(JR武蔵野線の新三郷駅からみた光景)
武蔵野線沿線の新三郷(しん・みさと)はミニ船橋であり、ミニ幕張である。新三郷にはじめていく機会があったのだが、そんな感想をもったのは、わたしが船橋の住民だからである。
千葉県の東京湾岸に立地する南船橋はららポート発祥の地であり、IKEAの最初の拠点が置かれた土地である。
東京湾岸の浦安から市川、船橋をへて千葉市に至るベルト地帯は、千葉都民と揶揄されることもしばしばある、東京への通勤圏としてのベッドタウンとして発展してきた。
そんな船橋市民にとって、三井不動産が開発して、ららポートと IKEAが駅前に立地している新三郷がミニ船橋となっていても不思議でも何でもない。ららポート新三郷は、2014年で開業して5年。まだまだその歴史はあたらしい。
(新三郷の IKEAのバックヤード)
(新三郷ララポート地図 同社ウェブサイトより)
新三郷駅の開業は1985年、越谷レイクタウン駅の開業は2008年である。武蔵野線は駅間が長いので、沿線開発にともなってあらたに新設される駅も少なくない。
(右下に南船橋、その先に新三郷 wilipedia掲載の武蔵野線路線図を加工)
ララポートや IKEA は、湾岸に特化した立地と思いがちだが、武蔵野線沿線でも展開可能なことが示されているわけだ。千葉県と埼玉県の県境に江戸川が流れているので、ウォーターフロントから遠いわけではないが、それよりも武蔵野線沿線ということの意味合いのほうが大きいだろう。
そもそも武蔵野線は貨物線として建設されたが、沿線住民からの要望で、1973年から旅客の運行も始めた路線である。府中本町と西船橋までつながったのが1978年。山手線の外周を走る第二環状線と見なされているが、正確には環状線ではない。
(新三郷のララポート内)
都市開発は、ふつうは時計回りで西側から始まって東側へと発展していくものだ。武蔵野線自体も西から東へとつながっていったが、新三郷駅前のララポート開発もイオンによる越谷レイクタインも、逆方向の「反時計回り」であるのが興味深い。
(地名も商業施設によって変更)
武蔵野線をつかえば、ちょっと遠回りになるが東京駅まで乗り換えなしで直通で行くことも可能な新三郷。南流山駅で乗り換えればつくばエクスプレス(TX)で秋葉原までいくこともできる。
埼玉県の武蔵野線沿線は、千葉県の東京湾岸モデルの内陸展開版と考えても問題はなさそうだ。
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