「個」と「組織」それぞれの能力を向上し、「個」と「組織」のよりよい関係を築くために
                                    

NHK World (英語版 視聴料フリー!)

NHK World (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックすると、海外向け英語放送が24時間が流れるサイトにつながります。

Channel NewsAsia International (英語版 視聴料フリー!)

Channel NewsAsia International (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックするとシンガポールからの英語ニュースが24時間流れるサイトにつながります。

Al Jazeera English: Live Stream (英語版 視聴料フリー!)

Al Jazeera English: Live Stream (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックすると中東カタールからの英語ニュースが24時間流れるサイトにつながります。

Bloomberg TV (英語版 視聴料フリー!)

Bloomberg TV (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックすると、24時間ビジネス経済情報が英語で流れるサイトにつながります。

「アタマの引き出し」は生きるチカラだ!(姉妹編ブログ)

「アタマの引き出し」は生きるチカラだ!(姉妹編ブログ)
「専門知識」×「雑学」がビジネス思考の「引き出し」幅を拡げる! 最新投稿は画像をクリック!

MVVの3文字で、個人と組織にブレない軸とブランドをつくる!

MVVの3文字で、個人と組織にブレない軸とブランドをつくる!
このブログの執筆者が運営している facebookページです。

「日本型リーダーシップ」の基本は山本五十六にあり!

「日本型リーダーシップ」の基本は山本五十六にあり!
「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」 には続きがあった!





東南アジア・ビジネスは背景をよく知ってから!

■■■■ 「ミャンマー再遊記」 全8回+α ■■■■
 総目次はここをクリック!
■■■■ 「三度目のミャンマー、三度目の正直」 全10回+α ■■■■
 総目次はここをクリック!
■■■■ 「タイのあれこれ」 全26回+番外編 (随時増補中) ■■■■
 総目次はここをクリック!



会社ウェブサイトは
 http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。   


  
ラベル 組織内コミュニケーション の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 組織内コミュニケーション の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2013年12月29日日曜日

書評 『「空気」を変えて思いどおりに人を動かす方法』(鈴木博毅、マガジンハウス、2013)-ただし、スキルやテクニックは適切な使用法をまもって使用すべし


『「空気」を変えて思いどおりに人を動かす方法』というタイトルに惹かれて読んで見ることにしました。

「レビュー+」からレビューを依頼されてのことですが、「個と組織」の問題を考えるうえでなにかヒントになるものがあるかもしれないと思ったからです。

読んでみてわかったのは、重点が置かれているのは後半の「思いどおりに人を動かす方法」のほうのようでした。


人間は概して思い込みや固定観念に支配されやすい

「空気」を読め、「空気」に流されるなとはよくクチにされますが、「空気」そのものは目に見えるもlのではありません。「空気」は感じるものだからです。

二人以上の人間集団のあいだで形成されるのが「空気」です。しかし「空気」を生み出す源泉は、個々の人間のアタマとココロの内部ということに注意しなくてはなりません。

「空気」そのものは無色透明ですが、それを淀んでいると感じるか、澄んでいると感じるかはあくまでも当の本人の感じ方次第です。つまり「空気」は事実として存在していても、人間の感じ方はパーセプション(認識、知覚)であるわけです。 

二者間で意見の不一致が生まれるのは、それぞれのパーセションが重なり合わないからです。

目的をもった3人以上の人間集団であれば「組織」といっていいでしょう。3人の場合、多数派の2人にとって当たり前の「空気」であったとしても、少数派の1人にとってそうではないと捉えられることがあります。多数派にとっては無意識に当たり前だとしても、少数派は意識せざるをえないからです。

人間は概して思い込みや固定観念に支配されやすい存在です。「そうだ、そうだ」という「共感」が得られると、そこに「空気」が形成されます。「流れ」といっていいかもしれません。

著者は、「空気」について4つのタイプがあると分類しています。

タイプ1 問題への「問い」を設定することで生まれる「空気」
タイプ2 思い込みに誘発されて生まれる「空気」
タイプ3 検証、測定による偏った理解から生まれる「空気」
タイプ4 選択肢を限定したことで生まれる「空気」

これだけでは抽象的すぎますが、要は意識的に「空気」を形成することができるということを意味しています。しかも知っていて意識的に操作する人間が、組織もふくめた人間集団内に存在するということを意味しています。

著者は、それぞれのタイプごとに、「思いどおりに人を動かす方法」について、スキルとテクニックが解説しています。思い込みや固定観念からみずからを解き放ち、それによって他人の間違いも気付かせてあげることは可能だと著者は言うわけです。


しかし「空気」を変えるのは難しい

「空気」が生まれる理由、「空気」を操るスキルやテクニックは、アタマでは理解できなくはありません。しかしながら、この本を読んでいても、最後の最後まで疑問が残ります。

二者間のコミュニケーションギャップを解消するのは、本書で紹介されているスキルやテクニックをつかえば可能でしょう。

しかし3人以上の人間集団である組織内ではどうなのでしょうか? 

