「個」と「組織」それぞれの能力を向上し、「個」と「組織」のよりよい関係を築くために
                                    

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2015年4月23日木曜日

書評 『マクドナルドで学んだすごいアルバイト育成術』(鴨頭嘉人、新潮文庫、2015)-「仕事をつうじて成長する」、ということ


『マクドナルドで学んだすごいアルバイト育成術』(鴨頭嘉人、新潮文庫、2015)という本が面白いので、一気に読んでしまいました。
  
原本は2012年に出版された『人生で大切なことはみんなマクドナルドで教わった』。タイトルを改題して文庫化されたもの。文庫本にも、読むべきビジネス書があります。
  
この本の内容は一言でいえば、「仕事をつうじて成長する、ということ」の意味についてといってもいいでしょう。
   
アルバイトとして4年、社員として21年。合計25年のあいだ、マクドナルドの「現場」で働いて最優秀店長にまでなった著者の、「失敗をつうじて学んできた仕事と人生」
  
アルバイトであっても、自分自身が仕事の意味を理解したときスイッチが入り、「やらされ感」が消えてゆきます。その光景が目に浮かぶようなシーンの数々。
  
食品偽装問題でマクドナルド離れが激しいようですが、それは「現場」のオペレーションの問題ではなく「経営」の問題日本企業の強みが、いまもむかしも「現場」にあることをあらためて感じさせてくれる内容でもあります。
   
世の中全体の「サービス産業化」が加速している現在、アルバイトの人たちに気持ちよく働いてもらって、最高のパフォーマンスを引き出してもらうためには、自分自身を変えてゆくことが必要だということですね。人を変えるには、まずは自分が変わらなくてはならない。そう「気づく」ことが大事です。
  
大いに共感する内容なので、みなさんにも読むことをお奨めします。
  
  




目 次  

プロローグ サービス業は天使の仕事
第1章 マクドナルドのアルバイトは、なぜニコニコして働くのか
 1. 肩書きではなく、仕事の価値は自分が決める
 2. 逃げさえしなければ、できないことはない
 3. 本当の愛情は、必ず伝わる
 4. 最高の挨拶は、最高のリーダーシップを発揮する
 5. 限界を超えるチャレンジにこそ意味が見える
 6. 人生の歩み方は、自分自身で定める
 7. 相手の立場で考え伝えたことは、必ず成果につながる
第2章 社員の最高の報酬は、お客さまの笑顔
 8. 一生懸命は、やがて感謝の交換につながる
 9. 上司の仕事は、舞台監督のように演者を輝かせること
 10. 「報連相」には、たくさんの気づきが隠されている
 11. 仕事の本当の評価者は、上司ではなくお客さま
 12. 弱さは強さに変換できる
 13. 自分のために頑張ってもらえる人間になる
第3章 店長の仕事は、楽しい職場をつくること
 14. 失敗を生かして自らを変える
 15. 理想は共有すべきものである
 16. 働く価値の置き方で、人生が良い方向に向く
 17. 重要なのは問題の "根本" を解決すること
 18. 人は誰もが期待され、貢献したいと思っている
エピローグ サービス業で世界を変える
文庫本あとがき 「人は働くことで輝く」

著者プロフィール

鴨頭嘉人(かもがしら・よしひと)
1966(昭和41)年愛媛県生れ。県立今治西高校卒(在学時は野球部キャプテン)。大学入学のために上京した際にマクドナルドと出会い、アルバイトとして4年間、正社員として21年間、日本マクドナルド株式会社に勤める。1998(平成10)年、新規開店した店舗の店長として、お客様満足度全国1位、従業員満足度全国1位、セールス伸び率全国1位の「三冠」を達成し、「最優秀店長」に選ばれる。マクドナルド初の「グループ運営店長」やオペレーション・コンサルタント、本社人事部での採用担当などを経て独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。



<ブログ内関連記事>

アルバイトのチームワーク

書評 『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(大宮冬洋、ぱる出版、2013)-小売業は店舗にすべてが集約されているからこそ・・・

アルバイトをちょっと長めの「インターンシップ期間」と捉えてみよう

日体大の『集団行動』は、「自律型個人」と「自律型組織」のインタラクティブな関係を教えてくれる好例


仕事のホンネ

書評 『夢、死ね!-若者を殺す「自己実現」という嘘-』(中川淳一郎、星海社新書、2014)-「夢」とか「自己実現」などという空疎なコトバをクチにするのはやめることだ
・・自発性を悪用しないよう!


