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2013年5月20日月曜日

【セミナー開催のお知らせ】 「営業が変われば会社は変わる!-縮小する成熟市場・日本で持続可能に勝ち残るために考えるべきこと-」(2013年6月7日 日本橋) 


■セミナーの概要

中堅中小企業経営者のための営業力強化の基本を、一番化戦略の営業コンサルタントと組織変革コンサルタントという、経営を熟知している二人の専門家による中身の濃い「対話」からヒントをゲットしてください!

■セミナーの内容

中堅中小企業の経営者の皆様!

-若手の営業担当者の育成がうまくいかない
-営業マネージャーが部下を育成しない
-営業担当者をセミナーに派遣しても成長が見えてこない
-営業チームの雰囲気が悪い
-営業チーム内の連携が悪い

そんなお悩みをお持ちではありませんか?

「アベノミクス」で明るい兆しのでてきた日本経済ですが、構造的に市場は成熟し縮小傾向にあることは否定できません。現実はシッカリと見つめなくては足をすくわれてしまいます。

とはいっても、日本で上手くいかないから海外でチャレンジすればいいというものでもありません。日本で上手くいかなければ海外に出てもなかなか上手くいかないのが現状です。海外は本質的に異なる市場ですから、日本と同じやり方では成功できないからです。

そんな縮小傾向にある成熟市場・日本ですが、サステイナブル(持続可能)に勝ち残ることは可能です。実際に勝ち残っている会社も少なくありません。

サステイナブル(持続可能)な成長とは、自社の既存の市場をベースにしながらも営業のチカラによって成長軌道を維持していくことです。これは現状維持とは根本的に異なる考え方です。現状維持するためにも成長を続けていかなければならないのです。

売上が上がって利益が上がれば、営業は元気になります。
営業が元気になれば、会社全体が元気になります。
成長軌道に乗ってくると、いい製品やサービスが出るようになります。
「営業力×開発力」で、さらに会社が元気になっていきます。

一言でいえば、営業が変われば、会社も変わるのです。

営業をテコにして会社を変えることにもつながるのです。
従業員がハッピーになれば、会社もハッピーになるのです。

「営業が変われば会社は変わる!」というテーマで、経営のわかる営業のプロと人材育成のプロが、そんなお悩みをお持ちの中堅中小企業経営者の皆さまのヒントになるよう、「対話形式」で本質論についてお話しさせていただきたいと考えています。

営業力強化とは、分解すれば「個人と組織」の問題です。
営業とはつまるところ営業マン個人の問題であり、かつ営業組織全体の問題でもあるのです。

「営業マンの個人能力アップ ⇒ 組織営業の能力アップ ⇒ 会社の組織力アップ」で、サステイナブルに勝ち残っていきましょう!

では、2013年6月7日、日本橋でお会いしましょう!



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セミナー開催概要

タイトル: 「営業が変われば 会社は変わる」
日時: 2013年6月7日(金) 15:00~17:00 (受付開始14:40)
会場: 東京・日本橋 (詳細は申し込みされた方に個別にお知らせいたします
参加対象者: 中堅中小企業の経営者(営業担当役員、人事担当役員、経営企画担当役員等も含む
募集人員: 10名限定
申し込みとお問い合わせ:  https://www.facebook.com/events/263384643807407/
 047-498-9016 または ken@kensatoken.com  まで(コピー&ペーストでお願いします)。


■講師プロフィール

●高田 稔(たかだ・みのる)MBA

一番化戦略、営業コンサルタント。
米系外資企業にて日本国内及びグアム、マイクロネシアにて営業、及び営業のマネジメントを行う。社長賞(1位)を含め3位以内、10位以内の受賞経歴を持つ。2005年より独立し、営業を主体としたコンサルティングを中小企業を中心に行い、営業マンの育成、営業戦略の立案から実施までを手がけ飛躍的な売り上げのアップを図り現在に至る。
1969年、東京生まれ。1993年、立命館大学卒業(京都)。2005年、英国ハル大学(University of Hull)にてMBA取得(専攻:マーケティング)。著書に、『20代で身につけたい 営業の基本』(中経出版)、『小さなことでいいから、まずは一番になりなさい。』(中経出版)
 ウェブサイト: http://www.takadaminoru.com/

