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2014年1月14日火曜日

日体大の『集団行動』は、「自律型個人」と「自律型組織」のインタラクティブな関係を教えてくれる好例


連休中の日曜日(2014年1月12日)、テレビ朝日の番組 『集団行動2時間 SPECIAL』を見ましたか? 日本体育大学(日体大)の「集団行動」が最終的に完成するまでのプロセスをドキュメントとして描いた作品です。

「集団行動」日本体育大学第51回体育研究発表実演会 をご覧ください。発表会における一糸乱れぬ「集団行動」が美しい! 

シンクロナイズド・スイミングやラインダンスにも磨き抜かれた身体を前提にした集団演技の美しさがありますが、70人という集団の一糸乱れぬ演技はすばらしいの一言に尽きます。比喩として適切かどうかは別にして、小鳥の群れやイワシの群れを連想させる美しさがそこにあるといってもいいでしょう。

こんなことを言うと、北の某国のマスゲームを連想させるからイヤだとか、だから日本人は「集団主義」だとか、ネガティブな反応を示す人がかならず出てくるものです。

だが、それはまったくわかっていないな、という感想を持たざるをえません。「集団行動」と「集団主義」はまったく別物です。

演技として完成するまでのプロセスをみれば、一糸乱れぬ「集団行動」は、じつは個人レベルの「規律による自律」を前提にしていることが理解できるはずです。さらにいえば、「自律型個人」と「自律型組織」の相互関係、インタラクションだと言ってもいいでしょう。

個人が同じ歩幅で同じピッチで歩くということがいかに難しい課題であることか! それを集団で行うのはさらに難しい。

「規律による自律」は、精神力×体力のたまもの。ある意味では早寝早起きといった生活習慣にも通じるものです。これを集団レベルで実行するのが「集団行動」です。

「集団行動」のエッセンスは、個人レベルの自助努力、そしてチームとしての高い目標を達成するための意識の持ち方にあります。個人レベルの高さがあってこそ、チームとしての信頼感もでてくる。それは甘えとは無縁の世界です。プロフェッショナルそのものではありませんが、ある種のプロ意識の厳しさといっていいかもしれません。

「個と組織」の関係からみれば、まさに「自律型個人」と「自律型組織」の関係です。「自律型個人」の存在があって、はじめて「自律型組織」が成立するのです。そして、「自律型組織」がまた個人レベルの「自律性」を必要とします。その基盤のうえで「自発性」が意味をもつ。相互関係なのです。

いっけんすると、「自律型個人」と「自律型組織」の関係はパラドックスのような印象を受けますが、そうではありません。個人技のレベルの高さがあって、はじめてチームとしての強さが実現することはサッカーなどの球技にも共通することです。

最高の演技を行うという最終目標に向けて、逆算的にチームづくりを行う日体大の清原監督の指導方針。これは最強の組織づくりにも共通するものがありますね。人間の弱さを前提にしたうえで、ビジョンを見える形で示して意識を高めていく手法。

体力と不屈の精神の関係。サバイバルと助け合いをつうじてのチームの結束力。そして目標としてきた完璧な演技(プレイ)を終えたあとの達成感。学生時代に体育会経験をもつ人なら理解できることでしょう。

この観点を踏まえて、ぜひ「集団行動」日本体育大学第51回体育研究発表実演会(YouTube)の映像をじっくりと見ていただきたいものです。かならずなにかヒントを得ることができるはずです。

「集団行動」は「集団主義」ではありません。そのエッセンスをつかみとってほしいと思います。






<関連サイト>

「集団行動」日本体育大学第51回体育研究発表実演会 (YouTube)

テレビ朝日の番組 『集団行動2時間 SPECIAL』

「入学は簡単だが卒業は難しい」 大学教育の欧米スタイル導入はなぜ失敗したか (上久保誠人 [立命館大学政策科学部准教授]、ダイヤモンドオンライン、2014年8月22日)
・・基本的に自己主張の強い欧米人や日本人以外のアジア人と、バラバラだがおとなしい日本人とは、扱いは別にしなければならないことがこの記事で指摘されている。
示唆として、以下のように考える必要があろう。
日本人は自己主張をせず、面従腹背という消極的抵抗をとるので、そういう行動を取らせないように、「集団行動」をつうじて、自発性を鍛え、強い「自己」を鍛えることが大事なのである。

(2014年8月22日 記す)






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「三日・三月・三年」(みっか・みつき・さんねん)
・・「生活習慣」化の重要性

書評 『全員で稼ぐ組織-JALを再生させた「アメーバ経営」の教科書-』(森田直行、日経BP、2014)-世界に広がり始めた「日本発の経営管理システム」の仕組みを確立した本人が解説
・・個人レベルの自律性と自律的組織の関係が顕著に観察できるのが「アメーバ経営」

書評 『星野リゾートの事件簿-なぜ、お客様はもう一度来てくれたのか?-』(中沢康彦、日経トップリーダー編、日経BP社、2009)-「現場」がみずから考え実行する組織はどうやったらつくれるのか