マクドナルド関連

深夜のマクドナルドは「社会インフラ」である!-これがほんとの「社会貢献」ではないか?

日米親善ベース歴史ツアー」に参加して米海軍横須賀基地内を見学してきた(2014年6月21日)-旧帝国海軍の「近代化遺産」と「日本におけるアメリカ」をさぐる
・・米軍基地内のマクドナルドについて

プラクティカルな観点から日本語に敏感になる-藤田田(ふじた・でん)の「マクド」・「ナルド」を見よ!

世の中には「雑学」なんて存在しない!-「雑学」の重要性について逆説的に考えてみる
・・藤田田の代表作『ユダヤの商法』に書かれている「雑学」の重要性から話を展開





(2012年7月3日発売の拙著です)










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2012年9月18日火曜日

書評 『日本企業が欲しがる「グローバル人材」の必須スキル』(内永ゆか子、朝日新聞出版社、2011)-あくまでも「個」をベースに考えるとことが英語よりも大事


「日本企業が欲しがる」、「グローバル人材」、「必須スキル」、刺激的なキーワードの三連続がタイtルになってますね!

しかも、著者は語学学校の老舗ベルリッツのCEOで、前職は日本IBMでは初の女性取締役を歴任というキャリアの持ち主。本文は、日本語だけでなく、ところどころに英文が入るため、最初から最後まで「横組み」です。

しかし、この本は英語の勉強法を説いた本ではありませんグローバル時代に不可欠なマインドセットと世界標準の仕事のやり方について書かれた内容です。

ビジネスパーソンにとって必要なことは英語学習が目的ではなく、あくまでも英語をつかってビジネス・コミュニケーションを行うことによって、成果を出すことにあるのです。

しかも、英語じたいも、話し手がネイティブよりもノン・ネイティブが比率的には3:7と圧倒的になった時代、アメリカや英国をモデルにした英語学習は、時代の流れにはまったく合っていないのです。

もちろん英語も重要ですが、大事なことはあくまでも「個」をベースに考えるということ。たとえ会社や組織に属していても「個」をベースに考え、ネットワークも「個」を中心につくるのが当たり前となってきたのです。これが世界標準というべきでしょう。

そんな時代のパーソナル・ネットワーク構築には、豊富な「引き出し」が必要だという著者の発言には、おおいに我が意を得たりと思ったものです。

グローバルビジネスでは、パーソナル・ネットワークが重要になると書きました。パーソナル・ネットワークとは組織のポジション(肩書きや役職)に頼らない人間関係のことですから、ビジネス以外の引き出しをどれだけ豊富にもっているかも問われるわけです(P.85)。

拙著 『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』(こう書房、2012)を執筆していた時点では、本書の存在を知らなかったのが残念です。もし読んでいれば、「グローバル人材」養成という要素も「引き出し」を増やさなければならない理由の一つとして強調できたのではないかと思いました。基本的に、拙著に引用した藤田田(ふじた・でん)の発言と同じ趣旨を述べてますね。 ⇒ http://www.kou-shobo.co.jp/files/sample/1074.pdf 参照

つねに「なぜ?」という疑問をもち自問自答し、臆せず質問し、ロジカルに筋道たてて考えて発言をするという生活習慣をもつこと、これがグローバル社会のなかで生き抜くために絶対不可欠な「自分のアタマで考え抜くチカラ」をつくります。これはわたしがに書いたことと基本的に同じです。

著者は、男社会が優勢であるビジネス社会のなかで、日本IBMで女性初の取締役に就任した人ですが、その人がマイノリティであることのデメリットだけでなくメリットについて語っていることは、おおいに感銘を受けました。グローバル社会のなかでは、男性であっても日本人はあくまでもマイノリティなのですから。

海外勤務であろうがなかろうが、こういうマインドセットをもって生きていくことが、これからの時代のビジネスパーソンには不可欠なのです。

ぜひお読みいただきたい一冊として推奨いたします。





目 次

はじめに

プロローグ 「変わる」ことを恐れているヒマはない!

