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2016年9月10日土曜日

「中華三昧が35周年!」-ロングセラーはファンにとってのブランドそのものだ


車内広告で「中華三昧が35周年!」ということを知った。もうそんな年月になるのか!

ロングセラーの「中華三昧」は、すでにブランドというべきでありますね。「中華三昧」が新発売された頃からのファンとしては感慨無量です。

もともとは「グルメ麺」という位置づけで登場したわけですが、かつて存在していた「マダムヤン」などの競合に勝ち抜いたのは、ネーミングとパッケージ、メッセージの一貫性にもあるでしょう。

ですが、なんといっても製品の品質にかんして特徴があるというべきです。それは麺そのもについて。

「中華三昧」が新発売された当時、「ノンフライ麺」というのは、まさに画期的なイノベーションでありました。インスタントラーメンといえば油で揚げているのが当時の常識。ノンフライ麺はその意味では画期的だったのです。

以来、わたしはインスタント麺では、グリーンのパッケージの「中華三昧・北京味」一筋です。ある意味、生麺よりもうまいのではないか、と思うこともあります。「高価格即席袋麺市場No.1ブランド」に誇張はないというべきでしょう。

ロングセラーというものは、開発し製造発売しているメーカーにとってだけでなく、そのファンである消費者にとってのブランドでもある。そういっても言い過ぎではないでしょう。ですから、企業ブランドとしての明星食品と製品ブランドとしての「中華三昧」がそのまま結びつかなくても問題はないのです。

とはいえ、今後も企業努力を怠ることなく、50周年、100周年を目指して欲しいと思います。100周年は自分自身の目と舌で体験することはできませんが・・・。





<関連サイト>

中華三昧の歴史(明星食品)



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製品ブランドの転売-ヴィックス・ヴェポラップの持ち主は変わり続ける

ゼスプリ(Zespri)というニュージーランドのキウイフルーツの統一ブランド-「ブランド連想」について




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2015年7月20日月曜日

「パキスタン鉢」という製品がある-パキスタンが好印象で受け取られる園芸マーケットの世界


うちの近所のホームセンターの園芸部門で「パキスタン鉢」というものを見つけました。
   
現在の住居には庭がないので残念ながら園芸ができませんが、子どものときから好きなので園芸コーナーはときどき見ています。四季折々の草花や庭木の苗、野菜の苗を見るのはじつに楽しいですね。
   
「パキスタン鉢」というのは、大型の素焼きの鉢
でもなんでパキスタンなんだろう?
  
調べてみたら、正真正銘のメイド・イン・パキスタンのようです。パキスタンのハンドメイドのテラコッタの鉢。わざわざパキスタンから輸入しているのか!
  
パキスタンというと核開発だとか、タリバンだとか、あまりかんばしくないイメージが日本でも定着してしまっていますが、あえてパキスタンを名称に入れても売れるというのは、園芸愛好家にとっては「ブランド」となっているからだろう。

パキスタンの人件費が日本より安いのは当たり前ですが、まさかそれだけの理由で、わざわざネガティブなイメージのついた「パキスタン」を商品名に入れるはずがありませんね。

一般的な認識と、限定されたマーケットにおける認識、この二つはかならずしも一致しないようです。「パキスタン鉢」は、そんな事例の一つといっていいでしょう。
  
パキスタン鉢が、日本とパキスタン友好のシンボルの一つになるといいですね。



<関連サイト>

ジョイフルホンダで取り扱っている「パキスタン鉢」


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・・タイの北部チェンマイは素焼き人形のメッカ

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・・昭和遺産!