書評 『個を動かす-新浪剛史 ローソン作り直しの10年-』(池田信太郎、日経BP社、2012)-「個」が重要な時代に取り組んだ「組織変革」の軌跡

書評 『爆速経営-新生ヤフーの500日-』(蛯谷 敏、日経BP社、2013)-現在進行中の「組織変革」ドキュメント第1章とその前夜の舞台裏

書評 『経営管理』(野中郁次郎、日経文庫、1985)-日本の経営学を世界レベルにした経営学者・野中郁次郎の知られざるロングセラーの名著
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修道院から始まった「近代化」-ココ・シャネルの「ファッション革命」の原点はシトー会修道院にあった
・・「規律による自律」の集団生活。修道院の生活は超早寝早起き。

資本主義のオルタナティブ (1)-集団生活を前提にしたアーミッシュの「シンプルライフ」について
・・「規律による自律」の集団生活。「自発性」とはなにか? 伝統的な共同体においては、そこに生まれたものにはさまざまな葛藤がともなう。参加がすべて「自発的」である企業組織とはまったく異なる点だ。生まれながらにしてある特定の企業に入社していることはありえない

書評 『アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?』(ダン・セノール & シャウル・シンゲル、宮本喜一訳、ダイヤモンド社、2012)-イノベーションが生み出される風土とは?
・・「日本人からすると、議論が何よりも好きで、アクの強さではインド人以上に辟易するであろうイスラエル人ですが、「自分で考え、自分で行動する」究極のイノベーターの姿がそこにあるといってよいでしょう。こと議論するという点になると、たとえ軍隊内であろうと上下は関係ないという組織風土こそ、究極の「水平社会イスラエル」を象徴するもの」 とことん徹底的に議論するからこそ、最終的な結論がでたときには意志統一がされているのである。アメリカ人も驚くイスラエル人から学ぶべきものはそれだ

書評 『オーケストラの経営学』(大木裕子、東洋経済新報社、2008)-ビジネス以外の異分野のプロフェッショナル集団からいかに「学ぶ」かについて考えてみる
・・「(フラットな組織である)オーケストラにおいては、個々の演奏者が、いかに他の演奏者とのハーモニーをつくり出すことができるかということであり、別の表現をつかえば、いかにチームワークを作りあげるかということになる。「もともと日本には、教会の響きのなかで賛美歌を歌いながらハーモニー(調和・和声)を創っていくという習慣がない。そのため、お互いの音を聴き合ってハーモニーを創っていくという意識が、どうしても低くなっているようにみえる」(P.157~158)」 日本と西欧との大きな違い

書評 『国家と音楽-伊澤修二がめざした日本近代-』(奥中康人、春秋社、2008)-近代国家の「国民」をつくるため西洋音楽が全面的に導入されたという事実
・・日本人を近代産業に適した近代的身体に改造することが明治時代初期の課題であった。幕末の鉄砲隊はリズムに合わせて発砲するためのドラマー(=鼓手)を必要とした

書評 『傭兵の二千年史』(菊池良生、講談社現代新書、2002)-近代世界の終焉と「傭兵」の復活について考える ③
・・「三十年戦争終結に至るまでに、ヨーロッパでは、ハプスブルク家支配からの独立戦争を戦っていたオランダでの軍政改革、グスタフ=アドルフによるスウェーデンの軍政改革が行われ、財政の裏づけのもとに常備軍が整備され、傭兵は大幅に後退」 規律を前提にした近代軍隊

(2014年3月19日、9月21日 情報追加)




(2012年7月3日発売の拙著です 電子書籍版も発売中!)







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2013年12月5日木曜日

書評 『星野リゾートの事件簿-なぜ、お客様はもう一度来てくれたのか?-』(中沢康彦、日経トップリーダー編、日経BP社、2009)-「現場」がみずから考え実行する組織はどうやったらつくれるのか


星野リゾートもまた「自律分散型組織」の実践例。「現場」に権限委譲して、「現場」のチカラを最大限に引き出す経営スタイルを行っています。

もともとは家業であった中小の旅館業であったがゆえに、人の採用が難しい、採用しても定着しない、大卒を採用して育ててもいずれ辞めてしまうといった、人材にかかわる問題を社長の星野佳路氏は抱えていたとのこと。

だからこそ、トップダウンのスタイルの限界に気づいて経営スタイルを転換、思い切って「現場」に大幅に権限委譲して、「任せて見守る」経営スタイルに転換した結果、現在に至ったということのようです。

「現場が考えて現場で決めて動ける組織」に変え、多様な働き方ができるように対応、しかもその制度が持続可能なものとなるような工夫の数々。「現場」が考え実行する組織はどうやったらできるのか、そのヒントがナマの形でちりばめられた本。

解決策はつねに現場にある、経営の役割は方針を決めて、あとは現場にまかせること。自律性ある従業員による組織は、一方では高度なマネジメント能力と裏合わせでないとうまくいかないのです。しかし、自律性ある従業員による組織は、一方では高度なマネジメント能力の裏づけがないとうまくいかないことが、わかる人にはわかるのでしょう。