勝てるのは「カタストロフィック・ジャンプ」を起こした者だけ
悔しい経験が「大転換」を生んだ
自分次第でチャンスはいくらでもある時代

第1章 民族大移動-「あうんの呼吸」が通用しない!

「帰らざる橋」を渡りはじめた日本企業
M&A事業を担えるPMIリーダーを求む
TOEICのハイスコアよりマインドセットが大事
BOPビジネスにグローバル化のカギあり
欲しい人材は「世界に通用する経営者」だけ
外国人社員と対等に競える力を磨け
現場レベルで判断できるリーダー求む
海外への武者修行が奇抜な製品を生んだ
「家族以外はすべて変えよう」

第2章 内永流・世界と渡り合う人材になるための6つの条件

アクションが決まれば、あとはツールを磨くだけ
①「論理力」―「英語」を超える世界最強ツール
②ゼロベース・コミュニケーション-脱「あうんの呼吸」
③「違い」を理解する力
④「そこそこ」の英語力
⑤「自分」を語る力
⑥名刺なしで付き合える人脈

第3章 どこでも使える人材になるために

沈黙は「金」ではなく「禁」!?
ハイコンテクストvs.ローコンテクスト
「自分」を知ることが第一歩
「通じない」のが当たり前
「グッド・オールド・ボーイズ・ネットワーク」は過去の遺物

第4章「国際試合」の基本ルールを学ぼう

正しいトレーニングを選ぶ
3秒ルール
No bad question!
Be assertive!
エレベーターピッチ
Simple is the best!
DOs & DON'Tsリスト
「日常会話」をあなどるべからず

第5章 これが「使える」英語だ!-内永流・実践テクニック

明日から即使える、シチュエーション別ビジネス英語
会議を進行する-ファシリテーターに指名されても怖くない!
会議に参加する-アクティブ・コミュニケーターを目指そう
電話会議に出席する-苦手意識はこう克服するべし!
プレゼンテーションをする-ビジュアル・コミュニケーションのコツも学ぼう
交渉をする-いかに有利な条件を引き出すか

第6章 ブレない「個」を作る「強く」「早く」決断した者だけが生き残る

震災で外国人教師が
いっせいに帰国してしまった
揺らがない「軸」が決断を支える
「古典」と向き合うことから生まれる力
一風変わったセミナー
古典にグローバルリーダーのあり方を見る
長期的なロードマップを描く
グローバルチームの一員として生きる

エピローグ 「Execution」あるのみ!

4割でいいからやってみよう
行動に移してわかることがある

付録 APPENDIX

世界中どこにいても会話が弾む11のコツ
会議で扱いにくい参加者のタイプと、その対処法
電話会議(テレカンファレンス)のDOs&DON'Tsリスト
会議で必ず役立つキー・フレーズ
ファシリテーション(進行)に絶対役立つキーフレーズ
プレゼンテーションで必ず役立つキーフレーズ
ネゴシエーション(交渉)で必ず役立つキーフレーズ
POWER WORDS
ブレない軸を作る「古典」リスト


著者プロフィール
内永ゆか子(うちなが・ゆかこ)
ベルリッツコーポレーションCEO(最高経営責任者)、株式会社ベネッセホールディングス取締役副社長を兼務。1946年生まれ。1971年東京大学理学部物理学科卒業、同年日本IBMに入社。長年ソフトウエア開発にたずさわり、1995年に同社で初の女性取締役に就任。2008年4月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)


<ブログ内関連記事>

なぜ日本人現地派遣者の評価が現地で低いのか?-それは英語など語学以前の問題だ!






