工夫していることろは見事なものです。また、コミュニケーション・スキルの高さがうかがわれます。

 実は、今回の放送で扱っていた内容は、組織変革コンサルタントが実際に行っている方法論そのものなのです。

 実際には、聴き取った内容をどう整理して解釈するか、そのフェースが難しいのですが、問題解決のヒントは「つねに現場にある」。これはもっとも重要なことです。

 主人公の みなみは、プレイイング・マネージャーではありませんね。組織のメンバーだが、プレイヤーそのものではない。この立ち位置は、会社組織のなかでは、プロフィット部門ではなく、コスト部門である間接部門のスタッフという位置づけです。

 ドラッカーの『マネジメント』をすべて読み込んで、それを現実にあてはめたというよりも、「知らないからみんなの意見をきかせて!」というスタンスが重要なことを示しているといってもいいでしょう。



 本日(4月27日)の放送では、「みなみは人の強みをいかそうとした」が取り上げられます。

 個人が集まっただけではたんなる集団に過ぎません。その集団を同じ一つの目的を共有した「組織」にどう変身させるのか、その一つの方法論が「個人個人の強み」を引き出し、活かすということ。

 さて、これからドラマの展開はどうなるのでしょうか? 楽しみですね。







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2011年4月26日火曜日

NHKのアニメ 『もしドラ』 の第1回放送(4月25日)のおさらい-ゴール設定の重要性、真摯(しんし)さというマネージャーの資質、組織の定義・・


 
 昨夜、NHKのアニメ「もしドラ」の第1回みましたか?

 なかなか面白い設定になっているので、大学生むけの経営学の授業には使えそうですね。高校生という設定は、やはりちょっと難しいような気もしないではありませんが・・。

 最初のナレーションにあった「ドラッカーの『マネジメント』は現代ビジネスマンのバイブル」、というのは、残念ながら事実誤認としては正しくありません。なにやらウォール街のような光景がバックに登場していましたが。

 ドラッカーは「マネジメント」産みの親ではありますが、主著である『マネジメント』は、すでに「読まれざる古典」というべきでしょう。すくなくとも、わたしの周辺では、ドラッカーの『マネジメント』を読んだという人は、ほとんど聞いたことはりません。

 とはいえ、「マネジメント」(という概念)の産みの親であるドラッカーですから、現在ではほとんど常識となっている(はずの)マネジメントの基本は押さえているといていいですね。古典の古典たるゆえんといましょうか。

 ドラッカー自身も、「経営学は現代人にとっての常識」といってますから、日本がお得意のアニメでマネジメントの基礎を勉強するのは、「楽しくて役に立つ」という王道を歩いているといっていいでしょう。



 
 さて、昨日(4月25日)の放送では、以下のポイントが紹介されていました。 

 ●ゴール設定 ⇒ 甲子園で優勝するというゴール。ビジョンや目標といってもいいでしょうか。
 ●マネージャーの資質 ⇒ スキルではなく、真摯(しんし)であること。
 ●組織の定義 ⇒ 野球部の定義、存在意義。
 ●顧客の定義 ⇒ 野球部の顧客とは?

 メモとるのを忘れた箇所があるかもしれません。ほかのことしながら、「ながら」で見てましたので。

 もちろん、マネジャーやマネジメントという概念はこれほど単純なものではありませんが、その昔、部活のマネージャーと会社のマネージャーは同じか、違うのかという疑問をもったことのある私としても、面白いものを感じました。

 本日(4月26日)の放送では、「マーケティング」が取り上げられます。

 「マーケティング」は、ドラッカー経営学のなかでは中核をなす概念です。

 『もしドラ』では、どう料理されるのか?? きょうの放送が楽しみですね。







<関連サイト>

『もしドラ』(NHKアニメワールド)


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2011年4月25日月曜日

NHKでアニメ 『もしドラ』 が、本日4月25日から10話放送されます!


 NHKでアニメ 『もしドラ』 が、本日3月25日から10話放送です。午後10時55分から30分間。 

 本来は、3月14日からの放送予定でしたが、「3-11」の大震災と大津波、そして原発事故によって大幅に延期されてました。ようやく本日から放送です。

 2010年度のベストセラー 『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(岩崎夏海、ダイヤモンド社、2010)のアニメ化ですね。

 ちょっとあり得ないような気もする設定の、萌え(もえ)系の表紙の本です。高校生でドラッカーの『マネジメント』を読みこなせたら、それhスゴすぎるから。

 100万部をはるかに越えたベストセラーはマスコミでも大きく取り上げられました。

 みなさんは読みましたか?