この本は、「現場」のスタッフたちが顧客満足度(CS)を向上させるために自分たちで考え、自分たちで話し合い、自分たちで決めたことを自分たちで実行するなかで発生した具体的な「事件」を、従業員視線と経営者視線の両面を、等距離の立場で第三者である記者が書いたものです。

TVなどのマスコミで有名な星野リゾートですが、あらためて活字の形で考えながら読むと、さまざまな「気づき」を得ることができるでしょう。

サービス業に従事する人のあいだではすでにバイブル的な本ですが、実践の記録である本書は、旅館業やホテル業、そしてサービス業だけでなく、サービス経済化が進むすべての業界で応用可能なものをもっています。読者が自分の現場に則して、どこまで「気づき」を得ることができるかにかかっているといっていいでしょう。

たとえば、いかに「慣性の法則」にとらわれたベテラン従業員を意識変革に促すか、企業理念の原理主義者である「新人」のもつ意味、現場の「気づき」をうながす質問力のあり方、ファシリテーター型のリーダーシップとは、イノベーティブな組織であるために不可欠なフラットな人間関係などなど。

経営者の星野氏自身も「解説」という形で寄稿していますが、基本的に「当事者」ではない第三者である記者が従業員の活動と経営者の活動を等距離で見ていますので、読者が得る「気づき」は経営者が書いた経営書よりも多いかもしれません。

「当事者」ではない第三者というスタンスはコンサルタントなどとも共通するものがありますが、組織のなかにいるとなかなか気づきにくいものです。

経営者にとっても、現場のスタッフにとっても、それぞれの立場で読んで得るものの多い本です。まだ読んでない方は、ぜひ読むことをおすすめします。



目 次

はじめに
頂上駅の雲海 アルファリゾート・トマム(北海道占冠村)
踊る超名門旅館 古牧温泉 青森屋(青森県三沢市)
新入社員のブチ切れメール アルツ磐梯(福島県磐梯町)
一枚のもりそば 村民食堂(長野県軽井沢町)
地下室のプロフェッショナル 星のや 軽井沢(長野県軽井沢町)
先代社長の遺産 ホテル ブレストンコート(長野県軽井沢町)
地ビールの復活 ヤッホー・ブルーイング(長野県軽井沢町)
常識との決別 リゾナーレ(山梨県北杜市)
スキー場なきスキーリゾート リゾナーレ(山梨県北杜市)
激論する未経験スタッフ アンジン(静岡県伊東市)
名おかみの決断 蓬莱(静岡県熱海市)
あとがきにかえて 社員が辞めない会社になる
解説 事件が会社を強くする 星野佳路 星野リゾート社長




著者プロフィール

中沢康彦(なかざわ・やすひこ)
1966年生まれ。慶応義塾大学経済学部卒業。新聞社記者を経て日経BP社に入社。「日経ビジネス」記者などを経て、現在、「日経トップリーダー」副編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの



・・活力あふれる企業風土の背景には、現場のリーダーシップと経営のリーダーシップを融合させた、チームスポーツ型の組織運営がある。

「あ、失敗しちゃった」という人が現場で信頼されるワケ 第4回 星野佳路・星野リゾート社長(中) (日経ビジネスオンライン 2013年11月6日)
・・「人間関係がフラットじゃないと、コミュニケーションはうまくいきません。」(星野氏)  この短いコトバこそキモのキモ。

フラットな組織にするためのヒントは以下の発言に。

「大学の新卒組というのは、社会人の経験がないから、良い意味でも悪い意味でも超フラットなんです。サークルの延長線上で会社に入ってきますから。彼らを地方の再生現場に送ると、まず衝突します。「星野リゾートなんだから、こういうことをするのが当然じゃないですか」と言い出す。その衝突の中から、フラットになるきっかけみたいなものが出てくる。
 そうすると、古くからいる人たちも、フラットにコミュニケーションしている人たちを見て、「上下関係を気にしなくても全然平気なんだ」「何も問題は起きないんだ」ということが分かって、だんだんまねをするという現象が起きてくる。そのうち、「言わなきゃ損だ」ということになる。それがうちの現場がフラットになるルートのような気がします。」
・・この記事で初めて知りましたが、星野社長は大学時代は体育会アイスホッケー部の主将だったんですね。経営学者の野中郁次郎氏のいう「知的体育会系」を体現したような経営者です。

星野さんはホテルマネジメント分野では世界最高の教育機関である、アメリカのコーネル大学ホテル学科で修士号を取得されてますね。コーネル大学のキャンパスには大学が経営しているホテルがあって実践的な教育が行われているそうです。

「やめること」を決めることが、僕の最後の仕事 第4回 星野佳路・星野リゾート社長(下) (日経ビジネスオンライン 2013年11月13日)