佐藤けんいち(さとう・けんいち)MBA

マネジメント国際化、組織変革コンサルタント。
組織人事からビジネスキャリアをスタート、金融系コンサルティグファーム、広告代理店系コンサルティングファームを経て、中小の機械部品メーカーの取締役として「ナンバー2」のポストに就任、営業マンの人材強化からはじまる社内変革を責任者として主導し、売り上げと利益を倍増させサステイナブル(持続可能)な経営体制をつくりあげることに貢献。その間、タイ王国のバンコクで同社の現地法人を立ち上げ社長を歴任。2010年に独立して現在に至る。
1962年、京都府生まれ、1985年、一橋大学卒業(東京)。1992年、米国レンセラー工科大学(Rensselaer Polytechnic Institute:RPI)にてMBA取得(専攻:技術経営)。著書に、『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』(こう書房)。
  ウェブサイト:  http://kensatoken.com/
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2013年5月15日水曜日

書評 『俺のイタリアン、俺のフレンチ-ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方-』(坂本孝、商業界、2013)-ビジネスモデル×哲学(理念)を参入障壁にブルーオーシャンをつくりだす



『俺のイタリアン、俺のフレンチ-ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方-』(坂本孝、商業界、2013)は、ブックオフ創業者のあらたな挑戦についてみずから語った本です。

「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」。雑誌やテレビ番組でも取り上げられている、いまもっとも注目を集めている「行列の絶えない飲食店」ですね。東京・銀座に集中出店している立食形式の店舗ですが、行列に並ぶのがキライなわたしは、残念ながらまだ行ったことはありませんが。

どうやったら「ぶっちぎりの競争優位性」を築くことができるか、ビジネスにかかわっていれば、誰もが関心あると思います。そのテーマについて具体的に語っている本です。

ビジネスモデルは、三ツ星クラスの店で腕を振るってきたプロの料理人をスカウトし、「原価率」を極限まで上げ、低価格だが回転数で勝負するというもの。「安くてうまい」が客を喜ばせリピート客とし、好循環をつくりあげる。

原価率を上げれば利幅が下がりますが、回転数を上げれば上げるほど利益はでる。経営のセオリーにきわめて忠実であります。スーパーマーケットのビジネスモデルを異業種である飲食業に導入した点に坂本氏の事業の天才ぶりがあらわれています。

じつに大胆な策です。シミュレーション結果をみればアタマでは理解できても、なかなか実行に踏み切れるものではないでしょう。

そしてその中核にあるのは、プロにはプロとしての仕事に専念してもらう環境をつくりだし、料理人が報われる仕組みをつくりたいというもの。

まさに、「仕組みで勝って人で圧勝する」(P.164)という坂本社長のコトバにあるように、人を中心にすえた経営ですね! 「ビジネスモデル × 哲学(理念)」で、ブルーオーシャンで参入障壁をつくりだすということになるでしょうか。

坂本孝氏の話は、ずいぶん以前になりますが、ブックオフが成長期に入って注目されていた頃に、プライベートな勉強会で話を聞いたことがあります。

中古ピアノ販売で成功されたことを話されていたことを覚えていますが、ギラギラしたところのまったくない、どちらかといって謙虚な印象を受けました。その秘密が稲盛フィロソフィーの体現者であったからだということが、この初の著者を読んではじめてわかりました。

「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」の仕組みはなかなか真似できるものではありませんが(・・だからこそ「参入障壁」となっているわけですね!)、いろいろ学ぶことの多い本だと思います。マネジメントチームのあり方や、新規出店と人材育成の関係なども含めて、読む人によってさまざまでしょう。

間違いなく読んで損はない一冊です。





目 次

はじめに
第1章 希代の繁盛店「俺のイタリアン」誕生
第2章 2勝10敗の事業家人生
第3章 ブックオフがNo.1企業になれた理由
第4章 稲盛和夫氏の教えと、私の学び
第5章 「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」は進化する
第6章 「物心両面の幸福を追求する」決意表明
第7章 業界トップとなり、革新し続ける
おわりに

著者プロフィール

坂本孝(さかもと・たかし)
1940年5月生まれ、山梨県甲府市出身。オーディオ販売や中古ピアノ販売などいくつかの事業を経て、1990年5月、「ブックオフ」を創業(1991年8月、ブックオフコーポレーション株式会社を設立)。16年間で1000店舗まで拡大し、書籍業界の流通に革命をもたらした。2009年11月、VALUE CREATE株式会社を設立し、飲食業に参入。2011年9月、東京・新橋に「俺のイタリアン」をオープン。大繁盛店となり、その後、同様のコンセプトで「俺のフレンチ」や、和食バージョンを展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


