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2013年3月15日金曜日

書評 『MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み-リーダーはたった3つの武器があればいい-』(若林計志、PHPビジネス新書、2013)-マネージャーは「行動」「結果」「環境」の3つのポイントを押さえて行こう!



マネージャーという名称の有無にはかかわらず、ポジションとして部下のうえに立つ人は、部下を適切にコントロールすることによって成果をあげることが求められます。もちろん、組織人ではなくてもプロジェクトチームの長であれば同じことです。

帯には、「放任か、スパルタ、どちらが正解・・・・?」と書かれていますが、もちろんこれはレトリカル・クエスチョンですね。答えはそのどちらでもありません。もうそろそろ、こういう設問じたいするのは止めましょう。

 『MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み-リーダーはたった3つの武器があればいい-』(若林計志、PHPビジネス新書、2013)は、その意味では、マネジメントの世界ではあたらしい考えにもとづいた、プロフェッショナル・マネージャーのための「人を動かす方法論」といえるでしょう。

著者は、オンラインMBAプログラムの総責任者とつとめた人ですが、「マネジメント・コントロール」という授業がもっとも人気のある講座であったと本書のなかで語っています。マネジメント・コントロールというのは、わたしがアメリカのビジネススクールで学んだ1990年前後にはまだなかった概念です。それだけ、あたらしくて効果のある内容なのでしょう。

マネジメントとコントロール、そしてシステムという、いっけん似たような、でもまったく異なる意味をもつコトバが連なったマネジメント・コントロール・システム(MCS)ですが、大きくわけて以下の3つの構成要素から成り立っています。

① 行動コントロール(Action Control)
② 結果コントロール(Result Control)
③ 環境コントロール(Personnel & Cultural Control)

誰がやっても同じ結果が出せるような「行動コントロール」、これはマニュアルによる管理などが該当します。教え込む必要があるものです。最低限の仕事に手順やルールは教え込んでできるよになってもらわないといけません。

目標となる成果や結果を設定し、やり方は個人個人にまかせるのが「結果コントロール」。これはある程度まで自分をコントロールできるレベルの人に適用さfれるものですね。

しかし、そのいずれにおいても大事なのが「環境コントロール」。日本語では「環境」となっていますが、英語では分解して Personnel(人にかんするもの)と Cultural(文化)にかんするもの、つまりは組織風土や、経営理念、責任権限など経営そのものにかかわる各種ルールによるコントロールのことをさしています。

マネージャーは、まずは「行動コントロール」型の指導によって部下にやり方を教え込み、自信をつけさせることが大事ですね。結果でコントロールするのはその次の段階と考えなくてはいけません。

戦略は策定しただけでは絵に描いた餅で終わってしまうことが多いもの。戦略は実行されてこそ成果につながります。そして、その担い手はマネージャーですね。

だからこそ、マネージャーが組織の中核として部下を適切にコントロールすることが求められるわけですし、そのための方法論がきわめてスッキリした形になっていると、自分で理解してツールとして使いこなすことも容易になるわけです。

本書は構成じたいがきわめてロジカルに設計されていますので、そのままアタマから読んでいってもいいですし、ある程度まで経験をつんだマネージャーであれば、第1章と第2章を読んだうえで、第6章で3つのコントロールの組み合わせ方を押さえ、必要ならそれぞれのコントロール方法についての詳細を読むという読み方もいいかもしれません。もちろん実践編も忘れずに。

いまの時代の日本企業のマネージャーが置かれている状況を熟知したうえで書かれた実用書ですので、多くの人に参考になる良書といってよいでしょう。

できればマネジャーやマネージャー候補の人はもちろん、マネージャーをつかう立場にある経営者が読めば、マネージャー指導のうえで得るものの多い本だと思います。


P.S. この書評は、R+(レビュープラス)さまより献本をいただいて執筆したものです。







目 次

はじめに
第1部 人を動かす3つの力
 第1章 自由かスパルタか 永遠のテーマに終止符を打つ
 第2章 なぜ今、マネジメントコントロールが必要か
 第3章 行動コントロール
 第4章 結果コントロール
 第5章 環境コントロール
 第6章 プロフェッショナルマネージャーの仕事
第2部 実践編
 第7章 成功企業に学ぶマネジメントコントロール
おわりに 自分自身をコントロールする


著者プロフィール  

若林計志(わかばやし・かずし)
米・オルブライト大学卒。政策シンクタンク(ワシントンDC)のインターンを経て、日本紛争予防センターで国際地域紛争にかかわる。その後、株式会社ビジネス・ブレークスルーで、海外オンラインMBAプログラム(豪ボンド大学大学院とのパートナープログラム/Bond‐BBT MBA)の設立、大前研一教授の「経営戦略」のティーチングアシスタントなどを担当。2001年から10年以上に渡り、同MBAプログラムの総責任者を務めた後、株式会社フローワンを設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。