千葉大学園芸学部にはイタリア式庭園とフランス式庭園がある-千葉大松戸キャンパスをはじめて訪問(2014年11月9日)
・・日本で唯一の園芸学部は、西洋式庭園の技術は教えても、日本庭園については教えていない


■製品ブランド

製品ブランドの転売-ヴィックス・ヴェポラップの持ち主は変わり続ける
・・正露丸の場合は、ブランドの担い手としての所有者に変更はありませんが、ヴェポラッブは二転三転。ブランドの生命力は会社の生命よりも長い(!)ということがある

1783年誕生の英国の炭酸飲料シュウェップス(Schweppes)は、いま日本コカコーラが販売している

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2015年6月29日月曜日

1783年誕生の英国の炭酸飲料シュウェップス(Schweppes)は、いま日本コカコーラが販売している


今年の夏は暑そうだ。すでに5月から夏日が始まっている。のどが渇くので炭酸水でのどを刺激したいと思うのだが、コーク(=コカコーラ)は飲みたくない。

三ツ矢サイダーなどの選択肢はあるのだが、自販機で目についたシュウェップスのシトラスのペットボトル(130円)を飲んでみたらうまかった。これは大正解だった。シトラスは、柑橘系天然果汁入り炭酸水である。シュウェップスは、1783年創業の英国の飲料ブランドだ。

シュウェップス(Schweppes)についてちょっと調べてみた。正確性については疑問があるが、とりあえず調べるには、まずは wikipedia だ。

18世紀末にドイツ人の時計技師であり発明家のヨハン・ヤコブ・シュヴェッペ(Johann Jacob Schweppe)が炭酸ミネラルウォーターを製造する機械を開発し、1783年にジュネーヴでシュウェップス社を創業。その後事業拡大のため会社をロンドンに移転。 主な商品としては、ジンジャーエール(1870年)、ビター・レモン(1957年)、トニック・ウォーター(最古の清涼飲料水とも言われる、1771年)がある。

なるほど。英国が発祥の地だが、Schweppes という英語っぽくないつづりは、やはりドイツ人の名前であったわけだ。しかも企業ブランドとして出発したシュウェップスは、いまでは製品ブランドとなっている。

じつは、いま「シュウェップス」で Google検索をかけると、でてくるのは シュウェップス: 日本コカ・コーラ株式会社 というサイトである。

コカコーラを飲みたくないので、ほかの炭酸を見つけた(!)と思ったら、じつは現在は日本コカコーラが販売する製品ブランドとなっていたというわけだ。おなじく wikipedia の記述から引用しておこう。

日本で最初にシュウェップスのライセンスを受けたのはアサヒビールで、1980年代にアサヒビールの清涼飲料ラインナップのひとつとして製造、発売されていた。1996年のアサヒ飲料発足後に伴うアサヒビールグループの事業再編により、1998年にUCC上島珈琲に販売権が移り、2000年11月からは日本コカ・コーラから販売されている。

なるほど、シュウェップスもまた、所有者が変わり続けているわけだ。現在は、アメリカのコカコーラの日本法人のもと、「イギリス育ちのこだわり炭酸シュウェップス」という宣伝プロモーションを行っている。現在は、「大人の爽快スパークリング」などのキャッチフレーズも使用されている。


(日本コカコーラのCMより)


そんなことはさておき、シュウェップスのシトラスはうまい! それ以来、のどが渇いたらシュウェップスを飲んでいるのだが、すべてのコカコーラの自販機にあるわけではない。自販機は、個々の自販機ごとに売れ筋が違うから販売アイテムも異なるのである。

わたしにとっての悩みの種の一つである。






<関連サイト>

シュウェップス公式サイト(英語)
・・Japan は選択肢のなかにない

Schweppes(シュウェップス) (日本コカコーラの公式サイト 日本語)
・・シュウェップス・ブランドの歴史も簡単に記されている


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2014年11月17日月曜日

タダノの大型クレーンの商品名ピタゴラス-愛称としてのネーミングについて


大型クレーンにローマ字で PITAGORAS とある。ピタゴラス、でしょう。この大型クレーンは日本を代表する大型クレーンの製造販売を行っている株式会社タダノの製品。

建設現場に、かの有名な古代ギリシアの数学者ピタゴラスと関係あるのかどうかは知りません。大型クレーンが、ピタゴラスの定理や三角形やと関係があるのかどうかもしりません。

おそらく、「ピタッ」とピンポイントで目的箇所に積みおろすことのできる性能を、ピタゴラスの「ピタ」で表現しようとしたのでしょう。

そう思って、ウェブサイトを調べてみると、ピタゴラスの商品説明がありました。



思った通り、「ピタッ」をピタゴラスで表現したネーミングのようです。おやぢギャグ的なネーミングですね。

工事現場でクレーンをみかけても、一般消費財ではないのでネーミングまで注意して見ることはないと思います。消費者に訴求する必要もないので、ネーミングの趣旨も消費財とは違うものがあるといっていいでしょう。

