「個」と「組織」それぞれの能力を向上し、「個」と「組織」のよりよい関係を築くために
                                    

NHK World (英語版 視聴料フリー!)

NHK World (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックすると、海外向け英語放送が24時間が流れるサイトにつながります。

Channel NewsAsia International (英語版 視聴料フリー!)

Channel NewsAsia International (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックするとシンガポールからの英語ニュースが24時間流れるサイトにつながります。

Al Jazeera English: Live Stream (英語版 視聴料フリー!)

Al Jazeera English: Live Stream (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックすると中東カタールからの英語ニュースが24時間流れるサイトにつながります。

Bloomberg TV (英語版 視聴料フリー!)

Bloomberg TV (英語版 視聴料フリー!)
画像をクリックすると、24時間ビジネス経済情報が英語で流れるサイトにつながります。

「アタマの引き出し」は生きるチカラだ!(姉妹編ブログ)

「アタマの引き出し」は生きるチカラだ!(姉妹編ブログ)
「専門知識」×「雑学」がビジネス思考の「引き出し」幅を拡げる! 最新投稿は画像をクリック!

MVVの3文字で、個人と組織にブレない軸とブランドをつくる!

MVVの3文字で、個人と組織にブレない軸とブランドをつくる!
このブログの執筆者が運営している facebookページです。

「日本型リーダーシップ」の基本は山本五十六にあり!

「日本型リーダーシップ」の基本は山本五十六にあり!
「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」 には続きがあった!





東南アジア・ビジネスは背景をよく知ってから!

■■■■ 「ミャンマー再遊記」 全8回+α ■■■■
 総目次はここをクリック!
■■■■ 「三度目のミャンマー、三度目の正直」 全10回+α ■■■■
 総目次はここをクリック!
■■■■ 「タイのあれこれ」 全26回+番外編 (随時増補中) ■■■■
 総目次はここをクリック!



会社ウェブサイトは
 http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は ken@kensatoken.com にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。   


  

2013年2月25日月曜日

書評 『採用基準-地頭より論理的思考力より大切なもの-』(伊賀泰代、ダイヤモンド社、2012)-日本人に必要なものはリーダーシップの実践能力だ



世間で一般的になっている見解をあっさり否定することほど気持ち良いものはないでしょう。

著者は、「採用基準」として意識されることの多い、いわゆる「地頭(じあたま)」信仰や、「ロジカルシンキング(論理的思考能力)」信仰をいともあっさり否定し去っています。そんなものは、実際のビジネスでは当たり前すぎて、わざわざ強調するまでもないのだ、と。

マッキンゼー社といえば、日本でも指折りの大学の卒業生があこがれる外資系企業として象徴的な存在となっていますが、その採用マネージャー職そのものを内部で立ち上げて12年間務めた著者自身の正直な感想だといってよいのだと思います。

これはマッキンゼー社のようなコンサル会社だけではないでしょう。アタマが良いに越したことはありませんが、知識だけなら、どんな会社であれ入社後に猛勉強すれば身につけることはできるし、また業務の必要上求められることです。

それよりも、日本人のビジネスパーソンに欠けているのはリーダーシップという指摘はきわめて重いものがあるといっていいでしょう。

そもそも日本人はリーダーやリーダーシップの意味がわかっていないと著者は本書のなかで何度も繰り返し強調しています。

日本人はリーダーが組織のなかに一人いれば、あとはすべてフォロワーでいいという認識があまりにも一般的になっているのだと。また、リーダーというものは、おのずからリーダーとしての器量を持っている人がリーダーなのであって、自分は関係ないと思っている人がビジネスパーソンのなかにすら少なくないのだと。

ところが、日本以外ではリーダーシップは学習して身につけることができるものだということが常識となっているのです。これは欧米社会だけでなく、中国や韓国でも同様で、これが日本とそれ以外の国々との大きな差となって表れてきているという危機感の表明です。

