クリスマス・プレゼントにいただいた(・・というか、クリスマス・パーティーの引き出物?としていただいた)『うまくいっている人の考え方《完全版》』(ジェリー・ミンチントン、弓場隆訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2013)。
机上に置いてあるので、パラパラ開いてみては開いたページの項目を読んでみるが、その通りだなあと納得することばかり。というよりも、そうすべきだなあという項目ばかりというべきかな。そんな考えが見開きで100項目掲載されている。
「100万部突破」「限定プレミアムカバーで登場!」とあるので、花柄のカバーになっているのはそのためかと思って帯の裏側を見たら、「読者のみなさまの声」が3人分掲載されている。そのいずれも女性によるのもの。なるほど、この限定カバーは女性を意識したものなんだなあ、と。サイズも新書版だし、プレゼントには最適。
「充実した人生」を送るには「自尊心」を高めること、そのためには「他人と比較しない」こと。これがいちばん難しいんだけどねえ。日本人向けに書かれたのではなく、そもそもアメリカ人向けの自己啓発本。日本語訳の訳文は読みやすいが、けっして「ですます調」ではない。
2013年の完全版以前のバージョンを含めれば、18年間で100万部売れるということはどういうことなのかなあ、と考えてみる。ベストセラーでかつロングセラーということであるが、もちろん内容が優れていることは当然のこととして、それだけではないだろうな、と。
マーケティングの4Pにあてはめてみよう。
プロダクト(商品)は、自己啓発で女性がメインターゲット、パッケージは持ち歩きに便利な新書版。プライス(価格)は、消費税抜きで1,000円。
プレイス(販売ルート)は、書店への直販(ディスカヴァー・トゥエンティワン社は、出版業界のなかでは例外的に下ろしを通さずに書店に直販するビジネスモデル)、さてプロモーションは?
おそらく最後のプロモーションがキモかもしれない。
100万部達成の理由は、いろいろ考えてみる必要がありそうだ。
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