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2017年10月21日土曜日

書評 『ソニー歴代トップのスピーチライターが教える 人を動かすスピーチの法則』(佐々木繁範、日経BP社、2017)-スピーチはテクニックだけじゃない!


友人の佐々木繁範さんから、3冊目となる新著をいただきました。タイトルは『ソニー歴代トップのスピーチライターが教える 人を動かすスピーチの法則』(日経BP社)

タイトルにもあるように、佐々木さんはソニーで創業経営者の盛田昭夫会長と出井伸之社長(ともに当時)のスピーチライターをつとめた人。経営トップのスピーチ原稿づくりを担当していただけでなく、ソニーに転職する前は興銀の金融マンだったという異色の経歴の持ち主。本書でも、ご自身の失敗談を含めたエピソードが随所で「自己開示」されてます。

株式会社ロジック・アンド・エモーションというユニークな社名の代表ですが、「人を動かすスピーチ」はロジック(論理、ロゴス)だけでなく、むしろエモーション(感情、パトス)の要素が大事だという主張を体現したものといっていいでしょう。

それに加えて、「信頼」(エートス)と「非言語」(ノンバーバル・コミュニケーション)の重要性が説かれています。本書の分量からいっても、ロジックにかんする説明が1/4で、残りの感情などの要素の説明が3/4を占めていることからも、それがわかります。

結局のところ、人の心をつかみ人を動かすのは、プレゼンも含めて、小手先のテクニックではなくスピーチする人の人間性そのものなんだなあ、とあらためて気づかせてくれます。

仕事は一人でできるものではありません。人を動かしてこそ、ですね。そのために必要なことが盛り込まれた良書です。ぜひみなさんにもお薦めします!





目 次

序章 人を動かすスピーチの秘訣
第1章 メッセージを明確にする
第2章 主張には理由を添える
第3章 構造をシンプルにする
第4章 ストーリーを織り込む
第5章 心情と情景をありありと語る
第6章 自己開示する
第7章 相手に共感する
第8章 相手のために尽くす
第9章 本心を語る
第10章 言ったことは実行する
第11章 身体のメッセージを意識する
第12章 心をポジティブな感情で満たす


著者プロフィール
佐々木繁範(ささき・しげのり)株式会社ロジックアンドエモーション代表取締役。CEOスピーチコンサルタント/エグゼクティブコーチ。1963年福岡県北九州市生まれ。同志社大学経済学部卒業後、日本興業銀行に入行。90年にソニー株式会社に入社。盛田昭夫会長の財界活動をサポートした後、ハーバード・ケネディスクールに留学し、公共経営学修士号を取得。97年に帰国し、出井伸之社長の戦略スタッフ兼スピーチライターを務める。事業部門事業戦略部長、グローバル戦略部長を経験した後、事業会社にて現場変革リーダーを務め、2009年に独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)


<ブログ内関連記事>

書評 『思いが伝わる、心が動くスピーチの教科書-感動をつくる7つのプロセス-』(佐々木繁範、ダイヤモンド社、2012)-よいスピーチは事前の準備がカギ!
・・著者の処女作

『伝え方が9割』(佐々木圭一、ダイヤモンド社、2013)-コトバのチカラだけで人を動かすには

書評 『小泉進次郎の話す力』(佐藤綾子、幻冬舎、2010)-トップに立つ人、人前でしゃべる必要のある人は必読。聞く人をその気にさせる技術とは?

どんな話であれ「自分」を全面的に出したほうが、人はその話に耳を傾けるものだ ・・SUCCESS の法則というプレゼンの基本について。話の中身は自分を全面的に出す。これに話すテクニックが加われば、鬼に金棒だろう。私も日々精進の毎日である。

「人生に成功したければ、言葉を勉強したまえ」 (片岡義男)

書評 『言葉でたたかう技術-日本的美質と雄弁力-』(加藤恭子、文藝春秋社、2010)-自らの豊富な滞米体験をもとに説くアリストテレス流「雄弁術」のすすめ
・・「言論による説得には三つの種類がある。第一は語り手の性格に依存し、第二は聞き手の心をうごかすことに、第三は証明または証明らしくみせる言論そのものに依存する」(アリストテレス、池田美恵訳)




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2015年4月23日木曜日

書評 『マクドナルドで学んだすごいアルバイト育成術』(鴨頭嘉人、新潮文庫、2015)-「仕事をつうじて成長する」、ということ


『マクドナルドで学んだすごいアルバイト育成術』(鴨頭嘉人、新潮文庫、2015)という本が面白いので、一気に読んでしまいました。
  
原本は2012年に出版された『人生で大切なことはみんなマクドナルドで教わった』。タイトルを改題して文庫化されたもの。文庫本にも、読むべきビジネス書があります。
  
この本の内容は一言でいえば、「仕事をつうじて成長する、ということ」の意味についてといってもいいでしょう。
   
アルバイトとして4年、社員として21年。合計25年のあいだ、マクドナルドの「現場」で働いて最優秀店長にまでなった著者の、「失敗をつうじて学んできた仕事と人生」
  
アルバイトであっても、自分自身が仕事の意味を理解したときスイッチが入り、「やらされ感」が消えてゆきます。その光景が目に浮かぶようなシーンの数々。
  
食品偽装問題でマクドナルド離れが激しいようですが、それは「現場」のオペレーションの問題ではなく「経営」の問題日本企業の強みが、いまもむかしも「現場」にあることをあらためて感じさせてくれる内容でもあります。
   
世の中全体の「サービス産業化」が加速している現在、アルバイトの人たちに気持ちよく働いてもらって、最高のパフォーマンスを引き出してもらうためには、自分自身を変えてゆくことが必要だということですね。人を変えるには、まずは自分が変わらなくてはならない。そう「気づく」ことが大事です。
  
大いに共感する内容なので、みなさんにも読むことをお奨めします。
  
  




目 次  

プロローグ サービス業は天使の仕事
第1章 マクドナルドのアルバイトは、なぜニコニコして働くのか
 1. 肩書きではなく、仕事の価値は自分が決める
 2. 逃げさえしなければ、できないことはない
 3. 本当の愛情は、必ず伝わる
 4. 最高の挨拶は、最高のリーダーシップを発揮する
 5. 限界を超えるチャレンジにこそ意味が見える
 6. 人生の歩み方は、自分自身で定める
 7. 相手の立場で考え伝えたことは、必ず成果につながる
第2章 社員の最高の報酬は、お客さまの笑顔
 8. 一生懸命は、やがて感謝の交換につながる
 9. 上司の仕事は、舞台監督のように演者を輝かせること
 10. 「報連相」には、たくさんの気づきが隠されている
 11. 仕事の本当の評価者は、上司ではなくお客さま
 12. 弱さは強さに変換できる
 13. 自分のために頑張ってもらえる人間になる
第3章 店長の仕事は、楽しい職場をつくること
 14. 失敗を生かして自らを変える
 15. 理想は共有すべきものである
 16. 働く価値の置き方で、人生が良い方向に向く
 17. 重要なのは問題の "根本" を解決すること
 18. 人は誰もが期待され、貢献したいと思っている
エピローグ サービス業で世界を変える
文庫本あとがき 「人は働くことで輝く」

著者プロフィール

鴨頭嘉人(かもがしら・よしひと)
1966(昭和41)年愛媛県生れ。県立今治西高校卒(在学時は野球部キャプテン)。大学入学のために上京した際にマクドナルドと出会い、アルバイトとして4年間、正社員として21年間、日本マクドナルド株式会社に勤める。1998(平成10)年、新規開店した店舗の店長として、お客様満足度全国1位、従業員満足度全国1位、セールス伸び率全国1位の「三冠」を達成し、「最優秀店長」に選ばれる。マクドナルド初の「グループ運営店長」やオペレーション・コンサルタント、本社人事部での採用担当などを経て独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。



<ブログ内関連記事>

アルバイトのチームワーク

書評 『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(大宮冬洋、ぱる出版、2013)-小売業は店舗にすべてが集約されているからこそ・・・

アルバイトをちょっと長めの「インターンシップ期間」と捉えてみよう

日体大の『集団行動』は、「自律型個人」と「自律型組織」のインタラクティブな関係を教えてくれる好例


仕事のホンネ

書評 『夢、死ね!-若者を殺す「自己実現」という嘘-』(中川淳一郎、星海社新書、2014)-「夢」とか「自己実現」などという空疎なコトバをクチにするのはやめることだ
・・自発性を悪用しないよう!


マクドナルド関連

深夜のマクドナルドは「社会インフラ」である!-これがほんとの「社会貢献」ではないか?