すべての人がリーダーシップを身につけよという著者の主張には、わたしは100%賛成です。これは、『国をつくるということ』の著者で元世界銀行副総裁の西水美恵子氏の説くところに同じです。

草の根レベルでのリーダーシップが、組織を国をつよくするのです。

その意味では、中小零細企業や小規模組織、また NPO などのほうがリーダーシップを身につけやすい環境であるといっていいかもしれません。自分の目が届く範囲に組織を分割して小規模化するのです。小さな組織では、一人ひとりが自分のアタマで考えリーダーシップを発揮することが求められます。

ですから、大企業や中堅企業であっても、少人数のプロジェクトチームで組織を運用することを当たり前にすれば、リーダーやリーダーシップは実践のなかで培われると考えていいでしょう。コンサルティング・ファームの仕事はプロジェクトで行われます。

「グローバル人材」ではなく「グローバルリーダー」であるべきという著者の主張にもおおいに賛同するものを感じますが、著者の議論が日本人にどこまで適用可能かは、多少の留保は必要かもしれないとは思います。

「一人でも多くの人を救うため、犠牲者がでて仕方ない」という発想と覚悟は日本人にとれるのかどうか? これは欧米社会の「常識」とは大いに異なることだと思います。リーダーシップを発揮するとは、賛同者をつくりだす一方、敵対者もつくりだすものであるということは、しっかりと認識する必要があります。

リーダーシップを一人でも多くの人に身につけてもらうことは実現可能な「目標」として、個々のビジネスパーソンだけでなく、経営者も意識すべきものであると考えます。





目 次

はじめに
序章 マッキンゼーの採用マネジャーとして
第1章 誤解される採用基準
第2章 採用したいのは将来のリーダー
第3章 さまざまな概念と混同されるリーダーシップ
第4章 リーダーがなすべき四つのタスク
第5章 マッキンゼー流リーダーシップの学び方
第6章 リーダー不足に関する認識不足
第7章 すべての人に求められるリーダーシップ
終章 リーダーシップで人生のコントロールを握る
あとがき

著者プロフィール 

伊賀泰代(いが・やすよ)
キャリア形成コンサルタント。兵庫県出身。一橋大学法学部を卒業後、日興證券引受本部(当時)を経て、カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネスにてMBAを取得。1993年から2010年末までマッキンゼー・アンド・カンパニー、ジャパンにて、コンサルタント(アソシエイト、エンゲージメント・マネージャー)、および、人材育成、採用マネージャーを務める。2011年より独立。キャリアインタビューサイト MY CHOICE を運営し、リーダーシップ教育やキャリア形成に関する啓蒙活動に従事する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


<ブログ内関連記事>

書評 『国をつくるという仕事』(西水美恵子、英治出版、2009)-真のリーダーシップとは何かを教えてくれる本

「雷龍の国ブータンに学ぶ」に「学ぶ」こと-第3回 日経GSRシンポジウム「GSR と Social Business 企業が動けば、世界が変わる」に参加して

「地頭」(ぢあたま)について考える (1) 「地頭が良い」とはどういうことか?
「地頭」(ぢあたま)について考える (2) 「地頭の良さ」は勉強では鍛えられない・・わたしは世間一般でつかわれている「地頭」は間違いだと考えているので、上記のブログ記事を書いた。「ストリートスマートの知性」と勉強で身につける知識とはまったく異なる

映画 『インビクタス / 負けざる者たち』(米国、2009)は、真のリーダーシップとは何かを教えてくれる味わい深い人間ドラマだ

書評 『なぜ、社員10人でもわかり合えないのか-鏡で世界一!コミーに学ぶ少人数マネジメント-』(日経トップリーダー編、日経BP社、2011)コミュニケーションを徹底して、個人の問題発見を組織力にまで高める!・・ここまで考えつくすことが必要だ






(2012年7月3日発売の拙著です)





Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは
http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。



end

2013年2月10日日曜日

本日から華人世界は「春節」(2013年2月10日)



本日から(2013年2月10日)から華人世界は「春節」を迎えます。今週一週間はお休みとなる人も少なくないようです。

タイでも勤め人は別ですが、商売人は休みにすることも多いので要注意。各種の問屋は0バンコクのヤワラート(中華街)に集中していますが、春節休暇のあいだはモノの流れが止まります。

中国は当然のこと、香港・台湾だけでなく東南アジアの華人世界では「春節」こそが新年のはじまり。年中行事はすべて太陰暦によって決まっています。

幕末の開国と明治維新によって「近代化=西欧化」の道を選択した日本は、ちょんまげを切って、いちはやく西暦を採用しましたが、アジアのなかでは日本はきわめて例外なのです。

旧暦などという表現をつかう日本人は、ある意味ではアジアではないといっていいのかもしれません。

東南アジアの英語世界では CNY という言い方をします。Chinese New Year(中国新年) を略して CNY です。

シンガポールやマレーシアはもとより、タイなど華人人口の多い国では当然のことながら、華人系の人たちは「春節」を祝います。日本人のように正月は落ち着いてというのではなく、爆竹を打ち鳴らすわけですね。

冒頭に掲載した写真はタイ王国の首都バンコクの、とある銀行支店の店頭にあったもの。TMB というのは Thai Military Bank(タイ軍人銀行)のことです。

写真のなかに見える「龍馬精神」というのは、坂本龍馬とは関係ありません(笑) 「老いてますます盛ん」をインスパイアする精神のことです。「龍馬精神」と書いてロンマー・チンシャンと読みます。お間違えなく。

では、よい春節を! Happy CNY !!!



⇒ 弊社ケン・マネジメントは、タイ進出のお手伝いもしております。 http://kensatoken.com/


(春節に配られるアンパオ)


<ブログ内関連記事>

「龍馬精神」(ロンマー・チンシャン)

「2015年のASEAN経済統合」の意味をアタマのなかに入れておこう

書評 『中国の次のアジア(日経BPムック)』(日経ビジネス=編集、日経ビジネス、2012)-アジアの中心は東南アジア、南アジアへシフトしていく





(2012年7月3日発売の拙著です)





Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは
http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。



end

2013年2月6日水曜日

書評 『中国以外のアジアで成功する方法(別冊宝島1956号)』(宝島社、2013)-東南アジアと南アジア11カ国の基礎知識を得ることのできる良心的なガイドブック



2012年の尖閣暴動に端を発した「脱・中国」といったややネガティブな理由だけでなく、2015年のASEAN経済統合(AEC)の波に乗るというポジティブな理由から、中国以外のアジア、すなわち東南アジアと南アジアへのシフトが本格的に始まっています。

そんななかで出版されたこのガイドブックは、基礎知識を得るためにはたいへんよくできたものになっているといってよいでしょう。

編集方針は以下のとおりです。

「東南アジア進出というと、これまでは安い人件費を目当てにした製造業が中心だった。しかし本書は、今後消費市場を形成する新中間層を狙って進出する小売・サービス業に編集上の力点を置き」(はじめに)

目次を紹介しておきましょう。

はじめに ネクスト・チャイナ
図解 一大市場を徹底比較-ネクスト・チャイナ11カ国の経済力と市場の可能性
Chapter 1 ミャンマー
Chapter 2 インドネシア
Chapter 3 ベトナム
Chapter 4 タイ 
Chapter 5 カンボジア
Chapter 6 インド 
Chapter 7 シンガポール
Chapter 8 バングラデシュ
Chapter 9 ラオス・フィリピン・マレーシア