 実は私は読んでません・・(>_<)。というのも、ドラッカーの『マネジメント』は原本の日本語訳で読んでいるから。まあ、職業柄、当然といえば当然ですので。

 ちなみに『もしドラ』の作者の岩崎夏海氏は、AKB48 をプロデュースした秋元康氏の弟子だそうです。そう言われると納得するものがあります。

 アニメなら見てもいいかな、と思ってます。面白くタメになる内容なら。

 「マネジメント」という概念の産みの親ドラッカーの基本中の基本が、アニメでどう再現されているか楽しみです。





<関連サイト>

NHKでアニメ 『もしドラ』


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2011年4月21日木曜日

Business as usual (きょうのコトバ) 


 「3-11」からすでに5週間近く、東北から関東にかけての太平洋岸の大地震と大津波の被災地と福島第一原発周辺では、まだまだ苦境が続いています。
 
 関東の大半の地域では、食品スーパーの棚をはじめ、日常生活にかんしてはようやく「正常化」してきたようです。東京から脱出した外国企業も機能を戻しつつあるようです。

 震災後の物流網の機能不全状態は解消、原発事故にともなう電力不足から行われた「計画停電」(輪番停電)によって混乱していた食料品供給にかんしては、現時点では「正常化」してきたといっていいでしょう。すくなくとも表面的には

 こういう状態をさして、英語では Business as usual といいます。「いつもとかわりない」ぐらいの意味でよく使われます。

 ここでいう business は事業というよりも、物事や事柄などをさしています。つまり、Business as usual とは、「いつもどおりに」、「当たり前のとして」物事がとどこおりなく動いている、ということを意味しているわけです。

 もちろん、現在でもサプライチェーンの問題が解決したわけではありません。一般消費者の目には見えないところでは、今回の激甚災害をつうじて、さまざまな構造的問題が顕在化しました。効率性を追求しすぎたために脆弱化したシステム。

 現時点においては、とりあえず「正常化」しつつあるという状態であるのに過ぎません。問題解決されていないだけでなく、問題そのものがまだキチンと把握されていない状態のようです。

 正しい問題発見がなかれば、問題解決にいきなり取り組んでも時間と労力のムダに終わってしまいます。さらなる疲弊を現場にもたらしてしまいます。

 これを機会に、「変わってはいけないもの」と「変わらなければならないもの」について、じっくりと深く考えてみることが必要でしょう。

 Business as usual と、言い切れるまでには、まだまだ時間がかかるのも当然かもしれません。

 みなさんのお仕事は、すでに Business as usual になりましたか?




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2011年4月19日火曜日

キュレーション (きょうのコトバ)


 最近、「キュレーター」「キュレーション」というコトバが知られるようになってきました。

 日本を根本的に変えてしまうような「大地震」と「大津波」という激甚災害が発生するなどとは考えもしていなかった。しかも、その後に起こった「原発事故」という人災。

 このトリプルで発生した天災と人災のなか、ネットの世界では「キュレーション」のもつ意味と重要性がこれほど実感されるようになってきたのです。

 災害情報を手際よく整理し、ツイッターで流し続ける「キュレーター」の数々。「原発事故」の報道ををつうじて、多くの人が日本のマスコミには不信感を募らせているなか、かれらの果たしている役割がいかに大きいか、じっさいにツイッターやフェイスブックなどをやっている人は、よく実感されていることと思います。

 「キュレーション」というコトバが知られるキッカケとなったのは、佐々木俊尚氏の新著『キュレーションの時代-「つながり」の情報革命が始まる-』(ちくま新書、2011)です。
   
 「キュレーター」といえば、日本では一般に美術館や博物館の学芸員のことをさしています。

 専門知識のバックグラウンドもとに美術展などを企画し、作品を借りる交渉を他の美術館や個人収集家と行い、作品解説やキャプションを書き、カタログを執筆して編集し、イベントとしての美術展を成功させる専門職のことですね。

 その「キュレーター」がやることが「キュレーション」ですが、ではなぜ「キュレーター」や「キュレーション」が、ネットの世界で使われるようになってきたのでしょうか?

 キュレーターの役割を抽象的にいえば、作品という個々のコンテンツに「場」というコンテクスト(=文脈)を与えることにあります。同じ作品であっても、企画内容や展示の仕方によって、つまりその他の作品との関係において、それを見るものの印象は大きく異なってきますよね。新しい発見もあれば、自分のものの見方に安心感を得ることもある。

 つまりキュレーターの役割は、情報を整理して見せる、その見せ方そのものにあるといえるわけです。いいかえれば、ある特定のものの見方の提供といってもいいでしょう。

 こういった「キュレーター」たちの存在がネット上には無数に存在していることに気がつかないと、これからの世の中を見誤ることにもなりかねません。キュレーターやキュレーションをそのような意味で使うのは、米国のネット世界から始まったらしいです。curation というのは英語としても新語のようです。

