「個」と「組織」それぞれの能力を向上し、「個」と「組織」のよりよい関係を築くために
                                    

NHK World (英語版 視聴料フリー!)

NHK World (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックすると、海外向け英語放送が24時間が流れるサイトにつながります。

Channel NewsAsia International (英語版 視聴料フリー!)

Channel NewsAsia International (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックするとシンガポールからの英語ニュースが24時間流れるサイトにつながります。

Al Jazeera English: Live Stream (英語版 視聴料フリー!)

Al Jazeera English: Live Stream (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックすると中東カタールからの英語ニュースが24時間流れるサイトにつながります。

Bloomberg TV (英語版 視聴料フリー!)

Bloomberg TV (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックすると、24時間ビジネス経済情報が英語で流れるサイトにつながります。

「アタマの引き出し」は生きるチカラだ!(姉妹編ブログ)

「アタマの引き出し」は生きるチカラだ!(姉妹編ブログ)
「専門知識」×「雑学」がビジネス思考の「引き出し」幅を拡げる! 最新投稿は画像をクリック!

MVVの3文字で、個人と組織にブレない軸とブランドをつくる!

MVVの3文字で、個人と組織にブレない軸とブランドをつくる!
このブログの執筆者が運営している facebookページです。

「日本型リーダーシップ」の基本は山本五十六にあり!

「日本型リーダーシップ」の基本は山本五十六にあり!
「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」 には続きがあった!





東南アジア・ビジネスは背景をよく知ってから!

■■■■ 「ミャンマー再遊記」 全8回+α ■■■■
 総目次はここをクリック!
■■■■ 「三度目のミャンマー、三度目の正直」 全10回+α ■■■■
 総目次はここをクリック!
■■■■ 「タイのあれこれ」 全26回+番外編 (随時増補中) ■■■■
 総目次はここをクリック!



会社ウェブサイトは
 http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。   


  

2011年3月29日火曜日

「風評被害」について-「原発事故」のため「日本ブランド」は大きく傷ついた

    
 「風評被害」というと、ビジネスの世界にいる皆さんにとっては、株式市場において株価操作を行うために、意図的にガセネタを流すことによって引き起こされる目に見える金銭的被害についていうことが多いでしょう。

 ちょっと、辞書で調べておきましょうか。出典は、「デジタル大辞泉」(小学館)。

ふうひょう‐ひがい【風評被害】根拠のない噂のために受ける被害。特に、事件や事故が発生した際に、不適切な報道がなされたために、本来は無関係であるはずの人々や団体までもが損害を受けること。例えば、ある会社の食品が原因で食中毒が発生した場合に、その食品そのものが危険であるかのような報道のために、他社の売れ行きにも影響が及ぶなど。

 「風評」とは、簡単にいってしまえば「うわさ」のことです。一般人にとってはなんといっても食品がらみのことが多いようですね。

 よりビジネス用語っぽくいえば、レピュテーション(reputation)のことになります。それも悪いレピュテーション(評判)による被害のことですね。


「食の安全」と「風評被害」

 いま、日本全体に拡がっているのは、「原発事故」にともなう、食品にかかわるきわめて深刻な「風評被害」です。

 「原発事故」の発生した福島第一原発で放射能漏れが発生していることは、すでに周知の事実ですが、東電と政府の発表が、一般国民に正しく伝わっていないため、福島産だけでなく、周辺の茨城や栃木、群馬の農産物まで「風評被害」を被っている状況です。

 ほうれんそうやかき菜など、一部の葉もの野菜に基準値以上の放射能が検出されたため、出荷停止になったことはやむを得ないことです。しかし、放射能が基準値を超えていない、その他の野菜や果物にも「風評被害」が拡がっているのは、けっして見過ごすことのできない事態です。

 また、水道水が放射能汚染されていたという発表に、ペットボトルの水が買い占められるというパニックも発生しています。


「日本というブランド」そのものが大きく毀損(きそん)していることは海外の報道をみるとよくわかる

 産地の農作物だけでなく、海外からみれば「日本ブランド」じたいがが大きく毀損(きそん)していることに気がつく必要があります。

 「Pray for Japan」に象徴される、世界各地からの応援の声はほんとうに身にしみますが、だが一方ではは心ない話もたくさん聞こえてきます。日本産の食品、加工食品の輸入禁止措置が各国に拡がっているのです。

 世界各国、とくにアジアでは非常に盛り上がりをみせていた「日本食ブーム」、「日本産高級フルーツブーム」にとって、強い逆風になることは避けられません。いくらヘルシーでも、放射能汚染されていては、ということでしょう。