現場スタッフ一人ひとりの「気づき」が最高のおもてなしを生み出す源泉に(前編) (日経BPネット 2014年1月27日)
・・「星野: リゾート施設を魅力的にするために、私が一番重要だと考えているのは、現場の最前線でお客様と接するスタッフです。いくら経営陣に素晴らしい人材がいても、お客様の要望や期待と直接向き合うのは現場のスタッフです。スタッフ一人ひとりの対応が、お客様による星野リゾート全体の評価となります。現場スタッフがその場その場で下した意思決定の質が、星野リゾート全体の業績を大きく左右することになります

星野リゾートの経営の醍醐味は、お客様満足度とコストのバランス(後編) (日経BPネット 2014年2月3日)
・・「星野: いえいえ、フラットな文化と規律の厳しさは関係ありません。うちの場合は、フラットであることが規律なんです。規律というのは「みんなでやろう」と決めたことをきちんと守ることです。星野リゾートの場合は、「フラットな文化になろう」と決めているので、これを守ることが規律なのです」


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「専門家」は何も分かっていない?-いかにして 「当事者」 は 「専門家」 を使いこなすべきか

書評 『個を動かす-新浪剛史 ローソン作り直しの10年-』(池田信太郎、日経BP社、2012)-「個」が重要な時代に取り組んだ「組織変革」の軌跡

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・・「知的体育会系」というのは野中教授のネーミング

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・・自律型人材によるチームワークとリーダーシップ

書評 『オーケストラの経営学』(大木裕子、東洋経済新報社、2008)-ビジネス以外の異分野のプロフェッショナル集団からいかに「学ぶ」かについて考えてみる
・・「(フラットな組織である)オーケストラにおいては、個々の演奏者が、いかに他の演奏者とのハーモニーをつくり出すことができるかということであり、別の表現をつかえば、いかにチームワークを作りあげるかということになる。「もともと日本には、教会の響きのなかで賛美歌を歌いながらハーモニー(調和・和声)を創っていくという習慣がない。そのため、お互いの音を聴き合ってハーモニーを創っていくという意識が、どうしても低くなっているようにみえる」(P.157~158)」 日本と西欧との大きな違い。

書評 『アマン伝説-創業者エイドリアン・ゼッカとリゾート革命-』(山口由美、文藝春秋、2013)-植民地解体後の東南アジアで生まれた「アマン」と「アジアン・リゾート」というライフスタイルとは?

(2014年3月19日、12月28日 情報追加)




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2013年12月4日水曜日

書評 『個を動かす-新浪剛史 ローソン作り直しの10年-』(池田信太郎、日経BP社、2012)-「個」が重要な時代に取り組んだ「組織変革」の軌跡


セブンイレブン(7-11)が日本で誕生して2013年11月で40年(!)になりましたが、日本でこの業態を切り開いた最大手のセブンイレブンとはまったく真逆の組織戦略で作り直されたのが二番手のローソン。

そのローソンを「自律分散型組織」として再生させたのが新浪剛史氏です。「万年2位」に甘んじていた従業員の意識をいかに変革したか、この本でその10年間の取り組みを時系列と機能ごとの変革を概観することができます。

セブンイレブンが鈴木敏文会長を中枢頭脳とする「中央集権型」とすれば、ヒト・モノ・カネの経営資源では劣るローソンは苦肉の策として「自律分散型組織」で社員や加盟店オーナーのやる気を引き出す方向しかなかったわけです。

つまり限られたリソース(=経営資源)をいかに巧みに組み換え、「勝つべき地点」を設定しるといいう戦略とその実行が「自律分散型組織」であったわけです。

具体的な経営施策は以下のとおりです。

まずは変革の起爆剤として「成功体験」を作り、人材面では「ダイバーシティ(=多様性)と分権」を導入し、パートナーとしてのフランチャイズオーナーの地位を上げ、、「マネジメント・オーナー」制度を導入してやる気のある加盟店オーナーを育て、脱POSシステムの観点から「個」としての消費者動向をつかむためメンバーカードをベースにした「CRM」に挑戦し、新規分野にヒトを回すため業務改善の「BPR」に取り組む。

いずれも小売業とコンビニの常識に大胆に挑戦したものです。

そして仕上げとしては、ガバナンスのための集団経営体制にむけて、カリスマ経営に頼らない体制をつくる。

ローソンの組織変革の中核にあるものは「自律分散型組織」ですが、これはできるだけ現場に近い部署に権限を委譲し、現場の創意工夫を引き出す経営スタイルのことです。「自律分散型組織」は「自律型人材」を必要とします。

そしてまた、「自律型人材」になればなるほど遠心力が働きますので、一方では人材を組織人としてまとめていくための求心力が必要になります。それが経営理念です。

「自律分散型」か「中央集権型」は二者択一ではありません。企業が置かれている状況によって異なる選択肢です。

ベンチャー立ち上げから初期段階では当然のことながら強いリーダーによる中央集権型組織で一点集中突破、しかしつぎの段階以降では自律型組織に転換していくのが望ましいでしょう。

