(日光東照宮の「三猿」 wikipediaより)
謹賀新年。あけましておめでとうございます。今年2016年の干支は丙申(ひのえざる)。申年はサル年。
サルといえば「日光東照宮の三猿」。 「見ざる、言わざる、聞かざる」の「三猿」。これは日本人にとっては常識だといえましょう。
「見ざる、言わざる、聞かざる」。その心は、「余計なものは見ない、余計な話には耳を傾けない、余計な話には突っ込まない」という自己抑制にあります。
一般的には、悪いものから身を避けるという意味に解されていますが、そう言われると、「見たくなる、聞きたくなる、見て聞いたものはしゃべりたくなる」というのが人間の性(さが)。これが身を滅ぼしかねないからこそ、日本人は「さる」を三匹並べて戒めとしてきたのでしょう。
この処世術がとくに必要なのが フェイスブックやツイッターをはじめとするSNSでしょうね。余計なサイトを見たがためにウイルスに感染し、余計な発言をつぶやいたがために炎上してしまう。迷惑がかかるのは当の本人ですが、それだけでは終わりません。ネットワークでつながっているからです。
自省をこめて、おおいに心したいものでありますね。
「三猿」には、そのすべてに「さる=猿」が織り込まれているので、日本固有だと思いがちですが、じつはそうではないという見解もあります。
英語では "Three Wise Monkeys" (=三賢猿)というそうです。「見ざる、言わざる、聞かざる」は、"See No Evil, Hear No Evil, Say No Evil"、順番としてはこちらのほうがナチュラルですね。戒めの内容には普遍的なものがあるといってよいのでしょう。
では、本年もよろしくお願い申し上げます。
2016年1月吉日
佐藤けんいち
(2012年7月3日発売の拙著です)
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