 日本政府が協調するように、「ただちに」は影響はでないでしょう。しかし、残留放射能のことを考えると残留農薬と同様、いくら安全だといわれても安心ないかもしれません。しかも、日本語情報とはタイムラグのある海外です。疑心暗鬼を生んでいても仕方ないという側面もあります。悪いうわさはクチコミをつうじて、あっというまに拡散してしまいます。

 食品だけでなく、「日本というブランド」も大きく毀損(きそん)してしまったので、潜在的な損害は計り知れない規模になるでしょう。この事実を認めるところから「日本復興」するしかないのですが・・・


リーダーの正確で簡潔なコミュニケーション能力と国民の「情報リテラシー」が同時に求められる

 技術にかんする事項を、一般人にもわかるようにコミュニケーションすること、そして情報を受け取る側も「情報リテラシー」を向上させることも重要です。これは双方にとって必要なことです。

 日本政府が、避難命令を原発の周辺20km、30kmと同心円で示したことも問題を混乱させているのも事実ですが、中学校程度の理科の知識、できうれば高校レベルの理科の知識があれば、放射性物質が風によって拡散することは常識として知っているはずのこのです。

 リーダーたるものの基本的な理科の知識と基本的な技術知識をもっていることと、簡潔で正確なコミュニケーションを行うスキルの向上が求められます。真意が伝わらなければコミュニケーションはディスコミュニケーションになってしまい、かえって逆効果です。

 さらに言えば、一人一人がリーダーの自覚とリーダーシップを発揮することが求められているというべきでしょう。

 日本国内にいるわたしたちが、「風評被害」を阻止することもまた、「日本再建」への大きな貢献となることをしっかりと意識しておきたいものです。

 そのためには、正しい知識を前提にした冷静な判断力が必要であることは言うまでもありません。




Clip to Evernote



   

2011年3月28日月曜日

本日(2011年3月28日)は、1979年の「スリーマイル島原発事故」から22年-「想定外」をなくすのがリーダーの務め


 
 本日(2011年3月28日)は、スリーマイル島の 「原発事故」(1979年)から22年。

 「レベル5」クラスの大事故が起こる直前、たった12日前に米国で封切られたのが、ジェーン・フォンダとカーク・ダグラス主演の『チャイナ・シンドローム』

 映画じたいは、炉心溶融(メルトダウン)によって、地球の反対側まで影響が及ぶという、荒唐無稽な内容も含まれていますが、図らずも予言が実現してしまったことになります。

 「原発事故」にかんして当局の関係者は、「想定外」、「想定外」と連呼していますが、これほど聞き苦しい、無責任なコトバもほかにありません

 リーダーたるものは、自分には限界があることを意識して、アンテナを広く張り、対話をつうじて、メンバーや関係先からは意見を吸い上げ、「想定外」を一つでもつぶしていく努力が不可欠です。

 「想定外」は、なければないほどいいほどいいのです。
 すべてを「想定内」にする努力こそが必要なのです。

 以前ここに書いた、「ヒヤリ・ハットの法則」も忘れずに!



<関連サイト>

The China Syndrome (1979) HD trailer
・・ナレーションで「原発事故」が「人災」にほかならないことを語っています


<ブログ内関連記事>

「ハインリッヒの法則」 は 「ヒヤリ・ハットの法則」 (きょうのコトバ)

地震、津波、原発事故、そして財政危機。「最悪の事態」を想定しなければならない状態になっているが・・・




Clip to Evernote



  

2011年3月23日水曜日

ほう・れん・そう (きょうのコトバ)



 「ほうれんそう」 がいま話題になっています。

 でも残念ながら、いい話ではありません。福島の「原発事故」で発生した放射能もれで、政府は国民に対して福島産ほうれんそうの「摂取制限」と「出荷停止」が指示されました。直接クチに入るものなので仕方がない話です。

 ところで、経営の世界で 「ほうれんそう」 といえば、言うまでもありませんね。

 報告(ほうこく)・連絡(れんらく)・相談(そうだん)の頭文字をとって、「ほう・れん・そう」。「ほうれんそう」は、組織内コミュニケーションのカナメです。

 「ほうれんそう運動」は、山種証券の社長だった山種富治氏が提唱したものです。いまから30年ほど前の 1982年のこと。山種さんは、毎月1日を「ほうれんそうの日」として、メッセージつきのナマのほうれんそうを一束づつ社員に配ったというエピソードが知られています。

 「ほうれんそう運動」が誕生してから 30年、みなさんの職場では 「ほうれんそう」は定着していますか? 徹底してますか?