自分が主導権を握って「空気」つくりを仕掛けていくのであれば、組織内であっても「空気」をつくるのは不可能ではないと思います。変えるよりも、あらたにつくるほうが容易だからです。

しかし、多くのビジンスパーソンにとっての悩みとは、組織内で少数派になったとき、言いたいことも言えずに、意に反して「空気」に流されてしまうということではないでしょうか? たとえ理路整然と意見を述べても。その場の「空気」にを変えることはできない、それどころか「空気」を読めないヤツだと評価を大幅に下げてしまう危険。

「空気」についてはじめて指摘したのは評論家の山本七平ですが、本書にも「空気」の変え方についての前近代社会の日本人の知恵が紹介されています。「水をさす」という手法です。多数派が失念していた意表外な発言をして、その場の「空気」を消滅させてしまうテクニック。これは劇的な効果があります。

しかし、著者が称賛する白洲次郎出光佐三などは、憧れる人は多いものの、ほんの一握りの例外的な存在です。彼らはナショナリストの日本人でありましたが、日本社会から突き抜けたところのあった、いわば「非日本的な日本人」だったというべきでしょう。ですから真似しようとしてもじつはきわめて難しい。彼らは「空気」など、はなから相手にしていないのです。

フツーの日本人は、先輩後輩や入社年次などの上下関係や、出身地や出身校などの組織図には表現されていない同調圧力のつよい「非公式組織」で動いている面が多々あるので、正論が正論としてそのまま通用するわけではないのです。だからこそ少数派は悩む苦しむわけです。

組織内で「空気」が固定すると「世間」になるのです。残念ながら本書には「世間」についての考察がありません。「空気」と「組織」の関係については、『「空気」と「世間」』(鴻上尚史、講談社現代新書、2009)を読んでいただきたいと思います。

「世間」についてまで突っ込んで考察しないと、日本人によって構成されている組織の問題を解決することはできません。


スキルやテクニックはただしい使用法を守るべし

著者が解説するスキルやテクニックは、それ自体としては正しいとしても、適切な使用を間違えると命取りになる危険があります。

多数派が形成する「空気」に異論を述べる者は、それが正論であればあるほど、よけいに命取りになる危険が高いからです。

だからこそ、「思いどおりに人を動かす方法」は、組織内でのコミュニケーションのあり方まで踏み込んで実行する必要があるのです。そのために必要なのは徹底的な「観察」です。観察は読みと言い換えてもいいかもしれません。

効果的な発言は適切な読みがあってこそパワーを発揮するもの。結局は「空気」を読まないと「空気」を変えることはできないわけなのですね。

でなければ、なかなかむずかしいものがありますが、白洲次郎のように、自分自身が突出した存在、打たれないほどの「出過ぎた杭」になってしまうことです。そういう存在になってしまえば、「空気」をつくるのは簡単です。

あるいはダイバーシティ(多様性)を組織に導入して異質な「空気」を導入することです。しかしそれもまたかならずしもうまくいくとは限りません。

したがって、本書で紹介されているスキルやテクニックは、適切な使用法をまもって実践の場で使用していただきたいと思うわけです。



PS. この書評は、R+(レビュープラス)さまより献本をいただいて執筆したものです。




目 次
プロローグ 「空気」とは何か?

第1章 「空気」を動かすことがなぜ重要なのか?
 「空気」を動かせることが名将の条件
 突然1000億円の借金を背負ったら・・・・
 「会社の悪口を言う会議」で業績が上がる?
 米国では、弁護士は「空気」を武器にする
 男女の仲が突然おかしくなるのも「空気」のなせる業

第2章 「空気」の違いを知る
 タイプ1 問題への「問い」を設定することで生まれる「空気」
 タイプ2 思い込みに誘発されて生まれる「空気」
 タイプ3 検証、測定による偏った理解から生まれる「空気」
 タイプ4 選択肢を限定したことで生まれる「空気」
 史上最高のサッカー監督のひとり、ジョゼ・モウリーニョ
 零戦の悲惨な敗北を生み出した「空気」
 婚活や合コン、結婚生活と「空気」の関係

第3章 「空気」を動かす方法
 スキル1 現実に対して新しい「問い」を設定する
 スキル2 体験的な思い込みを解消する
 スキル3 検証、測定による偏った理解を正す
 スキル4 選択肢を増やして可能性を高める
 「空気」を動かすことで、敗者も勝者に生まれ変わる
 過去の公害問題と戦争の「空気」から学ぶこと 
 会議やプレゼンの段取りよい進行と「空気」
 上手なクレーム対応と「空気」の関係

第4章 「空気」を読めるとは、どういうことなのか?
 一流の人、粋な人は美しく「空気」を読んでいる
 従順奈良座rう唯一の日本人と評された人物
 『海賊とよばれた男』のモデル、出光佐三の驚くべき突破力
 京セラ創業者、若き稲盛和夫氏を育てた人物の心意気
 Power of Dream ホンダと「空気」を動かす威力