日米親善ベース歴史ツアー」に参加して米海軍横須賀基地内を見学してきた(2014年6月21日)-旧帝国海軍の「近代化遺産」と「日本におけるアメリカ」をさぐる
・・米軍基地内のマクドナルドについて

プラクティカルな観点から日本語に敏感になる-藤田田(ふじた・でん)の「マクド」・「ナルド」を見よ!

世の中には「雑学」なんて存在しない!-「雑学」の重要性について逆説的に考えてみる
・・藤田田の代表作『ユダヤの商法』に書かれている「雑学」の重要性から話を展開





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2015年3月27日金曜日

書評 『督促OL修行日記』(榎本まみ、文春文庫、2015)-つらい仕事も「修行」と捉えれば乗り切れる!


『督促OL修行日記』(榎本まみ、文春文庫、2015)という本が面白いので「一気読み」してしまいました。
     
この本でいう「督促」とは、債権回収のために、支払い延滞客に電話でする督促のことです。就職氷河期にやっと決まった信販会社で、新卒として最初に配属されたのが督促コールセンター。「花のOL」とはほど遠い世界ですが、会社組織ですから新人に配属先は選べません。
  
電話による督促は、対面ではなく、声だけがたよりのコミュニケーション。督促したからといって、そうすんなりと払ってくれるわけではないので、おおいに苦労するわけです。この本には、著者が体験した多種多様な事例がでてきますが、多重債務者や支払困難な顧客からは罵詈雑言をあびせられ、ほとんどクレーマーのような内容もきわめて多い世界であることがわかります。
  
この本の著者は、もともと気弱で、苦労もハンパではなかったようです。ですが、なんとかその世界でサバイバルできただけでなく、年間2,000億円の債権回収も可能にしたとのこと。そのノウハウとはいったいどんなものなのか? そのディテールが、具体的に書かれています。
  
仕事をつうじて成長するフツーの女性の物語であり、苦痛と思える仕事も、どうやったらそのなかでサバイバルできるかという仕事術にもなっています。クレーム対応の本でもあり、コミュニケーション下手で苦労している人にとっての実践的アドバイスが「督促OLのコミュ・テク!」としてまとめられています。
   
ビジネス書として売り出しているわけではないのに、つまらないビジネス書より、はるかに面白い! テレビドラマ化したら面白いのでは?  
   




目 次

01 ここは強制収容所?
02 "ブラック部署” の紅一点!
 督促OLのコミュ・テク! その1 約束日時は相手に言わせる
03 ストーカー疑惑と襲撃予告
 督促OLのコミュ・テク! その2 「おカネ返して!」と言わずにおカネを回収するテクニック
04 謎の奇病に襲われる…
 督促OLのコミュ・テク! その3 いきなり怒鳴られた時に相手に反撃する方法
05 自分の身は自分で守る
 督促OLのコミュ・テク! その4 厳しいことを言う時のツンデレ・クロージング
06 N本、大抜擢される
07 自尊心を埋める
 督促OLのコミュ・テク! その5 クレームには付箋モードで反撃
08 濃すぎる人間修行
 督促OLのコミュ・テク! その6 「謝ればいいと思ってんだろ!」と言われない謝り方
09 センパイ武勇伝
 督促OLのコミュ・テク! その7 「ごめんなさい」と「ありがとうございます」の黄金比
10 合コンサバイバル
 督促OLのコミュ・テク! その8 声だけ美人になる方法
11 仕事からもらった武器と盾
おわりに
文庫版あとがき
参考書籍リスト
解説 佐藤優


著者プロフィール

榎本まみ(えのもと・まみ)
新卒で信販会社に入社し支払延滞顧客への督促を行うコールセンターに配属される。クレジットカードの回収部門にて300人のオペレーターを指示し、年間2000億円の債権を回収。現在も某金融機関のコールセンターで働く傍ら、電話オペレーターの地位向上のため活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。





<関連サイト>

督促(トクソク)OLの回収4コマブログ (著者のブログ)
・・「コールセンターで働くOLのブログ。世の中に「督促」という言葉が広まればいいなぁと活動中。 エッセイ『督促OL 修行日記』(榎本まみ/文藝春秋)。コールセンター専門誌・コンピューターテレフォニ―にて4コマ漫画連載中です」


<ブログ内関連記事>

書評 『「怒るお客様」こそ、神様です!-クレーム客をお得意様に変える30の方法-』(谷 厚志、徳間書店、2011)-「対話をつうじた問題発見」こそ、クレーム対応の要

書評 『仕事漂流-就職氷河期世代の「働き方」-』(稲泉 連、文春文庫、2013 初版単行本 2010)-「キャリア構築は自分で行うという価値観」への転換期の若者たちを描いた中身の濃いノンフィクション

書評 『修羅場が人を磨く』(桜井章一、宝島社新書、2011)-修羅場を切り抜けるには、五感を研ぎ澄ませ!




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2014年8月18日月曜日

書評 『スルーされない技術』(石田章洋、かんき出版、2014)-「スルーされる人」 と 「スルーされない人」 の違いとは?


「スルーする」という表現がよく使われるようになったのはいつからか記憶にありませんが、「スルされた」ときの残念感はなんともいえないものがありますよね。

逆に「スルーする側」に立って考えてみると、多忙なときはスルーしがちですが、それはなにも悪気があってのことではありません物事には優先順位というものがあるし、みな忙しいのです。つまらないことにこだわって時間を浪費したくないし、精神的な疲労感はできるだけ避けたいから。

『スルーされない技術』(石田章洋、かんき出版、2014)は、これは使える技術です。「スルーされる人」 と 「スルーされない人」を対比させながら、「スルーされない人」になるためのコミュニケーション・スキルを教えてくれる本です。

とくに組織内でのコミュニケーション能力に不足しがちな人に読んでもらいたい本です。相手が誰であれ「人の心をつかんで離さない」ためのエッセンスを、フリーの放送作家としての30年の経験から抽出したものです。

そのエッセンスとは、「相手の心を一瞬でつかむ」、「つかんだら離さない」、「次回も観たい」(=会いたい)と思わせる3原則。テレビ番組そのものがそうですし、その企画を通すと言うことじたいが、この原則をはずれては成り立たないわけですからね。

著者は、スルーされる人に共通していることは、「コトバの温度が低い人」だといいます。テレビ業界ではよくそういうらしいのですが、言い換えれば「発言に熱が感じられない人」ということでしょう。つまり、なにがいいたいのだかよくわからない、なにを伝えたいのかよくわからないということです。

著者は、コトバは「手段」であって「目的」ではないと明言しています。コトバは「目的」を達成するための「手段」なのである、と。手段と目的は混同してはいけません。これはコミュニケーションの基本です。

本書の基本的なメッセージは、スルーされないためには「戦略」が必要であり、そのためにはさまざまな「戦術」があるということ、です。本書は、その「戦術」を「型」として簡潔に整理しているものです。

具体的なアドバイスは「目次」をみていただきたいと思いますが、サラっと読めるなかに、「これはなんだ?」というリアクションを誘発するであろうフレーズで「フック」をつくるなど、この本じたいが「スルーされない」構成になっています。

面白くて役に立つ実用書として、多くの人に勧めたいと思う次第です。



PS. この書評は、R+(レビュープラス)さまより献本をいただいて執筆したものです。






目 次

まえがき
第1章 「スルーされる人」と「されない人」の違いとは?
 伝わらないのは説明不足だからだと思っているあなたへ
  Q 一度に多くのことを伝えようとしていませんか?
 他人に バカ だと思われたくないあなたへ
  Q 相手の理解度に合わせて話していますか?
 観た映画や読んだ本をつい批評しがちなあなたへ
  Q ネガティブな言葉を使っていませんか?
 自分に 劣等感 を持っているあなたへ
  Q つい自分を飾ろうとしていませんか?
 自分自身の言葉にこだわっているあなたへ
  Q 名言のチカラを活用して話していますか?
 お世辞が嫌いなので他人をほめることがないあなたへ
  Q 絶対にスルーされない言葉を知っていますか?
 column 「SAVE THE CAT の法則」
第2章 スルーされない つかみ のルール
 つかみのルール1 リード から始める
 つかみのルール2 そこはかとない不安を煽って始める
 つかみのルール3 訴求ポイント で始める
 つかみのルール4 共感を得て始める
 つかみのルール5 サプライズで始める
 つかみのルール6 「サイレント」から始める
 つかみのルール7 謎 で始める
 つかみのルール8 相手の名前を呼んで始める
 column 「話すとは 放す ことである」
第3章 つかんで 離さない ためのルール
 引き寄せテクニック1 わかりやすく例えて引き寄せる
 引き寄せテクニック2 イメージが広がるように伝える
 引き寄せテクニック3 描写して伝える
 引き寄せテクニック4 レトリックを駆使して伝える
 引き寄せテクニック5 ストーリーを意識して伝える
 引き寄せテクニック6 ザイガニック効果を利用する
 引き寄せテクニック7  フック をかけ続ける
 使える(かもしれない) 例え 集
第4章 また会いたいと思わせる話の締めくくり方
 まとめ方のコツ1 トークや共感をもう一度レビューしてから、話を締める
 まとめ方のコツ2 「宿題」を出して、話を締めくくる
 まとめ方のコツ3 出発点に戻って話を締めくくる
 まとめ方のコツ4 「次の機会を楽しみに」させる
 まとめ方のコツ5 最後を「笑い」で締めくくる
第5章 明日から使える 伝え型
 スルーされない伝え型1 共感してもらえる型
 スルーされない伝え型2 謝って許してもらう型
 スルーされない伝え型3 時系列を超えたストーリーの型
 スルーされない伝え型4 伝えたいテーマにフォーカスさせる型
 スルーされない伝え型5 王道の伝え型
 スルーされない伝え型6 説明・説得する話の型
 スルーされない伝え型7 ナナヘソナスの法則
 column 人を感動させるストーリーの定石は「神話の法則」
あとがき に代えて -私はこうして「伝え方」を学んできました-