企業組織の内部で「個と組織」をどうバランスさせるか、そして基本的に「個」である消費者の心をどうつかむか、これは永遠のテーマであります。キーワードは「個」にあるのです。




目 次

はじめに
第1章 試された「分権経営」-ドキュメント・東日本大震災
第2章 迷走する経営と上場の「傷跡」-社長就任前夜
第3章 一番うまいおにぎりを作ろう-「成功体験」を作る
第4章 「田舎コンビニ」を強みに転じる- 「ダイバーシティーと分権」の導入
第5章 オーナーの地位を上げましょう-「ミステリーショッパー」の導入
第6章 加盟店オーナーにも「分権」-「マネジメント・オーナー」の誕生
第7章 「個」に解きほぐされた消費をつかむ-「CRM」への挑戦
第8章 「強さ」のために組み替える-「BPR」の取り組み
第9章 僕が独裁者にならないために-集団経営体制と新規事業
第10章 人間・新浪剛史-その半生
【インタビュー】スクウェア・エニックス 和田 洋一社長 「起業家ではない経営者」という同類から

著者プロフィール

池田信太朗(いけだ・しんたろう)
『日経ビジネス』記者。ビジネス情報誌『日経ネットブレーン』、中小企業向けIT情報誌『日経IT21』、『日経アドバンテージ』、定年退職者向けライフスタイル誌『日経マスターズ』の編集・記者などを経て、2006年から『日経ビジネス』で小売り業界を中心に取材、執筆。2011年12月に『日経ビジネスDigital』の立ち上げを担当し、2012年1月から編集長。2012年9月から香港支局特派員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。



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書評 『星野リゾートの事件簿-なぜ、お客様はもう一度来てくれたのか?-』(中沢康彦、日経トップリーダー編、日経BP社、2009)-「現場」がみずから考え実行する組織はどうやったらつくれるのか
・・星野社長は慶応義塾大学アイスホッケー部出身

書評 『経営管理』(野中郁次郎、日経文庫、1985)-日本の経営学を世界レベルにした経営学者・野中郁次郎の知られざるロングセラーの名著
・・「知的体育会系」というのは野中教授のネーミング

アムンセンが南極に到達してから100年-西堀榮三郎博士が説くアムンセンとスコットの運命を分けたチームワークとリーダーシップの違い
・・自律型人材によるチームワークとリーダーシップ

書評 『オーケストラの経営学』(大木裕子、東洋経済新報社、2008)-ビジネス以外の異分野のプロフェッショナル集団からいかに「学ぶ」かについて考えてみる
・・「(フラットな組織である)オーケストラにおいては、個々の演奏者が、いかに他の演奏者とのハーモニーをつくり出すことができるかということであり、別の表現をつかえば、いかにチームワークを作りあげるかということになる。「もともと日本には、教会の響きのなかで賛美歌を歌いながらハーモニー(調和・和声)を創っていくという習慣がない。そのため、お互いの音を聴き合ってハーモニーを創っていくという意識が、どうしても低くなっているようにみえる」(P.157~158)」 日本と西欧との大きな違い。

「やってみなはれ」 と 「みとくんなはれ」 -いまの日本人に必要なのはこの精神なのとちゃうか?
・・2014年にサントリーの次期社長にローソン会長の新浪氏がスカウトされ内定。「やってみなはれ」精神の持ち主と評価されてのことだという

(2014年3月19日、7月3日 情報追加)




(2012年7月3日発売の拙著です 電子書籍版も発売中!)





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2013年11月24日日曜日

書評 『爆速経営-新生ヤフーの500日-』(蛯谷 敏、日経BP社、2013)-現在進行中の「組織変革」ドキュメント第1章とその前夜の舞台裏


本書は、現在進行中の Yahoo! JAPAN(ヤフー・ジャパン)における「組織変革」の最初の500日とその前夜の舞台裏をドキュメントとして描いたビジネス・ノンフィクション作品です。

ヤフーが変わってきた、そう感じているのはわたしだけではないと思います。その変化をもたらしたのは40歳代を中心にした新経営チームが推進している「組織変革」です。組織変革を必要としたのは、劇的では」ないが根源的な経営環境変化でした。

その環境変化とは、ヤフーが成功してきたPCにおけるポータル戦略が、顧客がスマートフォンにシフトするにつれて機能しなくなりつつあるのではないかという前の経営者が抱いた危機感。これは劇的な変化ではあっても一気に顕在化することのない、静かに潜行する根源的な変化であったというべきでしょう。

わたしはこの本を読んでいて、インテルの創業メンバーの一人でCEOをつとめていたアンディー・グローブの『インテル戦略転換』を思い出していましたが、あるいは本書に何度も引用されているクリステンセン教授の『イノベーションのジレンマ』を地で行く事例といってもいいかもしれません。『イノベーションのジレンマ』はスティーブ・ジョブズも愛読していた本でした。

オーナー企業ではありませんが、スタート時から17年間にわたって経営を担ってた天才経営者を承継するというミッション。しかも、外部からのスカウトではなく、組織内部からの抜擢によって40歳代の新経営者が抜擢され、彼を中心に経営チームが組成されます。

