「個」と「組織」それぞれの能力を向上し、「個」と「組織」のよりよい関係を築くために
                                    

NHK World (英語版 視聴料フリー!)

NHK World (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックすると、海外向け英語放送が24時間が流れるサイトにつながります。

Channel NewsAsia International (英語版 視聴料フリー!)

Channel NewsAsia International (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックするとシンガポールからの英語ニュースが24時間流れるサイトにつながります。

Al Jazeera English: Live Stream (英語版 視聴料フリー!)

Al Jazeera English: Live Stream (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックすると中東カタールからの英語ニュースが24時間流れるサイトにつながります。

Bloomberg TV (英語版 視聴料フリー!)

Bloomberg TV (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックすると、24時間ビジネス経済情報が英語で流れるサイトにつながります。

「アタマの引き出し」は生きるチカラだ!(姉妹編ブログ)

「アタマの引き出し」は生きるチカラだ!(姉妹編ブログ)
「専門知識」×「雑学」がビジネス思考の「引き出し」幅を拡げる! 最新投稿は画像をクリック!

MVVの3文字で、個人と組織にブレない軸とブランドをつくる!

MVVの3文字で、個人と組織にブレない軸とブランドをつくる!
このブログの執筆者が運営している facebookページです。

「日本型リーダーシップ」の基本は山本五十六にあり!

「日本型リーダーシップ」の基本は山本五十六にあり!
「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」 には続きがあった!





東南アジア・ビジネスは背景をよく知ってから!

■■■■ 「ミャンマー再遊記」 全8回+α ■■■■
 総目次はここをクリック!
■■■■ 「三度目のミャンマー、三度目の正直」 全10回+α ■■■■
 総目次はここをクリック!
■■■■ 「タイのあれこれ」 全26回+番外編 (随時増補中) ■■■■
 総目次はここをクリック!



会社ウェブサイトは
 http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。   


  

2015年3月30日月曜日

大塚家具という「上場企業」におけるガバナンスについて考えてみる-「資本と経営の分離」ということ


大塚家具のプロキシーファイト(=株主総会における議決権委任状争奪戦)でありますが、2015年3月27日の株主総会において、娘が父親に勝利したという結論になったことは、すでにみなさんもご存じのことでありましょう。
   
本来ならお固いはずの経営問題が、父娘対決という一般人にもわかりやすいワイドショーネタとなってしまってましたからね。
    
個別企業の内部問題についてコメントすることはするつもりはありませんが、問題の本質は、上場企業におけるコーポレート・ガバナンス(=企業統治)にあることが重要です。『会社四季報』の出版元である東洋経済新報がはやくからスクープを飛ばしていたのは、そのためでもあります。株価に影響がでますからね。
    
わたくしは同族企業が問題であるとはまったく考えておりません。世襲も問題とは勧化手降りません。

ただし、株式を公開していながら同族企業でありつづけることには問題があると考えます。たとえ非公開でもあっても企業は「社会の公器」でありますが、株式を市場で公開しているのであれば、「公器」としての性格はさらにつよく求められるのは言うまでもありません。
    
その昔、「ビジネスマン養成大学」(・・当時は女子学生比率はまだまだ低かった)に通っていた大学一年のとき、『経営史』の授業で徹底的にたたき込まれたのが、「資本と経営の分離」の重要性です。近代経営においては、資本を提供する株主とは別個に、専門経営者が必要となったという歴史的事実についてです。
   
上場企業の経営者には、同族であろうとなかろうと、プロの経営者であることが求められる。そしてその経営者を監視するのが株主であり、その株主による経営陣監視の執行機関が株主総会である。株主の立場から経営者を監視するのがコーポレート・ガバナンス(=企業統治)というものである、と。
  
日本でコーポレート・ガバナンスの重要性が浮上してきたのは1990年代に入ってからですので、それ以前の創業経営者のなかには、たとえ上場企業の社長であっても、この意味が感覚的にわからない人がいるのも否定できない事実です。それ以前は、株主ではなく融資元である金融機関が実質的にガバナンスの役割を果たしていましたが、直接金融の発達で上場企業においては銀行の役割が縮小してしまいました。
   
したがって、創業経営者で父親である大塚勝久氏と、コーポレート・ガバナンスのなんたるかを熟知している娘の大塚久美子氏とでは、たんなる親娘対立や世代間格差だけではない、本質論にかんする認識の違いがあるといっていいかもしれない。
   
わたしは株主ではありませんが、株主の立場からみれば今回の一連の騒動で傷ついたブランドを回復し、業績を成長軌道に乗せることを期待していると思います。ですから、これからが「本番」なわけですし、株主の期待を裏切らないことが求められるわけです。事業戦略の内容と実行の問題ですが、はたして IKEA と同じ土俵で戦えるのかどうか?
  
