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2011年9月21日水曜日

経営計画の策定と実行は、「自力」と「他力」という仏教の考えをあてはめるとスムーズにいく



 いまNHKのEテレで「100分 de 名著: ブッダ『真理のことば』」をやっています。各回25分の番組が全4回で100分。100分で名著のさわりを読んでしまおうという番組です。

 ブッダ『真理のことば』の放送は9月7日から毎週一回。ゲスト講師は、佐々木閑・花園大学国際禅学科教授です。

 昨日(9月21日)は「第3回 執着を捨てる」。番組内容案内を引用させていただきましょう。

人は様々なものに執着して生きている。しかし執着が過度に強くなると、家族や財産といった、本来幸せをもたらすはずのものも、自分の思い通りにならないことにいらだち、苦しみを感じてしまう。ブッダは、自分勝手な執着をいましめるとともに、自分の教えについても、過度に執着してはならないと説いた。そして、自分を救えるのはあくまでも自分自身であり、自分の心を正しく鍛えることによって、心の平安を得ることが出来るとした。第3回では、依存ではなく、心の自立を説いたブッダの思想について考える。

 「執着」を捨てよと説く仏陀の教え、なかなかそのとおりに実行するのは難しいのですが、これが実行できるようになってくると(・・わたしもまだまだですが)、仕事もスムーズに回るようになってくると思います。これは実感です。

 昨日はそのまま TV を消さずにチャンネルも変えずにいたところ、Eテレでは「仕事学のすすめ」という番組をやっていたので見てしまいました。「伊藤真“司法試験流”知的生産術 第3回」。司法試験の受験にかんする第一人者である伊藤真氏の司法試験合格のための受験術、これは見てしまうでしょう。もちろん、わたしは司法試験は受験したことも、これからするつもりもありませんが(笑)

 番組内容を紹介しておきましょう。

司法試験を受ける生徒たちに、まず合格体験記を書かせるという伊藤真は、常にゴールを見定め、計画を立てることが重要だと語る。そのポイントは「必ず何もしない休養日を立てる」「スケジュールを定期的に見直しする日を設ける」など。また、1日のタイムスケジュールを10分単位で見直し、時間をやりくりすることも大切だという。実例を交えつつ、まさに“目からウロコ”の伊藤の時間管理術のノウハウを紹介する。

 「執着」するなというブッダの教えを聞いたすぐあとに、この「時間術」の番組を見ていて思ったのは、スケジューリングと実行の関係も、「執着」しないということを念頭におくとスムーズにいくのではないかと思った次第です。

 司法試験に合格するためには、まず自分が合格しているイメージを具体的に思い描き、それを「合格体験記」という形で書かせるというメソッド。これをブレイクダウンして二年間の学習計画をスケジュールとして作成し、2週間に一回のカウンセリングで見直しを行う。

 これは経営戦略策定において、長期目標としてビジョンを設定し、ビジョンをブレイクダウンして経営計画を作成し、実行させるメソッドと同じですね。しかも、PDCAサイクルが見事なまでに織り込まれています。

 伊藤氏は「ビジョン」というコトバは使っていませんが、私流に翻訳するとそうなります。なぜなら、ビジョン(vision)というコトバのもともとの意味はイメージであり視力のこと。ビジュアルなイメージを想起することはビジョンそのものなわけだからです。ビジョンは数字である必要はありません。

 とはいいながら、スケジュールを立てたものの、なかなかそのとおりには実行できないもの。そのとき最初にたてたスケジュールに絶対にしがみつくという「執着」を捨ててマイナーチェンジをしていけばいい

 あるいは、最初から完全に実行できないことを織り込んで、「遊び」の時間を入れておくこと。これは機械設計の世界においても「公差」(tolerance)として、あらかじめ許容しておくのと似ているかもしれません。tolerance は直訳すれば「寛容」です。

 さらに仏教がらみでいうと、スケジューリングと実行の関係は、「自力」と「他力」の関係に似ているような気もします。

 スケジュールを作成することと、それに従って実行するプロセスは「自力」の要素が強いのは言うまでもありません。
 
 しかし、実際はかならずしもスケジュールどおりに実行できるわけではない。それは、「自分」を取り巻く「外部環境」は、「自分」で完全にコントロールすることなどできないから。いいかえれば、「外部環境」では「他力」が働く要素がひじょうに大きい。自分が意図するのとは違う、コントロール不可能なチカラのことを「他力」といっておきましょう

 現代に生きるわれわれにとっては、「自力」と「他力」のバランスが必要だということでしょう。自分のチカラで「コントロール可能な部分」と「コントロール不可能な部分」のバランスといってもいいでしょう。

 欧米流の思考では、どうしても環境をコントロールするという発想が優先されがちですが、それでは思うようにいかないものです。自然を征服し克服しようとした岩手県田老(たろう)町につくられた世界一に防潮堤も、「3-11」の大津波ではあっという間にあっけなく決壊してしまいました。何ごともコントロールしてしまおうとしう「自力」には限界があるのです。

 意思のチカラはきわめて大事ですが、しかしそれだけで世の中が動いているわけではないということ。無理に通そうとしてもうまくいかないことが、脱力すればひとりでにうまくいってしまうことも多い。不思議といえば不思議ですが、世の中はこういうものであるのは、実感できることでありますね。

 日々の活動においても、経営においても、コントロール可能な部分とコントロール不可能な部分をいかにバランスさせて、初期の目標を達成するかが大事なことであるかを感じます。

 「ブッダ『真理のことば』」と「仕事学のすすめ」という二つの番組を連続して見ながら、そんなことを考えていました。


<関連サイト>

「100分 de 名著: ブッダ『真理のことば』」(NHK・Eテレ) 

「仕事学のすすめ」(NHK・Eテレ) 


<ブログ内関連記事>

PDCA (きょうのコトバ)

「無計画の計画」?

"粘菌" 生活-南方熊楠について読む-





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