今週の Bloomberg BusinessWeek(ビジネスウィーク)のカバーストーリー(特集記事)は、Why Facebook Needs Sheryl Sandberg (なぜフェイスブックはシェリル・サンドバーグを必要とするのか?) というタイトルです。
シェリル・サンドバーグ(Sheryl Sandberg)は、「ナンバー2」としてキャリアを積んでいるプロの経営者。経済学者で財務長官とハーバード大学学長を歴任した、ローレンス・サマーズの秘蔵っ子です。
Wikipedia(英語版)の記述によれば、1969年生まれの現在41歳、二人の子持ち。グーグルでは、グローバル・オンラインセールス部門のバイスプレジデントを務め、グーグルのフィランスロピー部門の立ち上げにもかかわっています。グーグルにスカウトされる以前は、米財務省のスタッフ長として勤務した経験をもっています。
今回、フェイスブックの創業経営者であるマーク・ザッカーバーグに口説き落とされて、グーグルからフェイスブックに移籍した経緯については、『グーグル秘録-完全なる破壊-』(ケン・オーレッタ、土方奈美訳、文藝春秋、2010) にも描かれていました。現在は、フェイスブックの COO(=Chief Operating Officer)として、実務部門のトップとして、CEO(=Chief Executive Officer)であるザッカーバーグのしたで「ナンバー2」の役割を果たしています。
彼女は、グーグルもそうでしたが、若い天才的なハイテク・ベンチャー経営者の下で、大人の知恵でもって経営を回してきた人です。
自分より年上だが経験を積んだ人を経営者として招き、元気があるが未熟なベンチャーに、規律と方向性を植え込んでもらう。この記事にもありますが、米国では今後のトレンドになっていくかもしれません。
またシェリル・サンドバーグのような生き方は、ある意味では経営のプロとしての 「ナンバー2」としての生き方のモデルとなるかもしれません。なお、「ナンバー2」は、英語では second-in-command (副司令官)という表現が使われています。
グーグルとフェイスブックという、IT世界で急速に成り上がってつばぜり合いを演じている巨人の背後にこの人あり、といったところでしょうか。いろんな面からみても、面白い存在ですね。
<関連サイト>
フェイスブックを支えるNo.2、サンドバーグ氏の素顔-急成長のカギを握る絶妙のパートナーシップ
(日経ビジネスオンライン 2012年2月8日 BusinessWeek記事の日本語訳
Why Facebook Needs Sheryl Sandberg (なぜフェイスブックはシェリル・サンドバーグを必要とするのか?)
Wikipedia(英語版)の Sheryl Sandberg にかんする記述
Bloomberg BusinessWeek-知らないうちに BusinessWeek は Bloomberg の傘下に入っていた・・・
・・姉妹編「アタマの引き出し」は生きるチカラだ!に掲載
Sheryl Sandberg on the future of privacy(The Economist Video) (2011年11月30日 追加)
シェリル・サンドバーグ:何故女性のリーダーは少ないのか(Sheryl Sandberg: Why we have too few women leaders)(2012年10月2日 追加)・・ものすごい共感をよんでいるTEDのプレゼンテーション
来日中、FacebookのCOOが語る「女性の社会進出に必要な3つのこと」(ビジネス・メディア
誠 2013年7月3日)
NHKクローズアップ現代 一歩前へ踏み出そう ~シェリル・サンドバーグさんのメッセージ~(2013年7月9日)
Sheryl Sandberg: So we leaned in ... now what? (16:56 minutes · Filmed Dec 2013 · Posted Jan 2014 · TEDWomen 2013 音声英語・日本語字幕なし)
<ブログ内関連記事>
書評 『グーグル秘録-完全なる破壊-』(ケン・オーレッタ、土方奈美訳、文藝春秋、2010)
書評 『フェイスブック 若き天才の野望-5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた-』(デビッド・カークパトリック、滑川海彦 / 高橋信夫訳、日経BP社、2011)
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(2012年7月3日発売の拙著です)
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