 ある特定のカテゴリーに属する情報について、個々人がその真贋のすべてを判断することは容易なことではありませんが、信頼性の高いキュレーターが仕分けしてコンテクストという付加価値をつけて整理した情報は、二次情報であっても抵抗なく受け取ることができますよね。

 こういった「キュレーター」を情報源としてストックしておくことは、かつてよくいわれた「ノウハウではなくノウフーが重要だ」というアドバイスにつうじるものがあるでしょう。ノウフーとは Know-Who のことです。たとえ、リアルの知り合いでなくても、十分にその役割を果たしているといえるでしょう。

 ネット世界が、ますますリアル世界と融合していく方向にあるなか、「キュレーター」と「キュレーション」の役割はますます大きくなっていくことでしょう。





<関連サイト>

書評 『キュレーションの時代-「つながり」の情報革命が始まる-』(佐々木俊尚、ちくま新書、2011)
・・姉妹編の「アタマの引き出しは生きるチカラ」に掲載。「キュレーション」や著者にかんする情報については、こちらのブログも参照してください。

mixi, Twitter, Facebook 2011年3月最新ニールセン調査 〜 震災の影響でソーシャルメディア利用者が急増。Facebookは760万人超え(2011/04/18)ニールセン/VRI 国内アクセス調査(斎藤徹)
・・キュレーションそのものではないが、「3-11」でソーシャッルメディアが日本でも大きく伸びていることを数字で裏付けた記事





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2011年4月18日月曜日

PDCA (きょうのコトバ)



 PDCA とは、Plan - Do - Check - Action の頭文字をとったものです。「計画」⇒「実行」⇒「チェック」⇒「アクション」ですね。

 私がはじめてこのコトバを習ったのはいまから25年以上まえですが、その頃は PDS といっていました。Plan - Do - See の略ですね。意味は PDCA とほぼ同じです。「計画」し、「実行」し、「チェック」する。

 だが、現在では PDCA が当たり前になりました。

 PDS よりも PDCA がすぐれているのは、「計画」し、「実行」し、「チェック」するのは当然として、その次に「アクション」が入ってくることです。

 「計画」⇒「実行」⇒「チェック」が基本であることに変わりはありませんが、ややもすれば「チェック」までしたとしても、そこで終わってしまいがち。

 「計画」したことを実際に「実行」してみると、なかなか「計画」どおりにはいかないものですよね。「計画」した内容を「チェック」して反省することが重要ですが、反省した内容が次の「アクション」につながらなければ、反省する意味はありません。むかしCMにありましたが、反省ならサルでもできます(笑)。

 とはいっても「計画」はたてないといけません。「計画」を「実行」してみたからこそ、その「計画」の甘さやさまざまな問題点が明らかになる。

 そして「チェック」後の「アクション」がまた次の「計画」につながるとは、最初にたてた「計画」をより実際にあったものにう微調整していくことも含まれます。

 最初にたてた「計画」を何がなんでもやり抜くのだという心意気は大事ですが、あまりこだわりすぎては結果がでてきません。行動の主体である自分の意思が硬くても、自分をとりまく環境はつねに変化しているからです。

 ですから、つねに見直してチューニングしていくことは絶対に欠かせないわけですね。

 「計画」(Plan)と「チェック」(Check)は冷静にじっくりと、「実行」(Action)と「アクション」(Action)はとにかく動いてみる。

 そして重要なことは、PDCA は一回で完結するものではなく、何度も何度も繰り返し回していくサイクルのことです。「計画」倒れにならないように「実行」するたびに「チェック」し、また次の「アクション」にその反省を活かしてカイゼンを積み重ねる努力。これが必要なのです。 

 ただし、「3-11」のような、激甚災害とその後につづいた原発事故のような人災が、「計画」を大きく狂わせる事態に遭遇したときには、当初たてた「計画」を、現在の環境に合わせるだけでなく、今後の変化のシナリオを想定して見直しをかけていくかが喫緊の課題になってきます。有事だからです。

 有事には「計画」の扱いは当然のことながら変わってきます。

 大きな環境変化が発生したときは、大きな戦略レベルにかかわる話と、中くらいの戦術にかんする話と、小さな日々の行動にかんする話はわけて考えることが必要ですね。

 環境変化に応じて、臨機応変に「計画」も変えていくこと、これは経済という生き物を相手にしている以上、避けて通れないことです。

 とはいえ、PDCA は平時ではもちろんのこと、有事においても実に重要なことです。「修正した計画」を「実行」し、「チェック」し、次の「アクション」につなげていくサイクルそのものは同じです。

 昨日(2011年4月18日)、東京電力は「福島第1原発事故の収束に向けた工程表」(ロードマップ)を発表しましたが、当然のことながら PDCAサイクルを回して、着実に目標が達成されるようにしていかねばなりません。

 PDCA のサイクル、回してますか?





