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2016年9月10日土曜日

「中華三昧が35周年!」-ロングセラーはファンにとってのブランドそのものだ


車内広告で「中華三昧が35周年!」ということを知った。もうそんな年月になるのか!

ロングセラーの「中華三昧」は、すでにブランドというべきでありますね。「中華三昧」が新発売された頃からのファンとしては感慨無量です。

もともとは「グルメ麺」という位置づけで登場したわけですが、かつて存在していた「マダムヤン」などの競合に勝ち抜いたのは、ネーミングとパッケージ、メッセージの一貫性にもあるでしょう。

ですが、なんといっても製品の品質にかんして特徴があるというべきです。それは麺そのもについて。

「中華三昧」が新発売された当時、「ノンフライ麺」というのは、まさに画期的なイノベーションでありました。インスタントラーメンといえば油で揚げているのが当時の常識。ノンフライ麺はその意味では画期的だったのです。

以来、わたしはインスタント麺では、グリーンのパッケージの「中華三昧・北京味」一筋です。ある意味、生麺よりもうまいのではないか、と思うこともあります。「高価格即席袋麺市場No.1ブランド」に誇張はないというべきでしょう。

ロングセラーというものは、開発し製造発売しているメーカーにとってだけでなく、そのファンである消費者にとってのブランドでもある。そういっても言い過ぎではないでしょう。ですから、企業ブランドとしての明星食品と製品ブランドとしての「中華三昧」がそのまま結びつかなくても問題はないのです。

とはいえ、今後も企業努力を怠ることなく、50周年、100周年を目指して欲しいと思います。100周年は自分自身の目と舌で体験することはできませんが・・・。





<関連サイト>

中華三昧の歴史(明星食品)



<ブログ内関連記事>

「正露丸」は超ロングセラーの製品ブランドだ!

「泉屋のクッキー」-老舗(ブランド)には歴史(ヒストリー)=物語(ストーリー)がある

1783年誕生の英国の炭酸飲料シュウェップス(Schweppes)は、いま日本コカコーラが販売している

製品ブランドの転売-ヴィックス・ヴェポラップの持ち主は変わり続ける

ゼスプリ(Zespri)というニュージーランドのキウイフルーツの統一ブランド-「ブランド連想」について




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2016年7月2日土曜日

グローバル人材の人的資源管理(HRM)を初めて体系化したテキストが出版- 『国際人的資源管理』(関口倫紀・竹内規彦・井口知栄=編著、中央経済社、2016)


このたび『国際人的資源管理』(関口倫紀・竹内規彦・井口知栄=編著、中央経済社、2016)がようやく出版、編著者の一人である関口倫紀(大阪大学経済学部教授)より、献本いただきました。

中央経済社による「ベーシック+」シリーズの一冊で、基本的に大学学部の学生向けテキストです。献本いただいたのは、わたくし自身は執筆はしておりませんが、全体の構成や推敲等で、全面的に関与しているためです。(・・この件については「謝辞」を参照)。ちなみに、編著者の筆頭に名前があがっている関口教授は、わたくしの元部下の一人で、超優秀(!)な研究者です。


帯に記されているように、「グローバル人材のHRMを初めて体系化」したもので、「国際的な人材配置、育成、報酬、評価、労使関係、海外派遣者マネジメントなどを体系的に解説」したものです。HRMとは、Human Resource Management の略で、日本語でいえば人的資源管理、ひらたくいえば人事管理と労務管理をあわせたものと考えればいいでしょう。

内容的には大学研究者が執筆した学部学生向けテキストなので、ビジネスパーソン一般や実務家の観点からみたら違和感がなくもないと思いますが、「日本では初の体系化」であるので、そこは目はつむることにしましょう。実務者向けの実務書とは、ちょっと違った色合いの本があってもいかな、と。

「グローバル人材」というものは、コトバが流通している割には、中身の議論があまりなされていないだけでなく、使う人によって定義もまちまちですが、本書をキッカケに、いろいろ議論が活溌になればいいかな、と思います。ビジネスの現場に即していえば、国境が存在する以上、国際人材の管理となることは当然といえば当然です。

