「個」と「組織」それぞれの能力を向上し、「個」と「組織」のよりよい関係を築くために
                                    

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2013年12月4日水曜日

書評 『個を動かす-新浪剛史 ローソン作り直しの10年-』(池田信太郎、日経BP社、2012)-「個」が重要な時代に取り組んだ「組織変革」の軌跡


セブンイレブン(7-11)が日本で誕生して2013年11月で40年(!)になりましたが、日本でこの業態を切り開いた最大手のセブンイレブンとはまったく真逆の組織戦略で作り直されたのが二番手のローソン。

そのローソンを「自律分散型組織」として再生させたのが新浪剛史氏です。「万年2位」に甘んじていた従業員の意識をいかに変革したか、この本でその10年間の取り組みを時系列と機能ごとの変革を概観することができます。

セブンイレブンが鈴木敏文会長を中枢頭脳とする「中央集権型」とすれば、ヒト・モノ・カネの経営資源では劣るローソンは苦肉の策として「自律分散型組織」で社員や加盟店オーナーのやる気を引き出す方向しかなかったわけです。

つまり限られたリソース(=経営資源)をいかに巧みに組み換え、「勝つべき地点」を設定しるといいう戦略とその実行が「自律分散型組織」であったわけです。

具体的な経営施策は以下のとおりです。

まずは変革の起爆剤として「成功体験」を作り、人材面では「ダイバーシティ(=多様性)と分権」を導入し、パートナーとしてのフランチャイズオーナーの地位を上げ、、「マネジメント・オーナー」制度を導入してやる気のある加盟店オーナーを育て、脱POSシステムの観点から「個」としての消費者動向をつかむためメンバーカードをベースにした「CRM」に挑戦し、新規分野にヒトを回すため業務改善の「BPR」に取り組む。

いずれも小売業とコンビニの常識に大胆に挑戦したものです。

そして仕上げとしては、ガバナンスのための集団経営体制にむけて、カリスマ経営に頼らない体制をつくる。

ローソンの組織変革の中核にあるものは「自律分散型組織」ですが、これはできるだけ現場に近い部署に権限を委譲し、現場の創意工夫を引き出す経営スタイルのことです。「自律分散型組織」は「自律型人材」を必要とします。

そしてまた、「自律型人材」になればなるほど遠心力が働きますので、一方では人材を組織人としてまとめていくための求心力が必要になります。それが経営理念です。

「自律分散型」か「中央集権型」は二者択一ではありません。企業が置かれている状況によって異なる選択肢です。

ベンチャー立ち上げから初期段階では当然のことながら強いリーダーによる中央集権型組織で一点集中突破、しかしつぎの段階以降では自律型組織に転換していくのが望ましいでしょう。

企業組織の内部で「個と組織」をどうバランスさせるか、そして基本的に「個」である消費者の心をどうつかむか、これは永遠のテーマであります。キーワードは「個」にあるのです。




目 次

はじめに
第1章 試された「分権経営」-ドキュメント・東日本大震災
第2章 迷走する経営と上場の「傷跡」-社長就任前夜
第3章 一番うまいおにぎりを作ろう-「成功体験」を作る
第4章 「田舎コンビニ」を強みに転じる- 「ダイバーシティーと分権」の導入
第5章 オーナーの地位を上げましょう-「ミステリーショッパー」の導入
第6章 加盟店オーナーにも「分権」-「マネジメント・オーナー」の誕生
第7章 「個」に解きほぐされた消費をつかむ-「CRM」への挑戦
第8章 「強さ」のために組み替える-「BPR」の取り組み
第9章 僕が独裁者にならないために-集団経営体制と新規事業
第10章 人間・新浪剛史-その半生
【インタビュー】スクウェア・エニックス 和田 洋一社長 「起業家ではない経営者」という同類から

著者プロフィール

池田信太朗(いけだ・しんたろう)
『日経ビジネス』記者。ビジネス情報誌『日経ネットブレーン』、中小企業向けIT情報誌『日経IT21』、『日経アドバンテージ』、定年退職者向けライフスタイル誌『日経マスターズ』の編集・記者などを経て、2006年から『日経ビジネス』で小売り業界を中心に取材、執筆。2011年12月に『日経ビジネスDigital』の立ち上げを担当し、2012年1月から編集長。2012年9月から香港支局特派員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。



<ブログ内関連記事>

書評 『爆速経営-新生ヤフーの500日-』(蛯谷 敏、日経BP社、2013)-現在進行中の「組織変革」ドキュメント第1章とその前夜の舞台裏

書評 『星野リゾートの事件簿-なぜ、お客様はもう一度来てくれたのか?-』(中沢康彦、日経トップリーダー編、日経BP社、2009)-「現場」がみずから考え実行する組織はどうやったらつくれるのか
・・星野社長は慶応義塾大学アイスホッケー部出身

書評 『経営管理』(野中郁次郎、日経文庫、1985)-日本の経営学を世界レベルにした経営学者・野中郁次郎の知られざるロングセラーの名著
・・「知的体育会系」というのは野中教授のネーミング

アムンセンが南極に到達してから100年-西堀榮三郎博士が説くアムンセンとスコットの運命を分けたチームワークとリーダーシップの違い
・・自律型人材によるチームワークとリーダーシップ

書評 『オーケストラの経営学』(大木裕子、東洋経済新報社、2008)-ビジネス以外の異分野のプロフェッショナル集団からいかに「学ぶ」かについて考えてみる
・・「(フラットな組織である)オーケストラにおいては、個々の演奏者が、いかに他の演奏者とのハーモニーをつくり出すことができるかということであり、別の表現をつかえば、いかにチームワークを作りあげるかということになる。「もともと日本には、教会の響きのなかで賛美歌を歌いながらハーモニー(調和・和声)を創っていくという習慣がない。そのため、お互いの音を聴き合ってハーモニーを創っていくという意識が、どうしても低くなっているようにみえる」(P.157~158)」 日本と西欧との大きな違い。

「やってみなはれ」 と 「みとくんなはれ」 -いまの日本人に必要なのはこの精神なのとちゃうか?
・・2014年にサントリーの次期社長にローソン会長の新浪氏がスカウトされ内定。「やってみなはれ」精神の持ち主と評価されてのことだという

(2014年3月19日、7月3日 情報追加)




(2012年7月3日発売の拙著です 電子書籍版も発売中!)





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