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2011年4月15日金曜日

「誇り」と「頑張り」の源泉は、「ミッション」(使命感)が明確だから


 「大地震」と「大津波」の被災地や、「原発事故」の避難地域で必死の努力を続けている医療関係者、警察、消防署、自衛隊のみなさんの「誇り」と「頑張り」の源泉は、「ミッション」(使命感)が明確だからでしょう。

 職業にともなうミッション(使命感)が、所属する組織としてのミッション(使命感)が、ほぼ完全に個人に「内面化」されているからなのです。そして、行動規範である「バリュー」(価値観)が、「内面化」されているからなのです。

 だから、無意識のうちに独りでにカラダが動いてしまう、このミッション(任務)を遂行しなければ一生後悔するという気持ちになるのです。

 米海兵隊では、Once a Marine, always a Marine.(いったん海兵隊員になったら一生海兵隊員)と言われているそうですが、それだけミッションとバリューが、アタマだけではなく、カラダをつうじて徹底的にタタキこまれているということなのです。

 医療関係者、警察、消防署、自衛隊のみなさんほんとうにアタマが下がります。カラダには気をつけて頑張ってほしいものです。

 彼らの行動から、営利企業としても教訓をくみ取るべきでしょう。




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2011年4月13日水曜日

「生兵法は怪我のもと」-トップリーダーにあるまじき「愚行」とは?


        
 東工大出身で弁理士の菅直人首相は、自分は原子力の専門家だといって、「原発事故」発生当初から、自らの見解ですべてを押し切ろうとしていたとが報道されています。

 たとえば、「危機管理失格がばれた福島原発「レベル7」、今こそ明るいリーダーを!」-最大の対策は首相の交代」(2011年04月13日、現代ビジネス)。みんなの党の党首である渡辺喜美氏が、3月12日に党首会談の内容について語っています。

 それを解く鍵は、菅総理の原発事故に対する初動における致命的な過小評価にあるという見方が浮上する。

 日付は、遡ること3月12日。震災翌日の午後2時、経済産業省原子力・安全保安院の中村幸一郎審議官は、記者会見で、「炉心溶融が進んでいる可能性がある」旨、説明した。

 午後3時からの与野党党首会談。私は、「メルトダウンが起きているのではないか」と問い質した。

 すると、菅総理は、「これはメルトダウンではない」と述べ、放射線が大量に漏れる状況ではない旨、滔々と自説を語った。「圧力抜きの作業が行われ、冷却水の水位が回復しており、原子炉は大丈夫」と自信をもって語っていたのだ。この話ぶりから、到底レベル7の深刻度に至るという危機意識を有していないことは明らかだった。

 菅総理がそう語っている党首会談の真っ最中の午後3時36分、1号機が水素爆発。その後、間もなく菅総理とは真逆の真実を語っていたと思われる中村審議官は、記者会見から姿を消した。

 その後、炉心溶融が進んでいる可能性を認めないまま、政府の原発事故対応が行われた。

・・(中略)・・

 初動段階において原子炉の実態を過小評価したという事実は重大だ。

 ひとたび過小評価をしたものは、自分の誤りを容易に認めたくないため、より深刻な評価を対外的に発表したくないという誘引が働く。

 あるいは、より深刻な評価に基づく対策をとると自分の誤りを認めることになるため、容易に適切な対策を講じられなくなる誘引が働く。昔の金融危機における不良債権問題においても、まさしくそういうベクトルが働き、危機対応が後手後手になった。保身癖の強いと思われる菅氏であればなおさらだろう。


 ちょっと長い引用になってしまいました。記事内容の真偽については、当事者ではないのでわかりませんが、この記事に書かれたことが事実であるならば、この点においてだけでも、菅首相は「リーダー失格」と言わねばなりません。

 仕事柄、私は多くの経営者に接してきましたが、どんな経営トップであっても、自分のバックグラウンドに大きく規定されているものです。

 営業出身者は管理に弱く、技術出身者は営業に弱く、法人営業出身者は小売には弱く・・・。人間の能力には限界がありますので、それじたい批判するべきことではありません。

 ただ、重要なのは経営トップに限らず、組織のリーダーに求められるのは、個別分野の専門性よりも、むしろ「全体を見る目」と「優先順位をつける」ことだと思います。これは英語でいうと General Management と呼ばれているものです。それじたいが専門性を要求されるものです。

 つまり、トップの仕事はそれ自体が専門職、個別の専門分野は、適切に部下にまかせなければなりません。そのために重要なのが「全体を見る目」と「優先順位をつける」ことであるわけです。そして、部下にまかせた仕事を、適切にモニタリングすること。 

