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2015年3月30日月曜日

大塚家具という「上場企業」におけるガバナンスについて考えてみる-「資本と経営の分離」ということ


大塚家具のプロキシーファイト(=株主総会における議決権委任状争奪戦)でありますが、2015年3月27日の株主総会において、娘が父親に勝利したという結論になったことは、すでにみなさんもご存じのことでありましょう。
   
本来ならお固いはずの経営問題が、父娘対決という一般人にもわかりやすいワイドショーネタとなってしまってましたからね。
    
個別企業の内部問題についてコメントすることはするつもりはありませんが、問題の本質は、上場企業におけるコーポレート・ガバナンス(=企業統治)にあることが重要です。『会社四季報』の出版元である東洋経済新報がはやくからスクープを飛ばしていたのは、そのためでもあります。株価に影響がでますからね。
    
わたくしは同族企業が問題であるとはまったく考えておりません。世襲も問題とは勧化手降りません。

ただし、株式を公開していながら同族企業でありつづけることには問題があると考えます。たとえ非公開でもあっても企業は「社会の公器」でありますが、株式を市場で公開しているのであれば、「公器」としての性格はさらにつよく求められるのは言うまでもありません。
    
その昔、「ビジネスマン養成大学」(・・当時は女子学生比率はまだまだ低かった)に通っていた大学一年のとき、『経営史』の授業で徹底的にたたき込まれたのが、「資本と経営の分離」の重要性です。近代経営においては、資本を提供する株主とは別個に、専門経営者が必要となったという歴史的事実についてです。
   
上場企業の経営者には、同族であろうとなかろうと、プロの経営者であることが求められる。そしてその経営者を監視するのが株主であり、その株主による経営陣監視の執行機関が株主総会である。株主の立場から経営者を監視するのがコーポレート・ガバナンス(=企業統治)というものである、と。
  
日本でコーポレート・ガバナンスの重要性が浮上してきたのは1990年代に入ってからですので、それ以前の創業経営者のなかには、たとえ上場企業の社長であっても、この意味が感覚的にわからない人がいるのも否定できない事実です。それ以前は、株主ではなく融資元である金融機関が実質的にガバナンスの役割を果たしていましたが、直接金融の発達で上場企業においては銀行の役割が縮小してしまいました。
   
したがって、創業経営者で父親である大塚勝久氏と、コーポレート・ガバナンスのなんたるかを熟知している娘の大塚久美子氏とでは、たんなる親娘対立や世代間格差だけではない、本質論にかんする認識の違いがあるといっていいかもしれない。
   
わたしは株主ではありませんが、株主の立場からみれば今回の一連の騒動で傷ついたブランドを回復し、業績を成長軌道に乗せることを期待していると思います。ですから、これからが「本番」なわけですし、株主の期待を裏切らないことが求められるわけです。事業戦略の内容と実行の問題ですが、はたして IKEA と同じ土俵で戦えるのかどうか?
  
ちなみに大塚家具の大塚久美子社長は、学部は違いますが、わたしとは大学とは同窓の後輩にあたる人です。直接会ったことはないので、人となりまでは知りませんが、、「資本と経営の分離」の意味については、世代的にみてかなりはやくから意識していたとしても不思議ではないでしょう。
   
今後、どういう展開を見せるのか、ワイドショーネタとは違う観点から注視してきたたいと考えております。  






<関連記事>

大塚家具社長の大塚久美子氏のインタビュー記事が、大学の広報誌に掲載されてます。そういえばむかし読んだ記憶があったなあとネットで調べてみたらありました。 「個性は主張する One and Only One 株式会社クオリア・コンサルティング代表取締役/大塚久美子氏」(『HQ』Vol13)。いま10年くらい前の2006年(平成18年)年のものです)。ウェブ上で Pdf ファイルで公開されているので、ご関心のある人は、43ページ以降をご覧いただきたく。


<関連サイト>

大塚久美子社長・勝久前会長に経営学者が伝えたい4つのこと 同じ問題は、明日どの会社でも起こり得る (入山章栄、日経ビジネスオンライン、2015年3月30日)

ファミリービジネスで気づいた日本の“偏見”-見方を変えると、異なる風景が見えてくる (御立尚資、日経ビジネスオンライン、2014年4月14日)
・・ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)の日本代表による記事。日本の大企業サラリーマン諸氏は、世襲が当たり前のファミリービジネス(同族企業)として偏見をもっている人も少なくないようだが、世界的にみればそれは非常識であることが理解できるだろう

大塚家具騒動で、一体誰が得をしたのか?  父と娘の争いから1年、騒動の本質が見えてきた (磯山友幸、日経ビジンスオンライン、2016年3月30日)


シリーズ 星野佳路と考えるファミリービジネス 

「家族経営」が日本を支えている (星野佳路、日経ビジネスオンライン、2014年2月13日)

後継者はどのように「生まれる」のか-日本交通の川鍋一朗社長との対談で考える (星野佳路、日経ビジネスオンライン、2014年2月20日)

社内の「予想以上」の状況を改革 日本交通の川鍋一朗社長との対談で考える(2) (星野佳路、日経ビジネスオンライン、2014年2月27日)
星野: ファミリービジネスを継いでいる若い経営者に聞くと、入ってからおとなしくなる人が意外なくらい多い。親の言うままにやっていては、「いつか変えてやろう」という気持ちもなくなります。後継者は最初からある程度リスクを取っても「変える気概」を持つべきです。そうでなければ、若い世代が入っても、新しいエネルギーになりません。
川鍋: 私のように3代目になると、創業者がつくったビジネスモデルの有効期限が切れているケースがあります。それだけに、ファミリーで培ったことを生かしながら、変革への強い意志を持って付加価値を追加することが必要になってきます。
星野: ファミリーで培ってきた強さに依存しているだけでは、事業を継ぐ立場として、責任を果たせません。大事なのはやはり、「自分の代で何を変えてやろうか」ということだと思います。そうした意識があれば環境をうまく生かせるし、世襲に対して、周りの納得感は高まります。変革マインドは大事だと思います。

同族経営の承継ではハードな世代交代を恐れてはいけない (星野佳路・星野リゾート代表、習慣ダイヤモンドオンライン、2015年12月28日)

(2016年3月30日 情報追加)





<ブログ内関連記事>

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(2012年7月3日発売の拙著です)










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