クレーンの操作は、いわゆるガテン系の世界ですが、なかでもクレーンはきわめて複雑で繊細な操作が要求される機械です。ある意味では職人技の世界といってもいいでしょう。

そんな大型クレーンのネーミングは、愛称としての意味づけだと考えるといいかもしれません。ただし、日本語を知らないと、そのニュアンスまでは理解できないでしょうが。

現在はまだまだ男の世界ですが、いずれ大型クレーンの操作にも女性が進出してくると考えると、愛称としてのネーミングのあり方にも変化がでてくるかもしれませんね。

環境性能という観点を打ち出すためには、また別のネーミングが必要になってくることも考えられます。






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クレーンはツルである-アナロジーによるネーミング(=類推による命名)

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大学ブランドというプライベート・ブランド(PB)商品について-玉川学園の「抹茶アイス」は新製品!

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ビーチボーイズの「リトル・ホンダ」(1964年)-製品ブランド名を広告宣伝に盛り込んで連呼させる手法






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2014年6月3日火曜日

書評 『レッドブルはなぜ世界で52億本も売れるのか-爆発的な成長を遂げた驚異の逆張り戦略-』(ヴォルフガング・ヒュアヴェーガー、長谷川圭訳、日経BP社、2013)-タイの 「ローカル製品」 を 「グローバルブランド」に育て上げたストーリー


「レッドブル」は日本でもすっかり有名になったエナジードリンクですね。本書はそのレッドブルが世界商品に成長した過程を描いたビジネスノンフィクションです。

どれだけの人が気がついているか知りませんが、じつはレッドブルを販売しているのはオーストリア企業です。オーストラリアではなくオーストリア。豪州ではなく欧州。

しかもモーツァルトの生まれ故郷ザルツブルクの近くに本社を置いています。

エナジードリンクとモーツァルトはフツーはぜんぜん結びつきませんが、なぜオーストリアでしかもザルツブルクなのか? それはレッドブルを「世界商品」に成長させ、「世界ブランド」にしたのがこの近くで生まれ育ったオーストリア人だからです。

しかもその創業経営者はクロアチア系オーストリア人のマーケッター。クロアチア系というのは、クロアチアがハプスブルク帝国の一部であった時代の名残ですね。

マスコミ嫌いで、プライベートライフを大事にする姿勢を貫いているためほとんど露出がありません。本書もまたインタビュー取材ができなかったので、すでに雑誌などのマスコミに発表されている記事をもとに、関係者を取材して本にしたものです。ですからちょっと物足りない感じがなくもありませんが・・。


ビジネスのヒントは日本から、製品はタイのローカル商品から

創業経営者のマテシッツ氏は、もともとは英蘭系の食品コングリマリットのユニリバーでマーケッターとして成功したビジネスマン。英語には堪能だということです。戦後タイプの欧州人なのでしょう。

自分でビジネスをやりたいと考えていたときに出会った雑誌記事の長者番付で、日本の大正製薬のことを知ります。日本では圧倒的に有名なリポビタンDというスタミナドリンクで財産を築いたということが強く印象に残ったようです。

そんなときユニリバーのフランチャイザーであった華人系タイ企業で出会ったのがレッドブル。そうです、レッドブルはもともとタイのスタミナドリンクなのです。

このブログでもすでに書いてますが、タイの「ローカル製品から、「グローバル製品」として脱皮させたのはタイ人ではなく、なんとオーストリア人の企業家だったのです。

(これがタイの「レッドブル」=「クラティンデーン」 筆者撮影)

日本で缶入りの「レッドブル」を飲んだことのある人なら、タイで「レッドブル」(=クラティンデーン:赤い牛)を飲むと、日本で売っている缶入りのレッドブルは、すでに別物になっていることに気がつくはずです。成分を改良し、味も洗練された普遍的(=ユニバーサル)なものに改造されているからです。