第5章 「空気」を動かすテクニック
 テクニック1 現実に対して新しい「問い」を設定する
 テクニック2 体験的な思い込みを解消する
 テクニック3 検証、測定による偏った理解を正す
 テクニック4 選択肢を増やして可能性を高める
 「空気」を動かすためのキラーフレーズ

あとがき
 「空気」は使い手によって、勝利への武器、悲劇の芽となる



著者プロフィール

鈴木博毅(すずき・ひろき)
1972年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒。ビジネス戦略、組織論、マーケティングコンサルタント。MPS Consulting代表。 貿易商社にてカナダ・豪州の資源輸入業務に従事。 その後、国内コンサルティング会社に勤務し、2001年に独立。 戦略論や企業史を分析し、新たなイノベーションのヒントを探ることをライフワークとしている。 わかりやすい解説の講演、研修は好評を博しており、顧問先には著名ランキングで顧客満足度1位の企業や、特定業界で国内シェアNo.1企業など成功事例多数。 日本的組織論の名著『失敗の本質』をわかりやすく現代人向けにエッセンス化した『「超」入門 失敗の本質』(ダイヤモンド社)の他、 著書に『ガンダムが教えてくれたこと』 (日本実業出版社)、『超心理マーケティング』(PHP研究所)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


<関連サイト>

タガメとカエルが築いた偽装の王国の罪(深尾葉子)

放送禁止用語になった「タガメ女」 (深尾葉子、日経ビジネスオンライン、2014年4月4日)
タガメの共食いが作り出す「ママ友社会の闇」 (深尾葉子、 日経ビジネスオンライン、2014年4月18日)
激化するカエル男争奪戦が少子化を加速する-ジャンボジェットと共に消えた? ロスジェネの夢  (深尾葉子、 日経ビジネスオンライン、2014年5月2日)
タガメとカエルが築いた偽装の王国の罪-90年前に問題視されていた「退化婦人(タガメ女)」  (深尾葉子、 日経ビジネスオンライン、2014年5月16日)
・・深尾氏は使用していないが「世間」がつくりだす「空気」について、「タガメ女とカエル男」について書かれた著書ほど的確にえぐりだしたものはない。大阪大学経済学部教授の深尾葉子氏は、『日本の男を喰い尽くすタガメ女の正体』(講談社プラスアルファ新書、2013)『日本の社会を埋め尽くすカエル男の末路』(講談社プラスアルファ新書、2013)の著者。この両書をよめば、日本の「企業社会」がいかなるものか、理解が深まることだろう。なぜ日本の組織では「事なかれ主義」という「空気」が充満しているのかについて。





<ブログ内関連記事>

書評 『「空気」と「世間」』(鴻上尚史、講談社現代新書、2009)-日本人を無意識のうちに支配する「見えざる2つのチカラ」。日本人は 「空気」 と 「世間」 にどう対応して生きるべきか?
・・「壊れた『世間』にかわって現在の日本人、とくに若い人たちを支配して猛威をふるっているのが『空気』だという指摘は、実に納得いくものである」「安定した状態ではその組織なり人間関係の中で『世間』が機能するが、不安定な状態では『空気』が支配しやすい。/『世間』が長期的、固定的なものであるのに対し、『空気』は瞬間的、その場限りの性格が強い」。

ネット空間における世論形成と「世間」について少し考えてみた

ネット空間における「世間」について(再び)

書評 『見える日本 見えない日本-養老孟司対談集-』(養老孟司、清流出版、2003)- 「世間」 という日本人を縛っている人間関係もまた「見えない日本」の一つである

書評 『醜い日本の私』(中島義道、新潮文庫、2009)-哲学者による「反・日本文化論」とは、「世間論」のことなのだ

集団的意志決定につきまとう「グループ・シンク」という弊害 (きょうのコトバ)
・・グループシンクという「空気」がつくりだす「集団浅慮」のワナ

映画 『es(エス)』(ドイツ、2001)をDVDで初めてみた-1971年の「スタンフォード監獄実験」の映画化
・・視線という権威、権力が支配する空間が「世間」。集団同調圧力は日本人以外にも働くのである

映画 『偽りなき者』(2012、デンマーク)を 渋谷の Bunkamura ル・シネマ)で見てきた-映画にみるデンマークの「空気」と「世間」
・・「世間」も「空気」も特殊日本的現象ではない

「プリンシプルは何と訳してよいか知らない。原則とでもいうのか」-白洲次郎の「プリンシプル」について
・・プリンシプルをもった生き方とは日本人離れしたということ。つまり世間のしばりにとらわれない生き方だ

「人間尊重」という理念、そして「士魂商才」-"民族系" 石油会社・出光興産の創業者・出光佐三という日本人
・・日本人の精神のあり方を説いていた出光佐三自身はきわめて「突出した日本人」であった

朝青龍問題を、「世間」、「異文化」、「価値観」による経営、そして「言語力」の観点からから考えてみる

書評 『プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法』(石井琢磨、すばる舎、2013)-「論理」だけに頼らず「心理」を大いに利用すべし!





