昨日(7月5日)は、 【アタマの引き出し】のつくりかたワークショップ を東京・八重洲で予定通り開催いたしました。
ワークショップというものは、参加者のみなさんと一体になってつくりあげる「ライブ公演」のようなもの。おかげさまで、参加した皆様にとっても、たいへん充実した「体験」になったのではないかと思います。
全員に参加してもらったのは 2種類のワーク。「対面型のロールプレイイング」と「全員参加の連想ゲーム」。個人の「学び」とちがって集団での「学び」には、いわば集合知とでもよぶべきものが実現するものです。「人の振り見て我が振り直せ」とはややネガティブな表現ですが、他者からいいとこどりすると考えれば、集団での「学び」の本質をついたものだといってもいいでしょう。
この点については、ブログに書いた記事 ダイアローグ(=対話)を重視した「ソクラテス・メソッド」の本質は、一対一の対話経験を集団のなかで学びを共有するファシリテーションにある を参照していただけると幸いです。
初対面での最初の3分が勝負だと、心理学ではよくいわれていますね。初対面では、自分のアタマをフル回転して「引き出し」を駆使し、いかに相手から話を「引き出す」か。
世の中が複雑化し、趣味や価値観が多様化する現在、営業担当者もかつてのように、昨夜のナイター(・・プロ野球のことです)やゴルフの話題で、すべてが間に合うなんてことはありえません。どんな人とのあいだにも「共通点」を即座に発見し、「共感」するポイントを見つけるワザが必要とされるのです。
こういった「中身のある雑談」は、偶然の出会いが死命を決することすらある現代世界においては、営業担当者に限らず、必須のスキルやマインドセットといってもいいでしょう。
「アタマの引き出し」とは、通常は「引き出し」といっています。『大辞泉』によれば以下のように書かれています。
ひき‐だし【引(き)出し/▽抽き出し】
1. 引き出すこと。「預金の―」
2.(「抽斗」とも書く)机・たんすなどに取り付けて、抜き差しができるようにした箱。
3. 臨機応変に活用できる、隠れ持った多様な知識や豊かな経験のたとえ。「―が多く、どんな役でもこなせる俳優」
「アタマの引き出し」はいうまでもなく「3.」の意味のことですね。「2.」のタンスの引き出しが比喩的に私用されたものでしょう。
「アタマの引き出し」つくりは、エッセンスだけを抽出すると以下のようになるでしょうか?
●観察するクセをつける
●すぐに検索して調べるクセをつける
●アウトプットすることで、再生された記憶があらたに再編集された記憶として定着する
●違いよりも共通性に注目してアウトプットする
もちろん、これだけでは抽象的で理解しにくいでしょうし、「引き出し」つくりには、高速道はありません。
朝起きたら顔を洗うのと同じくらいまでに、無意識に実行してしまう「生活習慣」にしてしまうことが必要です。
これまでブログにも何度か書いていますが、昔ながらの格言にもあるように 「三日三月三年」(みっか・みつき・さんねん) たった段階で、効果が目に見えるものになってくるといっていいでしょうしょう。
なにごとも「継続はチカラなり」。地道にコツコツと。しかし、日々の取り組みが、三ヶ月後、三年後には大きな差となって現れてくるのは間違いありません。
日本では昨年2010年あたりから、ようやく「ハーバード白熱教室」のサンデル教授の授業が注目されたことがキッカケになって「参加型でダイアローグ重視のワークショップ」に関心が集まるようになってきましたが、まだまだワークショップが定着したとはいえない状況です。
次回のワークショップは、遠くないうちに開催する予定ですので、その際はぜひ御参加をご検討ください。
<関連サイト>
【アタマの引き出し】のつくりかたワークショップ(2011年7月5日実施)
<ブログ内関連記事>
NHK・Eテレ 「スタンフォード白熱教室」(ティナ・シーリグ教授) 第8回放送(最終回)-最終課題のプレゼンテーションと全体のまとめ
*以下は、姉妹編の「「アタマの引き出し」は生きるチカラだ!」にアップした記事です。ご参考まで。
【アタマの引き出し】のつくりかたワークショップ を開催します (2011年7月5日 19時 東京八重洲)
「ハーバード白熱教室」(NHK ETV)・・・自分のアタマでものを考えさせるための授業とは
ダイアローグ(=対話)を重視した「ソクラテス・メソッド」の本質は、一対一の対話経験を集団のなかで学びを共有するファシリテーションにある
「◆未来をつくるブック・ダイアログ◆『国をつくるという仕事』 西水美恵子さんとの対話」に参加してきた-ファシリテーションについて
「三日三月三年」(みっか・みつき・さんねん)
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