図解は思考のツールであるというのが常識ですが、図解はコミュニケーションのツールでもあるということに気づかせてくれる内容です。
著者は、若き国際ビジネスマン。著者が図解に目覚めたのは、前職のタイの生産現場でタイ人ワーカーたちを相手に悪戦苦闘していた頃とのこと。タイ語がよくできなかった頃に、図によるコミュニケーションで現場改善を実現したとのだそうです。
デキる人は、「図解なんてできて当たり前じゃないの!?」と思うでしょう。わたしもそう思っていました。図解によってアタマのなかを整理し、複雑な問題をときほぐして簡単にするというテクニックですね。しかも説得やプレゼンのためにも図解は不可欠。
ところが、著者によれば、意外と若いビジネスパーソンたちが図解がむずかしいと誤解しているらしいこと。これはあきらかな誤解ですね。
図解は思ったよりも簡単で、しかもいったんマスターすれば、「誰でもデキる人に見られる」(笑)という副産物もあるということを知っていただきたいものです。「デキる人」になれるかどうかは、読者次第ということでしょう。
簡単な図解をつかえば外国人とのコミュニケーションも容易になるわけですね。英語力に自信のない人は積極的に活用してみてはいかがでしょうか。
図解の本にはさまざまなものがありますが、意外なことに入門編や初級編のものは少ないようです。図解への敷居を下げた本書はその意味では意義あるものといえるでしょう。
目 次
Chapter1 図解de認められる
Chapter2 図解が苦手な人の 10no誤解
Chapter3 ○△+ で考える たった4つ no図解思考
Chapter4 紙とペンだけあれば 何でも図解de解決できる
Chapter5 転職に使える 図解de自己分析
Chapter6 商談に使える 図解deコミュニケーション
Chapter7 思考を見える化する 図解atama習慣
著者プロフィール
多部田憲彦(たべた・のりひこ)
日産自動車(株)ルノー日産共同購買本部リージョナル・サプライヤー・パフォーマンス・マネージャー。2002年、光ファイバー製造メーカーに入社、翌年、入社2年目で同社タイ工場の改善を任され、6ヶ月で改善業務を完了させる。2007年、日産自動車(株)に転職。ゴーンCEOが開発を命じたV-up プログラムで、2011年度課題達成優秀賞を受賞。2010年から図解勉強会を開催(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。
<ブログ内関連記事>
『伝え方が9割』(佐々木圭一、ダイヤモンド社、2013)-コトバのチカラだけで人を動かすには
(2012年7月3日発売の拙著です)
Tweet
ケン・マネジメントのウェブサイトは
http://kensatoken.com です。
ご意見・ご感想・ご質問は ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。
end