(2012年7月3日発売の拙著です 電子書籍版も発売中!)





Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは
http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。



end

2013年11月8日金曜日

『ドクターX 外科医・大門未知子』(テレ朝系列)が面白い-TVドラマからみえてくる大学病院という「日本型組織」の病理現象



2013年10月17日から第2シリーズが始まった 木曜午後9時のドラマ『ドクターX 外科医・大門未知子』(テレ朝系列)が面白い。主人公を演じる米倉涼子のファンならなおさら、そうではなくても内容が面白いからです。

主人公は特定の病院や医局に属さないフリーランスの女性外科医。「包丁一本さらしに巻いて」の渡り職人のような医師。正社員ではなくフリーランス。

フリーランスというワークスタイルは、以前からさまざまな業界で存在しましたが、医者の世界にも存在するというのは新鮮ですね。キャリア論の観点からも興味あります。

このドラマが面白いのは、きわめて個性のつよいフリーランスの医師の存在が、絵にかいたような典型的な日本型組織である大病院の「病理」をあぶり出すという仕掛けになっていることにあります。

本来はスキルによって評価されるべき専門家集団、とくに外科は手術の腕に大きな個人差がでるものですが、個人の能力とスキル以外の人間関係がおおきくものをいうのが風通しの悪い大病院という組織である、と。まさに「世間」としかいいようがない。

大学医学部という「医局」によって形成されている巨大なピラミッド型組織が、さまざまな要因によって崩壊がはじまっていながら、あらたな組織のあり方がいまだ見えてこない移行期の混乱をドラマとして描いています。

組織における個人の生き方が、さまざまな登場人物の言動をつうじて描かれています。当然のことながら、それぞれの登場人物たちは、それぞれの思惑のもとに、いかに自分にとって有利になるかを念頭に行動しています。

ドラマのなかで強調されているのが、たがいにコミュニケーション不全状態となっている巨大組織内部の縦割り組織の問題セクショナリズムの問題。本来はクライアントである患者の治療が最大の目的であるはずなのに、専門分野(=医局)ごとの縦割り組織がカベとなって、患者不在の縄張り争いが常態化している現状。

病院も高度の医療サービスを提供するサービス業である以上、顧客中心を徹底してほしいと思うのですが・・・。供給側の論理を需要側の立場に変えていくのは容易なことではなさそうです。

また、大学病院と医局という「組織」と、フリーランスの医師という「市場」とのコンフリクトともこのドラマの大きなテーマです。

市場」のなかで活動する「組織」のなかに、いかに「市場」を導入して折り合いをつけるか、人事管理の観点かいってなかなか難しい課題です。

正社員と非正規社員が混在している職場といえば航空業界を想起しますが、パート・アルバイトや派遣社員、そして嘱託社員などさまざまな雇用形態の異なる従業員が混在しているのは、いまやほぼすべての業種業界でも「常識」といっていいでしょう。しかも、外国人社員がいる職場もいまや珍しくもない。

主人公のキャラクターをはじめとして、ドラマ自体はやや戯画的ではありますが、日本型組織がかかえる問題点が明確に見えてくる点は、たんなるエンターテインメントを超えたものがあるといっていいかもしれません。


<関連サイト>

ドラマ『ドクターX 外科医・大門未知子』(テレ朝系列) (公式サイト)

医局崩壊!さらば、教授という”名ばかり職”もはや国立医大の教授もリストラされる時代に(ノマドドクターXは見た!)
ノマドドクターXは見た!(東洋経済オンラインの連載)
・・現役の麻酔医の女医が執筆する病院組織の病理と人事労務管理にかんする問題点が具体的で説得力がある。執筆者の筒井冨美氏は『ドクターX 外科医・大門未知子』の監修もつとめている。麻酔医にはフリーランス勤務の人が多いという


<ブログ内関連記事>

『JAL崩壊-ある客室乗務員の告白-』(日本航空・グループ2010、文春新書、2010) は、「失敗学」の観点から「反面教師」として読むべき内容の本

書評 『未完の「国鉄改革」』(葛西敬之、東洋経済新報社、2001)-JALが会社更生法に基づく法的整理対象となり、改革への「最後の一歩」を踏み出したいまこそ読むべき本

書評 『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(大宮冬洋、ぱる出版、2013)-小売業は店舗にすべてが集約されているからこそ・・・

書評 『医者に殺されない47の心得-医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法-』(近藤 誠、アスコム、2012)-つまるところ自分が好きなように生きるのがいちばんいいということだ