<ブログ内関連記事>

書評 『プロフェッショナルを演じる仕事術』(若林計志、PHPビジネス新書、2011)-「学ぶとは真似ぶなり」という先人の知恵を現代風にアレンジした本

書評 『採用基準-地頭より論理的思考力より大切なもの-』(伊賀泰代、ダイヤモンド社、2012)-日本人に必要なものはリーダーシップの実践能力だ

『モチベーション3.0』(ダニエル・ピンク、大前研一訳、講談社、2010) は、「やる気=ドライブ」に着目した、「内発的動機付け」に基づく、21世紀の先進国型モチベーションのあり方を探求する本





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2013年3月12日火曜日

『伝え方が9割』(佐々木圭一、ダイヤモンド社、2013)-コトバのチカラだけで人を動かすには



モノでつるのではない、表情や派手なジェスチャーで注目を集めるのでもない。
コトバだけで相手の気を引きつけ、動かすことができる。

そんな技術があるのですね。しかもすごくシンプルな!

『伝え方が9割』(佐々木圭一、ダイヤモンド社、2013)。この本は、そんなシンプルな技術について書かれた実用書です。

著者は広告代理店の現役のコピーライター。数多くの賞も受賞しています。
ところが、そこに至るまでの苦労話が面白い。

コミュニケーションが不得意なので理系に進学、卒業後は広告代理店に就職、いきなりコピーライターに部署に配属されてしまってからは苦難の連続。そんな人が、もがきながら発見した法則を十数年の実戦のなかで磨き上げたものです。

なにごともシンプルであればあるほど美しい。
シンプルであるから、誰にでも応用できる。

とはいえ、シンプルな基本技であるからこそ、わかったつもりになりがちなもの。カラダにしみこませるまで練習しないと、ほんとに身に付くものとはならない。だからわたしも、手元においておきますよ。読み捨てにしたのでは、もったいない。

ビジュアル重視の時代だからこそ、ビジュアルに頼らないでコトバのチカラを磨けば、それこそ鬼に金棒といっていいでしょう。

コトバのチカラだけで人を動かす。口頭のコミュニケーションがつかえないメールやSNSなどが主流になってきたいまのような時代には、今後ますます必須のスキルとなるでしょう。

わたしもこの本に書かれたことを繰り返し応用していきますよ。
「コトバのチカラだけで人を動かす」、そんな人になりたいですからね。





<ブログ内関連記事>

書評 『小泉進次郎の話す力』(佐藤綾子、幻冬舎、2010)-トップに立つ人、人前でしゃべる必要のある人は必読。聞く人をその気にさせる技術とは?

「人生に成功したければ、言葉を勉強したまえ」 (片岡義男)

書評 『「言語技術」が日本のサッカーを変える』(田嶋幸三、光文社新書、2007)

書評 『外国語を身につけるための日本語レッスン』(三森ゆりか、白水社、2003)-日本語の「言語技術」の訓練こそ「急がば回れ」の外国語学習法!

書評 『言葉にして伝える技術-ソムリエの表現力-』(田崎真也、祥伝社新書、2010)






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2013年3月4日月曜日

最高の「ナンバー2」とは?-もう一人のホンダ創業者・藤沢武夫に学ぶ


「ナンバー1」を目指すのはすばらしいことです。どんな小さな分野でも一番になれば自信がつきますし、極めれば第一人者としてリスペクトされるようになります。

ここでいう「ナンバー2」とは、その意味ではありません。二番手に甘んじろといっているわけではけっしてありません。

トップがいればそのつぎのポジションにつく者がいる。それを営利であれ、非営利であれ、「組織の「ナンバー2」といいます。参謀や補佐役、右腕とよばれることもあります。

戦国時代の軍師や政治の世界はさておき、経営の世界でいえば、なんといってもホンダの藤沢武夫氏(故人)が最高の「ナンバー2」といっていいでしょう。むかしから尊敬してやまない人です。

ホンダの創業経営者の一人ですが、本田宗一郎という天才エンジニアにほれ込み、その能力を完全に「引き出し」てあげたいという思いから、あえて「ナンバー2」のポジションを25年間まっとうしたすばらしい経営者。

聞き書きを一冊にした 『経営に終わりはない』(文春文庫、1998 初版 1986) は、ぜったいに読むべきビジネス書として筆頭にあげたいもの。

その以前に出版された 『松明(たいまつ)は自分で持て』(PHP、2009 初版 1974)と内容はかなりかぶりますが、どちらか一冊はかならず読んでおきたいものです。

とくに創業期においては、「ナンバー1」は突出した能力やとんがったものがあれば、多少の欠点はあってもかまわないのですが、かならず優秀な「ナンバー2」をもっていることが必要です。そういう存在がいれば、なんども訪れる難局はかならず乗り切れるものです。