 ちなみに写真は千葉県産のほうれんそう、現在(2011年3月23日)のところ放射能の心配はありません。


P.S. 香港政府が、千葉県産のほうれんそうからも基準値以上の放射能が検知されたという理由で、輸入禁止措置が取られることになった。健康を守るための措置とはいえ、残念な話である。(2011年3月24日)




Clip to Evernote



     

2011年3月22日火曜日

ミャンマー投資セミナー:開催中止のお知らせ (日本アセアンセンター投資部より)

 先にご案内した「ミャンマー投資セミナー」(2011年3月30日開催予定)が、開催中止のになったという知らせが、日本アセアンセンター投資部から来ました。

 以下に、お知らせの文章を転載しておきます。

この度はミャンマー投資セミナーにご応募いただき誠に
有難うございました。

本セミナーは今月3月30日(水)に開催を予定しておりま
したが、この度の東北関東大震災の影響により、開催を
中止させていただくことになりました。皆様には大変ご
迷惑をおかけし誠に申し訳ありません。何卒ご理解、ご
了承いただけますようお願い申し上げます。

この度の東北関東大震災により被害にあわれました皆様に
心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復興
をお祈り申し上げております。

日本アセアンセンター 投資部





Clip to Evernote



    

「マズローの法則」 (きょうのコトバ)


    

 「マズローの法則」 をご存じですか? 

 別名、「欲求五段階説」 ともいう法則で、下から順番にいうと以下のようになります。

1. 生理的欲求(physiological need):食欲・睡眠・性欲
2. 安全の欲求(safety need):住居・衣服・貯金
3. 所属と愛の欲求(social need /love and belonging):友情・協同・人間関係
4. 承認の欲求(esteem):他人からの尊敬・評価される・昇進
5. 自己実現の欲求(self actualization):潜在的能力を最大限発揮して思うがままに動かす


 いちばん高次にくるのが有名な「自己実現」ですが、これは 1 から 4 まで満たされてはじめてでてくるもの。

 今回の「大地震・大津波・原発事故」で「被災者」となられた方々にとっては、なによりも、1. 生理的欲求 と 2. 安全の欲求 が満たされることが重要ですね。

 ただそれだけでなく、「つながり」 や 「きずな」 といった、3. 所属と愛の欲求の確認もまた非常に重要です。

 私もあなたも「被災者」にならない保証はないのです。

 あらためて、「マズローの法則」の意味を、「自己実現」だけではなく、「被災者」の立場によりそって、ピラミッドの底辺から理解してほしいと思います。


(注:「欲求五段階説」のピラミッド図は wikipedia に掲載されているパブリックドメイン




Clip to Evernote



     

2011年3月17日木曜日

トップに立つ人のコトバが、末端にいるすべての構成員に届くものになっていますか?


 
 昨晩(3月16日)に放送された天皇陛下のビデオメッセージ、みなさん視聴されましたか?

 つねに国民とともにいる、というメッセージです。ほんとうにありがたいことです。癒されます。勇気が出ます。 

 いまは「非常時」です、「有事」です。すでに平時ではありません。

 首相も 「第二次大戦以来の国難」 という意味の発言をしていますが、なぜか国民全体に、その意識が浸透して共有されていないような気がするのは私だけでしょうか?

 トップに立つ人のコトバが、末端にいるすべての構成員に届くものであるかどうか。

 このような非常時にこういうことをいうのは、あまり気が進みませんが、コトバの重み、コトバのチカラについて考えるよい機会にもなっているのではないかと思います。

 原発事故があっても、天皇陛下は東京にとどまっておられます。しかも被災地を慰問したいとのご意向まで。

 人の上に立つリーダーであるなら、日本国民として踏みとどまる「覚悟」をするのは当然でしょう。

 みなさんの会社や職場ではどうですか?

 あなた自身はどうですか?



<関連サイト>

2011年3月16日に放送された天皇陛下のビデオメッセージ(YouTube映像)
http://www.youtube.com/watch?v=Tpk_lM4jXaM




Clip to Evernote




               
   

2011年3月15日火曜日

地震、津波、原発事故、そして財政危機。「最悪の事態」を想定しなければならない状態になっているが・・・



 巨大地震、巨大津波、原子力発電所のメルトダウン・・・

 地震と津波でお亡くなりになった方々に哀悼の意を表します。
 行方不明の方々の安否が一人でも明らかになることを心の底から願います。
 救助を求めている孤立した避難者の方々の救出を願っています。

 災害専門家のみなさん、自衛隊のみなさん、医療関係者のみなさん、その他すべてのみなさんに感謝の意を表します。とにかく、水・食糧・燃料の供給が少しでも早く届きますよう!