(2012年7月3日発売の拙著です)






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2011年8月3日水曜日

書評 『クルマを売りたいなら、クルマの話はやめなさい!』(高塚苑美、すばる舎、2011)-時代のキーワードは「共感」


時代のキーワードは「共感」。「価値観の共有」が信頼関係をつくり、お客様の財布を開かせることにもなる

 「成約率8割超 トップセールスウーマンの営業スタイル」と表紙に書かれています。

 イタリアの高級車アルファ・ロメオのトップディーラーである著者によって、女性のセールスパーソン向けに書かれた本ですが、男性が読んでも、いろいろと反省させられることも多いことに気がつかされます。

 大事なのは、タイトルそのものズバリ。自分が売りたい商品の話をしていては、モノやサービスは売れませんよ!ということですね。もちろん、商品説明は重要ですが、お客様の目線にたって、相手の「共感」を引き出さないとココロはつかめないということ。

 商品知識以外に、お客様が「共感」できる「共感ポイント」を「引き出し」として自分のなかに蓄えておくことが大事です。しかもその「引き出し」は、適切なときに、適切なしかたで出すことのできる能力が求められるということでしょう。

 「共感」というものは、たんなる感情の問題ではなく、人間関係をつくるためのマインドセットにかかわるものです。良好な人間関係をつくって、お客様の財布を開いてもらうためには、「共感ポイント」を見つけて、「価値観を共有」することです。それが「共感」を信頼関係にまでたかめる重要なことですね。

 自分をもっと出す、自分の体験をコトバにすること、「対話」に質問形式を入れるなど、やんわりと客様のホンネを引き出すための、具体的なスキルやテクニックが惜しげもなく語られています。

 「共感」がキーワードとなる時代ですが、男性の場合は、どうしても専門の話をオタク的にしがちな傾向があるのは否定できないと思います。

 本書でも、クルマが好きで仕方ないという男性がクルマのセールスの仕事についても、かならずしも成功しないという実例がでています。

 「好きこそものの上手なれ」というのは趣味の世界にはあてはまっても、結果を出すことが求められる仕事では、かならずしも通用しないのかもしれません。

 この本は、人間力とかそういう難しい話ではなく、相手からしてもらったらうれしい小さなことを積み重ねていくことが、信頼関係をつくりあげるうえでいかに大切かという、生きるうえで大切なことを気づかせてくれる本でもあります。

 「女性ならではの視点」といってしまうと、それで終わりになってしまいます。読者対象となっている女性セールスパーソンはもちろんのこと、男性もまたさりげない風を装って、本書から貪欲に吸収してみたらいかがでしょうか? 

 B2C(=一般消費者むけの消費財)販売に限らず、B2B(=法人向けビジネス)でも、基本はセールスパーソンとお客様との、人と人との関係です。さまざななセールシーンに応用可能な、対話スキルとマインドセットが書き込まれた一冊になっています。

 おすすめの一冊です。




目 次

はじめに
1章 売りたいなら、商品説明はNGです!-求められているのは「知識」じゃなく「共感」
2章 セールスポイントの代わりに、こんなアプローチ!-商品説明がなくても魅力は120%伝わります
3章 「どんなモノをお探しですか?」は、もうやめましょう!-“やんわり”とホンネを引き出す質問のコツ
4章 これだけで「お客様との関係」は180度変わる!-「ちょっとしたこと」が、距離をグッと縮める
5章 あなたの「見た目」も立派な商品です!-セールスパーソンは商品の広告塔
おわりに


著者プロフィール

高塚苑美(たかつか・そのみ)

1977年静岡県浜松市生まれ。フィアット・アルファロメオ浜松マネージャー。1999年同志社大学経済学部卒業後、単身ニュージーランドへ。2000年の帰国直前、数ヶ月のアルバイト気分で父の会社に入社。小さなフランス車ディーラーで「お留守番」を始める。半年後、月に10台販売したのをきっかけに、本格的にセールスを始める。以後、無名だった店舗の販売を立て直し、優秀ディーラー賞3年連続受賞を達成。2006年フィアット・アルファロメオ浜松へ配属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。



<関連サイト>

アルファロメオ オフィシャルサイト (日本語)


<ブログ内関連記事>

The Greatest Salesman In the World (『地上最強の商人』) -英語の原書をさがしてよむとアタマを使った節約になる!

【アタマの引き出し】のつくりかたワークショップ (2011年7月5日 19時 東京八重洲) を開催しました






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