医療ドラマ 『チーム・バチスタ 3-アリアドネの糸-』 のテーマは Ai (=画像診断による死因究明)。「医学情報」の意味について異分野の人間が学んだこと




(2012年7月3日発売の拙著です)





Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは
http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。



end

2013年10月29日火曜日

「ブルータス、お前もか!」-立派な「クレド」もきちんと実践されなければ「ブランド毀損」(きそん)につながる


先週木曜日(2013年10月25日)、大阪リッツカールトンで発覚したのが「メニュー誤標示」問題

行動規範としての「クレド」(=信条)を従業員に徹底させることで、すぐれたサービスを実践する会社として著名なアメリカ系の高級ホテルがリッツ・カールトンですが、まことにもって悲しいかな、「ブルータス、お前もか!」と言いたくなってしまう出来事です。

日本経済新聞に掲載された記事「リッツ大阪でも誤表示 公表なしにメニュー訂正」(2013年10月25日)から一部引用しておきます。

報道各社の取材に応じたオリオル・モンタル総支配人によると、ホテル内のレストランでブラックタイガーを車エビ、バナメイエビを芝エビとしてそれぞれ提供していたほか、レストランやラウンジで容器詰めのストレートジュースを「フレッシュジュース」とメニューに表記していた。・・(中略)・・「あってはならないことで深刻に受けとめている。誤表示が起きた詳しい経緯について今後調査する」とした。


接客にかんしては定評のあるリッツカールトンですが(・・わたしも大阪リッツカールトンには一回だけですが宿泊したことがあります)、お客様とはダイレクトに接触する接客ポジション以外では、「クレド」が徹底していなかったということでしょうか・・・?

まことにもって残念としかいいようがありません。


短期的なコスト削減がブランド毀損(きそん)を招く

企業経営にとっての最大の難問の一つは、短期利益と長期利益の折り合いをどうつけるかにあります。これは企業業績にかかわるものであると同時に企業倫理にもかかわる問題です。

おそらくホテルのレストランの現場においては、コストダウン要請プレッシャーがそうとう強かったのではないかと推測されます。

大阪リッツ・カールトンは米本社の直営ではなく、阪急阪神グループがオーナーです。阪急ホテルでも「誤表示」問題が表沙汰になっています。リッツ大阪のオーナーである阪急グループとしての経営姿勢が問われますが、リッツ・カールトンのブランドイメージに傷を付けた責任も問われることでしょう。

短期利益にたいして、ブランドはまさに長期利益の源泉企業がサステイナブル(=持続可能)な存在として利益を指し続けていくために大事なのがブランドです。

ブランドに体現された信用を築き上げるのには長い時間がかかるのに対し、信用が失われるのは一瞬の出来事です。なぜなら、ブランドは法的には企業の所有物であっても、あくまでも顧客のアタマのなかにあるものだからです。顧客の信用があってこそブランドは意味をもつのです。

つまり、短期利益追求姿勢と長期利益実現のコンフリクト(葛藤)が不祥事として表面化したということなのです。

さらなるブランド毀損(きそん)がリッツ・カールトン全体に波及するのを防ぐため、リッツの米本社サイドがどう判断し動くか要注視でありましょう。


リッツ・カールトンといえば「クレド」

「クレド」とは、米国の高級ホテルチェーンのリッツ・カールトン・ホテルが、全従業員に配布し、徹底させている「理念や使命、サービス哲学を凝縮した不変の価値観」のことです。

しかし今回明らかになったのは、たとえ「クレド」そのものは立派な内容でも、それを実践するのはあくまでもヒトであるということ、しかも全従業員が確実に実践できいていないのであれば、いくら立派な「クレド」であっても額縁に入って飾られた「経営理念」となんら変わらないということです。

顧客を中心にしたステークホールダーとのコミュニケーションにおいて、「ブランドの約束」が守れなかったということなのです。

コスト削減要請が無言のプレッシャーとして存在したのではないかと推測されますが、だからといってけっして許されることではありません。故意だったかどうかは外部からはわかりませんが、結果としてお客様をあざむいていたわけですから。

裏切られた思いをしているのはリッツ・カールトンのファンであるリーピーターの皆さんだと思いますが、それと同じくらい残念で悔しい思いをしているのは従業員のみなさんではないかと想像されます。

徹底的な調査を行ったうえで、「クレド」をふたたび徹底させるべく、一から出直してていただきたいものです。


行動規範を組織全体に徹底させるには組織内コミュニケーションがいかに重要か

それにしても、行動規範を組織全体に徹底させるのは、いかに難しいことか・・・。あのリッツ・カールトンですら、こうなのですから。

「クレド」にかんしては経営学のテキストでよく引き合いに出されるアメリカの医薬品メーカーのジョンソン・アンド・ジョンソン(J&J)があります。経営理念の浸透によって危機管理において初期動作を成功させた事例です。