「目次」を紹介しておきましょう。目次でザックリと感じをつかんでみてください。体系化の一例となるでしょう。

はじめに
第1部 基本フレームワーク
 第1章 国際人的資源管理とは何か
 第2章 グローバル化と多国籍企業
 第3章 人的資源管理のフレームワーク
 第4章 国際人的資源管理のフレームワーク
 第5章 人的資源管理の地域別特徴
第2部 国際人的資源管理のサブシステム
 第6章 国際人材配置 
 第7章 国際人材育成
 第8章 国際報酬
 第9章 国際人事評価
 第10章 国際労使関係
 第11章 海外派遣者のマネジメント
第3部 スペシャル・トピックス
 第12章 戦略的国際人的資源管理
 第13章 社内言語・コミュニケーション
 第14章 国際的 M&A と人的資源管理
 第15章 新興国発多国籍企業の人的資源管理
 第16章 日本企業の国際人的資源管理)
索引


興味のある人はぜひ直接手にとってご覧いただきたく。






<ブログ内関連記事>

なぜ「経営現地化」が必要か?-欧米の多国籍企業の歴史に学ぶ

書評 『スミダ式国際経営-グローバル・マネジメントの先進事例-』(桐山秀樹、 幻冬舎メディアコンサルティング、2010)
・・「社長は、グローバルよりもトランスナショナル(trans-national)という表現を使うが、これは直訳すれば国境を越えたという意味だ。たとえ英語を共通言語にして人事交流を活発にしたとしても、国ごとに固有の文化や価値観に違いが残るのは当然だし、また現実のビジネスにおいては通貨も違えば、国によって法律や規制が異なるので、これを乗り越えるためには多大な経営努力が必要になるということなのだ」

書評 『ゲームのルールを変えろ-ネスレ日本トップが明かす新・日本的経営-』(高岡浩三、ダイヤモンド社、2013)-スイスを代表するグローバル企業ネスレを日本法人という「窓」から見た骨太の経営書
・・スイスのグローバル企業の日本法人は初めて日本人になった

書評 『ターゲット-ゴディバはなぜ売上2倍を5年間で達成したのか?-』(ジェローム・シュシャン、高橋書店、2016)-日本との出会い、弓道からの学びをビジネスに活かしてきたフランス人社長が語る
・・アメリカのグローバル企業の日本法人トップはフランス人

書評 『道なき道を行け』(藤田浩之、小学館、2013)-アメリカで「仁義と理念」で研究開発型製造業を経営する骨太の経営者からの熱いメッセージ
・・稲盛哲学をアメリカで実践する日本人経営者

NHKスペシャル 「“中国人ボス”がやってきた-密着 レナウンの400日」(2011年10月23日) を見ましたか?
・・外資系企業の傘下に入る日本企業。外資は欧米系だけではない

書評 『誰も語らなかったアジアの見えないリスク-痛い目に遭う前に読む本-』(越 純一郎=編著、日刊工業新聞、2012)-「アウェイ」でのビジネスはチャンスも大きいがリスクも高い!

書評 『村から工場へ-東南アジア女性の近代化経験-』(平井京之介、NTT出版、2011)-タイ北部の工業団地でのフィールドワークの記録が面白い
・・経営する側ではなく、経営される側のローカル従業員たちはどう考えているかがわかる内容




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2016年3月3日木曜日

書評 『ターゲット-ゴディバはなぜ売上2倍を5年間で達成したのか?-』(ジェローム・シュシャン、高橋書店、2016)-日本との出会い、弓道からの学びをビジネスに活かしてきたフランス人社長が語る


『ターゲット-ゴディバはなぜ売上2倍を5年間で達成したのか?-』(ジェローム・シュシャン、高橋書店、2016)。書評執筆のためレビュープラスさまより献本していただいて読みましたが、これはじつにいい本です。おすすめです。

ゴディバ、売上2倍、フランス人社長、弓道と、読みたい(!)という気持ちをそそる要素がてんこ盛り。ゴディバはいうまでもなくベルギー生まれの高級チョコレートのブランドです。

ここでいう「売上2倍を5年間で達成した」のはゴディバの日本法人の話ですが、なんと日本市場の売り上げはゴディバ全体の3分の1にあたるのだとか。ということは、なおさら大きな意味をもつ数字だということになりますね。