 今回の「東北関西大震災」は、400年どころか、1000年に一度の大地震と大津波であることが、わかってきました。

 原発事故も、このはるかに想定を越えた事態に対応できるだけのものがあったのかどうか? 

 今回の大地震と大津波は、まさに「想定外」だったのです。イマジネーションの範囲をはるかにこえる事態だったのです。クライシス・マネジメントの不手際を責めたところで後知恵に過ぎません。とにかくいまは走りながら、試行錯誤しながら、「学習」することです。
 
 これは専門家だけではありません。一般国民のわれわれも「学習」しなくてはなりません。それがわれわれすべてにとって、後世のための義務なのです。

 とにかく、ここしばらくは「沈着冷静」に!
 それぞれの「自分の持ち場」で、最善を尽くしてがんばりましょう。

 すでに今回の危機は、日本人だけの問題ではなくなっています。世界中が注視しているのです。国民一人一人の意識を団結し、ともにこの危機を乗り越えていきましょう!

 原発事故の「最悪の事態」発生を阻止すべく懸命にたたかっているみなさん、がんばってください。日本と日本人だからこそ、ここまでがんばれているのです。

 そしてわれわれ国民すべてが「最悪の事態」に至ることも、「覚悟」しなくてはなりません。しかし、パニックに走ることなく「沈着冷静」に!

 もはや、日本人すべてが被爆の可能性をもつ「運命共同体」の一員となっているのです。なんとか「最悪の事態」が阻止されることを!

 この危機を乗り切るため、ともに頑張りましょう!



<ブログ内関連記事>

「ハインリッヒの法則」 は 「ヒヤリ・ハットの法則」 (きょうのコトバ)

「不可抗力」について-アイスランドの火山噴火にともなう欧州各国の空港閉鎖について考える

「バンコク騒乱」について-アジアビジネスにおける「クライシス・マネジメント」(危機管理)の重要性




Clip to Evernote
   





    

2011年3月12日土曜日

3月11日に発生した「東北沖大地震」について

   
 みなさん、大丈夫ですか?

 昨日(2011年3月11日)に東北の太平洋岸で発生した日本の観測史上最大規模 M8.8 の大地震、私のいる千葉県北西部でも震度6弱でしたが、こんな地震を体験するのは初めてで、生きた心地がしませんでした。いまでも部屋のなかは本棚からあふれた本が散乱しています。

 報道で見る限り、東北地方はその比ではないようで、被害者のことを思うと心が痛みます。行方不明者の安否が気遣われます。大地震と津波の被害がこれほど大きなものとは・・・。まだまだ余震が続いています。ちょっと揺れるだけでも不安になってきます。

 まさか、3月11日がこんな大災害の日になるとは・・・

 災害救助の専門家でなければ、現地にいくわけにはいきません。みなさんも、自分のできる範囲内で、できることをしましょう。まずは節電などできることから。全国民の協力が必要です。

 最新情報は、テレビやラジオ以外にも、ツイッターなどで知ることができます。

 お亡くなりになった方に心より哀悼の意を表します。
 一日も早い被災地域の復旧を祈りつつ。



   

2011年3月10日木曜日

書評 『40代を後悔しない50のリスト-1万人の失敗談からわかった人生の法則-』(大塚寿、ダイヤモンド社、2011)


読むと怖くなってくる本。この本はあなたの50歳台以降を占うリトマス試験紙となる

 いま私は40歳台の後半だが、「はじめに」を読んで「目次」を読んでいるうちに、なんだか少し怖くなってくるのを感じた。

 一方、これは40歳過ぎてからやりはじめたな、これもすでに手をつけている、30歳台のときとは違う自分を育成してきたと、ほっと胸をなで下ろすものも少なからずある。

 こうして読んでいるうちに、まだ50歳台でなくて良かったというちょっとした安堵感とともに、さらに自分に負荷をかけて成長させなければならないなと、自戒の気持ちを同時に固めることになる。

 本書は、読者対象として大企業に勤務する30歳台以上の男性サラリーマンを想定しているようだ。おそらく20歳台の人が読んでも表面上の字面しかわからないだろうし、30歳台でも後半にならないと本当の意味で実感できないかもしれない。

 だが、40歳台の読者でこの本に何も感じないとしたら、それはたいへん危険なことだ。「種まき期」の20歳代と「育成期」の30歳代に直線志向でまっしぐらにやり抜いてきた人は「収穫期」の40歳代で安心し、その安心は知らぬ間に慢心に変わる。気がついたら50歳を過ぎており、会社人生も残りわずか、そしてリタイアしたら後悔の山、山、山・・・。おお怖い。