ちなみに大塚家具の大塚久美子社長は、学部は違いますが、わたしとは大学とは同窓の後輩にあたる人です。直接会ったことはないので、人となりまでは知りませんが、、「資本と経営の分離」の意味については、世代的にみてかなりはやくから意識していたとしても不思議ではないでしょう。
   
今後、どういう展開を見せるのか、ワイドショーネタとは違う観点から注視してきたたいと考えております。  






<関連記事>

大塚家具社長の大塚久美子氏のインタビュー記事が、大学の広報誌に掲載されてます。そういえばむかし読んだ記憶があったなあとネットで調べてみたらありました。 「個性は主張する One and Only One 株式会社クオリア・コンサルティング代表取締役/大塚久美子氏」(『HQ』Vol13)。いま10年くらい前の2006年(平成18年)年のものです)。ウェブ上で Pdf ファイルで公開されているので、ご関心のある人は、43ページ以降をご覧いただきたく。


<関連サイト>

大塚久美子社長・勝久前会長に経営学者が伝えたい4つのこと 同じ問題は、明日どの会社でも起こり得る (入山章栄、日経ビジネスオンライン、2015年3月30日)

ファミリービジネスで気づいた日本の“偏見”-見方を変えると、異なる風景が見えてくる (御立尚資、日経ビジネスオンライン、2014年4月14日)
・・ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の日本代表による記事。日本の大企業サラリーマン諸氏は、世襲が当たり前のファミリービジネス(同族企業)として偏見をもっている人も少なくないようだが、世界的にみればそれは非常識であることが理解できるだろう

大塚家具騒動で、一体誰が得をしたのか?  父と娘の争いから1年、騒動の本質が見えてきた (磯山友幸、日経ビジンスオンライン、2016年3月30日)


シリーズ 星野佳路と考えるファミリービジネス 

「家族経営」が日本を支えている (星野佳路、日経ビジネスオンライン、2014年2月13日)

後継者はどのように「生まれる」のか-日本交通の川鍋一朗社長との対談で考える (星野佳路、日経ビジネスオンライン、2014年2月20日)

社内の「予想以上」の状況を改革 日本交通の川鍋一朗社長との対談で考える(2) (星野佳路、日経ビジネスオンライン、2014年2月27日)
星野: ファミリービジネスを継いでいる若い経営者に聞くと、入ってからおとなしくなる人が意外なくらい多い。親の言うままにやっていては、「いつか変えてやろう」という気持ちもなくなります。後継者は最初からある程度リスクを取っても「変える気概」を持つべきです。そうでなければ、若い世代が入っても、新しいエネルギーになりません。
川鍋: 私のように3代目になると、創業者がつくったビジネスモデルの有効期限が切れているケースがあります。それだけに、ファミリーで培ったことを生かしながら、変革への強い意志を持って付加価値を追加することが必要になってきます。
星野: ファミリーで培ってきた強さに依存しているだけでは、事業を継ぐ立場として、責任を果たせません。大事なのはやはり、「自分の代で何を変えてやろうか」ということだと思います。そうした意識があれば環境をうまく生かせるし、世襲に対して、周りの納得感は高まります。変革マインドは大事だと思います。

同族経営の承継ではハードな世代交代を恐れてはいけない (星野佳路・星野リゾート代表、習慣ダイヤモンドオンライン、2015年12月28日)

(2016年3月30日 情報追加)





<ブログ内関連記事>

「世襲」という 「事業承継」 はけっして容易ではない-それは「権力」をめぐる「覚悟」と「納得」と「信頼」の問題だ!

書評 『跡取り娘の経営学 (NB online books)』(白河桃子、日経BP社、2008)-「跡取り娘」たちが背負う日本の中小企業の未来

書評 『ホッピーで HAPPY ! -ヤンチャ娘が跡取り社長になるまで-』(石渡美奈、文春文庫、2010 単行本初版 2007)

書評 『渋沢栄一 上下』(鹿島茂、文春文庫、2013 初版単行本 2010)-19世紀フランスというキーワードで "日本資本主義の父" 渋沢栄一を読み解いた評伝

IKEA (イケア) で北欧ライフスタイル気分を楽しむ-デフレ時代の日本に定着したビジネスモデルか?
・・ライフスタイル・ビジネスの IKEA が日本で普及した現在、家具の小売りビジネスは?




(2012年7月3日発売の拙著です)










Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは
http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。


禁無断転載!




end

2015年3月27日金曜日

書評 『督促OL修行日記』(榎本まみ、文春文庫、2015)-つらい仕事も「修行」と捉えれば乗り切れる!


『督促OL修行日記』(榎本まみ、文春文庫、2015)という本が面白いので「一気読み」してしまいました。
     
この本でいう「督促」とは、債権回収のために、支払い延滞客に電話でする督促のことです。就職氷河期にやっと決まった信販会社で、新卒として最初に配属されたのが督促コールセンター。「花のOL」とはほど遠い世界ですが、会社組織ですから新人に配属先は選べません。
  
電話による督促は、対面ではなく、声だけがたよりのコミュニケーション。督促したからといって、そうすんなりと払ってくれるわけではないので、おおいに苦労するわけです。この本には、著者が体験した多種多様な事例がでてきますが、多重債務者や支払困難な顧客からは罵詈雑言をあびせられ、ほとんどクレーマーのような内容もきわめて多い世界であることがわかります。
  
この本の著者は、もともと気弱で、苦労もハンパではなかったようです。ですが、なんとかその世界でサバイバルできただけでなく、年間2,000億円の債権回収も可能にしたとのこと。そのノウハウとはいったいどんなものなのか? そのディテールが、具体的に書かれています。
  
仕事をつうじて成長するフツーの女性の物語であり、苦痛と思える仕事も、どうやったらそのなかでサバイバルできるかという仕事術にもなっています。クレーム対応の本でもあり、コミュニケーション下手で苦労している人にとっての実践的アドバイスが「督促OLのコミュ・テク!」としてまとめられています。
   
ビジネス書として売り出しているわけではないのに、つまらないビジネス書より、はるかに面白い! テレビドラマ化したら面白いのでは?  
   