しかも、売り上げ2倍は目標としてかかげたわけではなく、結果としてそうなったというのです。ターゲット(=お客様)を狙うのではなく、無心になってターゲット(=お客様)に集中し、ターゲットと一体になるのだ、と。ここらへんにフランス人社長が修行してきたという弓道の教えが反映しているようです。「チョコレートを通じて世界にハッピーをお届けする」という理念にもとづいた、売り込まない売り方です。

さらに、日本市場においての競争と協調を両立させることの重要性も強調されています。

 この本は一言で要約してしまえば、「弓道から学んだ知恵でビジネスにあたるフランス人社長が語る」ビジネス書ということになるわけですが、25年以上も修行してきた弓道の格言にあわせて語られる社長スピーチ20本といった感じですので、読みやすく面白い。

(ベルギーの首都ブリュッセルのゴディバ 筆者撮影)

スペインの高級磁器人形ブランドのリヤドロの日本法人社長も歴任していたので、ゴディバの話だけでなくリヤドロでの体験談もでてきます。ゴディバもリヤドロも、ともにヨーロッパの高級ブランドであるということが共通しています。

わたし自身は弓道ではなく合気道をやってましたが、フランス人の視点から語られる弓道の話はひじょうに興味深いものがありますし、日本人にとっては当たり前でも気づいていない長所についても教えてもらえます。

たとえば、見て学ぶことにたけている日本人の特性については、もっと意識的に取り組んでみるといいでしょう。これは「見て学ぶ」観察力を活かす「見取り稽古」という章で語られていることです。
既成概念にとらわれず、虚心坦懐に見て学び、自分でやってみることの重要性が何度も強調されています。

若き日に異文化の日本と出会い、弓道の修行に打ち込んできた経験が、ライフだけでなくワークにもおおいに活きてくるという事例だといっていいでしょう。自分と向き合い、自分を成長させることがビジネスパーソンとしての成長も実現させるのだ、と。

マーケティングとセールスを中心としたビジネス書であり、自己啓発書であり、異文化マネジメントでもある内容。 こういう本を読みたかったのだ、という気持ちにさせてくれる本。ぜひ読むことをおすすめします。






目 次

はじめに-ビジネス成功の秘訣は「正射必中」の考え方に
ジェローム・シュシャン 個人年表
第1章 ヒットを生む法則】
 1. 当たるビジネスの秘訣①・・・当てるのではなく、当たる
 2. 当たるビジネスの秘訣②・・・純粋な心
 3. 的(まと)に気をとられない・・・正射必中
 4. 会社の姿勢・・・正射正中
 5. セールスの基本・・・離れの心
 6. 前の射を忘れる・・・一射一射
 7. 結果を見て、原因を探る・・・矢所(やどころ)を見る
 8. 老舗ビジネスとイノベーション・・・心を開く
 9. 評価するのは外部・・・的(まと)は自分の鏡
 10. 挑戦から何かが生まれる・・・射即人生
第2章 日本とビジネス
 11. 見て学び、試してみる・・・見取り稽古
 12. 日本人と完璧主義・・・完璧の射はない
 13. 決断するタイミング・・・矢を放つ瞬間
 14. 日本発信のビジネス・・・牽引する力
 15. 季節で動く日本のマーケット・・・自然との一体化
第3章 人生を楽しくする仕事の仕方
 16. ハッピーな職場・・・内(うち)志(こころざし)正しく
 17. 会社の理念・・・大切なことは身体で覚える
 18. セカンドライフと日本人・・・新しい人生
 19. ビジネスで向上する方法・・・すべてを己に求める
 20. 人生はヒッチハイク・・・一射絶命
おわりに
参考文献
弓道とビジネスの世界の架け橋となったジェローム・シュシャン


著者プロフィール

ジェローム・シュシャン(Jerome Chouchan)
1961年フランス、パリ生まれ。HEC Paris経営大学院卒業。専攻はインターナショナルビジネス。1983年、大学在学中に旅行で初来日したのを機に日本文化に興味を持ち、29歳で弓道を始める。フランス国立造幣局、ラコステ北アジアディレクター、LVMHグループ・ヘネシーのディレクター、リヤドロジャパン代表取締役社長などを経て、2010年ゴディバジャパン代表取締役社長に就任。商品のパッケージデザインに世界の有名アーティストを起用、テレビCMなど、様々な施策により5年間で売り上げ2倍を達成。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)