著者プロフィール

石田章洋(いしだ・あきひろ)
放送作家。日本脚本家連盟員・日本放送作家協会会員。1963年生まれ。岡山県出身。プランナー&ライターズオフィス、株式会社フォーチュンソワーズ代表取締役。日本大学在学中に三遊亭円楽(当時は楽太郎)に弟子入り。落語家になるも数年後、放送作家に転身。以来、30年近くにわたり、各キー局のバラエティ番組・情報番組・クイズ番組・報道番組など、あらゆるジャンルのテレビ番組で企画・構成を担当。構成を手がけた「世界ふしぎ発見!~エディ・タウンゼント 青コーナーの履歴書」は第45回コロンバス国際フィルム&ビデオ・フェスティバルで優秀作品賞を受賞するなど番組の企画・構成に関して高い評価を受けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。




<ブログ内関連記事>

書評 『スーパー速書きメソッド』(石田章洋、 マイナビ新書、2014)-ビジネスパーソンに不可欠な文書コミュニケーション術
・・同じ著者による「書くコミュニケーション術」

『伝え方が9割』(佐々木圭一、ダイヤモンド社、2013)-コトバのチカラだけで人を動かすには

書評 『言葉にして伝える技術-ソムリエの表現力-』(田崎真也、祥伝社新書、2010)

「人生に成功したければ、言葉を勉強したまえ」 (片岡義男)





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2014年6月9日月曜日

書評 『スーパー速書きメソッド』(石田章洋、 マイナビ新書、2014)-ビジネスパーソンに不可欠な文書コミュニケーション術


文書を作成するのに時間がかかる、書くのが得意ではないのでついつい億劫になりがちだ・・・。

ビジネスパーソンである以上、そんなことは言ってられません。著者の言うとおり、かつてよりはるかに文章を書く機会が増えているからです。わたし自身は文章を書くことを職業にしてきたわけではありませんが、著者の言うことには全面的に同感です。

しかも、口頭のコミュニケーションとは違って、文書のコミュニケーションは、いったん送付や提出してしまったものは修正が難しいという問題があります。メールの文章がまさにその典型ですね。文言だけでなく、数字もまたエビデンス(=証拠)として残ってしまうからです。

だからこそ、ビジネス文書作成にあたっては、構成がしっかりとしていて簡潔明瞭、理路整然であることが求められるのです。

本書は、いまを生きるビジネスパーソン向けの文章作成術です。ビジネスパーソンは 文章の専門家ではないので、100点とる必要はないのです。言うべきことが誤解なく伝わること、これができていれば十分に合格です。

もちろん、ビジネスパーソンだけではありません。なんらかの形で仕事についている人に必要な文章を書くためのメソッドが、きわめて簡潔に過不足なくまとめられています。

短文の作成方法から始まって、定型的なビジネス文章作成の方法論を説明し、最終的にはレポートなどの長文の作成術までカバーしているという用意周到な構成。文章作成レベルが高いと思っている人も、最初から「自分チェック」の意味で読むと得るものがかならずあるはずです。

ビジネス文書作成は、たんなる文書作成とは違います。ビジネス文書がコミュニケーションである以上、さまざまなビジネスシーンにおいて、つぎのアクションにつながるものなくては効果的だとはいえません。意味が明瞭でも、読んでもらう相手のことを考慮に入れておかねばなりません。

その点、本書は説得力のある内容といってよいでしょう。著者は文章作成のプロフィールというだけでなく、仕事人として組織の内外で企画を通してきたプロだからです。

わたし自身、ふだんは無意識に実践していることを、かゆいとこまで明確に文字にして整理していただいたという感想です。当たり前のことを論理的に説明するというのは、意外と難しいものだからです。

その意味では、部下の文章作成を指導する立場にある上司の方々にもお勧めしたい一冊です。



PS. この書評は、R+(レビュープラス)さまより献本をいただいて執筆したものです。





目 次

はじめに
第1章 一文を速く書き、伝わる文にする秘訣
第2章 伝わる文章を速く作る秘訣
第3章 穴埋めで速い! 伝わる「定番」フレーム
第4章 あなただけのオリジナルフレームを作るテクニック
第5章 3分で文書を仕上げるための小ネタ・テクニック
第6章 速く書くための環境を整える!
第7章 レポートなどの「長文」を速く書く方法
付録 巻末資料
  思わず使ってしまいがちな「重ね言葉」の代表的な例
 ビジネスシーンで使われがちなカタカナ語と日本語変換例
 ビジネスシーンで使えることわざ・慣用句・四字熟語
 敬語(尊敬語・謙譲語・丁寧語)の言い換え

著者プロフィール

石田章洋(いしだ・あきひろ)
 1963年岡山県生まれ。構成作家&プランナー。日本脚本家連盟員・日本放送協会会員。ライター&プランナーズオフィス、株式会社フォーチュンソワーズ代表取締役社長。25年にわたり各キー局の情報番組・報道番組などを中心に構成を担当。最近の主な担当番組は「世界ふしぎ発見!(TBS)」「情報プレゼンター・とくダネ! (フジテレビ)」「BSフジLIVEプライムニュース」など。構成を手がけた「世界ふしぎ発見! エディ・タウンゼント 青コーナーの履歴書」は-第45回コロンバス国際フィルム&ビデオ・フェスティバルで優秀作品賞を受賞するなど、番組の企画・構成・制作に関して高い評価を受けている。大手電機メーカーや大手化粧品会社の広報・マーケティングのコンサルティングを行うなどビジネスシーンでも活躍している。


<ブログ内関連記事>

『伝え方が9割』(佐々木圭一、ダイヤモンド社、2013)-コトバのチカラだけで人を動かすには

書評 『言葉にして伝える技術-ソムリエの表現力-』(田崎真也、祥伝社新書、2010)

「人生に成功したければ、言葉を勉強したまえ」 (片岡義男)






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2014年3月14日金曜日

書評 『世界最高のプレゼン術』(ウィリアム・リード、角川書店、2014)-滞日33年の日本通のアメリカ人のスピーキング・コーチが日本人向けのプレゼン術を伝授



人前で話すことがますます重要になってきているこの時代。ビジンスパーソンにとってはもちろん、そうではなくてもプレゼンの重要性は増すことこそあれ、減ずることはないでしょう。

商売であれなんであれ、人をその気にさせてアクションに向かわせることが求められる世の中だからです。

コトバをつかわずに「あうんの呼吸」で感じあうといったことは、もはや期待しないほうがいいのです。それはあくまでもごく親しい人との関係の話しであって、見知らぬ人、たとえ知り合いであってもかならずしも友人ではない利害関係者を相手にする場合は、説得のコミュニケーションがカギになります。

世の中は変わったのです。だからコミュニケーション関連本がベストセラーになるのです。


類書とは違う本書の特徴

本書は、滞日33年、合気道7段の日本通のアメリカ人が日本人向けに日本語で書いた本です。

内容紹介にはこうあります。「世界中の25000人の中で優勝したプレゼンメソッド「ワールド・クラス・スピーキング」が日本初上陸。自身も TED-X に2度登壇した著者が解説する、誰でもうまいプレゼンができる驚異のメソッド」。