藤沢武夫氏は、技術以外の財務や販売など経営にかかわることはすべて引き受けて、「ナンバー2」に徹し切った経営者です。本人も述懐しているように、経営者としては本田宗一郎よりもうえであったのにかかわらず、あえて「ナンバー2」に徹したところがすごいのです。抑制力、あるいは自己コントロールのできる人だったのでしょう。

わたし自身も「ナンバー2」を約7年間やりました。野球でいえばピッチャーではなくキャッチャーのポジションに近いかもしれないなと思いました。華やかではないものの、きわめて重要なポジションです。そういえば、野村克也監督もキャッチャーでしたね。

多くの日本企業で、意識的に「ナンバー2」のポジションをつくってほしいいものだとつよく思います。

とはいっても、人間には相性というものがありますので、なかなかにしてむずかしいものがありますが。わたしも、うまくいっていない例はさんざん見てきました。

wikipedia には以下のようなエピソードがありますので紹介しておきましょう。

舞台や音楽鑑賞を趣味とした藤沢に対し、本田はゴルフなどの行動的な趣味を持っていた事から、不仲説が浮上したことがあった。しかし当人たちは、互いが当時住んでいた地名の「下落合」(本田)、「六本木」(藤沢)と呼びあうなど良好な関係だった。「いつも手をつないで一緒にいるのを仲良しとは呼ばない。私達は離れていても、今この瞬間、相手が何を考え、どうするかが、手に取るように分かる。」とも語っている。

「いつも手をつないで一緒にいるのを仲良しとは呼ばない・・」。耳を傾けるべきではないでしょうか。

藤沢武夫氏自身は、創業から最初の2年間ほどは徹底的に話こんでいたが、そのあとはほとんど一緒にいることはなくても問題なかったと語っています。徹底的に権限移譲を進め、経営上の大きな問題が起こったときには経営者が全面にでるわけです。

本田宗一郎+藤沢武夫のコンビは稀有な組み合わせかもしれませんが、一つの「理想形」として知っておくことが重要なのです。「ナンバー2」は、藤沢武夫をベンチマークとしながら自らの言動を省みることができるからです。

まずはぜひ『経営に終わりはない』 『松明(たいまつ)は自分で持て』 のいずれか一冊には目を通していただきたいと思う次第です。






『経営に終わりはない』  目 次

1 生命をあずかる仕事
2 思いがけぬ危機
3 本業以外に手を出すな
4 万物流転の法則
5 経営者の心構え
6 模索と学習の日々
7 たいまつは自分で持て
8 海のむこうへ
9 頭の切り替え
10 本田かぶれ





『松明(たいまつ)は自分で持て』  目 次

第1章 本田宗一郎との出会い
第2章 スーパーカブ誕生そして世界へ
第3章 学んだこと、思うこと


藤沢 武夫(ふじさわ・たけお)
1910年~1988年。実業家。東京市出身(本籍は父の出身地である茨城県結城市)。本田宗一郎と共に本田技研工業(ホンダ)を世界的な大企業に育て上げた。wikipeia情報による。


<関連サイト>

本田宗一郎氏、"野人哲学" を大いに語る  "社長交代" もたついてはみっともねェ (日経ビジネス編集部、2014年9月3日)
・・1973年9月3日号の記事の再録



<ブログ内関連記事>

書評 『No.2理論-最も大切な成功法則-』(西田文郎、現代書林、2012)-「ナンバー2」がなぜ発展期の企業には必要か?

シェリル・サンドバーグという 「ナンバー2」 としての生き方-今週の Bloomberg BusinessWeek (ビジネスウィーク) のカバーストーリーから

「長靴をはいた猫」 は 「ナンバー2」なのだった!-シャルル・ペローの 「大人の童話」 の一つの読み方

官房長官は実質的に政権「ナンバー2」-政治と企業経営の共通点について考えてみる

「世襲」という 「事業承継」 はけっして容易ではない-それは「権力」をめぐる「覚悟」と「納得」と「信頼」の問題だ!

書評 『挫折力-一流になれる50の思考・行動術-』(冨山和彦、PHPビジネス新書、2011)

「人間尊重」という理念、そして「士魂商才」-"民族系" 石油会社・出光興産の創業者・出光佐三という日本人
・・ホンダもまた「人間尊重」を理念としている

書評 『「無分別」のすすめ-創出をみちびく知恵-』(久米是志、岩波アクティブ新書、2002)-「自他未分離」状態の意識から仏教の「悟り」も技術開発の「創出」も生み出される
・・ホンダ第三代目社長経験者による技術開発を中心とした「創発」メカニズムの解明

(2014年8月21日、11月3日 情報追加)





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