(Made in Austria の文字に注目! 筆者撮影)

これは「ローカル製品のグローバル化」と言えるでしょう。分野は違いますが、武道としての柔道が日本人によってではなく、主に欧州人によって Judo として全世界に普及していったプロセスと似ているかもしれません。

タイのレッドブルに惚れ込んだ創業経営者のマテシッツ氏は、タイのユーウィッタヤー家からレッドブルのアジア地域外での販売ライセンスを取得し、合弁でレッドブル・マーケティング社を設立。これはちょうどいまから30年前の1984年のことだったようです。

タイとの合弁は、創業経営者が49%でタイ側が51%(・・会社が49%で個人が2%)のようですが、本社はオーストリアで登記しているようなので、タイの法律に従ったわけではなさそうです。

タイ側としてはレッドブルの世界的成功は評価しており、とくにクチを出さないのだとか。タイ側のパートナーはすでに死去して息子が事業承継してますが、とくに問題は起こってないようです。創業経営者のマテシッツ氏のたぐいまれなる手腕に満足しているということでしょう。

ただし、タイ側パートナーの孫が引き起こした事件は、タイでは大きなスキャンダルになってましたが・・・


地元オーストリアにこだわる姿勢

オーストリア企業で世界ブランドといえば、本書でも触れられていますが、日本でも有名なクリスタル製品のスワロフスキーくらいしか思いつきません。

そのオーストリアで、この四半世紀で急成長したのがレッドブル。じつはわたしもレッドブルがオーストリア企業だということには長く気がついてませんでした。オーヅトリアはドイツ語圏ですが、ドイツやスイスと比べると、あまりビジネスという点では話題になることがないからでもあります。

オーストリア企業であるという以外のきわだった特徴はそれだけではありません。

創業経営者がマスコミへの露出を嫌っているだけでなく、非上場に徹し、しかも無借金経営。本体はマーケティングとブランド・マネジメントに特化して、製造部門はもたずに完全に地元メーカーにアウトーソシング。ファブレスというビジネスモデルといってもいいでしょう。

税金の高いオーストリアで納税し、地元で雇用をつくりだし、地域経済を重視する姿勢は、グローバル企業に大成長した現在でもかたくなに変えることはないようです。郷土愛、地域愛が根底にあるのでしょう。

(ドイツ語版のカバーは創業経営者と本社ビル)

マーケティングとブランド・マネジメントに特化していても、広告宣伝は代理店まかせにせず、事業としてのスポーツビジネスとスポーツマーケティングをつうじてシナジー効果を狙うという姿勢。

そもそも創業経営者自身が大のモータースポーツ好きであるだけでなく、スポーツのもつ特性がエナジードリンクの商品特性にフィットし、ブランド育成に多大な効果をもっていることをマーケッターとして熟知しているからなのでしょう。

マーケティングとブランド・マネジメントに特化するという姿勢は、スイスのグローバル企業ネスレにも共通するものがありますね。

そもそもマーケティング(marketing)もブランドマネジメントも英語圏のアメリカで発展したものですが、欧州では伝統的に重視されてきたブランドを中核に置くという姿勢とあいまって、レッドブルというブランドとして花開いたのでありましょう。

あらたにブランドを立ち上げて成長させるのは、そう簡単なことではありません。しかし、レッドブルのケースにおいては、元ネタも発想も自分で考え出したものではありませんし、先進国や地元から生まれたものでもありません

本書では強調されてませんが、わたしとしては、レッドブルはタイで生まれたスタミナドリンクであり、それを世界ブランドに育て上げたのがオーストリア企業であることに、日本企業はもっと注目してほしいと思います。

それはローカル商品をグローバル化し、しかも新規進出先ではローカルマーケットにあわせてローカライズするという循環。そのエッセンスには学ぶべきものが多いといっていいと思います。





