モノでつるのではない、表情や派手なジェスチャーで注目を集めるのでもない。
コトバだけで相手の気を引きつけ、動かすことができる。
そんな技術があるのですね。しかもすごくシンプルな!
『伝え方が9割』(佐々木圭一、ダイヤモンド社、2013)。この本は、そんなシンプルな技術について書かれた実用書です。
著者は広告代理店の現役のコピーライター。数多くの賞も受賞しています。
ところが、そこに至るまでの苦労話が面白い。
コミュニケーションが不得意なので理系に進学、卒業後は広告代理店に就職、いきなりコピーライターに部署に配属されてしまってからは苦難の連続。そんな人が、もがきながら発見した法則を十数年の実戦のなかで磨き上げたものです。
なにごともシンプルであればあるほど美しい。
シンプルであるから、誰にでも応用できる。
とはいえ、シンプルな基本技であるからこそ、わかったつもりになりがちなもの。カラダにしみこませるまで練習しないと、ほんとに身に付くものとはならない。だからわたしも、手元においておきますよ。読み捨てにしたのでは、もったいない。
ビジュアル重視の時代だからこそ、ビジュアルに頼らないでコトバのチカラを磨けば、それこそ鬼に金棒といっていいでしょう。
コトバのチカラだけで人を動かす。口頭のコミュニケーションがつかえないメールやSNSなどが主流になってきたいまのような時代には、今後ますます必須のスキルとなるでしょう。
わたしもこの本に書かれたことを繰り返し応用していきますよ。
「コトバのチカラだけで人を動かす」、そんな人になりたいですからね。
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(2012年7月3日発売の拙著です)
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