「哲学のない経営は有害だ」という教えを自ら考え抜いて実践しつづけ、先般 JAL(日本航空)の経営再建をなしとげた京セラ創業者の稲盛和夫氏という存在です。
苦難につぐ苦難の前半生のなかで、若い時から哲学や宗教的な問いを自らにつきつけて考え続けてきたカリスマ経営者。「宇宙の意思に従い、精進を重ね、魂を磨け」という教えですね。
商人が生きる道を説いた石田梅岩の現代版のような存在でしょうか。いやそれ以上でしょう。苦しい時があるからこそ、「存在」について考えざるを得なくなり、哲学に目覚めるという好例です。
稲盛氏は、日本の中小企業経営者には絶大な影響力をもっているだけでなく、中国でもその著作がベストセラーとなっています。
『週刊ダイヤモンド』の「特集 稲盛経営解剖」がガイドブックとして最適でしょう。 http://dw.diamond.ne.jp/category/special/2013-06-22 「現象は心の投影」であるという稲盛氏の哲学や思想的背景や著作についても紹介されています。
面白いのは、「経営者になってはじめて、大久保利通の素晴らしさに気がついた」という点。「非情と温情、細心と大胆という両極端を同時にもたなければあらたな物事を成し遂げることはできない」、と。まったく同感です。
いままさに「旬の人」である稲盛氏の経営哲学については、じっくりと考えたいものです。
目 次
Interview 稲盛和夫
稲盛和夫インタビュー
Part 1 稲盛和夫とは何者か
原則は「人としての正しさ」 稲盛和夫の来し方行く末
【Column】 西郷隆盛に大久保利通 稲盛哲学に生きる薩摩の偉人
【ドキュメント盛和塾】 “魂”で結ばれた結束力 中小企業経営者の熱き勉強会
【Column】 「社員をほれさせんかい!」で 変身した“チンピラ社長”
【「稲盛哲学」はいかにして形成されたか】 働くことで「魂を磨く」 人々の共感を得た“稲盛教”
【Column】 母校の鹿児島大学で 受け継がれる稲盛経営
Part 2 哲学と実学の実践現場
【JAL】 アメーバとフィロソフィが 3万2000人の意識を変えた
植木義晴(日本航空社長)インタビュー
【KDDI】 合併後初のフィロソフィ改定 根底にある「動機善なりや」
小野寺 正(KDDI会長)インタビュー
【Column】 時間当たり付加価値を追え アメーバ経営の極意
【京セラ】 時間当たり採算表から朝礼まで 本家・アメーバ経営に密着
堺屋太一(作家)インタビュー
Part 3 稲盛流「成功の方程式」
稲盛流「成功の方程式」
【俺の】 飲食業に革命起こす ブックオフ創業者
【大峰堂薬品工業】 逆境も景気も自ら変えられる
【ミヤジマ】 事故対応を支えた 社長としての勇気
【ケアサービス】 介護事業に至要たる 「人格を高める」こと
【エイブル】 原発作業を支えた 燃える闘魂と使命感
【神戸合成】 社員の幸福追求し 利益率10%超に
【関水金属】 社内言語を共通化 納期遅れゼロ実現
【Book Guide】 稲盛経営がよりわかるお薦めの本
<関連サイト>
『週刊ダイヤモンド』の「特集 稲盛経営解剖」(2013年6月22日号)
"新・経営の神様" 稲盛和夫が明かす「日本企業、大復活のカギ」 日本を「幸せに導く」方法とは(現代ビジネス、2016年8月24日)
(2016年8月27日 情報追加)
書評 『稲盛和夫流・意識改革 心は変えられる-自分、人、会社-全員で成し遂げた「JAL再生」40のフィロソフィー』(原 英次郎、ダイヤモンド社、2013)-メンバーの一人ひとりが「当事者意識」を持つことができれば組織は変わる
書評 『全員で稼ぐ組織-JALを再生させた「アメーバ経営」の教科書-』(森田直行、日経BP、2014)-世界に広がり始めた「日本発の経営管理システム」を仕組みを確立した本人が解説
・・稲盛哲学と経営管理の仕組みが合体した「アメーバ経営」とは?
書評 『俺のイタリアン、俺のフレンチ-ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方-』(坂本孝、商業界、2013)-ビジネスモデル×哲学(理念)を参入障壁にブルーオーシャンをつくりだす
・・「稲盛哲学」の実践者によるビジネスモデル
書評 『「できません」と云うな-オムロン創業者 立石一真-』(湯谷昇羊、新潮文庫、2011 単行本初版 2008)-技術によって社会を変革するといういうことはどういうことか?
(2014年6月12日 情報追加)
(2012年7月3日発売の拙著です)
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