1982年、ジョンソン・アンド・ジョンソンが販売する解熱剤「タイレノール」に何者かがシアン化合物を混入。服用した7人が死亡する事件が起きたのですが事件発生後1時間ほどで対応を開始、「シアン化合物混入の疑いがある」とすぐに情報を公開し、製品を回収。異物混入を防ぐ対策を取ったのがその内容です。徹底した情報公開と迅速な対応により問題を収束させたわけです。

そのジョンソン・アンド・ジョンソンですら、2010年には米国内で医薬品のリコール問題を引き起こしています。ヒューマン・エラーは完全に根絶できないのはいたしかたありません。

大阪リッツ・カールトンの件ですが、組織内コミュニケーションにも問題があったのではないかと推測されます。トップと現場との距離感が、どうも予想に反して存在していたのでないかという印象を受けています。

「誤(あやま)つは人のさが」という表現があるように、誰にでも安直な道を選択してしまうという誘惑にかられることも間違いを起こしてしまうこともあります。コスト削減要請を安い食材で代替してしまうという誘惑に負けてしまったかもしれません。

しかしながら、包み隠さずなんでも話し合うことができうようなコミュニケーション環境ができあがっていれば、こうした問題に直面したときに上司に相談ができたはずです。詳しい事情がわからないので何とも言えませんが。

組織内コミュニケーションの重要性をさらに真剣に捉えていただきたいものです。それがなければ、行動規範の徹底は不可能です。

世の中の経営者の皆さんは、大阪リッツ・カールトンのケースを「他山の石」として教訓を学び取るべきでしょう。


<関連サイト>

リッツ・カールトン大阪が食材を"偽装" 東京と異なる経営(ハフィントンポスト 2013年10月25日)

ホテル、百貨店で偽装を続発させた「レストラン」という世界の特殊性(財部誠一、ダイヤモンドオンライン 2013年11月8日)

阪急阪神ホテルズだけでない!メニュー表示偽装の構造問題(ダイヤモンドオンライン 2013年11月11日)

偽装メニュー対応で分かったホテル信用度 ワーストは近鉄系「奈良 万葉若草の宿 三笠」 主要30社調査(My News Japan 2013年11月5日)

食材偽装問題の根っこは「ブランド乱立」にあり!数百ページの再発防止策より大切な“シンプルルール”――水村典弘・埼玉大学経済学部准教授に聞く (ダイヤモンド・オンライン 2013年12月18日)
・・ブランドの根幹には顧客からの「信頼」という目に見えないものがあるという原点を見つめることだ。看板に書かれた表示を「信頼」している顧客を裏切るとブランド崩壊につながる!



<ブログ内関連記事>

「ゆでガエル症候群」-組織内部にどっぷりと浸かっていると外が見えなくなるだけでなく、そのこと自体にすら気が付かなくなる(!)というホラーストーリー

クレド(Credo)とは

「風評被害」について-「原発事故」のため「日本ブランド」は大きく傷ついた

本日(2011年3月28日)は、1979年の「スリーマイル島原発事故」から22年-「想定外」をなくすのがリーダーの務め

「距離感」と「パーセプション・ギャップ」-自分にとって不利となる誤解を正すためにまず認識すべきこと
・・メニューに記載された食材と実際に使用されている食材が一致しないという「誤表示」問題の背景には、調理という専門家の世界の「常識」と世間一般の常識」とのあいだにパーセプション・ギャップ(認識ギャップ)が存在しているから

製品ブランドの転売-ヴィックス・ヴェポラップの持ち主は変わり続ける

ゼスプリ(Zespri)というニュージーランドのキウイフルーツの統一ブランド-「ブランド連想」について






(2012年7月3日発売の拙著です)










Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは
http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!

 

end

2013年9月4日水曜日

コトダマ(きょうのコトバ)-言霊には良い面もあれば悪い面もある



コトダマという日本語があります。漢字で書くと言霊となります。

コトダマとは、コトバには魂が宿るという古代からの日本人の信仰の一つです。英語だと word spirit となります。発想は日本語と同じですね。

ネガティブなことを考えたりクチにすると、ほぼかならずネガティブな結果がもたらされる。ポジティブなことを考えてクチにすると、ポジティブな結果がもたらされることが多い。

「予言の自己成就」(self-fulfilling prophecy)という概念がありますが、ひらたく言えばコトダマの効果そのものを指しているわけです。「発言したとおりのことがが現実になる」、「余計なことをしゃべったら藪蛇になった」などなど。

これは日常的によく経験していることですね。けっして呪術的な世界に生きていた古代人だけの話ではないのです。

冒頭に掲載した写真は、そのものずばり 『言霊』というタイトルのバレエ・マンガの表紙です。べつにわたしは少女マンガのファンでも、山岸涼子のファンというわけでもないのですが、「言霊」(ことだま)というタイトルが気になって読んでみました。ネット書店のアマゾンでレコメンド(推薦)されたからです。