 とくに一国の首相であれば、国民の生命と財産を守ることがミッション(使命)の中心にこなければいけません。これは、組織全体を預かる経営トップにとっても同様でしょう。

 このミッションに行動規範としてのバリュー(価値観)がともなうとき、危機的な状況に際しても迷いはないはずです。即座に行動に移せるはずです。いいかえれば、「軸」がしっかりとしていれば行動に迷いはないのです。

 菅首相は、トップとして、もっともやっってはいけないことをやって、自ら窮地に追いこんでいるだけでなく、国民の生命と安全を危険にさらし、しかも国際的な評判を下げる最大の元凶になっていると言わねばなりません。

 自分の専門ではないのにかかわらず、自分ができると主観的に思い込んでいる分野で指揮をとろうとする視野狭窄(しやきょうさく)ぶりとその後の迷走ぶり。そして怒鳴り散らせば命令に従って人は動くと思い込んでいる無知と傲慢。自分の保身が価値観の中心というのでは聞いてあきれます。

 危機管理をするうえで、最もやってはいけないことをやっているのです。

 まさに「生兵法は怪我のもと」と言わざるを得ません。中途半端な知識が問題を余計大きなものにして、取り返しのつかない致命的な誤りを誘発したことは間違いありません。

 リーダーの真価は危機対応に際してすべて判明してしまう。こういう人ですから、コトバにも魂が入っていないのでしょう。しゃべるコトバがすべて空虚に響きます。

 この危機をつうじて、真のリーダーが生まれてくることを願ってやみません。

 そのための「反面教師」であるならば、それこそ「歴史的に意味もあった」という評価が下されるかもしれません。あるいは「他山の石」とすべき存在か。

 「歴史の審判」については、あえて私がクチにするまでもないでしょう。
 

<関連記事>

「非常時」には「現場」に権限委譲を!-「日本復興」のカギは「現場」にある(2011年3月18日)
・・姉妹編の「「アタマの引き出し」は生きるチカラだ!」に書いたものです




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2011年4月12日火曜日

製造業ネットワークにおける 「システミック・リスク」 について

   
 随筆家として有名な寺田寅彦(1878~1935)は、地球物理学を専門とする物理学者でもありました。

 晩年の随筆「天災と国防」(1934年)は、要約する以下のような内容です。

 「天災」は、日本という国にいる以上、避けて通ることはできない。文明が進めば進むほど、自然災害による被害は増大するだけでなく、たとえ一部の損害であっても、すべてがシステムのなかに組み込まれている以上、その被害はシステム全体に拡がる。しかも、国防という観点からみたら、天災が外敵以上に対応が難しいのは、「最後通牒」もなしに、いきなり襲いかかってくるからだ。

 執筆から約80年後の現在でも、そのままそっくり当てはまることではありませんか!

 産業界の話に限定してみても、サプライチェーン問題が、日本のみならず韓国や中国だけでなく北米を含む世界の製造業に大きな影響を与えるに至っています。金融の世界で言われる、いわゆるシステミック・リスクが、製造業の世界でも顕在化したのです。


製造業ネットワークにおける「サプライチェーン」

 サプライチェーンにおける問題は、ビジネスパーソンであれば耳にはしているでしょう。

 サプライチェーン(供給連鎖)とは、複数の企業の間に構築された物流ネットワークのことです。流通業でいえば、仕入れ先から自社物流センター経由で店舗までとなります。すでにできあがっている製品の物流にかんするものです。
 
 製造業の場合は、部品の調達先から組み立てまでが精緻に構築されています。単体部品、ユニット、モジュール、最終組立品と何段階もある製造工程には、きわめてたくさんの企業がかかわってくるので、工程のなかで、どこか一つでも不具合が生じると、システム全体に大きな影響が及んでしまう。

 自動車業界では、Tier 1、Tier 2、Tier 3 という表現があります。自動車車体(ボディ)やパワートレインの組み立て工場に部品を納めるサプライヤーのことを表現した業界用語で、アセンブリーされるモジュールを供給するのがティア・ワン、ティア・ワンにユニットを供給するのがティア・ツー、ティア・ツーに部品を供給するのがティア・スリーとなります。

 サプライチェーンは、部品 ⇒ ユニット ⇒ モジュール ⇒ 最終組立製品 という流れ(フロー)になるわけです。

 今回の激甚災害で東北地方の工場が被災しただけでなく、関東地方の工場も電力不足のために思うように操業できずに、サプライチェーン問題は日本全国の製造業だけでなく、海外の工場にまで拡大しています。


製造業ネットワークにおける「システミック・リスク」

 システミック(systemic)とは、システム全体の、という意味です。金融界においては、市場の一部において発生した破綻などの異常事態により、それが原因で発生した決裁不能が市場全体に波及するリスクのことを意味しています。

 私は、今回の事態は、製造業におけるシステミック・リスクが顕在化したと表現することが、もっとも適切な表現になると思います。

 金融や電力、鉄道などがネットワークによってつながっていることはよく知られていると思いますが、組み立て製造業もまた、部品製造のネットワークによって世界が密接につながっているのです。