<関連サイト>

ゴディバ ジャパン (公式サイト)

 

<ブログ内関連記事>

マイク・タイソンが語る「離脱体験」-最強で最凶の元ヘビー級世界チャンピオンは「地頭」のいい男である!
・・弓道精神を体得したドイツの哲学者オイゲン・ヘリゲルの著書『弓と禅』について、マイク・タイソンは少年時代に恩師から聞かされていた


チョコレートのビジネス

バレンタイン・デーに本の贈り物 『大正十五年のバレンタイン-日本でチョコレートをつくった V.F.モロゾフ物語-』(川又一英、PHP、1984)

書評 『ゲームのルールを変えろ-ネスレ日本トップが明かす新・日本的経営-』(高岡浩三、ダイヤモンド社、2013)-スイスを代表するグローバル企業ネスレを日本法人という「窓」から見た骨太の経営書


ベルギーの食品関連

『ベルギービール大全』(三輪一記 / 石黒謙吾、アートン、2006) を眺めて知る、ベルギービールの多様で豊穣な世界

ベルギーとポテトの関係-ベルギー・ポテトの水煮缶詰が便利!


ストーリー主導のマーケティング

「恵方巻き」なんて、関西出身なのにウチではやったことがない!-「創られた伝統」についての考察-


■製品ローカリゼーション

ディズニーの新作アニメ映画 『アナと雪の女王』(2013)の「日本語吹き替え版」は「製品ローカリゼーション」の鑑(かがみ)!

書評 『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか-世界で売れる商品の異文化対応力-』(安西洋之、中林鉄太郎、日経BP社、2011)-日本製品とサービスを海外市場で売るために必要な考え方とは? 
・・「ローカリゼーション」にかんする必読書

プラクティカルな観点から日本語に敏感になる-藤田田(ふじた・でん)の「マクド」・「ナルド」を見よ!
・・日本マクドナルド創業者の藤田田は原音に近い「マクダーノー」では日本では成功しないと確信していた


■外国人の見た日本 自らの内なる知られざる日本

書評 『座右の日本』(プラープダー・ユン、吉岡憲彦訳、タイフーン・ブックス・ジャパン、2008)-タイ人がみた日本、さらに米国という比較軸が加わった三点測量的な視点の面白さ

世界のなかで日本が生き残るには、自分のなかにある「日本」を深掘りしてDNAを確認することから始めるべきだ! 
・・ジェトロがタイ政府の依頼で企画し、2006年にバンコクで開催した 「日本デザインの遺伝子展」の日本語カタログ





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2016年2月20日土曜日

ドイツ製文房具は機能的でかつデザインもよい-鉛筆に特化したシュテットラー社は「隠れたチャンピオン」


 いままでつかっていたミニ鉛筆削りを紛失してしまったので、代わりを探して購入することにした。ふだんはパソコンを使用して文章を書いており、メモをとる際にはボールペンが大半なのだが、本にチェックを入れたり線を引くときは鉛筆をつかっているからだ。

商品を探すときは最初から amazon で検索してみるのが速い。さっそく検索してみたら出てきたのがシュテットラーのミニ鉛筆削り。ドイツ製である。

署名用のボールペンも、ふだんつかっていないとはいえ万年筆もモンブランを愛用している私だが、とりたててドイツ製文具の愛好家というわけではない。だが、このシュテットラー(Staedtler Mars)の鉛筆削りは、じっさいに入手して思うのは、機能的でかつデザインもすぐれているということだ。


シュテットラー(Staedler)を調べてみたら、日本では英語読みでステッドラーとしているようだ。ステッドラー日本という日本法人があって、鉛筆、製図用品、シャープペンシルなど筆記用具、そのほか色鉛筆も取り扱っている。

シュテットラー社(STAEDTLER Mars GmbH & Co. KG)は「有限合資会社」(Kommanditgesellschaft)である。英米法でいうリミティッド・パートナーシップ(limited partnership)に近い企業形態だ。wikipedia の記述によれば、創業は1835年だが、さかのぼれば1662年頃までさかのぼれるという。ブランドであり日本でいえば老舗である。長寿企業である。