「驚異のメソッド」というのは、さすがに割り引いて受け取るべきでしょうが、本を読んだ限り、ひじょうにつかえるメソッドであることは間違いないと思います。

わたしは著者とは面識はありません。また、「滞日33年、合気道7段の日本通」というプロフィールが前面に打ち出されているわけではありませんが、読んでいて「この人はさすがによくわかっているな」と感じさせるものが、本書のすみずみからにじみ出ているのを感じました。

テクニックを書いた本ならいくらでもありますが、この本が類書と違う点がくつかあります。

まず、「プレゼンが上手な人の条件」がふつうのビジネスパーソンの発言とは異なることです。

「プレゼンが上手な人の条件」
1 プロフェッショナルであること
2. 女性を退屈させないこと
3. 子どもに面白いと思ってもらえること
4. 動物ともコミュニケーションがとれること

これwだけ読むと「おんな子ども」という日本語表現を想起してしまいますが、著者の意図は「上から目線」や性差別とは関係ないと、好意的に受け取っておきましょう。

そもそもプレゼンは、論理もさることながら感情に訴えることが大事。そうでないと伝えたいことが伝わらないからですし、著者自身、子どもに絵本を読み聞かせることがプレゼンの練習になると書いています。一般的に共感話法を得意とする女性がプレゼンターとなる場合は、あえて強調するまでもないことでしょう。

つぎに、スティーブ・ジョブズなどの有名人のプレゼンではなく、自分自身の Ted-Xのプレゼンを教材に使っている点が類書とは違う点です。本書を読む前に、19分弱のプレゼンビデオをみるべきでしょう。著者自身が日本語でプレゼンしているので安心して視聴してみてください。
⇒ 世界最高のプレゼン術 (公式サイト)

著者は「コンテツが9割」と強調していますが、『伝え方が9割』という本がベストセラーになって以来、「●●が9割」というフレーズが流行してますね。プレゼン用のコンテンツのつくりかたについては、これは直接本文を読んでいただきたいと思います。

この本の特色は、プレゼンにおけるボディ・ランゲージの重要性にもあると思います。さすがに合気道七段だなと思わせるものがあります。(ちなみに、わたしは合気道二段です)。


究極のプレゼンは「スライドゼロ」!

わたしがもっとも共感するのはテクニックもさることながら、著者の姿勢というか哲学です。究極的にはプレゼン資料は「スライドゼロ」を目指すべきという姿勢(P.67、166)には激しく同意します。

スライドや画像、そして凝りに凝った動画は手間とカネを使えば作成可能です。しかし、これらのツールに頼るのは、自分のプレゼン能力が低いからだと思うべきなのです。

自分が語るコトバとジェスチャーだけで聴衆をその気にさせ、巻き込むことが究極的には可能なはずなのです。英語でいえば Doinjg よりも Being ということでしょう。その人の存在そのものが何かを語るというところまで目指したいものです。

たいへん困ったことにプレゼン=パワーポイントと思い込んでいる残念な人たちがビジネスパーソンに増えていますが、目指すのは「スライドゼロ」といいうことはつねにアタマのなかに入れておきたいものです。

もちろん、すぐには実行できいないので、スライドは最低限必要な枚数に絞り込み、最小限必要な情報まで圧縮することから始めるべきでしょう。目指すべきところが明確になれば、そのための訓練も意味あものになるはずですね。

著者がいうように、演台も水もすべて片づけ、つねに両手をフリーにしておくことも大事です。これならすぐにでも実行できますね。まずはカタチから入る、これはきわめて重要です。


日本人の「強み」をもっと意識して前面に出すべき

著者のいうテクニックや姿勢は、「シンプル・イズ・ベスト」という簡潔明瞭さを追求したミニマリズムであり、本来は日本人の美意識にかなうはずのものです。俳句がまさにその代表例ですね。

でもなぜか不思議なことに、いまの日本人はできていません。プレゼンというコトバがまだ完全に日本語として熟していないからかもしれません。

「シンプル・イズ・ベスト」を説く著者は、ある意味では、日本人に本来の日本人の特性を思い出させ、日本人が自分の「強み」を生かすことが、ワールドクラスのプレゼンのための近道だと説いていると捉えて間違いないでしょう。

「5C」でストーリーをつくる、10分で1つのポイントを伝える、クロージングは質疑応答のあとに、「タイムライン」というテクニックを活用するなど、さまざまなテクニックが紹介されています。

オープニングとクロージングの重要性を説く著者ですが、なぜかこの本にはクロージングがないのが不思議です。なんだか尻切れトンボのような感じで終わってしまいます。

オープニングは日本語でいえば「つかみ」であり、本でいえば「はじめに」や「まえがき」に該当します。本書の「はじめに」も、セオリーどおりの「つかみ」になっていると言っていいでしょう。

ですが、日本語の本は「あとがき」でクロージングをするということを著者は体感していないのかもしれません。質疑応答のあとにクロージングするという手法が本書にかんしては実践されていません。

英語の本には「「結論」があっても「あとがき」はありません。しかし、日本語の本では「あとがき」で「本文」に書いたことをあらためて要約したり、本文には書かなかったことを書いて情に訴えたりしながらクロージンにもっていくのが「常識」です。日本語世界では余韻が大事なのです。

その意味では、画竜点睛ではないかな? 著者は無意識のうちにふだん読んでいる英語の本の「常識」が出てしまったのかもしれません。ある意味、最後の最後で貴重なアドバイスを反面教師として逆説的に(!)与えてくれる本でもありました。

本書で紹介されているテクニックやマインドセットは実地に試してみてこそ意味をもつもの。ぜひ自分のアタマだけでなく、自分のカラダもつかって本書に書かれた内容を体感してみることを薦めます。

さまざまな「学び」を得ることのできる本としてお薦めします。


PS. この書評は、R+(レビュープラス)さまより献本をいただいて執筆したものです。





目 次

はじめに 日本人の99%のプレゼンは間違っている
ワールド・クラス・スピーキング創始者 監修者クレッグ・バレンタインより
序章 これが「ワールド・クラス・スピーキング」だ
第1部 コンテンツをつくる
 第1章 柱となるコンテンツを整理する
  01 伝えたいポイントを盛り込みすぎない
  02 コンテンツは簡潔にまとめる
  03 スライドはいきなりつくらない
 第2章 オープニングからクロージングまでの流れをつくる
  04 オープニングはもっとも重要なコンテンツ
  05 コンテンツをつくる重要なポイント
  06 大切にしたいクロージング
 第3章 魅力的なコンテンツをつくる
  07 ストーリーでプレゼン力を高める
  08 具体的にどうやってストーリーをつくるか
  09 聞き手をワクワクさせるコンテンツのつくりかた
  10 聞き流されないコンテンツのつくりかた
  11 コンテンツがみるみる生まれる魔法の方法
 第4章 スライドをデザインする
  12 スライドは「シンプル」で勝負せよ
  13 【実践編】コンテンツを磨く
第2部 伝え方を磨く
 第5章 もっとよく伝わる体の使い方
  14 プレゼンは感情・感覚に訴える
  15 正しい姿勢がプレゼンを成功させる
  16 プレゼンで大切な舞台の使い方
 第6章 もっとよく伝わる環境のつくりかた
  17 プレゼンはリハーサルが9割
  18 プレゼンで大切な木っ気手への言葉かけ
  19 聞き手との一体感を獲得する
  20 【実践編】4つの伝え方の柱

著者プロフィール

ウィリアム・リード(William Reed)
アメリカ出身。アーラム大学(アメリカ)で日本語と日本文化を研究し、在学中に早稲田大学に留学。その後ミズーリ大学大学院修士課程修了(専攻は教育学など)。合氣道七段、書道の師範であり、日本通。トーストマスターズのワールドチャンピオンスピーカーになったクレッグ・バレンタイン(Craig Valentine)氏に師事し、2009年に世界で第一号のワールドクラス・スピーキングの認定コーチになる。現在は、ワールドクラス・スピーキングの日本の拠点として、EMC Quest,K.K.の会長を務め、企業や個人向けのセミナーやコーチングプログラムを日本語と英語で設けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。



<関連サイト>

世界最高のプレゼン術 (公式サイト)



<ブログ内関連記事>

書評 『思いが伝わる、心が動くスピーチの教科書-感動をつくる7つのプロセス-』(佐々木繁範、ダイヤモンド社、2012)-よいスピーチは事前の準備がカギ!

『伝え方が9割』(佐々木圭一、ダイヤモンド社、2013)-コトバのチカラだけで人を動かすには

書評 『小泉進次郎の話す力』(佐藤綾子、幻冬舎、2010)-トップに立つ人、人前でしゃべる必要のある人は必読。聞く人をその気にさせる技術とは?