 そして、部品製造の分野においては、日本がもっとも重要なプレイヤーであることが顕在化したわけです。部品製造の世界にいれば常識ですが、広く日本のビジネスパーソンがこの事実を知ったことは、怪我の功名(こうみょう)とも言うべきことだったでしょうか。


インターネットの「分散型ネットワーク」は効率性追求の対極の概念

 ところで、今回の地震直後にあらためて確認されたのは、通信ネットワークにおけるインターネット回線の危機対応能力です。もともと米軍が核攻撃に備えて「分散型のネットワーク」を構築したのがその起源ですね。

 日本の製造業ネットワークにおいては、効率優先のあまり集中化を極限まで押し進めた結果、「分散化」という概念が本当に根付くことがなかったのです。「ジャストインタイム」を強調しすぎたがゆえに、効率性は実現したものの、災害時に弱点が顕在化してしまいました。

 対策としては、在庫を積み増す、摺り合わせ型の部品のウェイトを減らして規格品のウェイトを高める、代替部品を探す、一社への集中購買から、かつてのようなセカンドソース確保をかならず行う、などが一般論として考えられるでしょう。もちろんコストアップ要因ではあるが、危機対応費用と考えるしかない。

 ジャストインタイムは環境負荷も大きいので、ある程度の在庫は自社でもつということは、危機対応としてだけでなく重要なことです。これは製造業における「分散型ネットワーク」の実践といっていいでしょう。

 「分散型ネットワーク」といえば、国際展開も考慮に入ります。もし国際展開していれば、どこかの拠点にかならず在庫はもっているはずです。この在庫をどう考えるか?

 今回の激甚災害と原発事故に起因する電力不足によって、さらに製造業の海外流出に拍車がかかってしまうかもしれません。

 海外進出は個別企業のロジックとしては合理的な選択ですが、「日本復興」という観点からは何とも言えないものが・・・。実に悩ましいものがありますね。



<関連サイト>

「天災は忘れた頃にやってくる」で有名な寺田寅彦が書いた随筆 「天災と国防」(1934年)を読んでみる
・・姉妹編の「「アタマの引き出し」は生きるチカラだ!」に書いたものです。リンクなどはこちらを参照




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2011年4月11日月曜日

ビジネスパーソンにもぜひ視聴することをすすめたい、国際基督教大学(ICU)毛利勝彦教授の「白熱教室JAPAN」(NHK・ETV)



 ETVで 国際基督教大学(ICU)毛利勝彦教授担当の教養学部「国際関係学特別研究III」の授業がNHK教育テレビ「白熱教室JAPAN」で放送されています。

 白熱教室JAPAN 第2回目(4月10日)をみてみました。18時から ETVにて。リベラルアーツ(=教養)を軸にした ICU の授業はどのようなものでしょうか? 

 以下に ETV による解説を引用しておきましょう。
 
国際基督教大学教養学部、毛利勝彦教授の「国際関係学」の講義を取り上げます。毛利教授は、ケース・メソッド法による対話型の授業を進めており、この4回の授業では、紛争・人権侵害・貧困・環境破壊など、現在の国際社会が直面する問題にどのように取り組んでいくべきか、実際にその現場にいる国際NGOが直面した壁や難問を題材に、対話・討論を通じて問題解決のための方策を探っていきます。
グローバル社会における政府や市場の失敗を乗り越え、「国際社会の新しい民主化」を担うと期待される国際NGO の現場感覚を仮想体験しながら、民主的リーダーシップに必要な論理的・批判的思考力とコミュニケーション力を高めるのがこの授業の目的です。

 第2回の授業では、非営利組織のブランド戦略について取り上げられました。

 テーマは、「グローバル化の中で対応に遅れをとり、会員数の減少という問題に直面した国際人権 NGO が、生き残りをかけて検討したブランドイメージ戦略とは?」というものです。

 取り上げられたのは、アムネスティ・インターナショナル。国際人権擁護団体のなかでは知名度の高い、歴史ある存在です。

 アムネスティ、というと敬遠してしまう人が企業関係者もいるかもしれませんが、英語で書かれたHBS(ハーバード・ビジネス・スクール)のケースを使用して、日本語で行った大学生たちのディスカッションです。

 ディスカッション内容は、「ブランド・マネジメント」の王道ともいえる内容でした。アムネスティがブランド・アイデンティティの確認と新規会員募集のためにコンサル会社に依頼した内容についてのディスカッション。

 非営利組織にも営利組織で行われる「ブランド・マネジメント」の応用が可能というよりも、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)にかんしては、非営利組織のほうが先行しているといえるかもしれません。