マンガの内容は、とあるバレエ・スクールを舞台にした高校2年生(=16歳)の女の子たちが主人公の物語。怪我しないで最後まで踊り切るためには、いかにポジティブな心構えというメンタルの側面が大事であるか、そのテーマをマンガにした作品です。なかなかリアリティある内容です。

バレエ・ダンサーもまたアスリートと同じで、メンタルに大きな影響を与えるのがコトバ。それがポジティブであればポジティブな結果をもたらし、そうではなくネガティブな場合はネガティブな結果をもたらす。

「人を呪わば穴二つ」という格言もありますし、「笑う門には福来る」ともいいます。言霊を自分に対してではなく他者に対して行使する場合は、「引き寄せ」の法則が働くといっていいかもしれません。

自分が自分の内面で、あるいはクチにだして語りかけることは自己暗示といっていいかもしれません。

ココロに思ったことをクチに出してみる。思っただけでは効果はないが、クチにだしてみると自分が言ったコトバを自分自身の耳で聞くことになる。一般に、コトダマというとこのように理解されているのではないかと思います。

コトダマにはメリットもあればデメリットもあります。企業経営の場に則して整理してみましょう。

経営においては、リスク管理、危機管理(=クライシス・マネジメント)の観点から、最悪の事態について想定、つねに日ごろからシミュレーションし、それに備えて訓練しておくことは欠かせません。

最悪の事態について考えたり発言すると、その通り実現してしまうかもしれない不安が生じることは理解できなくありませんが、それはしなければならないことなのです。最悪の事態を考えたりクチに出すことがはばかられるというマインドセットを払拭するように心がけたいものです。

しかし一方、組織内コミュニケーションにおいては、できるだけポジティブな表現を心がけるようにしたいものです。ネガティブな表現で会話すると、間違いなくネガティブな結果が生まれます。ですから、最悪の事態についても、その対応はポジティブな前向きな表現で行うことが必要なのです。クチにすることで後戻りのできない決意表明になるのです。

コインの裏表と同じように、なにごともポジティブとネガティブの両面があるものです。メンタルに与える影響という観点からコトダマについてはキチンと考えを整理しておくことが必要です。

『言霊』というタイトルのバレエ・マンガ、もしご興味があればいちど読んでいただくのがいいかもしれません。ビジネス書以外にも、ビジネスやマネジメントに役立つヒントはいくらでもあふれていますから。





<ブログ内関連記事>

書評 『爆速経営-新生ヤフーの500日-』(蛯谷 敏、日経BP社、2013)-現在進行中の「組織変革」ドキュメント第1章とその前夜の舞台裏
・・組織変革における「ワンフレーズ」というコトダマのポジティブな活用

「希望的観測」-「希望」 より 「勇気」 が重要な理由

Business as usual (きょうのコトバ)

ダチョウ症候群 (きょうのコトバ)

地震、津波、原発事故、そして財政危機。「最悪の事態」を想定しなければならない状態になっているが・・・

「バンコク騒乱」について-アジアビジネスにおける「クライシス・マネジメント」(危機管理)の重要性

書評 『誰も語らなかったアジアの見えないリスク-痛い目に遭う前に読む本-』(越 純一郎=編著、日刊工業新聞、2012)-「アウェイ」でのビジネスはチャンスも大きいがリスクも高い

【セミナー告知】 「異分野のプロフェッショナルから引き出す「気づき」と「学び」 第1回-プロのバレエダンサーから学ぶもの-」(2012年11月29日開催)




(2012年7月3日発売の拙著です)





Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは
http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。



end

2013年3月12日火曜日

『伝え方が9割』(佐々木圭一、ダイヤモンド社、2013)-コトバのチカラだけで人を動かすには



モノでつるのではない、表情や派手なジェスチャーで注目を集めるのでもない。
コトバだけで相手の気を引きつけ、動かすことができる。

そんな技術があるのですね。しかもすごくシンプルな!

『伝え方が9割』(佐々木圭一、ダイヤモンド社、2013)。この本は、そんなシンプルな技術について書かれた実用書です。

著者は広告代理店の現役のコピーライター。数多くの賞も受賞しています。
ところが、そこに至るまでの苦労話が面白い。

コミュニケーションが不得意なので理系に進学、卒業後は広告代理店に就職、いきなりコピーライターに部署に配属されてしまってからは苦難の連続。そんな人が、もがきながら発見した法則を十数年の実戦のなかで磨き上げたものです。

なにごともシンプルであればあるほど美しい。
シンプルであるから、誰にでも応用できる。

とはいえ、シンプルな基本技であるからこそ、わかったつもりになりがちなもの。カラダにしみこませるまで練習しないと、ほんとに身に付くものとはならない。だからわたしも、手元においておきますよ。読み捨てにしたのでは、もったいない。

ビジュアル重視の時代だからこそ、ビジュアルに頼らないでコトバのチカラを磨けば、それこそ鬼に金棒といっていいでしょう。

コトバのチカラだけで人を動かす。口頭のコミュニケーションがつかえないメールやSNSなどが主流になってきたいまのような時代には、今後ますます必須のスキルとなるでしょう。

わたしもこの本に書かれたことを繰り返し応用していきますよ。
「コトバのチカラだけで人を動かす」、そんな人になりたいですからね。





<ブログ内関連記事>

書評 『小泉進次郎の話す力』(佐藤綾子、幻冬舎、2010)-トップに立つ人、人前でしゃべる必要のある人は必読。聞く人をその気にさせる技術とは?