合気道・道歌-『合気神髄』より抜粋

カラダで覚えるということ-「型」の習得は創造プロセスの第一フェーズである






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2013年8月26日月曜日

書評 『プロ弁護士の「心理戦」で人を動かす35の方法』(石井琢磨、すばる舎、2013)-「論理」だけに頼らず「心理」を大いに利用すべし!



タイトルに「プロ弁護士」とあるのを見て、資格商売である弁護士にプロもアマもあるまいと思うのですが(笑)、そういうつまらない冗談はさておいて、現役の弁護士画披露する「説得の技術」には、ビジネスパーソンはもとより、それ以外の一般人も耳を傾けることがあるといっていいでしょう。

というのもTVドラマの法廷ものだけをみて、あれが弁護士の説得術だと思いこんでいると危険きわまりないからです。

欧米社会とは異なり、日本では裁判でシロクロをはっきりさせるよりも、和解や示談というかたちの交渉にもちこむことが、やはり依然として多いからです。むしろ裁判よりも和解のほうがじっさいにははるかに多いでしょう。

これは日本文化の特徴という説明がされることもありますが、和解や示談のほうが被告と原告の双方にとって合理的な解決であることは多いものです。著者が、「ムダな争いを避ける」ことを強調しているのはそのためでもありますね。

基本的に民事では、金銭で解決できるものはそうするべしというのが法の趣旨ですから、「落とし所」が被告と原告の双方にとって「ウィン・ウィン」(win-win)となるのが望ましいことは言うまでもありません。だからこそ、そこでは法律という「論理」もさることながら、著者がいうように「心理」が重要になってくるのです。納得のいく結果に導くのは、同じ「理」ではあっても、まずは「心理」からというわけですね。

一対一の交渉である和解や示談のケースとは違って、裁判でシロクロ派はっきりさせるケースは、裁判官という第三者のいる交渉になります。「心理戦」で人を動かすうえで、これはきわめて重要な区分となります。

法廷では弁護する側である被告にとって有利な判決(=評価)を勝ち取るのがカギとなるわけですから、そのための法廷テクニックに「心理戦」を応用するわけです。これはディベートも同じですね。

現実のビジネスの場にあてはめてみれば和解や示談という一対一の交渉は上司や顧客を説得して自分に有利な結果を導き出すケースであり、第三者がかかわってくる裁判は組織内での多数派工作に近いかもしれません。賛成派と反対派がいて、その他の多数を第三者とすれば、いかに多数派を取り込むことができるかが勝負を決するカギとなります。

著者が本書で自らの経験を踏まえて説いている「心理戦」は、意外と応用範囲が広いことが理解できるのではないでしょうか。

読み始めるといきなりですが、チャルディーニの名著 『影響力の武器』カーネギーの『人を動かす』が紹介されています。

とくに著者もつよく推奨している 『影響力の武器』 は、はかなり分厚い専門書ですが、わたしもいまから約20年前につよくすすめられて、おおいに感心しながら読み進めたたことを覚えています。この本は営業パーソンだけでなく、日常的に交渉(取引)を行っているビジネスパーソンならだれもが読むべきだといっていいでしょう。

「論理」だけでは人は動きません。「心理」で人を動かすことも必要なのです。説得の技術とは、「心理」と「論理」を駆使したものなのです

軽いタッチで書かれているビジネス書ですが、意外と重要なことが書かれている本です。日々の弁護士活動のなかでつかってうまくいってきた知見に基づいて書かれているので、楽しみながら納得することができるでしょう。

ビジネスパーソンであれば、具体的なシチュエーションにあてはめながら読んでみると応用がきくはずです。「論理」ばかりが強調される現代社会ですが、意外と「心理」の応用範囲は広いのです。

本書を読んだら、ぜひチャルディーニの名著 『影響力の武器』を読んで理論武装していただきたいものと思います。「心理戦」もまた、生きていくうえで大きな武器となるのです。



PS. この書評は、R+(レビュープラス)さまより献本をいただいて執筆したものです。





目 次

序章 「相手のペース」にハマってないか? 「心理戦」は避けられない!
1章 まずは警戒心を解こう-この「友好ムード」で手強い相手は<従順>になる
2章 敵対関係から連帯関係へ-ムダな争いを避ける「落とし所」の見つけ方
3章 コレで納得感がさらに増す-ムリせず誘導できる「五つの心理技法」
4章 狙いどおりの「合意」を得られる!-論破されない「交渉術」
5章 負の感情に支配されない方法-経験を肥やしにする!折れないメンタルのつくり方

著者プロフィール

石井琢磨(いしい・たくま)
相模川法律事務所代表。弁護士。幼少時から家族が次々と壺を買わされ、自身も絵画・会員権を買うよう個室で長時間取り囲まれるという、ダマされ環境で育つ。 平穏な生活を脅かす悪質業者と闘うために弁護士資格の取得を決意し、偏差値35から中央大学法学部に合格。 1日平均12時間以上の勉強を続け、在学中、司法試験に一発合格する。 2001年に弁護士登録。その後独立し、相模川法律事務所を開設する。 日本全国で被害が発生した消費者事件の弁護団に複数加入。 悪質 商法・詐欺などの被害者を中心に、助けを求める弱者の事件を断らずに受任し、独立1年目から平均的弁護士の4倍である180以上の事件に関わる。(出版社サイトより)






<ブログ内関連記事>

書評 『誰でもデキる人に見える 図解de仕事術』(多部田憲彦、明日香出版、2013)-図解は思考のツールでありコミュニケーションのツールでもある

『伝え方が9割』(佐々木圭一、ダイヤモンド社、2013)-コトバのチカラだけで人を動かすには

書評 『「独裁者」との交渉術』(明石 康、木村元彦=インタビュー・解説、集英社新書、2010)

本の紹介 『交渉術』(佐藤 優、文藝春秋、2009)

書評 『挫折力-一流になれる50の思考・行動術-』(冨山和彦、PHPビジネス新書、2011)




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2013年8月23日金曜日

書評 『日本人が「世界で戦う」ために必要な話し方』(北川公一、日本実業出版社、2013)-「グローバル企業」の組織内コミュニケーションのありかたとはこういうものだ


「グローバル企業」におけるコミュニケーションの重要性、とくに組織内コミュニケーションがいかに死活的に重要かについて、自らの日本企業での経験との比較をふまえて書かれたビジネス書です。

「グローバル企業」の定義が本書のどこを探してもまったく書かれていないのが気になりますが、ここでは著者にかわって、「欧米系の多国籍企業で、人材は多国籍で多文化という多様性があり、その結果として社内の共通言語が英語となっている企業」、と仮に定義しておきましょう。

「グローバル企業」における組織内コミュニケーションの重要性とは、著者が書いているように、端的にいって直属の上司、すなわちボス(boss)との関係に集約されるといっていいでしょう。これは日本企業とはきわめて大きな違いです。

「グローバル企業」では、直属の上司との上下関係は契約関係に基づいた絶対的なものなのです。したがって、それ以外の職場の人間関係はまったくのフラットなものとなるわけです。日本語のニュアンスがつきまとう「上司」よりも、「ボス」といったほうがより適切でしょう。

上司からの提案に対して意見をいうことは大いに奨励されますが、いったん決まったことはボスに全面的に従うことになるわけです。最終的な権限はすべてボスにあるわけですから、いわば上意下達の命令体系といってもいいわけです。決まったあとからブツブツと言いわけをすることの多い日本企業の上下関係とは根本的に異なる点でしょう。

この関係をマスターできれば、逆に自分がボスとして自分の部下とどういうコミュニケーションをすればいいかもわかるわけです。これはロジカルな展開といえますね。基本は上司と部下との対話。この場でマネジメントが行われるわけです。

とくに金融系の場合、中途入社が多く人材の流動性の高い職場環境でありますが、そもそも金融系にかかわらず「グローバル企業」においては、「ジョブ・ディスクリプション」(job description)に基づいた職務が明確に定義された採用である点は日本企業との大きな違いです。

専門職務(=ジョブ)については知っているのが当然という前提ですので、誰も懇切丁寧に教えてくれなどしてくれません。とにかく自分が動きまわって聞きまくり、自分の仕事は自分で覚えなくてはならない。自分が動かなければ誰も動かないのです。

つまるところ頼れるものは自分だけ日本でも職人の世界では、「技は盗むもの」とされてきましたが、「グローバル企業」でもそれは同じだといえるわけです。

著者は「グローバル企業」では「NFL」が重要と書いています。これはぜひアタマになかに入れておきましょう。

数字(number)、事実(fact)、ロジック(logic)の英語の頭文字を並べて「NFL」。「国際ビジネスの共通言語」をセットとして捉えたものですが、共通言語は英語だけではないのです。また、ロジックはロジカルシンキングとはイコールではないという著者の指摘は重要です。