それぞれの Chapter では、「~の現在と市場の特徴」、「~への進出方法」、「~進出のメリット&デメリット」をまとめています。

全般的に、メリットだけでなくデメリットについても書かれていますので、内容的にも良心的だといっていいでしょう。

わたしの個人的な考えでは、フィリピンは独立した一章として取り上げるべきだと思いますが、それは編集方針の違いというものでしょう。フィリピンのメリットは、なんといっても英語がつうじるということだからです。とはいえ、日本と同様に中国との国境紛争を抱えている点はマイナス要因です。

バングラデシュが入っていながら、スリランカが入っていないのも残念なところです。

もちろん、業種業態や企業規模、海外経験の有無によって、進出先として検討すべき国は異なってきます。

たとえば、タイであれば製造業においては、人件費高騰傾向にありますが、まだまだ進出余地はあります。タイには産業集積と「地の利」というロジスティクス上のアドバンテージがあるためです。これは今後もさらに強化されるでしょう。

ところが、タイの在留日本人は10万人強と推定されているようにマーケットサイズは大きいのですが、飲食サービス業は競争が厳しく、すでに「レッドオーシャン状態」であると言っても過言ではありません。「新中間層を狙って進出する小売・サービス業」という点では、タイはやや難易度が高いかもしれません。

こういったデメリットまで指摘されている点は、この本が評価できることです。

ただし、タイにおいては、製造業とは違って、日本も含めた外国資本が 51%以上のマジョリティをとることができないことも知っておく必要があるでしょう。また、原則として外国人の土地所有も禁止されています。これは大きなデメリットであることは否定できません。タイ以外を検討国としたほうがいいかもしれません。

こういったよくできたガイドブックで基礎知識を得たうえで、自分なりのイメージをつかんだうえで、さらに深堀して調査していくのが海外進出の基本といっていいでしょう。



⇒ 弊社ケン・マネジメントは、タイ進出のお手伝いもしております。 http://kensatoken.com/








<ブログ内関連記事>

「2015年のASEAN経済統合」の意味をアタマのなかに入れておこう

書評 『中国の次のアジア(日経BPムック)』(日経ビジネス=編集、日経ビジネス、2012)-アジアの中心は東南アジア、南アジアへシフトしていく

書評 『「アジアで儲かる会社」に変わる30の方法-「アジアのやり方」を徹底的に理解し確固たる戦略をもって進出せよ-』(森辺一樹、中経出版、2012)-海外進出は「アウェイでの戦い」である

アジア進出に際しては「失敗事例」を押さえたうえで「成功方法」を考えよう-『なぜ中小企業の中国・アジア進出はうまくいかないのか?』 と 『アジアで成功する企業家の知恵』を読む

書評 『誰も語らなかったアジアの見えないリスク-痛い目に遭う前に読む本-』(越 純一郎=編著、日刊工業新聞、2012)-「アウェイ」でのビジネスはチャンスも大きいがリスクも高い

書評 『中国ビジネスの崩壊-未曾有のチャイナリスクに襲われる日本企業-』(青木直人、宝島社、2012)-はじめて海外進出する中堅中小企業は東南アジアを目指せ!

「脱・中国」に舵を切るときが来た!-『中国がなくても、日本経済はまったく心配ない!』(三橋貴明、ワック、2010)はすでに2年間に出版されている

書評 『空洞化のウソ-日本企業の「現地化」戦略-』(松島大輔、講談社現代新書、2012)-いわば「迂回ルート」による国富論。マクロ的にはただしい議論だが個別企業にとっては異なる対応が必要だ

『東南アジアを学ぼう-「メコン圏」入門-』(柿崎一郎、ちくまプリマー新書、2011)で、メコン川流域5カ国のいまを陸路と水路を使って「虫の眼」でたどってみよう!





(2012年7月3日発売の拙著です)





Clip to Evernote 


ケン・マネジメントのウェブサイトは
http://kensatoken.com です。

ご意見・ご感想・ご質問は  ken@kensatoken.com   にどうぞ。
お手数ですが、クリック&ペーストでお願いします。



end