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2011年10月31日月曜日

神田・神保町の古書店街もまた日本が世界に誇る「クラスター」(集積地帯)である!


 「神保町(じんぼうちょう)ブックフェスティバル」にいってきました。

 「神田古本市」と同時開催のイベントです。こちらのほうが風情があっていいですね。「神田古本市」も、高校時代から通いはじめて、はや30年近くになるでしょうか?

 ネット古書店を利用するようになってから、とくに amazon のマーケットプレイスを利用してで古本を買うようになってからは、リアルの古書店の店舗にはあまりいかなくなっているのですが、一年に一回のこの催しにはどうしても足が向いてしまいます。それだけ魅力的なコンテンツがあって集客力のある「世界最大の古書店街」のイベントなのです。

 日本ではこの神保町以外にも、とくに大学と学問の街である京都には古書店が集積しています。

 日本の神保町や京都以外にも、世界には古書の町をウリにしたものが英国やベルギーにもあるようですね。残念ながらわたしはまだ一度も訪れたことがないのですが。


神田・神保町は「世界最大の古書の一大集積地帯」

 神田・神保町は「世界最大の古書の一大集積地帯」です。ビジネス用語でいえば「クラスター」(cluster)です。

 産業集積や商業集積のことを指しています。ぶどうのふさ(cluster)からきたコトバです。つぶつぶがたくさん集まって一房のぶどうになるという比喩的な表現です。

 クラスターでもっとも有名なものといえば、IT関連の産業集積シリコンバレーをあげることができるでしょう。東海岸のハーバード大学や MIT(マサチューセッツ工科大学)に匹敵する、理工系を中心にした私立大学であるスタンフォード大学周辺に形成されたものですね。

 狭い地域に集積していると、なんといってもフェイス・トゥーフェイスのコミュニケーションが可能になるので、ネットワーキングを作り出したり、アイディアを生み出したり、集積効果は相乗効果として活発化します。

 日本でもITブームの頃、渋谷を中心にしたビットバレーというものがさかんにメディアに登場していました。このほかファッションでいえば原宿、アニメ製作の練馬など、数々のクラスターが存在します。

 あるいは、東京の大田区や東大阪の中小企業の集積地帯をあげるべきかもしれません、しかし、残念ながらものづくりの海外シフトとともに、かつての勢いが失われてしまったようですが。

 話を神保町にもどせば、古書店主の高齢化にともなって廃業する店舗もでているようですが、いっぽうでは若い人たちが斬新なコンセプトであたらしく出店するケースも増えているようですね。やはり、狭い地域に同業者が密集している集積効果のメリットは代え難いものがあるようです。

 かつては電気街だった秋葉原もまた、近年はアキバとしてオタクの聖地として、日本国内だけでなく全世界から人が集まるようになっています。

 中身は変化しながらもクラスターとしては、新陳代謝をつづけながら生き続ける神保町は、秋葉原とならんで興味深い事例です。

 もちろん、神保町も秋葉原も、世界に誇る日本の至宝ですね。


<関連サイト>

第52回 神田古本市(公式サイト)

神保町の古書店街クラスター形成の歴史は、経営史家・脇村義太郎の 『東西書肆街考』(岩波新書、1979) に詳述されています。




<関連サイト>

再び起きた生産停止の教訓-米ハーバード大学の専門家が語る今後の展望(日経ビジネスオンライン)
・・タイの大洪水によるサプライチェーン問題について、産業集積(クラスター)のもつリスクについて指摘されているので、ぜひ参照されたい。 (2011年11月1日 追記)


<ブログ内関連記事>

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