結論から先に述べて理由はそのあとに続けて述べるという英語のロジックは「グローバル企業」とはきわめて親和性が高いのですが、日本語のロジックとはかならずしも相性がよくないことは、読者はおおいに意識しておく必要があるでしょう。

著者が実践してきた英語のコミュニケーションスキルを、日本企業のなかで日本語で行うには、「グローバル企業」から見れば逆に「異文化」である日本企業という「ローカル文化」の認識が不可欠です。

とはいえ、職場の人間関係を職場外に持ち出さないという姿勢はぜひ日本企業でも徹底してほしいと思う人は少なくないと思います。その点は、わたしも大いに賛成です。

盗めるものは大いに盗み実践していくこと、これは日本企業に勤務して日本語でコミュニケーションしていても絶対に必要なマインドセットです。いま日本企業でもかつてのように余裕はなくなっていますので、自分がしっかりしなければ生きていけないという点は同じかもしれません。

著者は「欧州系の金融機関」で15年間働いてきたそうですが、著者がかつて勤務したことのあるという日本の金融機関とはまさに真逆の世界なのです。そのほかの業界でも似たようなものでしょう。

日本企業のすべてが「グローバル化」するとは将来もありえませんが、そうはいっても、いつ自分が勤務する会社が「グローバル企業」に買収されるとも限りません。

いざそうなったときにもあわてないように、日頃から自己啓発として準備しておくことは大事なことです。本書はそのための好著だといっていいでしょう。


P.S. この書評は、R+(レビュープラス)さまより献本をいただいて執筆したものです。





目 次

第1章 世界標準のコミュニケーション 7つの「基本ルール」
 01 「お互い違うのが当たり前」がスタート地点
 02 相手の価値観を尊重することから始める
 03 会話で「間」があくのは放送事故だと思え
 04 「なぜ」好きか、「なぜ」嫌いかをはっきりさせる
 05 言いたいことは必ず口に出せ
 06 返事には「イエス」か「ノー」しかない
 07 世界標準のコミュニケーションが生まれる背景
第2章 グローバル企業の「組織と人間関係」を知ろう
 08 グローバル企業は個性的なプロ集団
 09 組織を貫く「縦のライン」と「横のライン」
 10 意外に強固でウェットな「縦のライン」
 11 上司であっても「名前」で呼ぶ理由
 12 上司の指示を疑い、積極的に意見せよ
 13 仕事は自分で聞いて身につける
 14 会社の人間とプライベートでは交わらない 
 15 「週末、何してた?」と聞いてはいけない理由
第3章 世界で勝ち抜くコミュニケーション「実践テクニック」
 16 人を動かす3種の神器「数字、ファクト、ロジック」
 17 「結論ファースト」を徹底する
 18 議論は「知的なスパーリング」
 19 やはり大事なエレベーターピッチ
 20 癖のある英語にどう対応する?
 21 「日本流」で叱るとパワハラ扱いされることも
 22 世界では「お客様は神様」は通じない
 23 外国人との会話に欠かせないユーモアの仕入れ方
第4章 必ず結論を出すグローバル企業の「会議」術
 24 会議は「結論を出す場」が大前提
 25 会議をスムーズに進行させる「アジェンダ」の効用
 26 資料の事前配布を徹底させる「48時間ルール」
 27 会議の資料は目的意識を持って読み込む
 28 効率的な議論を進めるための手順と注意点
 29 会議で発言するためにはトレーニングが必要
 30 会議の決定事項には逆らえない
 31 電話会議はルール厳守で行なう
第5章 グローバル企業流「メールと電話」の使い方
 32 メールは「2つの差」を埋める重要なツール
 33 メールの文章は効率を最優先する
 34 アクションにつながらないメールに意味はない
 35 英文メールは「定型」に頼りまくれ
 36 メールで不用意に議論しない
 37 メールでは安易に謝らない
 38 スマートフォンに依存し過ぎない
 39 一番気を使う上司との電話
特別付録1 グローバル企業で好まれるフレーズ
特別付録2 グローバル企業のことがよくわかるブックガイド


著者プロフィール

北山公一(きたやま・こういち)
東京大学を卒業後、国内の金融機関に就職。アメリカ支社勤務を経て、欧州系投資銀行に転職。仕事のスタイルの違いから、カルチャーショックに直面する。その後、欧州系のグローバル企業に入社し管理職として勤務。個性の強い外国人の上司、同僚、部下に揉まれながらマネジメントをしてきた結果、グローバル企業における実践的なコミュニケーション・ノウハウを身につけ、体系化した。グローバル企業勤務15年、アメリカ居住5年半の経験もあり、「日・米・欧」における仕事やライフスタイルの違いにも通じている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


<関連サイト>

『日本人が「世界で戦う」ために必要な話し方』 著書紹介公式サイト


<ブログ内関連記事>

『グローバル仕事術-ニッポン式ビジネスを変える-』 (山本 昇、明治書院、2008) で知る、グローバル企業においての「ボス」とのつきあい方
・・『日本人が「世界で戦う」ために必要な話し方』の著者は巻末で「ブックガイド」として10冊をあげていますが、それに加えてこの『グローバル仕事』をつよく推奨しておきたいと思います。英国系企業の本社で働いてきたビジネスマンは、上司との関係もふくめた組織ないコミュニケーションについて、より掘り下げた考察を行っています。

書評 『海外ビジネスを変える英文会計-経営の判断力が身につく!-』(木幡 幸弘、インテック・ジャパン監修、エヌ・エヌ・エー、2010)

なぜ「経営現地化」が必要か?-欧米の多国籍企業の歴史に学ぶ

書評 『採用基準-地頭より論理的思考力より大切なもの-』(伊賀泰代、ダイヤモンド社、2012)-日本人に必要なものはリーダーシップの実践能力だ

書評 『英語だけできる残念な人々-日本人だけが知らない「世界基準」の仕事術-』(宋文洲、中経出版、2013)-英語はできたほうがいいが、英語ができればいいというものではない

書評 『日本企業が欲しがる「グローバル人材」の必須スキル』(内永ゆか子、朝日新聞出版社、2011)-あくまでも「個」をベースに考えるとことが英語よりも大事

書評 『スミダ式国際経営-グローバル・マネジメントの先進事例-』(桐山秀樹、 幻冬舎メディアコンサルティング、2010)

英語よりも日本語をキチンと教育してもらいたい!-「英語至上主義」と訣別し、人的資源の有効活用策を考えるべし

いかにして異なる業種業界や職種間、また組織内の異なる機能間で「共通言語」と「コンテクスト共有」によるコミュニケーションを可能とするか





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2013年5月14日火曜日

書評 『誰でもデキる人に見える 図解de仕事術』(多部田憲彦、明日香出版、2013)-図解は思考のツールでありコミュニケーションのツールでもある


図解は思考のツールであるというのが常識ですが、図解はコミュニケーションのツールでもあるということに気づかせてくれる内容です。

著者は、若き国際ビジネスマン。著者が図解に目覚めたのは、前職のタイの生産現場でタイ人ワーカーたちを相手に悪戦苦闘していた頃とのこと。タイ語がよくできなかった頃に、図によるコミュニケーションで現場改善を実現したとのだそうです。

デキる人は、「図解なんてできて当たり前じゃないの!?」と思うでしょう。わたしもそう思っていました。図解によってアタマのなかを整理し、複雑な問題をときほぐして簡単にするというテクニックですね。しかも説得やプレゼンのためにも図解は不可欠。

ところが、著者によれば、意外と若いビジネスパーソンたちが図解がむずかしいと誤解しているらしいこと。これはあきらかな誤解ですね。

図解は思ったよりも簡単で、しかもいったんマスターすれば、「誰でもデキる人に見られる」(笑)という副産物もあるということを知っていただきたいものです。「デキる人」になれるかどうかは、読者次第ということでしょう。

簡単な図解をつかえば外国人とのコミュニケーションも容易になるわけですね。英語力に自信のない人は積極的に活用してみてはいかがでしょうか。

図解の本にはさまざまなものがありますが、意外なことに入門編や初級編のものは少ないようです。図解への敷居を下げた本書はその意味では意義あるものといえるでしょう。

図解入門編として、ぜひ若い人たちに紹介してあげてほしいと思います。





目 次

Chapter1 図解de認められる
Chapter2 図解が苦手な人の 10no誤解
Chapter3 ○△+ で考える たった4つ no図解思考
Chapter4 紙とペンだけあれば 何でも図解de解決できる
Chapter5 転職に使える 図解de自己分析
Chapter6 商談に使える 図解deコミュニケーション
Chapter7 思考を見える化する 図解atama習慣

著者プロフィール

多部田憲彦(たべた・のりひこ)
日産自動車(株)ルノー日産共同購買本部リージョナル・サプライヤー・パフォーマンス・マネージャー。2002年、光ファイバー製造メーカーに入社、翌年、入社2年目で同社タイ工場の改善を任され、6ヶ月で改善業務を完了させる。2007年、日産自動車(株)に転職。ゴーンCEOが開発を命じたV-up プログラムで、2011年度課題達成優秀賞を受賞。2010年から図解勉強会を開催(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。



<ブログ内関連記事>

『伝え方が9割』(佐々木圭一、ダイヤモンド社、2013)-コトバのチカラだけで人を動かすには




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2013年3月12日火曜日

『伝え方が9割』(佐々木圭一、ダイヤモンド社、2013)-コトバのチカラだけで人を動かすには



モノでつるのではない、表情や派手なジェスチャーで注目を集めるのでもない。
コトバだけで相手の気を引きつけ、動かすことができる。

そんな技術があるのですね。しかもすごくシンプルな!