 「40歳は人生の正午」だと言ったのは、スイスの臨床心理学者 C.G.ユングだが、人生80年時代の現在日本では、まさに至言というべきである。個人差はもちろんあるが、40歳以降もまだ40年近く生きることになるのだ。その折り返し点では、いままでとは違う取り組みが必要なこと気がつかねば危ない。
 「人生の午後」の最初の10年間はまた、人生において公私ともども、もっとも多忙な時期に重なっているからだ。気がつくのが遅れると大変なことになる。

 本書の指摘がすべて当てはまるわけではないし、すべての処方箋が正しいわけではない。要は自分なりに取捨選択して、いいとこ取りをすることだ。学ぶのに遅すぎるということはない、まだ間に合うはずだ。

 いたずらに恐怖を煽って、何かを売りつけようという悪徳商法の本ではないから、安心して読める内容の本である。「備えあれば憂いなし」、というではないか。





(目次や著者プロフィールその他の各種情報は、つづきを http://e-satoken.blogspot.com/2011/03/40502011.html   にて)





Clip to Evernote

   

   

2011年3月9日水曜日

「ハインリッヒの法則」 は 「ヒヤリ・ハットの法則」 (きょうのコトバ)


 昨日(2011年3月8日)は、営団地下鉄(現:東京メトロ)日比谷線の脱線事故が中目黒駅近くで発生してから11年目になる一日でした。

 カーブでの脱線事故というと、JR西日本の福知山線の事故が記憶に新しいですが、5人が死亡し60人以上が負傷した「営団日比谷線脱線衝突事故」もまた、カーブを曲がりきれずに発生したものでした。

 この事故のあと、当時のJR東日本社長の講演会を聞く機会がありましたが、そのときに初めて知ったのがこの「ハインリッヒの法則」です。

 「ハインリッヒの法則」(Heinrich's law)とは、米国の損害保険会社で調査を担当していたハインリッヒ氏が事故データを分析しているなかで発見した法則です。

 「重傷」以上の災害が1件あったら、その背後には29件の「軽傷」を伴う災害さらにその背後には事故にはないっていないものの「ヒヤリ」とすること、「ハット」することが 300件起こっているというものです。

 このため、「ハインリッヒの法則」は別名「ヒヤリ・ハットの法則」ともいうわけなのですね。

 小さな「ヒヤリ」、つねに意識しておきたいものですね。ヒヤリの300分の1の確率で、大事故が発生しているのです。「ヒヤリ」すること、「ハット」することがあったら、すぐに見直しをかけてみることです。

 「失敗学」における重要法則である「ハインリッヒの法則」について解説しました。

 ではまた。





Clip to Evernote



   

2011年3月8日火曜日

「ミャンマー投資セミナー」 (国際機関日本アセアンセンター)が、2011年3月30日に開催(入場無料)

   
 ようやく総選挙が実施されて、民主化に向けてわずかながらも一歩前進したミャンマー連邦。

 私もこれまで都合3回にわたってミャンマーを訪れていますが、ポテンシャルのきわめて大きな国であることは言うまでもありません。

 しかしながら、実際に進出するとなると、さまざまな問題があるのは当然のことですね。

 「ミャンマー投資セミナー」が、2011年3月30日(水)に実施されます。ミャンマーに現地進出を考えておられる方は、ぜひ最新の「投資情報」を知る機会として活用されることを推奨いたします。

 以下に、国際機関日本アセアンセンターによるセミナーの紹介文を転載いたします。


◇◇--------------------------◇◇
「ミャンマー投資セミナー」のご案内 
◇◇--------------------------◇◇

国際機関日本アセアンセンターは、在日ミャンマー連邦大使館と共催で「ミャンマー投資セミナー」を開催いたします。

豊かな天然資源と、日本の約2倍の肥沃な国土を持つミャンマーは、タイ、中国、インドに隣接したその地理的ポジションと優秀かつ低廉な労働力により、労働集約型産業の新たな委託先としても注目を集めています。

本セミナーでは、最新の経済・産業の状況や新経済特区法、外国投資優遇策を含めた投資環境について、ミャンマー連邦外務省のアウン・リン副局長、国家計画・経済開発省投資企業関係局からナン・イーイー・タン部長をお招きし、ご紹介する他、日系進出企業より現地での事業経験談をお話いただく予定です。

日時  2011年3月30日(水)13:30-16:00 (受付開始13:00)
場所  ザ・プリンス パークタワー東京 B2 コンベンションホールAB
東京都港区芝公園4-8-1 TEL 03-5400-1111 (代)


通訳  日英同時通訳付き
参加費 無料


詳細・お申込みはこちらです。
http://www.asean.or.jp/ja/invest/about/eventinfo/2010/2010-29.html

