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2013年2月25日月曜日

書評 『採用基準-地頭より論理的思考力より大切なもの-』(伊賀泰代、ダイヤモンド社、2012)-日本人に必要なものはリーダーシップの実践能力だ



世間で一般的になっている見解をあっさり否定することほど気持ち良いものはないでしょう。

著者は、「採用基準」として意識されることの多い、いわゆる「地頭(じあたま)」信仰や、「ロジカルシンキング(論理的思考能力)」信仰をいともあっさり否定し去っています。そんなものは、実際のビジネスでは当たり前すぎて、わざわざ強調するまでもないのだ、と。

マッキンゼー社といえば、日本でも指折りの大学の卒業生があこがれる外資系企業として象徴的な存在となっていますが、その採用マネージャー職そのものを内部で立ち上げて12年間務めた著者自身の正直な感想だといってよいのだと思います。

これはマッキンゼー社のようなコンサル会社だけではないでしょう。アタマが良いに越したことはありませんが、知識だけなら、どんな会社であれ入社後に猛勉強すれば身につけることはできるし、また業務の必要上求められることです。

それよりも、日本人のビジネスパーソンに欠けているのはリーダーシップという指摘はきわめて重いものがあるといっていいでしょう。

そもそも日本人はリーダーやリーダーシップの意味がわかっていないと著者は本書のなかで何度も繰り返し強調しています。

日本人はリーダーが組織のなかに一人いれば、あとはすべてフォロワーでいいという認識があまりにも一般的になっているのだと。また、リーダーというものは、おのずからリーダーとしての器量を持っている人がリーダーなのであって、自分は関係ないと思っている人がビジネスパーソンのなかにすら少なくないのだと。

ところが、日本以外ではリーダーシップは学習して身につけることができるものだということが常識となっているのです。これは欧米社会だけでなく、中国や韓国でも同様で、これが日本とそれ以外の国々との大きな差となって表れてきているという危機感の表明です。

すべての人がリーダーシップを身につけよという著者の主張には、わたしは100%賛成です。これは、『国をつくるということ』の著者で元世界銀行副総裁の西水美恵子氏の説くところに同じです。

草の根レベルでのリーダーシップが、組織を国をつよくするのです。

その意味では、中小零細企業や小規模組織、また NPO などのほうがリーダーシップを身につけやすい環境であるといっていいかもしれません。自分の目が届く範囲に組織を分割して小規模化するのです。小さな組織では、一人ひとりが自分のアタマで考えリーダーシップを発揮することが求められます。

ですから、大企業や中堅企業であっても、少人数のプロジェクトチームで組織を運用することを当たり前にすれば、リーダーやリーダーシップは実践のなかで培われると考えていいでしょう。コンサルティング・ファームの仕事はプロジェクトで行われます。

「グローバル人材」ではなく「グローバルリーダー」であるべきという著者の主張にもおおいに賛同するものを感じますが、著者の議論が日本人にどこまで適用可能かは、多少の留保は必要かもしれないとは思います。

「一人でも多くの人を救うため、犠牲者がでて仕方ない」という発想と覚悟は日本人にとれるのかどうか? これは欧米社会の「常識」とは大いに異なることだと思います。リーダーシップを発揮するとは、賛同者をつくりだす一方、敵対者もつくりだすものであるということは、しっかりと認識する必要があります。

リーダーシップを一人でも多くの人に身につけてもらうことは実現可能な「目標」として、個々のビジネスパーソンだけでなく、経営者も意識すべきものであると考えます。





目 次

はじめに
序章 マッキンゼーの採用マネジャーとして
第1章 誤解される採用基準
第2章 採用したいのは将来のリーダー
第3章 さまざまな概念と混同されるリーダーシップ
第4章 リーダーがなすべき四つのタスク
第5章 マッキンゼー流リーダーシップの学び方
第6章 リーダー不足に関する認識不足
第7章 すべての人に求められるリーダーシップ
終章 リーダーシップで人生のコントロールを握る
あとがき

著者プロフィール 

伊賀泰代(いが・やすよ)
キャリア形成コンサルタント。兵庫県出身。一橋大学法学部を卒業後、日興證券引受本部(当時)を経て、カリフォルニア大学バークレー校ハース・スクール・オブ・ビジネスにてMBAを取得。1993年から2010年末までマッキンゼー・アンド・カンパニー、ジャパンにて、コンサルタント(アソシエイト、エンゲージメント・マネージャー)、および、人材育成、採用マネージャーを務める。2011年より独立。キャリアインタビューサイト MY CHOICE を運営し、リーダーシップ教育やキャリア形成に関する啓蒙活動に従事する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


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「雷龍の国ブータンに学ぶ」に「学ぶ」こと-第3回 日経GSRシンポジウム「GSR と Social Business 企業が動けば、世界が変わる」に参加して

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「地頭」(ぢあたま)について考える (2) 「地頭の良さ」は勉強では鍛えられない・・わたしは世間一般でつかわれている「地頭」は間違いだと考えているので、上記のブログ記事を書いた。「ストリートスマートの知性」と勉強で身につける知識とはまったく異なる

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書評 『なぜ、社員10人でもわかり合えないのか-鏡で世界一!コミーに学ぶ少人数マネジメント-』(日経トップリーダー編、日経BP社、2011)コミュニケーションを徹底して、個人の問題発見を組織力にまで高める!・・ここまで考えつくすことが必要だ






(2012年7月3日発売の拙著です)





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