鉛筆に特化した企業で、従業員は全世界で3000名程度の中堅企業である。ドイツ経済を支えている「ミッテルシュタント」というカテゴリーに分類される企業で、いわゆる「隠れたチャンピオン」(hidden champion)というやつだ。ニュルンベルクに本社があるようだ。

500円以下でいい買い物をしたと思う。しかも、いままで知らなかったシュトットラー社について知ることもできた。ちなみに、ドイツ企業の製品だが「メイド・イン・ジャーマニー」ではなく「メイド・イン・チャイナ」である。シュテットラー社も、ドイツで製造している主要製品以外は海外生産もおこなっているようだ。






<関連サイト>

ステッドラー日本 (公式サイト)

シュテットラー社公式サイト(英語)



<ブログ内関連記事>

書評 『あっぱれ技術大国ドイツ』(熊谷徹=絵と文、新潮文庫、2011) -「技術大国」ドイツの秘密を解き明かす好著
・・「ドイツを特徴づけている、いわゆるミッテルシュタント(Mittelstand:中規模企業)だという。日本でいえば中堅中小企業がこれに該当するといっっていいだろう。 ドイツ人経営コンサルタントのヘルマン・ジモン(Hermann Simon)のいう「隠れたチャンピオン」(hidden champions)の一つと考えてよいのだろう。ニッチ市場に特化して、世界シェアを占める無名のミッテルシュタント(中規模企業)が活躍しているのがドイツなのである。 ポルシェやディーゼル、ツェッペリンなどの綺羅星のような発明家は本書でも取り上げられているが、世界的な知名度は高くなくても、現在でも多くの起業家を輩出している国がドイツなのである。たとえ、アメリカのソリコンバレーほどの派手さはないとしても。」

書評 『自動車と私-カール・ベンツ自伝-』(カール ベンツ、藤川芳朗訳、草思社文庫、2013 単行本初版 2005)-人類史に根本的な変革を引き起こしたイノベーターの自伝

「ポルシェのトラクター」 を見たことがありますか?

ドイツが官民一体で強力に推進する「インダストリー4.0」という「第4次産業革命」は、ビジネスパーソンだけでなく消費者としてのあり方にも変化をもたらす

書評 『世界に冠たる中小企業』(黒崎誠、講談社現代新書、2015)-知られざる日本の「グローバルニッチトップ企業」の紹介




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2016年1月10日日曜日

「見ざる、言わざる、聞かざる」(See No Evil, Hear No Evil, Say No Evil)-SNSで注意すべきこと

(日光東照宮の「三猿」 wikipediaより)

謹賀新年。あけましておめでとうございます。
   

今年2016年の干支は丙申(ひのえざる)。申年はサル年。

サルといえば「日光東照宮の三猿」。 「見ざる、言わざる、聞かざる」の「三猿」。これは日本人にとっては常識だといえましょう。

「見ざる、言わざる、聞かざる」。その心は、「余計なものは見ない、余計な話には耳を傾けない、余計な話には突っ込まない」という自己抑制にあります。

一般的には、悪いものから身を避けるという意味に解されていますが、そう言われると、「見たくなる、聞きたくなる、見て聞いたものはしゃべりたくなる」というのが人間の性(さが)。これが身を滅ぼしかねないからこそ、日本人は「さる」を三匹並べて戒めとしてきたのでしょう。

この処世術がとくに必要なのが フェイスブックやツイッターをはじめとするSNSでしょうね。余計なサイトを見たがためにウイルスに感染し、余計な発言をつぶやいたがために炎上してしまう。迷惑がかかるのは当の本人ですが、それだけでは終わりません。ネットワークでつながっているからです。

自省をこめて、おおいに心したいものでありますね。

「三猿」には、そのすべてに「さる=猿」が織り込まれているので、日本固有だと思いがちですが、じつはそうではないという見解あります。

英語では "Three Wise Monkeys" (=三賢猿)というそうです。「見ざる、言わざる、聞かざる」は、"See No Evil, Hear No Evil, Say No Evil"、順番としてはこちらのほうがナチュラルですね。戒めの内容には普遍的なものがあるといってよいのでしょう。


では、本年もよろしくお願い申し上げます。


2016年1月吉日  

佐藤けんいち





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