問い合わせ先
国際機関日本アセアンセンター 投資部 TEL:03-5402-8006

皆様のご参加を心よりお待ちしております。
◇◇--------------------------◇◇


 なお、ミャンマーにかんしては、ビジネス関係以外についても、筆者による「アタマの引き出し」は生きるチカラだ!でも多数の記事を執筆しております。あわせてご覧になっていただけると幸いです。

■■■■ 「ミャンマー再遊記」 全8回+α ■■■■
■■■■ 「三度目のミャンマー、三度目の正直」 全10回+α ■■■■




Clip to Evernote
        


    

「ブランド・ポートフォリオ」の組み替え-日立製作所 と LVMH にみる「選択と集中」


 昨日(2011年3月7日)にビジネスニュースで大きく扱われたのは、企業の売買をめぐる日本の大企業フランスの大企業との話題でした。

 まず、日本を代表する「総合電機メーカー」である日立製作所が、HDD(=ハードディスクドライブ)事業を世界第一位のメーカー約3,500億円で米国の米ウエスタン・デジタルに売却。

 日立については特に説明する必要はないでしょう。重電から家電まで、実に幅広く事業展開を行っている、日本を代表する「総合電機メーカー」です。

 いっぽう、フランスの「総合ブランド企業」LVMH が、宝飾品ブランドのブルガリを買収、また一つ自社グループのポートフォリオを充実させました。ブルガリの創業家が保有する同社株式の51%と LVMH株を交換、買収総額は 37億ユーロ(約4,2000億円)になるとこのことです。

 LVMH は、ルイ・ヴィトン=モエ・ヘネシーの略、ブランドものバッグのルイ・ヴィトンと高級洋酒のモエ・ヘネシーを中核に、高級ブランドのみを集めた「総合ブランド企業グループ」です。

 新聞報道によれば、「日立はハイテク量産品事業から距離を置く一方、今後は社会インフラ事業に経営資源を集中させる」とのこと、買収によって入手した HDD事業では結局アドバンテージを築くことが出来ずに手放すことに。買収した側のウェスタン・テクノロジーは HDD専業メーカー、つまるところ「餅は餅屋」に強みあり、ということになります。

 LVMH の会長はブルガリを加えたことは「完璧な組み合わせ」と述べているそうですね。それにしても無限に増殖していく「ブランド帝国」。高級洋酒、ファッションブランド、宝飾品・・・。取扱商品は多岐にわたりますが、「高級ブランド」というコンセプトで一つにまとめあげた企業グループは、非常に首尾一貫した企業姿勢であるといえるでしょう。

 一言でいえば「選択と集中」。

 日立と LVMH のいずれにも共通しているのは、実体をもった企業の売買はブランドの売買でもある、ということです。無形資産であるブランドと、企業実体は相互依存関係にあります。

 自社が展開する事業にとって、見える形でのシナジー(相乗効果)があるかどうかが、意志決定の重要なポイントになります。それは顧客の目に見えるマーケティングのこともあるし、あるいは製造コスト削減など顧客の目には直接ふれないところでのシナジーでもあります。

 LVMH は、「高級ブランド」に特化することによって、消費財のなかでも顧客ターゲットを絞り込んだうえで水平展開をしていることになります。

 いっぽうテクノロジー企業である日立は、重電という産業財と家電という消費財を一緒に抱え込んでおり、マーケティングという観点からみると、現在でもまだまだ総花的な印象も強い。

 昨日、LVMH は足し算を、日立は引き算をしました。もちろん財務の裏付けのある話ですから、ブランドの売買はキャッシュフローの観点からなされます。将来的に買収価格よりも大きなキャッシュフローをもたらす可能性があれば買収し、その反対であれば早めに手を引いて売却によって得たキャッシュを別の目的に使用することもできます。

 つまるところ、「ブランド・ポートフォリオ」の組み替えは、「財務ポートフォリオ」の組み替えでもある、ということです。

 「選択と集中」という表現はかつて流行語とさえなっていましたが、この国ではブームが去ると実体もなくなったと思われがちなもの。

 ところが、「ブランド・ポートフォリオ」という観点からみるると、いわゆる「総合企業グループ」の行動原理が見えてくるというわけですね。

 ではまた。



<関連サイト>

日立製作所(公式サイト)
LVMH(公式サイト 日本語)

ウエスタン・デジタル(Western Digital)(公式サイト 英語)
ブルガリ(Bulgari)(公式サイト 日本語) 




Clip to Evernote
        



    

2011年3月7日月曜日

集団的意志決定につきまとう「グループ・シンク」という弊害 (きょうのコトバ)