目 次

序章 レッドブルとは何者か?
PARTⅠ  52億本への道

第1章 市場を創造する
 きっかけは日本のリポビタンD
 タイのエナジードリンクにほれ込む
 オーストリアに本拠を置く
 同級生と斬新なCMをつくる
 ハンガリーから世界への第一歩
 ライバルたちはまだ甘く見ていた
第2章 世界市場を制圧せよ
 レッドブル、アメリカへ
 世界の頂上に行く道
 レッドブル・コーラの失敗
 ミスが許されるのは一度だけ 
 まるで宗教?
第3章 「販売禁止」を逆手に取る
 飲みすぎると死亡する?
 砂糖たっぷりのエスプレッソ
 医者は警告する
第4章 男と男の握手に価値がある 
 契約書はいらない
 欧州生産にこだわる
 頭の痛いデポジット制に秘策で対応
 商標が命
第5章 銀行にだけは借金するな
 姿を現さない株主
 飲料ではなくエキサイティングな体験を売る
 儲けた金だけを投資する
第6章 すべてがマーケティングだ
 オリジナルだからこそ価値がある
 ポストモダンの"聖水"
 代理店に丸投げせずイベントを自社開催
第7章スポーツの一部になる
 アスリートは「家族」
 「新しいスポーツ」を育成する
 黄金の三分率
 スポーツを一方的に利用しない/ドーピング医師を雇う
PART II スポーツ・マーケティング

第8章 ファンに抵抗されてもサッカークラブを買収
 「伝統を破壊した」と抗議される
 監督のクビ切り問題
 トレーニング施設には金をかける
 ニューヨーク・レッドブルズ
 ドイツ・ブンデスリーガ参戦
 ブラジルとガーナに育成施設をつくる
第9章  F1王者になる
 ジャガーを飲み込んだブル
 スクーデリア・トロ・ロッソ
 ベッテルの快進撃
 ミスコンテスト?
 オーストリアのサーキットの復活
 ナスカー参入の失敗
 ラリーとオートバイにも進出
 若手ドライバーの育成
第10章 氷の上のブル
 レッドブル・ザルツブルグ
 ヨーロッパ制覇へ
 NHLチーム買収の失敗
第11章 メディア嫌いによるメディアへの進出
 取材対応の"アメとムチ"
 レッドブルの先進的なデジタルTV
 ローカル放送局の買収
 遅れに遅れたTV放送のリニューアル
 レッドブルの出版社
 オーストリアの生活雑誌
第12章 グルメ・ブランドの創設
 由緒正しい飲み物
 最高級フィンガーフード
 アフリカンテイストなカフェ
PART III  レッドブル帝国の正体

第13章 叩き上げの億万長者
 計算しづらい資産
 レッドブルグループの構成
第14章 オーストリアに喜んで税金を払う
 豊かな自然の中にある本社
 イベント開催スペースも自前
 飛行機のコレクション
 レッドブル・エアレース
 絶好調のF1
 世界各地でサッカーに参入
 メディア企業の買収
 自社内に広告代理店をつくる
 アフロカフェ
第15章 レッドブルのもう一つの顔
 マテシッツ個人のビジネス
 レストランの運営
 不動産ビジネス
 フェルテンドルフの飛行場
 建設会社のブル・バウ
 地域暖房ネットワーク
 すべてが成功プロジェクトではない
PART IV 創業者の横顔

第16章 創業者マテシッツの華麗なる人脈
 F1貴族の仲間たち
 サッカー界の「皇帝」
 政治家のつながり
 レッドブルを彩るアーティスト
 グルメ仲間たち
 マテシッツの右腕は誰?
第17章 ブルと呼ばれる男
 華やかなウィーンの街で学ぶ
 ブルの息子
 型破りだけど保守的な性格
 空飛ぶスポーツマン
 女性関係は派手だが…
 慈善家としての一面
終章 ブルのこれから


<関連サイト>

レッドブル・ジャパン 公式サイト

wikipedia の項目「レッドブル」には、「世界商品」としての開発事情についての解説がある

オーストリアに学ぶ「地方・中小企業主義」-「都会で大企業勤務」以外に広がる選択肢!(東洋経済新報オンライン、2014年12月8日)