<関連サイト>
 
VALUE CREATE株式会社 公式サイト (俺のイタリアン、俺のフレンチその他)

商業界 書籍販売サイト


<ブログ内関連記事>

書評 『社長は少しバカがいい。-乱世を生き抜くリーダー鉄則-』(鈴木喬、WAVE出版、2013)-「名物社長」が語る経営論

書評 『経営の教科書-社長が押さえておくべき30の基礎科目-』(新 将命、ダイヤモンド社、2009)

書評 『全員で稼ぐ組織-JALを再生させた「アメーバ経営」の教科書-』(森田直行、日経BP、2014)-世界に広がり始めた「日本発の経営管理システム」を仕組みを確立した本人が解説
・・稲盛哲学と経営管理の仕組みが合体した「アメーバ経営」とは?

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2013年5月14日火曜日

書評 『誰でもデキる人に見える 図解de仕事術』(多部田憲彦、明日香出版、2013)-図解は思考のツールでありコミュニケーションのツールでもある


図解は思考のツールであるというのが常識ですが、図解はコミュニケーションのツールでもあるということに気づかせてくれる内容です。

著者は、若き国際ビジネスマン。著者が図解に目覚めたのは、前職のタイの生産現場でタイ人ワーカーたちを相手に悪戦苦闘していた頃とのこと。タイ語がよくできなかった頃に、図によるコミュニケーションで現場改善を実現したとのだそうです。

デキる人は、「図解なんてできて当たり前じゃないの!?」と思うでしょう。わたしもそう思っていました。図解によってアタマのなかを整理し、複雑な問題をときほぐして簡単にするというテクニックですね。しかも説得やプレゼンのためにも図解は不可欠。

ところが、著者によれば、意外と若いビジネスパーソンたちが図解がむずかしいと誤解しているらしいこと。これはあきらかな誤解ですね。

図解は思ったよりも簡単で、しかもいったんマスターすれば、「誰でもデキる人に見られる」(笑)という副産物もあるということを知っていただきたいものです。「デキる人」になれるかどうかは、読者次第ということでしょう。

簡単な図解をつかえば外国人とのコミュニケーションも容易になるわけですね。英語力に自信のない人は積極的に活用してみてはいかがでしょうか。

図解の本にはさまざまなものがありますが、意外なことに入門編や初級編のものは少ないようです。図解への敷居を下げた本書はその意味では意義あるものといえるでしょう。

図解入門編として、ぜひ若い人たちに紹介してあげてほしいと思います。





目 次

Chapter1 図解de認められる
Chapter2 図解が苦手な人の 10no誤解
Chapter3 ○△+ で考える たった4つ no図解思考
Chapter4 紙とペンだけあれば 何でも図解de解決できる
Chapter5 転職に使える 図解de自己分析
Chapter6 商談に使える 図解deコミュニケーション
Chapter7 思考を見える化する 図解atama習慣

著者プロフィール

多部田憲彦(たべた・のりひこ)
日産自動車(株)ルノー日産共同購買本部リージョナル・サプライヤー・パフォーマンス・マネージャー。2002年、光ファイバー製造メーカーに入社、翌年、入社2年目で同社タイ工場の改善を任され、6ヶ月で改善業務を完了させる。2007年、日産自動車(株)に転職。ゴーンCEOが開発を命じたV-up プログラムで、2011年度課題達成優秀賞を受賞。2010年から図解勉強会を開催(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。



<ブログ内関連記事>

『伝え方が9割』(佐々木圭一、ダイヤモンド社、2013)-コトバのチカラだけで人を動かすには




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2013年5月10日金曜日

TIME誌の特集記事 「メイド・イン・USA」(2013年4月11日)-アメリカでは製造業が復活してきた


すでに1カ月前になってしまいますが、米国の TIME誌の 2013年4月11日号のカバーストーリー(特集記事)が、"Made in the USA" でした。遅ればせながら昨日しりました。