新経営チームによる「組織変革」がなによりも困難に直面していたのは、変革の起爆剤と推進剤になる危機感がかならずしも見える形で顕在化していたわけではなかったということ。ヤフー・ジャパンは、優良企業として17期連続で利益を出し続けていたということです。

そのような状況のなかでは、なぜ変革しなければならないかという気持ちを従業員にもたせるのは容易ではありません。いままでどおり現状維持したいし変わりたくないという「慣性の法則」が人間には働くためです。

すでに5,000人規模にまで拡大した上場企業をつくりなおすというミッションが、いかなる状況のもと、いかなる考えにもとづいておこなわれたか、そしてどのように進行しているか、それを密着取材によって読者は追っていくことができます。

「まず、登る山を決め」、経営チームという「異業種タッグが既成概念を壊」し、「爆速」などのキーワードにこめた"言霊"が組織を動か」し、「組織変革」を具体的な形に落とし込んでいくプロセス。まずは枠組みをつくって、組織全体がむかうべき方向性を示し、それから個々の従業員にとって自分の問題として、つまり当事者意識をもたせていくプロセス。

このプロセスはきわめて常識的で定石を踏んだもの。けっして奇をてらったものではありません。

しかし、「組織変革」というものは、むしろ持続的にやりぬいていくことこそがむずかしいわけです。

とりわけわたしが感心しながら読んだのが、「組織変革」の実際のフェーズに入ってから、「見ること」を徹底させているということ。

「見る」とは、わたしの表現では「観察」と言い変えたいところですが、徹底的に観察することによって、はじめて組織内コミュニケーションの基盤ができるわけです。上司と部下のあいだはもちろん、「斜め上」からの観察もきわめて重要。この基盤があってこそ信頼感が生まれ、人材育成が実現されていくわけです。人は見られていることを意識することで変わるのです。

このように、従業員一人一人のやる気を引き出し、組織としての活力を個々人どうしの掛け算として実現していく組織変革。これはぜひ一つのモデルとして、生きたケーススタディとして大いに学ぶべきものがあるといっていいでしょう。

著者もなんども書いていますが、この組織変革プロセスはあくまでも進行中のものであり、結果がどうなるかはわかりません。

しかし、変革に踏み出さなければ明日はないのです。成功モデルを後追いで振り返るのではなく、変化をどうマネジメントしていくかという「組織変革」の渦中を追体験する読み方をしたいものです。

ぜひ読むことをおすすめします。



PS. この書評は、R+(レビュープラス)さまより献本をいただいて執筆したものです。




目 次

まえがき
Chapter 1 革命前夜-ヤフーが一番つまらない!
Chapter 2 電撃指名-53番目の社員に託された命運
Chapter 3 改革始動-まず、登る山を決める
Chapter 4 前例破壊-異業種タッグが既成概念を壊す
Chapter 5 爆速誕生-"言霊"が組織を動かす
Chapter 6 再活性化-見られるからこそ社員は輝く
Chapter 7 試行錯誤-「!」を生み続ける組織へ
あとがき
参考図書・ヤフーの経営陣がオススメする書籍一覧
新生ヤフーの改革プロセス
新生ヤフーを率いる12人

著者プロフィール

蛯谷 敏(えびたに・さとし)
日経ビジネスDigital編集長。2000年慶應義塾大学総合政策学部卒業、日経BP社入社。入社後は通信業界誌「日経コミュニケーション」の記者として通信業界を担当し、2006年から「日経ビジネス」に所属。2012年9月より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。

<参考>

本書にでてくる「組織改革」のキーワードとワンフレーズ

「脱皮できない蛇は死ぬ」
「10倍挑戦して、5倍失敗して、2倍成功する」
「大切なのは、誰をバスに乗せるか」
「経営は軍議長くすべからず」
「経営者が自分の判断に迷うのは、目標が明確ではないからだ」
「まず、登るべき山を決める」
「改革とは、組織の中で浮くこと」
「組織は原理原則で動かす」
「見られるからこそ社員は輝く」 
「アサインよりもチョイスを増やす」
「イノベーションには会議より会話」







<関連サイト>

「コラム 爆速経営 新生ヤフーの500日」(日経ビジネスオンライン 2013年11月)

ヤフー宮坂社長に聞く“爆速経営”の手応え--2014年は「×10倍」 (CNET JAPAN  2014年1月1日)



<ブログ内関連記事>

スティーブ・ジョブズの「読書リスト」-ジョブズの「引き出し」の中身をのぞいてみよう!