<ブログ内関連記事>

「レッドブル」-タイが本家本元の 「ローカル製品」 が 「グローバル製品」 として生まれ変わった!
・・現在でもタイ側は51%を所有するパートナー

タイのあれこれ (26) タイ好きなら絶対に必携のサブカル写真集 Very Thai
・・タイ人が好きなスタミナドリンクという飲料カテゴリーについても一章とりあげられている。ちなみに、朝鮮人参のふるさとである韓国でもスタミナドリンク人気は高いのだが、本書には韓国の事情がまったく出てこないのが不思議


ローカリゼーション

書評 『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか-世界で売れる商品の異文化対応力-』(安西洋之、中林鉄太郎、日経BP社、2011)-日本製品とサービスを海外市場で売るために必要な考え方とは?
・・「ローカリゼーション」にかんする必読書

由紀さおり世界デビューをどう捉えるか?-「偶然」を活かしきった「意図せざる海外進出」の事例として・・日本語と音楽の関係について

プラクティカルな観点から日本語に敏感になる-藤田田(ふじた・でん)の「マクド」・「ナルド」を見よ!

ディズニーの新作アニメ映画 『アナと雪の女王』(2013)の「日本語吹き替え版」は「製品ローカリゼーション」の鑑(かがみ)!

書評 『ゲームのルールを変えろ-ネスレ日本トップが明かす新・日本的経営-』(高岡浩三、ダイヤモンド社、2013)-スイスを代表するグローバル企業ネスレを日本法人という「窓」から見た骨太の経営書


スポーツ

「近代スポーツ」からみた英国と英連邦-スポーツを広い文脈のなかで捉えてみよう!


オーストリア

書評 『知の巨人ドラッカー自伝』(ピーター・F.ドラッカー、牧野 洋訳・解説、日経ビジネス人文庫、2009 単行本初版 2005)-ドラッカー自身による「メイキング・オブ・知の巨人ドラッカー」
・・オーストリア出身でアメリカに移民して成功した有名人はドラッカーとアーノルド・シュワルツネガーの二人

書評 『向う岸からの世界史-一つの四八年革命史論-』(良知力、ちくま学芸文庫、1993 単行本初版 1978)-「社会史」研究における記念碑的名著
・・「ウィーンはゲルマン民族とスラヴ民族の接点という、地政学的な特徴をもった都市なのである。ゲルマン民族を頂点にいただきながら、ゲルマン民族とスラヴ民族が中層から下層をなす重層構造をもった都市である。これは現在のオーストリアでも変わらない」

(2014年8月21日 情報追加)




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2014年6月2日月曜日

書評 『ゲームのルールを変えろ-ネスレ日本トップが明かす新・日本的経営-』(高岡浩三、ダイヤモンド社、2013)-スイスを代表するグローバル企業ネスレを日本法人という「窓」から見た骨太の経営書


グローバル企業ネスレ日本法人で、初の生え抜きCEOとなった著者の第二弾。

前著 『逆算力-成功したけりゃ人生の〆切を決めろ-』(高岡浩三、おち まさと=プロデュース、日経BP社、2013) がみずからの死生観=人生観を語った、かなりパーソナルな内容であったのに対し、本書は実際のネスレ日本のビジネスと経営に即して持論を展開した本格的なビジネス書です。かなり内容豊富で、しかも濃いといっていいでしょう。

帯には、「思いついたことの98パーセントは実行せよ!」などのキャッチコピーが書かれていますが、それだけなら並のビジネス書と同じで、あえて読むまでのこともないという気にさせられます。

本書が類書と異なるのは、きわめて日本的な教育を受けてきた著者であるにもかかわらず、グローバル企業のなかでもまれることによって培われた、実践をつうじた本質的な思考が展開されていることにあります。

現役の経営者が書いた経営書だけに、テーマは経営全般にわたりますが、ネスレというグローバル企業が、マーケティングとブランド・マネジメントをビジネスの根幹に据えた会社であり、すべてはそこに集約されることを説得力ある筆致で描いていることにあるでしょう。

著者は、ネスレはブランドを以下の三段階でマネジメントしていると書いています。

① コーポレート・ブランド(=企業ブランド)
② カテゴリー・ブランド
③ プロダクト・ブランド(=製品ブランド)

カテゴリーブランドとは、ネスカフェやキットカットといった製品群ごとに束ねたものであり、その傘下に製品ブランドが含まれるわけですが、BEM( Business Executive Manager)として、ブランド全般について損益責任をもって経営する体制になっているとのこと。