記事によれば、2008年のリーマンショックから3年間で製造業に従事する人口がなんと 50万人(!)も増加しているとのこと。

基本的に「シェールガス革命」の恩恵でエネルギーコストが下がったことが背景にあるようです。具体的にいえば、中国で生産して米国に輸送するよりコストより、米国内で製造したほうがトータルコストが低くなる(!)という図式ですね。

原発事故で天然ガスの輸入が増え、しかも円安のため輸入コスト上昇、ひいては電力料金アップにつながっている日本とは大違いです。

だが、これはかならずしも単純に製造業人口が増加したと解釈すべきではない、と記事にはあります。

単純労働ではなく、コンピューターという「機械との競争」と共存が現在の製造業の現場であり、教育で技能を身につける必要が生じていることに注意を促しています。

日本のものづくりをどうするかという議論がずっと続いていますが、アメリカの状況をどう解釈するか。いろいろ考える必要がありますね。

とりあえず情報だけでも知っておくべきでしょう。


<関連サイト>

Made in the USA(TIME Magazine)
http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,2140793,00.html?pcd=teaser

How ‘Made in the USA’ is Making a Comeback (TIME Magazine)
http://business.time.com/2013/04/11/how-made-in-the-usa-is-making-a-comeback/?iid=obnetwork

Made in America, Again(TIME Magazine)
http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,2140773,00.html?iid=obinsite

Is U.S. Manufacturing Really Back ? (TIME Magazine)
http://business.time.com/2012/01/23/is-manufacturing-really-back/

米モノ作り復活、意外な立役者たち 産業のすそ野で広がる改革の実態 (日経ビジネスオンライン2014年1月21日)



<ブログ内関連記事>

書評 『日本式モノづくりの敗戦-なぜ米中企業に勝てなくなったのか-』(野口悠紀雄、東洋経済新報社、2012)-産業転換期の日本が今後どう生きていくべきかについて考えるために

書評 『製造業が日本を滅ぼす-貿易赤字時代を生き抜く経済学-』(野口悠紀雄、ダイヤモンド社、2012)-円高とエネルギーコスト上昇がつづくかぎり製造業がとるべき方向は明らかだ

書評 『ものつくり敗戦-「匠の呪縛」が日本を衰退させる-』(木村英紀、日経プレミアシリーズ、2009)-日本の未来を真剣に考えているすべての人に一読をすすめたい「冷静な診断書」。問題は製造業だけではない!

書評 『グローバル製造業の未来-ビジネスの未来②-』(カジ・グリジニック/コンラッド・ウィンクラー/ジェフリー・ロスフェダー、ブーズ・アンド・カンパニー訳、日本経済新聞出版社、2009)-欧米の製造業は製造機能を新興国の製造業に依託して協調する方向へ

書評 『空洞化のウソ-日本企業の「現地化」戦略-』(松島大輔、講談社現代新書、2012)-いわば「迂回ルート」による国富論。マクロ的にはただしい議論だが個別企業にとっては異なる対応が必要だ

書評 『現代中国の産業-勃興する中国企業の強さと脆さ-』(丸山知雄、中公新書、2008)-「オープン・アーキテクチャー」時代に生き残るためには
・・「垂直分裂」というコトバが定着したものかどうかはわからないが、きわめて重要な概念である。この考え方が成り立つには、「ものつくり」において、設計上の「オープン・アーキテクチャー」という考え方が前提となる。 「オープン・アーキテクチャー」(Open Architecture)とは、「クローズドな製品アーキテクチャー」の反対概念で、外部に開かれた設計構造のことであり、代表的な例が PC である。(自動車は垂直統合型ゆえクローズドになりやすいが電気自動車はモジュール型)







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2013年5月2日木曜日

書評 『英語だけできる残念な人々-日本人だけが知らない「世界基準」の仕事術-』(宋文洲、中経出版、2013)-英語はできたほうがいいが、英語ができればいいというものではない


TVに登場して歯に衣着せない痛快な発言をしている宋文洲氏。 嫌いな人も少なくないでしょうが、わたしは大好きです。

なぜなら、発言内容があまりにも当然すぎるほど正論だから。中国人であろうが、日本人であろうが関係ありません。ただしいことを言っているので評価するのです。

そんな宋文洲氏の最新刊 『英語だけできる残念な人々-日本人だけが知らない「世界基準」の仕事術-』(宋文洲、中経出版、2013) はいい内容です。タイトルや帯のキャッチコピー出版社がつけたのでしょう、ややどぎついですが内容はいたってまともです。