 「グループ・シンク」とは、集団による意志決定につきまとう「弊害」についての話です。

 「グループ・シンク」(Group Think) を直訳すると 「集団思考」 となります。グループが「全員参加」で考えて何が悪いのだ?・・・という声も聞こえてきそうですが、「全員参加」 と 「集団思考」 は実はまったく異なるものなのです。全員で考えることは重要ですが、最終的な結論はリーダーが決定しなくてはいけません。

 昨日(3月6日)、「NHKスペシャル シリーズ 日本人はなぜ戦争へと向かったのか」の「第4回 開戦・リーダーたちの迷走」をやっていました。

 ご覧になった方もいらっしゃるかと思いますが、日本の国策決定の場は、各組織の代表者が対等な権限をもつ集団指導体制で、全会一致がタテマエとなっていたのです。

 誰一人として最終的な決断を下せずに、責任回避に汲々(きゅうきゅう)とする国家指導者たち。1941年(昭和16年)の開戦の意志決定はトップの決断ではなく、追い込まれた結果に過ぎなかったことがわかります。その時点でアメリカと戦ったら間違いなく敗北することは、みな数字で把握してわかっていました。しかし、誰一人として戦争はやめるべきだと言えずに、その場の「空気」で流されてしまったのです。まさに「グループ・シンク」の弊害がもろにでた結果といわなければなりません。

 経営や組織全体の意志決定だけでなく、職場レベルの意志決定においても同じことです。全員参加の会議では 「集団の空気」 に流されずに、活発なディスカッションをしなくては意味がありません。

 しかも、最終的な意志決定は、チームのリーダーがその責任権限のもとに行う。これがあるべき姿ですね。

 「グループ・シンク」 のワナにはまらないよう、気をつけていきましょう。








<ブログ内関連記事>

書評 『「空気」と「世間」』(鴻上尚史、講談社現代新書、2009)-日本人を無意識のうちに支配する「見えざる2つのチカラ」。日本人は 「空気」 と 「世間」 にどう対応して生きるべきか?

映画 『es(エス)』(ドイツ、2001)をDVDで初めてみた-1971年の「スタンフォード監獄実験」の映画化
・・集団同調圧力は日本人以外にも働く

(2015年10月2日 項目新設)




(2012年7月3日発売の拙著です)










Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは
http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。

禁無断転載!



end

2011年3月4日金曜日

映画 『英国王のスピーチ』(The King's Speech) を見て思う、人の上に立つ人の責任と重圧、そしてありのままの現実を受け入れる勇気


   
 ことしのアカデミー賞で作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞など 4冠に輝いた映画 『英国王のスピーチ』(The King's Speech)。日本公開初日の2011年2月26日に見てきたので紹介しておきたい。ぜひ見てほしい映画です。

●監督:トム・フーパー
●脚本:デヴィッド・サイドラー
●主演:コリン・ファース(・・ジョージ六世)
 ヘレナ・ボナム=カーター(・・エリザベス妃)
 ジェフリー・ラッシュ(・・ライオネル・ローグ)
●製作:英国、オーストラリア
●上映時間:111分

 英国王ジョージ六世は、実は吃音症(どもり)だった。これは実に衝撃的な事実である。一国の国王が、しかも大英帝国(!)の皇帝を兼ねていたジョージ六世、さらに現エリザベス二世女王の父親にあたる。まったく過ぎ去った過去とも言いきれない、近過去の物語なのだ。

 この事実は本来なら、英語でいう skeleton in the cupboard のままだったはずであろう。日本語でいえば「家族の秘密」。サマセット・モームの小説のタイトルにもなっている。Cakes and Ale: Or the Skeleton in the Cupboard(お菓子とビール)。
 
 エリザベス女王が即位したのは1952年、ものごころついてからずっとエリザベス女王である私のような世代の人間にとっては、ジョージ六世といっても歴史上の人物に過ぎない。英国はさておき、日本の歴史の教科書に登場するような人物ではない。

 英国の英語を Queen's English ということに疑問をもったこともないし、なんとってもイアン・フレミング原作の「007シリーズ」には『女王陛下の007』という作品もある。

 ジョージ六世だが、過去の人とはいえ、英国史においてはきわめて大きな存在であったようだ。

 この映画で扱われるのは、1925年から1934年に即位するまでの約10年間。第一次世界大戦から復興しつつあった矢先の欧州大陸では、ドイツのヒトラーが台頭し再び戦争の危険が高まっていた。大陸国ではない英国にとっても、それは対岸の火事ではなかったのだ。

 ジョージ六世には兄がいた。父王ジョージ五世の死去にともない、兄が王位継承しエドワード八世として即位する。しかし、歴史上有名なシンプソン夫人との「王冠を賭けた恋」によってエドワード八世は退位、予期せぬことに王位につかざることを余儀なくされたのだ。