このため、ネスカフェやキットカットは消費者に知られていても、ネスレという企業ブランドと結びついていないといった問題もあるようです。しかし、著者が言うように、直接カネを生み出すのはカテゴリーブランドと製品ブランドであって、企業ブランド強化にチカラを入れすぎても意味はないのです。日本企業のブランドマネジメントに対する痛烈な批判rと受け取るべきでしょう。

このように著者の思考は合理的でロジカルですが、次のローカリゼーションにかんする発言もまた、かなり本質をついたものです。

日本人は、これまで受けてきた教育のせいで、グローバルな視点を日本風にローカライズ(地域化)する能力に欠けている。本質的な部分を論理的に把握できないため、日本独自の戦略やアイデアが生まれてこないのだ。(P.58)

著者は、この点を本書全体をつかって具体的に述べた本だと言ってもいいかもしれません。

日本人として、日本市場というローカルマーケットを熟知したうえで、グローバル企業のロジックをローカルで展開するとはどういうことかグローバル全体のなかでローカルマーケットを経営するとはどういうことかを考え抜いているからこそ生まれてきた考えでしょう。

著者の立ち位置は、グローバル展開を考えている日本企業の大半とは真逆のものですが、海外進出先という海外のローカルマーケットで、いかに日本本社のロジックを普遍的なレベルまで高めたうえで、ローカルに即して経営していくかについてヒントを得ることができるかもしれません。

もしかしたら、日本企業に比べて、ネスレは特殊な感覚を持っているかもしれない。クライシスが起こって当たり前というなかでマーケットヘッドに求められるのは、クライシス(危機)をいかにしてオポチュニティ(機会)に変えるかということになる。・・(中略)・・ つまり「Crisis is Opportunity.」なのだ。このことは、スイス本社から常に言われてきた。私が入社した30年前から聞かされていたので、ネスレとして筋金入りのカルチャーなのである。(P.254)

国内市場が小さくて、たとえ危険な地域であろうと海外市場を開拓していかなければ生き残れないというスイスの制約条件から生まれたネスレもまた、濃厚なスイス的を持ち合わせているということでしょう。

一方で、ネスレ日本法人は、日本の国内市場でしかビジネスを行うことは許されていないという絶対的な「制約条件」があるからこそ、縮小する市場のなかでもビジネスチャンスを発見し、徹底的にマーケットを深掘りし、成功を収めてきたわけです。

つねに変化しつづける市場環境、消費者意識、そして従業員意識。みずからの成功体験すら、環境変化のなかでは否定していかなくては、絶対的な「制約条件」のもとでは生き残っていけないのです。

経営トップの仕事とは、ゲームのルールを変えることにある、変革こそが経営者のやりがいであるといいう著者の姿勢はまさにそのとおりです。そうでなければ、本社にとってもローカルの経営トップ交代の意味はありません。

経営者あるいは経営者になりたい人、欧州系グローバル企業の日本法人とはどういうものか知りたい人だけでなく、ネスレという欧州系のグローバル会社について、日本法人という「窓」から覗いてみることのできる内容にもなっています。

「Think Globally, Act Locally」(グローバルに思考し、ローカルに行動する)を地でいった、実践と思考に基づいた本。読み応えのある本書は、ぜひ読んでいただきたいと思います。