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「組織変革」について-『国をつくるという仕事』の著者・西水美恵子さんよりフィードバックいただきました

コトダマ(きょうのコトバ)-言霊には良い面もあれば悪い面もある

「自然エネルギー財団」設立に際して示した、ソフトバンク孫正義氏の 「使命」、「ビジョン」、「バリュー」・・・

Where there's a Will, there's a Way. 意思あるところ道あり

書評 『あんぽん 孫正義伝』(佐野眞一、小学館、2012) -孫正義という「異能の経営者」がどういう環境から出てきたのかに迫る大河ドラマ

「ハーバード リーダーシップ白熱教室」 (NHK・Eテレ)でリーダーシップの真髄に開眼せよ!-ケネディースクール(行政大学院)のハイフェッツ教授の真剣授業

書評 『個を動かす-新浪剛史 ローソン作り直しの10年-』(池田信太郎、日経BP社、2012)-「個」が重要な時代に取り組んだ「組織変革」の軌跡

書評 『星野リゾートの事件簿-なぜ、お客様はもう一度来てくれたのか?-』(中沢康彦、日経トップリーダー編、日経BP社、2009)-「現場」がみずから考え実行する組織はどうやったらつくれるのか

アムンセンが南極に到達してから100年-西堀榮三郎博士が説くアムンセンとスコットの運命を分けたチームワークとリーダーシップの違い
・・自律型人材によるチームワークとリーダーシップ


(2012年7月3日発売の拙著です)





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2011年12月14日水曜日

アムンセンが南極に到達してから100年-西堀榮三郎博士が説くアムンセンとスコットの運命を分けたチームワークとリーダーシップの違い


 本日(2011年12月14日は)、ノルウェーの探検家アムンセンが人類史上はじめて南極点に到達した日から100年にあたります。 
    
 そのアムンセンといえば必ず引き合いに出されるのが英国人のスコット海軍大佐。先陣争いを演じた宿命のライバルでしたが、スコットはアムンセンに一ヶ月遅れをとっただけでなく、南極点に到達した帰途に全員が凍死するという悲劇の主人公にもなりました。

 アムンセンとスコットの二人を比較したらチームワークの点でもリーダーシップの点でも、アムンセンは成功するべく成功し、スコットは失敗するべく失敗したと断じているのが、日本初の南極越冬隊長を務めた西堀榮三郎博士です。

 1957年に実行された、初代の南極越冬隊の隊長をつとめあげた西堀博士だけに、おなじく南極点の探検を行った先行者であるアムンセンとスコットのリーダーシップについての見方はきわめて的確であるというべきでしょう。

 しかも、西堀博士は統計的品質管理の専門家でもあっただけに、QCサークルという小集団活動にも通じており、チームワークについて述べているところにはきわめて説得力があるといってよいでしょう。

 西堀榮三郎の解説する「未知の世界を手探りで進むプロジェクトを成功させるチームのリーダーシップの極意」といった文章の要点をかいつまんで述べると以下のようになります。

●運と不運を分けるのは、ほんのちょっとした分岐点の決断である
●アムンセン隊とスコット隊の運命を分けることになった隊長の決断の背景には、隊長自身の性格と過去の経験の差がある
●まず最初に「情熱の差」。アムンセンが少年の頃から極地探検家になることを夢見て必要となる準備を進めてきたのに対し、スコットの極地探検は、いわばマーカム卿によりお膳立てされていたものであった。このことから、南極行きを志した時点で既に両者の間に「心構え」の差ができていた
●「よく人はリーダーの素質は生まれながらのものであるというが、けっしてそれだけではなく、目的に向かっての日常のたゆまない努力がリーダーとしての性格をつくりあげる」
●両隊長の性格の違いがもっともよく表れているのは隊の「運営の仕方」である
●両隊の運命を分けた運営の差が「隊長のリーダーシップ」にあり、それが「隊全体の士気」につながった
●隊の運命は隊長だけで決まるものではなく、隊長を含めた全隊員の一挙手一投足が小さな分岐点で運命を左右して決まる
●そのため、隊長は運営のうえで、つねに隊員をして打てば響くような、そして「細心の注意」を払って事に当たれるような教育を普段からしておかなければならない。その点で、スコット隊の敗北はスコット隊長に全責任があった
●アムンセンは隊員の自主性を尊重するチームワークで運営したことに対し、スコットの場合は、自分が海軍軍人であったこともあり、階級制度による上意下達的な隊の運営が隊員の士気にも影響し、細心の注意を払うことができなかった
●アムンセンの場合は、たとえば雪めがねといった装備品の改良に際して、隊員の提案を募集するなどし、隊員全員が参画意識を持って自主的に一つの目的に向かえるよう配慮した
●「すべての隊員が自主的に仕事をやるようになれば、隊長がいちいち指示しなくても隊は動く。全員が参画精神をもってひとつの目的に向かったとき、すばらしい力を発揮することができる」。
●アムンセンはチームリーダーとして、こうした人間の心理をよくつかみ、それを隊の運営に活かしていた
●スコットは「あわて者の誤り」を計画段階で犯しており、万事が中途半端であった
●アムンセンは、リーダー自らがつねに「平常心」をもって決断し行動できるよう「行ってみて、無理ならば引き返せばいい」というような「楽観的態度」を心がけていた
●スコットの場合は、極点到達がアムンセンに先を越されたときに「極点、・・・神よ、ここは恐ろしい土地だ」と日記に書き記し、帰途の不安をのぞかせている。リーダーが少しでも顔に不安をのぞかせたことが影響し、全員の不安と恐れが行動の判断を狂わせ、全員死亡という最悪の結果を招いた
●アムンセン隊の行動を見ていると、全員が「平常心」をもって一丸となり、極点到達という目的のもとに嬉々として行動していた様子がうかがわれる