 ケースメソッドによる対話型授業による、学生たちのディスカッションのあとには、アムネスティの日本代表の方からコメントがありました。アムネスティ内部で実際に行われたディスカッションの要点も解説され、NGO の組織マネジメントについての理解も得られるという内容でした。

 知識の詰め込みではない、ものを考えるための授業とはどういうものか、日本では一般的なセミナーに飽き足らない人には、非常に刺激的な内容になっていると思います。

 見逃した方は、ぜひ再放送をご覧ください。第2回の再放送は、4月17日(日)0:20~1:20(≒土曜日深夜)です。


<関連サイト>

白熱教室 JAPAN

ICU 国際基督教大学 | ニュースとお知らせ | NHK教育テレビ「白熱教室JAPAN」でICUの授業を放送

AMNESTY INTERNATIONAL JAPAN(アムネスティ・インターナショナル・ジャパン) 公式サイト


<ブログ内関連記事>

慶応大学ビジネススクール 高木晴夫教授の「白熱教室」(NHK・ETV)




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2011年4月8日金曜日

「希望的観測」-「希望」 より 「勇気」 が重要な理由

  
 「目標」をもつことの重要性については、みなさんもよくご存じのことですよね。

 目標は、将来の一定時点までに達成すべき一定水準のゴールのこと。

 目標と現状とのギャップを埋めていくために必要なのが、方針としての「戦略」であり、方法論としての「戦術」です。目標はとくに数字で明確にすると、より効果があがります。みなさんもダイエットなどの数値目標をお持ちのことと思います。

 しかし、「目標に到達するために~をする」ということと、「目標に到達するだろう」、ということはまったく違いますよね。

 「希望的観測」(wishful thinking)とは、「そうあってほしい」とか「そうだったらいいな」という「希望」に基づいて判断を行うことをいいます。そうなるという確実な証拠があるわけでもなく、そのために何か具体的なことに取り組むというわけでもありません。

 「わかってくれるはず」という思い込みもまた「希望的観測」のなせるわざですね。他人がどう考えるかなんてわかるはずもないのに。

 「希望」というコトバは美しいコトバで一般によく使われますが、安易に使われすぎではないでしょうか? すくなくとも、ビジネスパーソンは安易にクチにすべきコトバだとは思いません。

 「希望的観測」に陥ることなく、一歩踏み出す「勇気」。 「勇気」のほうが「希望」よりもはるかに重要です。私はこのことを、沖仲仕の哲学者といいわれた、アメリカ西海岸の哲学者エリック・ホッファー(1902-1983)のコトバに教えられました。
 
 自己欺瞞なくして希望はないが、勇気は理性的で、あるがままにものを見る。希望は損なわれやすいが、勇気の寿命は長い。希望に胸を膨らませて困難なことにとりかかることはたやすいが、それをやり遂げるには勇気がいる。 闘いに勝ち、大陸を耕し、国を建設するには、勇気が必要だ。絶望的な状況を勇気によって克服するとき、人間は最高の存在になるのである。

(出典)『エリック・ホッファー自伝-構想された真実-』(中本義彦訳、作品社、2002)(P.52)

 「勇気」をだして、一歩踏み込んでみませんか?






<関連記事>

自分のアタマで考え抜いて、自分のコトバで語るということ-『エリック・ホッファー自伝-構想された真実-』(中本義彦訳、作品社、2002)




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2011年4月6日水曜日

「後工程」はお客様 (きょうのコトバ)


   
 今回の「大震災」と「大津波」によって、人的な被害が大規模にのぼっただけでなく、多くの製造工場が被災したため、「サプライチェーン」に問題が発生しています。

 このことは、製造業や流通業に従事しておられる方ならもちろんのこと、それ以外の方も経済記事として目にすることが多いと思います。

 ところで、「サプライチェーン」とは何でしょう?

 経済学を勉強したことがある人なら、サプライとは需要供給の「供給」であることはわかると思います。チェーンは「鎖」、あえて漢字で表現すれば、「供給連鎖」ということになります。

 サプライチェーン(供給連鎖)とは、複数の企業の間に構築された、物流ネットワークのことです。製造業の場合、部品や材料の調達から、組立後の製品の販売まで、網の目のように精緻なネットワークが構築されています。

 ところで、「後(あと)工程はお客様」という表現が、日本が世界に誇る生産管理の世界にはありますが、これは生産プロセス内の関係を、顧客に擬人化して語ったものです。

 「前工程」からみれば自分がお客様、そして自分からみれば「後工程」はお客様この連鎖が無数に続いているとイメージしてみてください。

 会社を越えるサプライチェーンの場合も、まさに「後工程はお客様」

 経済活動も、法人や人間をつうじた「つながり」という関係のなかに存在しているのです。

 組織内であっても、組織を越えた関係であっても、つねにこの「後工程」はお客様という意識をもっていたいものですね。




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2011年4月5日火曜日

トレードオフ (きょうのコトバ)