『伝え方が9割』(佐々木圭一、ダイヤモンド社、2013)。この本は、そんなシンプルな技術について書かれた実用書です。

著者は広告代理店の現役のコピーライター。数多くの賞も受賞しています。
ところが、そこに至るまでの苦労話が面白い。

コミュニケーションが不得意なので理系に進学、卒業後は広告代理店に就職、いきなりコピーライターに部署に配属されてしまってからは苦難の連続。そんな人が、もがきながら発見した法則を十数年の実戦のなかで磨き上げたものです。

なにごともシンプルであればあるほど美しい。
シンプルであるから、誰にでも応用できる。

とはいえ、シンプルな基本技であるからこそ、わかったつもりになりがちなもの。カラダにしみこませるまで練習しないと、ほんとに身に付くものとはならない。だからわたしも、手元においておきますよ。読み捨てにしたのでは、もったいない。

ビジュアル重視の時代だからこそ、ビジュアルに頼らないでコトバのチカラを磨けば、それこそ鬼に金棒といっていいでしょう。

コトバのチカラだけで人を動かす。口頭のコミュニケーションがつかえないメールやSNSなどが主流になってきたいまのような時代には、今後ますます必須のスキルとなるでしょう。

わたしもこの本に書かれたことを繰り返し応用していきますよ。
「コトバのチカラだけで人を動かす」、そんな人になりたいですからね。





<ブログ内関連記事>

書評 『小泉進次郎の話す力』(佐藤綾子、幻冬舎、2010)-トップに立つ人、人前でしゃべる必要のある人は必読。聞く人をその気にさせる技術とは?

「人生に成功したければ、言葉を勉強したまえ」 (片岡義男)

書評 『「言語技術」が日本のサッカーを変える』(田嶋幸三、光文社新書、2007)

書評 『外国語を身につけるための日本語レッスン』(三森ゆりか、白水社、2003)-日本語の「言語技術」の訓練こそ「急がば回れ」の外国語学習法!

書評 『言葉にして伝える技術-ソムリエの表現力-』(田崎真也、祥伝社新書、2010)






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2012年12月18日火曜日

書評 『小さなことでいいから、まずは一番になりなさい。』(高田 稔、中経出版、2012)-若手ビジネスパーソンに自信をもたせるためにぜひ読ませてあげたい本



『小さなことでいいから、まずは一番になりなさい。』

そう、まさにそうなのです。

営業に限らず、ビジネスパーソンが自信をもつには、「小さなことでいいから、まずは一番」を目指すことなんですね。

自信とは、自分を信じる、ということ。英語でいえば、セルフ・コンフィデンスです。

「世界で一番」になれ、なんて誰も言っているわけではないのです。「職場で一番」、でいいのですよ。

電話を一番にとる、朝一番に出社する、なんてことでもいいわけです。これならやろうという意志のチカラさえあれば、おカネもかかりません

趣味の世界では「この人に聞け」状態になるというのもいいですね。たとえば映画の話にかけては職場では一番というのもいいでしょう。会社で一番である必要はないし、日本で一番である必要もありません。

「好きなこと」や「得意なこと」で相対的な優位性を確立せよ、そうすれば自分に自信をもつことができるということなのです。

自分に自信がもてればコミュニケーションもスムーズになってきます。コミュニケーションはテクニックやスキルよりも、まずは自信をもつことが先決なのです。

わたしはこの本を読んでいて、拙著 『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』(佐藤けんいち、こう書房、2012)とは、じつは同じ問題意識から発している内容だなと、つよく共感しました。

その後、著者の高田稔さんとは、先日会食しながら意気投合。2013年から、いろいろコラボしていくことになりそうです。いまから楽しみです。

「目立たない仕事で目立て!」というのは、なんだか矛盾に満ちたように聞こえるかも知れませんが、あきらかに事実です。見ている人はかならず見ているのですから。

もちろん、すぐに人生が変わるなんてことは世の中ありえません。最低でも3ヶ月は続けてなくてはなりません。そのこともきちんと書いてあるこの本は、やさしい語り口ながら本質論を書いた本であるといっていいでしょう。

ぜひ若いビジネスパーソンに読むのを薦めてあげてください。







目 次
はじめに
1. 小さなことでいいから、まずは「一番」をめざしなさい
2. 自分の強みで「一番」をめざしなさい
3. 相手にマッチングする「一番」をつくりなさい
4. 自分の「一番」を活かす習慣を身につけなさい
おわりに


著者プロフィール  

高田 稔(たかだ・みのる)
A & M Enterprise(有)取締役。1969年生まれ。東京都杉並区出身。立命館大学経済学部卒業。1993年アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッドに入社。日本国内およびグアム、マイクロネシア地域の営業およびマネジメントを10年間行なう。営業成績が認められ、センチュリオンクラブ(トップ10位)、アンバサダークラブ(トップ3位)、プレジデントクラブ(社長賞)を3年連続で受賞。2005年に営業コンサルティング会社A & M Enterprise を設立。英国ハル大学にてMBA取得。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものに加筆)。




(2012年7月3日発売の拙著です)





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2012年10月24日水曜日

「サンケイビジネスアイ」(SankeiBiz)に『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』(佐藤けんいち、こう書房、2012)の紹介が掲載されました。


「サンケイビジネスアイ」(SankeiBiz)に『人生を変えるアタマの引き出しの増やし方』(佐藤けんいち、こう書房、2012)の紹介が掲載されました。
https://docs.google.com/file/d/0BwLpyF-Aru_kM29tZU5BWWRTV3M/edit

10月22日付け(11面)です。「週刊東洋経済」の今週号の広告の左隣です。

写真だと読み取りにくいかもしれませんので、文言を書き写しておきます。

 専門分野の細分化がすすむ一方、社外の専門家と協働する機会も増えているが、異なる分野の専門家どうしのコミュニケーションは思った以上に難しい。
 プロジェクトやビジネスを成功させるために、専門知識以外の「引き出し」が多ければ多いほどいいのはそのためだ。
 本書は、経営コンサルタントの著者が「アタマの引き出し」を増やす方法を、「好奇心」「体験」「観察」「読書」「アウトプット」をキーワードに解説するビジネスパーソン向けのビジネス書。
 知識向上を指導する立場にあるマネージャーや経営者にお薦めの一冊。応用事例編の「料理つくり」を例にしたケーススタディが興味深い。

新聞の「書評」として取り上げて頂いたのは、たいへんありがたいことです。

奇しくも、「週刊東洋経済」の広告には「コミュ力」などの文言があるので、コミュニケーション向上という観点から、「相乗効果」があるといいのですが・・・。

コミュニケーションはスキルも大事ですが、なんといっても話の中身、つまりコンテンツが大事。「引き出し」が多ければ、仕事も人生も豊かになりますよ!

ご関心のあるかたは、出版社サイトで中身の一部が「チラ見」できますのでぜひ。
http://www.kou-shobo.co.jp/files/sample/1074.pdf







(amazon で 2012年7月3日発売の拙著です)






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2012年4月24日火曜日

書評 『思いが伝わる、心が動くスピーチの教科書-感動をつくる7つのプロセス-』(佐々木繁範、ダイヤモンド社、2012)-よいスピーチは事前の準備がカギ!


実践的なスピーチの教科書。よいスピーチは事前の準備がカギである!