 詳しくは、西堀博士の文章や言行録をまとめた『技士道一五ヵ条-ものづくりを極める-』(西堀榮三郎、清澤達夫=構成、朝日文庫、2008、初版単行本タイトル『想像力』1990)の「第5章 組織を考える」の「アムンセンとスコットのリーダーシップ」(P.269~280)をご覧いただきたいと思います。

 もともとは、『アムンセンとスコット-南極点への到達に賭ける-』(本多勝一、教育社、1986)の解説として執筆されたものです。ジャーナリストの本多勝一氏もまた、京大山岳部のOBで、西堀博士の後輩にあたる人でした。

 アムンセンの南極点到達をビジネスの世界にあてはめて考えれば、未知の領域を切り開いたプロジェクトであったと言うこともできるでしょう。

未来に何が起こるかは誰も分からない。ましてや神でもない人間のリーダーに分かるわけがない。けれども未来がわからないといって、リーダーが少しでも不安顔をすれば隊員の不安をますますつのらせることになる。(P.277)

 また西堀博士は、別の箇所ではこのようにも言っています。

未来というものは論理的背景がないものだとしかいいようがない。直感的な、主観的な、独断的な判断でしか考えられないのではないだろうかと思われてくる。(P.287)

 まさに実践の裏付けをもって語られたコトバですね。アムンセンの南極点到達の成功は、未知の領域を開発するプロジェクトを率いるリーダーやメンバーがよく知っておきたい重要な事例であると言うべきでしょう。




<参考文献>


『技士道一五ヵ条-ものづくりを極める-』(西堀榮三郎、清澤達夫=構成、朝日文庫、2008、初版単行本タイトル『想像力』1990)

目 次

まえがき
技士道一五ヵ条 
第1章 自然を考える
 自然に学ぶ
 私の自然観
 未知の大陸
 体験から学ぶ
第2章 技術を考える
 科学と技術
 技術の功罪
 技術のあるべき姿
 技術を志す
第3章 品質を考える
 事実からの出発
 品質管理とは何か
 統計的品質管理の方法
 日本的品質管理
第4章 創造性を考える
 創造の現場
 創造の芽を伸ばす
 研究開発の進め方
 創造性が未来をつくる
第5章 組織を考える
 個人を活かして組織が生きる
 組織を運営する
 真のチームワークとは
 優れたリーダーシップとは

第6章 技術を極める
 日本の進むべき道
 企業のあり方、技術者のあり方
 未来に向けて


著者プロフィール

西堀榮三郎(にしぼり・えいざぶろう)

1903年京都市生まれ。理学博士。京都大学理学部卒業。京都大学講師・助教授を経て、1936年東京電気(現・東芝)入社。1949年退社し、統計的品質管理の普及に努める。1954年デミング賞受賞。1957年第一次南極観測越冬隊長として越冬。以後、日本原子力研究所理事、日本原子力船開発事業団理事、日本生産本部理事など歴任。1973年ヤルン・カン遠征隊隊長、1980年チョモランマ登山隊総隊長を務めるなど、登山家、探検家としても知られる。1989年死去、享年86歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。






<関連サイト>

Ben Saunders: To the South Pole and back — the hardest 105 days of my life (TED TALK Filmed March 2014 at TED 2014)
・・二人でみずからソリをひいて南極点まで到達した1977年生まれの英国人冒険家の語り(This year, explorer Ben Saunders attempted his most ambitious trek yet. He set out to complete Captain Robert Falcon Scott’s failed 1912 polar expedition — a four-month, 1,800-mile round trip journey from the edge of Antarctica to the South Pole and back. In the first talk given after his adventure, just five weeks after his return, Saunders offers a raw, honest look at this “hubris”-tinged mission that brought him to the most difficult decision of his life.)

(2015年7月8日 項目新設)



<ブログ内関連記事>

映画 『加藤隼戦闘隊』(1944年)にみる現場リーダーとチームワーク、そして糸川英夫博士
・・「必ず勝つの信念と 死なば共にと団結の 心で握る操縦桿」!

南極観測船しらせ(現在は SHIRASE 5002 船橋港)に乗船-社会貢献としてのただしいカネの使い方とは?

コロンビア大学ビジネススクールの心理学者シーナ・アイエンガー教授の「白熱教室」(NHK・Eテレ)が始まりました

映画 『コン・ティキ』(2012年 ノルウェー他)をみてきた-ヴァイキングの末裔たちの海洋学術探検から得ることのできる教訓はじつに多い

(2014年2月24日 情報追加)




(2012年7月3日発売の拙著です)










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