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2012年12月11日火曜日

書評 『No.2理論-最も大切な成功法則-』(西田文郎、現代書林、2012)-「ナンバー2」がなぜ発展期の企業には必要か?



『No.2理論-最も大切な成功法則-』(西田文郎、現代書林、2012)という本が出版されています。

「ナンバー2」というタイトルに目をひかれました。なぜなら、わたし自身がある中小企業で7年間にわたって「ナンバー2」を務めたらからです。

「ナンバー1」ばかりがもてはやされるなか、なぜいま「ナンバー2」なのか?

「ナンバー2」とは、企業など組織での重要な機能のことを指しています。経営トップが「ナンバー1」であれば、その補佐役が「ナンバー2」。もっとも有名な例でいえば、ホンダの創業者である本田宗一郎を支え続けた藤澤武夫をあげることができるでしょう。

本書は、「ナンバー2」がなぜ発展期の企業には必要か述べています。「ナンバー2」は、日本においては、大番頭、女房役、補佐役、相談役といった役割になります。

会社経営では「ナンバー2」がカギを握っているという著者の主張には全面的に賛成です。つぶれる会社、伸び悩む会社の共通点は「ナンバー2」を欠いていることというのはその通りです。

著者が言うように、優秀な「ナンバー2」をもつ「ナンバー1」は最強といっていいでしょう。その関係は足し算ではなく掛け算だからです。

そして、「ナンバー2」のなんたるかを知り、「ナンバー2」を体験した者は、「ナンバー1」になってから成功する可能性が高いとは言って問題ない。

でも実際には優秀な「ナンバー2」はきわめて少ない。それは「ナンバー2」の能力不足の問題でもあり、また「ナンバー1」の器量の大きさの問題でもあります。

本書が、「ナンバー2」について注意を促した点は評価すべきです。なぜなら、ここのところ「ナンバー2」を正面切って論じた本がまったくなかったからです。かつては少なくなかったのですが、冒頭にも書いたように「ナンバー1」を目指すことばかりが強調されるきらいがあったからです。

ただ、わたしとしては本書に不満が多々あるのは、書かれていることはややキレイごとが多いのではないかという点です。

また、「MBAでは教えないが・・」というフレーズがでてきますが、ピントはずれなものの少なくないという印象をうけます。グーグルのシェリル・サンドバーグのような「ナンバー2」をどう説明するのか、本書からはまったくわかりません。

経営トップという「ナンバー1」がきわめて孤独なポジションであるとすれば、「ナンバー2」というのは、体験者であるわたしの理解においては、きわめて危険なポジションです。「ナンバー1」と一般従業員のあいだに挟まれるポジションであるからです。

しかも、あくまでも補佐役に徹しなくてはならないのに、求められる要件はきわめて大きくかつ多い。最終責任を負うのは「ナンバー1」ですが、「ナンバー1」以外のすべての執行責任は「ナンバー2」にあるのです。

欲望、誘惑、権力。こういった人間の根源的なものにかんする考察を抜きに「ナンバー2」を語るのは危険ではないかとわたしは思います。なぜなら、この世には聖人君子といえるような人は、きわめてまれにしか存在しないから。それは「ナンバー1」も「ナンバー2」も同じです。

わたしは、「ナンバー2」は目指すべきものだとは思いません。目指すのではなく、求められてなるもの、巡り合わせでなるものです。

しかし、求められてその立場にたったとき、「ナンバー2」に求められるものを理解し、その「覚悟」を決めることこそが本質的に必要であると考えています。それが「ナンバー1」と「ナンバー2」のあいだに「信頼」を生み出すのです。「信頼」は「なれあい」ではありません。

なによりもまず、「ナンバー2」は組織における機能であり、「ナンバー2」とは組織内における人間の生き方でもあるのです。しかも、きわめて厳しいものが求められる困難な生き方です。これは中国近現代史であれば、毛澤東と周恩来の関係を考えてみればすぐにわかることです。

「ナンバー2」論は、精神論に終わらせず、経営理論として鍛え上げる必要があるのではないかと思うのは、わたしが「ナンバー2」を7年間にわたって経験しているからです。

組織「外」の立場と組織「内」の立場とでは、180度まったく違うのです。これは身をもって体験しない限り、よほどのイメジネーション能力の持ち主でない限り、理解困難なことでしょう。

とはいえ、『No.2理論』という形で「ナンバー2」論を執筆した著者と、それを可能にした出版社には敬意を表します。ここ数年、「ナンバー2」というタイトルでは、まったく出版がなくなっていたからです。これを機会に、企業組織において「ナンバー2」の役割が見直されることを願います。

わたしもいずれ、自分自身の体験というフィールドワークをベースにした、自分自身の「ナンバー2」論を執筆したいと考えております。


PS 都知事選の結果について

「ナンバー2」を体験したトップはつよい。その意味では東京都知事に当選した猪瀬氏への期待は大きい。石原慎太郎前都知事の下で5年半のあいだ「ナンバー2」をつとめた実績は多いに評価すべきであろう。(2012年12月17日 記す)





目 次

まえがき
第1章 会社も組織もチームもナンバー2が伸ばす
第2章 会社の実態はナンバー2を見ればつかめる
第3章 戦う集団にこそナンバー2が不可欠である
第4章 七つの心得がナンバー2のレベルを決める
第5章 間違いない人選でナンバー2を育て上げる
第6章 優秀なナンバー2が優秀なトップをつくる
あとがき

著者プロフィール

西田文郎(にしだ・ふみお)
株式会社サンリ代表取締役会長。株式会社キャリティ取締役会長。西田塾塾長。西田会会長。1949年生まれ。日本におけるイメージトレーニング研究・指導のパイオニア。1970年代から科学的なメンタルトレーニングの研究を始め、大脳生理学と心理学を利用して脳の機能にアプローチする画期的なノウハウ『スーパーブレイントレーニングシステム(S・B・T)』を構築。日本の経営者、ビジネスマンの能力開発指導に多数携わり、驚異的なトップビジネスマンを数多く育成している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。



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「世襲」という 「事業承継」 はけっして容易ではない-それは「権力」をめぐる「覚悟」と「納得」と「信頼」の問題だ!

書評 『挫折力-一流になれる50の思考・行動術-』(冨山和彦、PHPビジネス新書、2011)

(2014年11月3日 情報追加)




(2012年7月3日発売の拙著です)









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