現在グローバル化が脅迫的な響きをもってさかんに叫ばれていますが、さすがに一昔前のように日本からみた先進国である英国や米国でのビジネスが「グローバル化」という意識はすでにないでしょう。

実態は、中国や東南アジアがいわゆる「グローバル化」の中心にあります。そこでつかわれている言語は、ビジネスであれば英語が共通語とはなっていますが、現地に住んでいる圧倒的多数のローカルな人たちは英語などまったく理解できません

この事実は、本書でも取り上げられているアマゾン・ジャパンと楽天の比較事例を読めば明らかでしょう。宋文洲さんによれば、米国企業アマゾン・ジャパンの社内原語は日本語です。考えてみれば当たり前の話ですね。日本人の7割は100年たっても英語中心の生活にはならないでしょう。その他の国もまた同じです。

逆に考えれば、日系企業が中国で日本語を社内共通語にしたら工場は回らなくなってしまいます。マネージャー以上は英語が共通語だとしても、ワーカーに英語や日本語を求めてもナンセンスというものです。ローカルな消費者も英語も日本語も理解しないでしょう。

いまでは英語はビジネスコミュニケーションのツールとしての意味しかないのです。しかも英語の通用範囲は思ったよりも狭いというのが世界の現実です。

もちろん英語はできたほうがいいが、英語ができればいいというものではありません。言い換えれば、必要条件ではあるが、十分条件ではないということですね。

では、現地のローカル市場においてほんとうに必要なことはなにか? なにがもっとも必要とされるスキルであり、マインドセットであるかについては、目次を見ればたちどころに理解できるはずでしょう。

第1章 不思議な病「英語恐怖症」におびえる日本人
第2章 9割の日本人が勘違いする「グローバル化」の意味
第3章 御社がグローバル化できない本当の理由
第4章 生き残るために大切なのは「英語力」より「議論力」
第5章 日本人だけが知らない世界のコミュニケーションのルール
第6章 英語ができないあなたがグローバル社会で生き残る方法

グローバル化とは、じつは地道なローカル化なのだという宋文洲さんの指摘、これはじっくりとかみしめていただく必要があります。

日本企業にとってもっとも必要なことは、内なるグローバル化といっていいでしょう。そのキモは、オープンな企業風土をつくりあげること。わたしの表現なら「マネジメント国際化」こそが求められるということです。

リアルビジネスにおいては「グローバル化」など存在しません。あるのは国と国とのあいだの「国際化」だけなのです。

そして個々の日本人ビジネスパーソンにとって求められることは本書のなかに詳述されています。要は人間としての中身を充実させるということ。

この本には、「グローバル世界」ではあまりにも当たり前の内容なのですが、日本ではあまりにも当たり前になっていないことが書かれています。かつて評論家の竹村健一が「世界の常識 日本の非常識」とつねに語っていたことを思い出します。

この本は、カネがあれば一万冊くらい買い上げてタダで配ってもいいくらいの内容です(笑) さすがにそんなカネはありませんので、みなさまお買い求めのうえ一度目を通してみてください。





<関連サイト>

大研究 なぜ日本の企業はこんな採用をしているのか ユニクロ・楽天・グーグルほか 急増中!「英語ができて、仕事ができない」若手社員たち(「週刊現代」 2013年04月30日)
・・「就活が本格化すると、こぞってTOEICの教材を買い込む学生たち。日本の歴史や文化をよく知らないまま、英語ができるだけの「グローバル人材」となった若者たちに、仕事ができるわけはない」。

<ブログ内関連記事>

書評 『10年後に食える仕事 食えない仕事』(東洋経済新報社、2012)-10年後の予測など完全には当たるものではないが、方向性としてはその通りだろう
・・日本というローカル市場においては今後も日本語がメジャーであることに注意を促している

ひさびさに宋文洲さんの話をライブで聞いてきた!-中国人の「個人主義」について考えてみる

地域密着型で成功した 「地域新聞」 というフリーペーパー(=無料紙)のビジネスモデルを知ってますか?

書評 『誰も語らなかったアジアの見えないリスク-痛い目に遭う前に読む本-』(越 純一郎=編著、日刊工業新聞、2012)-「アウェイ」でのビジネスはチャンスも大きいがリスクも高い





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