目 次

01 ここは強制収容所?
02 "ブラック部署” の紅一点!
 督促OLのコミュ・テク! その1 約束日時は相手に言わせる
03 ストーカー疑惑と襲撃予告
 督促OLのコミュ・テク! その2 「おカネ返して!」と言わずにおカネを回収するテクニック
04 謎の奇病に襲われる…
 督促OLのコミュ・テク! その3 いきなり怒鳴られた時に相手に反撃する方法
05 自分の身は自分で守る
 督促OLのコミュ・テク! その4 厳しいことを言う時のツンデレ・クロージング
06 N本、大抜擢される
07 自尊心を埋める
 督促OLのコミュ・テク! その5 クレームには付箋モードで反撃
08 濃すぎる人間修行
 督促OLのコミュ・テク! その6 「謝ればいいと思ってんだろ!」と言われない謝り方
09 センパイ武勇伝
 督促OLのコミュ・テク! その7 「ごめんなさい」と「ありがとうございます」の黄金比
10 合コンサバイバル
 督促OLのコミュ・テク! その8 声だけ美人になる方法
11 仕事からもらった武器と盾
おわりに
文庫版あとがき
参考書籍リスト
解説 佐藤優


著者プロフィール

榎本まみ(えのもと・まみ)
新卒で信販会社に入社し支払延滞顧客への督促を行うコールセンターに配属される。クレジットカードの回収部門にて300人のオペレーターを指示し、年間2000億円の債権を回収。現在も某金融機関のコールセンターで働く傍ら、電話オペレーターの地位向上のため活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。





<関連サイト>

督促(トクソク)OLの回収4コマブログ (著者のブログ)
・・「コールセンターで働くOLのブログ。世の中に「督促」という言葉が広まればいいなぁと活動中。 エッセイ『督促OL 修行日記』(榎本まみ/文藝春秋)。コールセンター専門誌・コンピューターテレフォニ―にて4コマ漫画連載中です」


<ブログ内関連記事>

書評 『「怒るお客様」こそ、神様です!-クレーム客をお得意様に変える30の方法-』(谷 厚志、徳間書店、2011)-「対話をつうじた問題発見」こそ、クレーム対応の要

書評 『仕事漂流-就職氷河期世代の「働き方」-』(稲泉 連、文春文庫、2013 初版単行本 2010)-「キャリア構築は自分で行うという価値観」への転換期の若者たちを描いた中身の濃いノンフィクション

書評 『修羅場が人を磨く』(桜井章一、宝島社新書、2011)-修羅場を切り抜けるには、五感を研ぎ澄ませ!




(2012年7月3日発売の拙著です)









Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは
http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。


禁無断転載!




end

2015年3月26日木曜日

東大の「体力」? 「体力」の東大?-商品名は「体力式アミノ酸ゼリー」という「東大サプリメント」


東京駅前に再開発で建設された日本郵政の本社ビル KITTEのなかに東京大学総合研究博物館があります。別名インターメディアテク
   
東大が明治時代初期の開校以来収集してきた「お宝」が展示されたすぐれもののミュージアム。入場無料!
  
今週日曜日に立ち寄った際にミュージアムショップで見つけたのが「東大サプリメント」。商品名は「体力式アミノ酸ゼリー」
  
「東大で体力? 知力の間違いじゃないの??」と突っ込みを入れたくなりますがが、中身はりんご果汁の入ったゼリー飲料でした。とくに効能があるのかどうかは、よくわからずじまいでしたが・・。
   
ミュージアムショップにはそのほか、ミドリムシで有名なユーグレナのクッキーや、資生堂と共同開発した化粧品なども販売されていいました。最近は「近大マグロ」など、大学発ベンチャーも少なくありませんが、「東大サプリメント」は売り方をもっと工夫したらいいいのに、と思います。
  
「東大で知力は当たり前! 生きるチカラの源は体力ですよ、体力!!!」てなコピーで、東大応援部でも出演させたらいいのに、と。

大学ブランドによる商品開発は、ますます活発になりそうですね。



<関連サイト>

「東大サプリメント 体力式アミノ酸ゼリー」 (公式販売サイト)


<ブログ内関連記事>

大学ブランドというプライベート・ブランド(PB)商品について-玉川学園の「抹茶アイス」は新製品!






(2012年7月3日発売の拙著です)









Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは
http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。


禁無断転載!




end