 「あっち立てれば、こっち立たず」。こういったことは日常生活やビジネスにおいても多いですよね。これをさして、工学や経済学では「トレードオフ」(trade-off)とよんでいます。

 いま日本が直面しているのは「原発事故」とそれにともなう「電力不足」の問題です。

 現在のところ、直接の影響がでているのは東京電力管内ですが、「停電」の影響が、医療の世界や産業界でも大きな問題になっています。これがサプライチェーンをつうじて日本全国だけでなく、世界中に影響を与えるに至っています。

 大規模な原発事故による放射能漏れが現実となったいま、原発はいらないという世論が盛り上がってきた一方、電力の3割を占める原発が一部再稼働しないために「電力不足」が顕在化して問題が大きくなってきています。これは「トレードオフ」ですね。

 「原発」を再稼働できないので、火力発電に切り替えると、今度は CO2(二酸化炭素)排出 の問題が発生して大気汚染の問題がふたたびでてきます。これもまた「トレードオフ」ですね。

 「あっち立てれば、こっち立たず」。世の中の現象とはみなこのようなものです。

 二者択一やオール・オア・ナッシングはいっけん切れ味鋭くみえますが、実際はそう簡単に割り切れる現象はほとんどありません。スッキリと割り切れる話には要注意です。

 矛盾を矛盾として受け止めて、最適解をさがしていく努力、これはたとえしんどくても続けていかなくてはなりませんね。

 日常生活でも、ビジネスにおいても同様です。このために必要なのは、ロジカル・シンキングだけでなく、つねに物事を反対の立場から考えてみるという視点の転換とイマジネーションのチカラです。




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2011年4月3日日曜日

ダチョウ症候群 (きょうのコトバ)



 「ダチョウ症候群」というコトバ知ってますか?

 「ダチョウ症候群」(オストリッチ・シンドローム:ostrich syndrome)は、空を飛べないダチョウが、 危険が近づいてくるとアタマを砂に突っ込み、何も見ないで危険が通り過ぎるのを待つことから来たものです。

 図体の大きなダチョウのことですから、端から見ると日本語でいう「アタマ隠して、シリ隠さず」という、実に滑稽(こっけい)な無様な姿をさらしているのですが、当の本人はまったくそれに気づいていない。

 「ダチョウ症候群」は、日本ではあまり使われない表現ですが、日本人得意の「見えていても、見ていない振りをする」という行為にそっくりですね。

 もしかして、今回の「大地震」と「大津波」と「原発事故」の激甚災害を、一過性の事件だと思って、やり過ごせばいいと思っている方がいるかもしれませんか?

 すでに3週間前からここで書いていますが、今回の「非常時」は一過性のものではありません。第二次大戦での「敗戦」以来の「国難」です。

 認めようが認めまいが、「3-11」以後の世の中は、価値観も含めてすべてがひっくり返ったのです。とても、「3-11」以前では当たり前であった、これまでのような「やり過ごし」ではとても対応できないような性格をもっていることに、一刻も早く気がつかなければなりません。

 日々のオペレーションを着実にこなすことは当然のこととして、万難を排してでも考える時間を作って、「何がどう変わったのか」、「何が変わってはいけないのか」、じっくり考えてみてほしいと思います。




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2011年4月1日金曜日

機会均等(きょうのコトバ)-「男女雇用機会均等法」施行から25年

  
 本日は、1986年4月1日に 「男女雇用機会均等法」(通称 均等法)が施行されてから 25年になります。

 なんと、もう四半世紀(!)がたちました。「均等法」が成立した年に社会人になり、「組織人事」からキャリアをスタートした私には、じつに感慨深いものがあります。

 とくに「雇用における機会均等」は、「教育における機会均等」とならんで重要ですね。

 スタートラインの時点で差別することなく、きちんとチャンスを保証すれば、あとは本人の努力と運次第。そういう基本的な哲学が、 「機会均等」(equal opportunity)というコトバの背景にあるわけです。

 「男女雇用機会均等法」は、「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律」が正式名称ですが、1999年4月1日の改正により、募集・採用、配置・昇進、教育訓練、福利厚生、定年・退職・解雇において、男女差をつけることが禁止となりました。

 すでに「雇用における機会均等」はあたりまえのことですが、25年前はまだまだこの法律に反対する人たちが多くいたということを知ってほしいと思います。

 あらためて法律制定の意味について考える機会となれば幸いです。


<関連サイト>

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(法務省 法令データ提供システム フレーム版)

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律施行規則(昭和六十一年一月二十七日労働省令第二号)(法務省)


P.S. ご挨拶

 ケン・マネジメント設立から本日で満1年になります。
 今後もよろしくお願いいたします。




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