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2015年11月27日金曜日

書評 『もしもあなたが「最高経営責任者」ならばどうするか? vol.1』(ビジネス・ブレークスルー大学総合研究所、大前研一=監修、Next Publishing、2015)-現在進行形の課題を CEO の立場に立って考え抜く


本書は、大前研一氏がみずから主宰するネット上のビジネスブレークスルー大学で実践してきたケーススタディの総集編の第一巻として出版されたものだ。

取り上げられているのは、The Coca-Cola Company、ローソン、NTT、UBER、任天堂、東京ガス、沖縄県、イオングループである。米国のベンチャーのUBER(ウーバー)と沖縄県以外は、ビジネスパーソンなら誰もが知っている有名企業である。

「もし自分がその企業の最高経営責任者であったらなら・・」という想定は、評論家ではなく、当事者として、責任者として、自分ならこの状況はこのように整理して、このように構想を練って、その構想を実現するために動くというサイクルを「頭で汗をかく」ことによって実行することを意味している。

だが本書掲載のケースはいずれも、公開情報にもとづいて作成されているため、どうしても情報量の多い大企業が中心である。こういった大企業の CEO となることは、残念ながら、たいていのビジネスパーソンにとっては、確率的にみてきわめて小さなものである。とはいえ、こういう思考訓練もたまにはいいかもしれない。

「解を見つけることが目的ではない、考えに考えた末に「自分なりの結論を出す」ことが重要なのであり、その積み重ねによって問題解決力が磨かれてゆくのである」、と大前氏は説く。

とはいいながらも、おそらく多くの人はすぐに解答を見てしまいたいという誘惑に打ち勝てないのではないだろうか? 本書でいえば「まとめ」に提示された戦略案である。だが、解答をみてから、その解答にあてはまるものを問題文から発見するという受験秀才型の方法は、ケーススタディ型の学習においては無用どころか有害である。

なぜなら、ケーススタディはあくまでも素材であり、それ自体が解答ではないからだ。素材をどう解釈して自分なりの解答を出したとしても、そもそもビジネスには唯一絶対の正解があるわけではないので、じっさいにyってみない限り、自分の考えが正しいかどうかを検証することが難しいのだ。したがって、ケーススタディほど自習に不向きなものはない。

だからこそ、ハーバード・ビジネススクールを筆頭に、ケーススタディはあくまでもグループ・ディスカッションとクラス・パティシペーション(=授業への積極的な参加と発言による貢献)が求めているのである。自分のアタマで考え抜いたことも、他者による解釈を聞くことによって修正を余儀なくされるのである。そしてそのうえで、さらに自分の考えを磨きぬいて授業に臨む。これがあるべきケーススタディ型授業である。

だが、そうはいっても、なかなか理想的なケーススタディの授業に参加することは難しい。しかも、大半のビジネススクールでは過去のケースが取り上げられている。この現状に意義を唱え、リアルタイムで進行するビジネスそのものを題材にしたケーススタディの授業が重要だと主張してきたのが大前研一氏である。

また本書は、NextPublishing によるオンデマンド(ペーパーバック)版である。リアルタイム性ということであれば、本書出版時点で、すでにすべてのケースがリアルタイムではない。それぞれのケースについて、読者はケース作成後の情報をすでに知りうる立場にあるからだ。

その意味では、本書に収録されたケースも、完全な意味ではリアルタイムに進行するものではない。それでも過去の干からびた事例の復習とは、まったく異なるものであり、おおいに意義はある。

本書のケーススタディでは内部資源についての情報がないので、あくまでも事業戦略にかんするものだろ認識したうえで取り組んでみるべきだろう。たとえすばらしい戦略であっても、絵に描いた餅に終わってしまうことが多々あるのは、よくあることである。思考訓練として取り組む教材と捉えるべきである。





目 次
はじめに
本書について
本書収録ケーススタディについて
CaseStudy1 あなたが The Coca-Cola CompanyのCEOならばどうするか?
CaseStudy2 あなたが ローソンの社長ならばどうするか?
CaseStudy3 あなたが NTTの社長ならばどうするか?
CaseStudy4 あなたが UBERのCEOならばどうするか?
CaseStudy5 あなたが 任天堂の社長ならばどうするか?
CaseStudy6 あなたが 東京ガスの社長ならばどうするか?
CaseStudy7 あなたが 沖縄県知事ならばどうするか?
CaseStudy8 あなたが イオングループCEOならばどうするか?
書籍特典
ビジネス・ブレークスルー大学について