人のうえに立つ人は、パブリック・スピーチが求められる。英国をはじめとする西洋世界においては、とくにコトバ、それも発話されたコトバのもつ重要性がきわめて高い

 人のうえに立つひとはスピーチをしなければならない。しかも、一国の国王である。いや、その当時の英国はまだ大英帝国(British Empire)の盟主であった。英国王は大英帝国の皇帝も兼ねていたのだ。

 英国の全国民だけでなく、7つの海にまたがっていた大英帝国のすべての臣民(subject)にむけてメッセージを発しなくてはならないのである。しかも、その当時のニューメディアであるラジオを通じて。

 その責任たるや、平民(common people)である私のような人間には想像のしようもない。

 「君臨すれども統治せず」というのが、王政復古以降の英国国王のポジションにかんする立憲君主制(constitutional monarchy)の原則である。

 実際の政治は、選挙に選出された政権党の代表が首相となって行うが、国家元首として君臨するのは国王である。国王は国民統合のシンボルとして、とくに大きな艱難に直面したときの求心力としての機能が強く求められる。

 とくに大衆時代となってからは、ラジオというその当時のニュー・メディアの発達とともに、国王を中心とする王室もいやおうにかかわらず対応していかなくてはならないのであった。新聞、ラジオ、テレビ、そしてインターネット。現在の英国王室は、YouTube に The Royal Channel という自らのチャンネルをもつに至っている。

 「地位が人をつくる」という。これは国王もまた同じだ。フランク・シナトラが歌う『Love Is a Many-Splendored Thing』(日本語タイトルは『慕情』) には、The golden crown that makes a man a king. (人をして王にする黄金の王冠)というフレーズがあるが、まさにそのとおりなのだ。

 果たしてジョージ六世として即位した新国王は、国民に語りかけるスピーチを無事に終えることができたのか?

 これは映画を見てからのお楽しみということにしておこう。


(つづきは http://e-satoken.blogspot.com/2011/02/27the-kings-speech.html にて)





Clip to Evernote
        


    

2011年3月3日木曜日

「クチコミ」 は 「Word-Of-Mouth」(WOM) (きょうのコトバ)



 「クチコミ」が重要な時代になってきました。

 一般に、女性にくらべて男性は「クチコミ」のウェイトが低いのですが、ツイッターやフェイスブックを使っていると、バイラルな性格が「クチコミ」の伝わり方にきわめて大きなパワーをもっていることを実感します。

 ちなみに「バイラル」(viral)とはウイルス(virus)の形容詞形で、ウイルスのように急激に拡がるという意味です。ツイッターやフェイスブックなどの SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)時代のマーケティングについての、新しいコンセプトのことですね。

 英語の話になったので、ついでに書いておきますが、「クチコミ」は略して「WOM」といいます。Word-Of-Mouth の略ですね。意味は、読んで字の如く、そのまんまですね。クチ(口)のコトバ。日本語の「クチコミ」の「コミ」は「コミュニケーション」の「コミ」です。

 ところで、会話のなかで「クチコミ」と言ったり、聞いたりしたときはまったく問題がありませんが、「口コミ」と表記されていると、私はどうしても「ろこみ」と読んでしまいます(笑)。

 せっかくいい内容の記事を書いていても、「ろこみ」では拍子抜けですよね~。

 コミュニケーションの場は口頭だけでなく、文字でも行われます。
 自分がほんとうに伝えたいことを的確に表現することにも気をつかいたいものですね。

 みなさんも「クチコミ」と表記してみてはいかがでしょうか?

 ではまた。





Clip to Evernote
        


    

2011年3月2日水曜日

明日の朝一までに ASAP で (きょうのコトバ)


    
 「あす朝一までにアサップで!」なんて会話、あなたの職場で交わしたことがありますか?

 実は、私は前職の製造業の中小企業に転職するまで「アサップ」というコトバを知りませんでした。
 「ASAP」 と書いてアサップと読みます。「速攻に」、「できるだけ早く」という意味ですね。

 一度、部下に聞いてみたことがあります。
 「アサップって ASAP って書くけど、何の略かわかる?」

 答えは、「わかりません・・・」。

 「ASAP というのは As Soon As Possible の略。できるだけ早くという意味。中学校の英語の授業でやったはずなんだけどね。覚えてないのかな~?」。

 みなさんの職場でも、意味がわからないまま使っているコトバってありませんか?
 正確な職場コミュニケーションのためには、略語は意味もしっかり押さえてから使いたいものですね。

 ではまた。





Clip to Evernote