「人生に成功したければ、言葉を勉強したまえ」 (片岡義男)

書評 『「言語技術」が日本のサッカーを変える』(田嶋幸三、光文社新書、2007)

書評 『外国語を身につけるための日本語レッスン』(三森ゆりか、白水社、2003)-日本語の「言語技術」の訓練こそ「急がば回れ」の外国語学習法!

書評 『言葉にして伝える技術-ソムリエの表現力-』(田崎真也、祥伝社新書、2010)






(2012年7月3日発売の拙著です)





Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは
http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。



end

2012年9月19日水曜日

書評 『なぜ、社員10人でもわかり合えないのか-鏡で世界一!コミーに学ぶ少人数マネジメント-』(日経トップリーダー編、日経BP社、2011)コミュニケーションを徹底して、個人の問題発見を組織力にまで高める!




買ったまま積ん読になっていた 『なぜ、社員10人でもわかり合えないのか 鏡で世界一!コミーに学ぶ少人数マネジメント-』(日経トップリーダー編、日経BP社、2011) を読みました。この本はじつに面白い!

死角をなくすためにいたるところに設置された凸面鏡、この世界的なメーカーが、なんと社員16人の中小企業コミーです。

顧客企業のその先にある個々のユーザーの声を徹底的に拾い上げるという姿勢。B2Bの法人向けビジネスの盲点をついた姿勢でもあります。B2B2Cといってもいいかもしれません。

また、消耗してしまうような無駄な競争を避け、自分の得意分野に特化するという姿勢は、そうとは書かれてませんが、「ブルーオーシャン戦略」そのものでもあります。

「なぜ?」によって社員の個人レベルでの「問題発見」を促し、文字化して「組織で共有」する。そのために「物語化」を積極的にすすめている会社。「コトバ」に徹底的にこだわり、コミュニケーションの仕掛けと仕組みをつくりあげている会社です。

タイトルにもありますが、少人数のほうがコミュニケーションがよく行き渡っているはずというのは、思い込みにもとづいた固定観念に過ぎないようですね。たしかに、二人のあいだでもわかりあえないことは、よくあることです。

むしろ、大規模組織のほうが管理技術が発達しており、社内整備が進んでいるので「共通言語」でしゃべることができるのかもしれません。すくなくともカタチとしては。

「なぜ?」を徹底的に繰り返すというとトヨタを思い出しますが、コミーにおいても教育者のような社長が、社員に対してつねに「なぜ?」を問いかけてきた結果、「自分のアタマで考える」社員が育っているようです。

わたしも、拙著 『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』で強調しているように「なぜ?」という問いかけが、「自分のアタマで考える」ためのトレーニングになるのです。問題解決の前に問題発見です。

個人の能力をいかに組織力にまで高めるかという課題を考えている方には、ぜひ読んでほしい本だと思います。中小企業だけでなく、大企業のチームでも、それは同じことでしょう。

読みやすくて、内容の濃い一冊です。おすすめです。





目 次

はじめに
第1章 街中にあふれる「あの鏡」を作るのは 社員16人の世界企業
第2章 無料で貸し出し、無料で交換も 思い込みを徹底的に取り除く
第3章 コミーの歴史は「誤解」から始まった 本当の「売れた理由」を突き止める
第4章 中小企業ほど、実はわかり合えない-小さな組織をむしばむ「ヌシ化」
第5章 「社内用語集」を日々更新 言葉の定義を厳密に決める
第6章 時間がたってもわかり合える 「物語化」し、何度も追体験
第7章 「なぜ?」と問うと 人はなぜ成長するのか?
あとがき


<関連サイト>

コミー株式会社(Komy Mirror)

日経トップリーダー(旧 日経ベンチャー)
・・中堅中小企業の経営者むけの専門ビジネス誌


<ブログ内関連記事>

『また、あの人と働きたい-辞めた社員が戻ってくる! 人気レストランの奇跡の人材育成術-』(黒岩功、ナナ・コーポレート・コミュニケーション、2012)-ヒトを中心に据えた経営こそ中小企業のあるべき姿

書評 『日本企業が欲しがる「グローバル人材」の必須スキル』(内永ゆか子、朝日新聞出版社、2011)-あくまでも「個」をベースに考えるとことが英語よりも大事






(2012年7月3日発売の拙著です 電子書籍版も発売中!)






Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは
http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!



end