<関連サイト>

ビジネスブレークスルー大学の教育メソッド Real Time Online Case Study (略称RTOCS®)について
・・「経営者としての問題解決力を向上させる教育メソッド Real Time Online Case Study (略称RTOCS®)とは、国内外のリーダーが取り組んでいる現在進行形の課題をケースとして取り上げ、「自分がその組織のリーダーであればどのような決断を下すか」を経営者の視点で考察し、「意思決定」に至る力を鍛える教育メソッド」



<ブログ内関連記事>

What if ~ ? から始まる論理的思考の「型」を身につけ、そして自分なりの「型」をつくること-『慧眼-問題を解決する思考-』(大前研一、ビジネスブレークスルー出版、2010)

慶応大学ビジネススクール 高木晴夫教授の「白熱教室」(NHK・ETV)

書評 『ハーバードの「世界を動かす授業」-ビジネスエリートが学ぶグローバル経済の読み解き方-』(リチャード・ヴィートー / 仲條亮子=共著、 徳間書店、2010)

put yourself in their shoes 「相手の立場になって考える」



(2012年7月3日発売の拙著です)







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2015年11月15日日曜日

書評 『仁義なき宅配-ヤマト vs 佐川 vs 日本郵便 vs アマゾン-』(小学館、2015)-宅配便の「送料無料」は持続可能なビジネスモデルか?



物流を専門分野にするジャーナリスト横田増生氏の新作『仁義なき宅配-ヤマト vs 佐川 vs 日本郵便 vs アマゾン-』(小学館、2015)を読んだ。

この本はじつに面白い。物流(=ロジスティクス)ほどリアルビジネスにとって重要な機能であるのにかかわらず、当事者を除けば一般的な関心が低く、そのためあまり書かれることのない分野はほかにないからだ。

これまで著者が発表してきた『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』や『ユニクロ帝国の光と影』は、物流そのものではなく、ビジネスモデルのなかに物流を組み込んでいる企業であった。だが、最新刊の『仁義なき宅配』においては副題にあるとおり、業界二強のヤマトと佐川急便、そして復活してきた日本郵便に焦点をあてて深堀りしている。

この本を読むと、アマゾンを代表とする「送料無料」モデルの業者が求める過酷な競争条件が運賃低下をもたらし、そのしわ寄せが現場に集中していることが手に取るようにわかる。運賃の低価格化は、現場労働者の賃金低下をもたらすのである。宅配便のドライバーや、配送センターの仕分け作業員の現場が疲弊する理由はここにある。

このままでは「宅配便」という社会インフラが持続可能でなくなるばかりか、「送料無料」を前提にしたビジネスモデルが見直しを図られることが間違いない。

この本に書かれている実態を知れば、誰もがそう思うのではないか? 著者自身、ヤマトの「羽田クロノゲート」にアルバイトとして1ヶ月間夜勤で働いている。企業礼賛を目的とした提灯本とはまったく異なる結論が、この潜入取材から導き出されている。

ビジネスパーソンだけでなく、宅配便を利用する側の消費者にとっても、読むに値する内容であるといってよいだろう。




目 次

まえがき
第1章 迫り来る "宅配ビッグバン"
第2章 佐川「下請けドライバー」同乗ルポ
第3章 「風雲児」佐川が成り上がるまで
第4章 ヤマトはいかにして「覇者」となったか
第5章 日本郵便「逆転の独り勝ち」の真相
第6章 宅配ドライバーの過労ブルース
第7章 ヤマト「羽田クロノゲート」潜入記
終章 宅配に "送料無料" はあり得ない
あとがき


著者プロフィール

横田増生(よこた・ますお)

1965年福岡県生まれ。アイオワ大学ジャーナリズムスクールで修士号。1993年に帰国後、物流業界紙『輸送経済』の記者、編集長を務め経済の水脈とも言える物流から企業を調査・評価するという技術と視点を身につけた。1999年10月にフリーランスに。2005年に発表した『潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影』ではアマゾンの物流センターで半年間実際に働き、ウェブ時代における労働の疎外を活写して話題になった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。





<関連サイト>

著者は語る(週刊文春) 物流業界の光と影 『仁義なき宅配 ヤマトvs佐川vs日本郵便vsアマゾン』 (横田増生 著)


<ブログ内関連記事>

書評 『ユニクロ帝国の光と影』(横田増生、文藝春秋社、2011)-ユニクロのビジネスモデルを物流という観点から見たビジネス・ノンフィクション

書評 『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(大宮冬洋、ぱる出版、2013)-小売業は店舗にすべてが集約されているからこそ・・・

『JAL崩壊-ある客室乗務員の告白-』(日本航空・グループ2010、文春新書、2010) は、「失敗学」の観点から「反面教師」として読むべき内容の本




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