『スピーチの教科書』、ずばり直球勝負のタイトル。

内容はまさに「スピーチの教科書」、定本として長く使われるでしょう。

オーソドックスな構成でありながら、取り上げられたスピーチの事例も、スティーブ・ジョブズの卒業スピーチと『ハリー・ポッター』の作者ローリングの卒業スピーチ、そしてブータン国王が日本の国会で行ったスピーチなど興味深い。たいへん読みやすく、すぐ実践につかえる内容のビジネス書になっています。

福澤諭吉が『学問のすゝめ』のなかで「スピイチ」あるいは「演説」としてスピーチを日本に紹介して以来、すでに百数十年がたっていますが、スピーチは日本人にとってはまだまだ難しい課題であるようです。

ビジネスの世界ではプレゼンの重要性について語られることは多いのですが、リーダーとして行わねばならないのはスピーチのほうがはるかに多いのではないでしょうか?

スピーチといっても組織のなかで行うものもあれば、組織の外で行うものもあります。3分程度のごく短いものもあれば、90分近くの長いものもあります。著者はソニーの創業者盛田昭夫氏や出井前会長の下でスピーチライターをしていたプロフェッショナルです。

なによりも、本書じたいがスピーチの構造に基づいて作製されています。それは、オープニング(導入)、ボディ(本体)、クロージング(締め)の三段階構造のこと。

これまでもスピーチのオープニングについては「つかみ」の重要性として語られることも多かったのですが、重要なのは、なんといても本体としてのボディ。このボディをいかに構築し、聴衆に共感をもって聞いてもらうかがスピーチのカギであり、そのボディを構成し、原稿として書き上げるための方法論がくわしく解説されています。

クロージングが重要なのは営業活動でも同じですが、聞いたあとも余韻として残るスピーチは「締め」が重要ですね。本書でも徹底分析されていますが、ジョブズのスタンフォード大学の卒業式スピーチで有名になった「Stay hungry, stay foolish !」(ハングリーであれ、バカであれ!)という締めのフレーズ。これは、ジョブズ自身が考えたオリジナルではないのにかかわらず、すでにジョブズの遺訓として長く語り伝えられていくことでしょう。

オープニング・ボディ・クロージングというスピーチの三段階構造は、スピーチにかぎらず、まとまった内容の話をしたり書いたりする際にも重要です。ちょっとした文章を書いたり、ブログの文章を書く際にも応用できるものです。日本の国語教育で強調されてきた起承転結はこのい際、アタマのなかから完全に消し去ってしまいましょう。ビジネスのスピーチには起承転結は不要です。「転」抜きの起承結でよいのです。

情報収集や知識を獲得するインプットはもちろん大事ですが、ビジネスパーソンには、なによりも書いたりしゃべったりするアウトプットが重要です。そして、しゃべるためには論理的に書くことが大事だという、きわめてオーソドックスでかつ真っ当な主張に基づいた「教科書」になっています。

ビジネスパーソンに限らず、ぜひテキストとしてつかってほしい一冊として推奨します。


<初出情報>

■bk1書評「実践的なスピーチの教科書。よいスピーチは事前の準備がカギである!」投稿掲載(2012年4月23日)
■amazon書評「実践的なスピーチの教科書。よいスピーチは事前の準備がカギである!」投稿掲載(2012年4月23日)





目 次

プロローグ スティーブ・ジョブズのスピーチは、なぜ人々の心を打つのか
Part 1.  スピーチの核をつくる
-1章 相手を知る-どんな場で、聴衆は何を期待しているか
-2章 メッセージを絞る-最も伝えたいことを明確にする
Part 2. 話を効果的に組み立てる
-3章 全体構成とボディ-伝わりやすい構造、順番を考える
-4章 オープニング-導入部で聴衆の注意を引きつける
-5章 クロージング-記憶に残る終わりかた
Part 3.  原稿づくり、リハーサル、そして本番!
-1章 リハーサル-原稿づくりから前日の準備まで
デリバリー-壇上での立ち振る舞いから質疑応答まで)
エピローグ スピーチライターの仕事

著者プロフィール

佐々木繁範(ささき・しげのり)

1963年福岡県北九州市生まれ。1987年に同志社大学経済学部を卒業後、日本興業銀行に入行。1990年にソニー株式会社に入社。盛田昭夫会長の直属スタッフとして企業外交を補佐、その間にスピーチ・ライティングを学ぶ。1995年から97年までハーバード・ケネディ・スクールに留学、公共経営学修士号を取得。帰国後、2001年まで出井伸之社長の戦略スタッフ兼スピーチ・ライターを務める。ソニーでは計100本以上のスピーチ・サポートを手がけるとともに、IT戦略会議の議長補佐として、IT国家戦略の策定にも携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。


<書評への付記>

スピーチが難しいのは、聞く側からみれば耳から入る話はシークエンシャルであることだ。シークエンシャルとは、時間的に連続しており、テープのように巻き戻しができない不可逆的な構造をもっているということである。

もちろん、スピーチの最中で、聴衆(オーディエンス)の反応をみながら軌道修正することはあるので、まったくインタラクティブではないとは言い切れない。しかし、基本はボディの構成と内容がしっかりと構築されていないと、軌道修正やアドリブは難しいということである。テレビのお笑い番組も、じつは放送台本が作製されて、綿密に構成されているのと同じである。

本書でとくに強調されているのが、スピーチは入念に準備せよという点である。スピーチ原稿をフルテキストまで書くことが望ましいとある。自分で苦しみながら考えて書いた原稿があれば、おのずとアタマのなかに入っているので本番では原稿に頼らずにしゃべることができるし、準備した原稿はいざというときに頼りになるだけでなく、精神的にもお守りにもなるというのは大いに納得だ。

そういう意味で、本書はスピーチだけでなく、文章を書く際にも役にたつ本だと思う次第。

お笑いのたとえではないが、「つかみ」と「落ち」は不可欠。そしてもちろん話の中身(ボディ)は言うまでもなく重要!

なお、本書の著者・佐々木繁範さんとは、出版後に一度お会いして、わたしとは同じ世代で、同じような経歴と価値観の持ち主であることを確認させていただきました。


<関連サイト>

【書籍拝見】スティーブ・ジョブズのスピーチは、なぜ人々の心を打つのか 『思いが伝わる、心が動く スピーチの教科書』第1回 (ダイヤモンド・ハーバード・ビジネス・レビュー 2013年12月25日)
『思いが伝わる、心が動く スピーチの教科書』第2回 (2013年12月26日)
『思いが伝わる、心が動く スピーチの教科書』第3回 (2013年12月27日)


 「クーリエ・ジャポン COURRiER Japon」 (講談社)2013年11月号
http://courrier.jp/contents/courrier108.html

佐々木繁範氏が、2020年のオリンピック招致における高円宮妃久子さまのスピーチについて専門家の立場から解説しているので、目を通していただければ幸いだ。書評 『思いが伝わる、心が動くスピーチの教科書-感動をつくる7つのプロセス-』(佐々木繁範、ダイヤモンド社、2012)-よいスピーチは事前の準備がカギ! も参照。



<ブログ内関連記事>

書評 『私が「白熱教室」で学んだこと-ボーディングスクールからハーバード・ビジネススクールまで-』(石角友愛、阪急コミュニケーションズ、2012)-「ハウツー」よりも「自分で考えるチカラ」こそ重要だ!

福澤諭吉の『学問のすゝめ』は、いまから140年前に出版された「自己啓発書」の大ベストセラーだ!

書評 『小泉進次郎の話す力』(佐藤綾子、幻冬舎、2010)




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2011年3月23日水曜日

ほう・れん・そう (きょうのコトバ)



 「ほうれんそう」 がいま話題になっています。

 でも残念ながら、いい話ではありません。福島の「原発事故」で発生した放射能もれで、政府は国民に対して福島産ほうれんそうの「摂取制限」と「出荷停止」が指示されました。直接クチに入るものなので仕方がない話です。

 ところで、経営の世界で 「ほうれんそう」 といえば、言うまでもありませんね。

 報告(ほうこく)・連絡(れんらく)・相談(そうだん)の頭文字をとって、「ほう・れん・そう」。「ほうれんそう」は、組織内コミュニケーションのカナメです。

 「ほうれんそう運動」は、山種証券の社長だった山種富治氏が提唱したものです。いまから30年ほど前の 1982年のこと。山種さんは、毎月1日を「ほうれんそうの日」として、メッセージつきのナマのほうれんそうを一束づつ社員に配ったというエピソードが知られています。

 「ほうれんそう運動」が誕生してから 30年、みなさんの職場では 「ほうれんそう」は定着していますか? 徹底してますか?

 ちなみに写真は千葉県産のほうれんそう、現在(2011年3月23日)のところ放射能の心配はありません。


P.S. 香港政府が、千葉県産のほうれんそうからも基準値以上の放射能が検知されたという理由で、輸入禁止措置が取られることになった。健康を守るための措置とはいえ、残念な話である。(2011年3月24日)




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