目 次

序章 史上初、生え抜き日本人社長に就任
 ●グローバル人材の条件は「祖国を捨てること」
 ●史上初の生え抜き日本人社長に就任
 ●副社長就任も異例の人事だった
 ●変革こそが、経営者のやりがい
第1章 マーケティングは経営そのものである-戦後モデルの終焉で求められるプロの経営-
 ●日本以上に日本的経営の外資系企業
 ●過去の成功体験より未来を語る
 ●国家と企業が抱える問題の共通点
 ●旧来の成長モデルに縛られてはいけない
 ●脱却のカギは「プロの経営者」を育てること
 ●マーケティングは経営そのものである
 ●プロの経営者に必要なリーダーシップとは
 ●ゲームのルールを変えて、道を拓く
 ●ニッポン株式会社のルールを変えるのは人事から
 ●基本戦略をローカライズしているか
第2章 売れない商品を売ってこそ一人前-現場が教えてくれたイノベーションの真髄-
 ●42歳で他界した父と祖父
 ●嫌なことは、自分で変えなさい 試練を迎えた大学受験
 ●実力で評価される企業を選択
 ●外資系企業ネスレは日本的経営だった
 ●売れない商品を売ってこそ一人前
 ●思いついたことの98パーセントは実行する
 ●試験合格で得た本社への切符
第3章 撤退という決断を下すとき-ネスレに受け継がれる、他社を思いやる経営-
 ●過酷なアメリカ生活のスタート
 ●「Silent is Stupid」
 ●日本に粉ミルクを導入せよ
 ●撤退という決断は辛くても、正しかった
第4章 批評の前に自分のアイデアを実行せよ-「キットカット」で実践した「Think Globally, Act Locally.」-
 ●日本人にとってのキットカット・ブレイクとは何か
 ●九州支店の1本の電話から始まった
 ●全国の受験生の不安に寄り添うプロジェクト
 ●受験生のお守りとなった「キットカット」
 ●「キットカット」は主役にならなくていい
 ●ブランドは広告ではなくニュースで作られる
 ●「ありがとう」と言ってもらえるブランドを目指す
 ●批評する前にまずは実行せよ
第5章 ゲームのルールを変えろ-変革を起こすリーダーに必要なこと-
 ●人口減少のなかでも必ずチャンスはある
 ●システムで飲ませる新モデルを構築
 ●「価値共創」で揺るぎないモデルへ
 ●直属で招集した50人のプロジェクトメンバー
 ●強力なトップダウンでゲームのルールを変える
 ●変革には最悪のケースを想定した準備が必要
 ●あらゆる最終責任はリーダーが負う
 ●間接部門もゲームのルールを変えられる
第6章 採用・育成・評価で会社は決まる-ストーリーを共有、ただしコンセンサスは必要ない-
 ●イノベーションを起こす人材を集めるために
 ●究極のトレーニングによる人材育成
 ●社員の能力は人事次第で開花する
 ●労働組合もコンサルタントになる
 ●残業が減らないネックは管理職にあった
 ●変革にコンセンサスは必要ない
第7章 危機のあるところに機会がある-義務を糧に遂げる成長-
 ●変わりつつあるネスレのブランド戦略
 ●マーケティング発想のブランド戦略へ
 ●東日本大震災で発揮されたリスクマネジメント
 ●世界規模の危機に学んだBCP
 ●危機のあるところに機会がある
 ●これからの企業が負うべき責任と義務
 ●利益を上げることに堂々と胸を張れ
終章 本物のリーダーはリーダーをつくる
 ●仕組みで育てるリーダーシップ
 ●次世代リーダーへの期待
あとがき


著者プロフィール  
高岡浩三(たかおか・こうぞう)ネスレ日本株式会社代表取締役社長兼CEO。1983年、神戸大学経営学部卒。同年、ネスレ日本株式会社入社(営業本部東京支店)。各種ブランドマネジャー等を経て、ネスレコンフェクショナリー株式会社マーケティング本部長として「キットカット」受験生応援キャンペーンを成功させる。2005年、ネスレコンフェクショナリー株式会社代表取締役社長に就任。2010年、ネスレ日本株式会社代表取締役副社長飲料事業本部長として新しいネスカフェ・ビジネスモデルを提案・構築。利益率の低い日本の食品業界において、新しいビジネスモデルを追求しながら超高収益企業の土台をつくる。同年11月、ネスレ日本株式会社代表取締役社長兼CEOに就任。 現在、経済同友会幹事、医療・福祉ビジネス委員会副委員長。日本インスタントコーヒー協会会長。共著書に、『逆算力』(日経BP社)がある。






<関連サイト>

【ネスレ日本】 M&Aに頼らず貫く収益成長と利益率改善 強みへの集中戦略 (ダイヤモンドオンライン 、2014年4月4日)
・・グローバル企業の日本ローカル拠点は、日本国外でのビジネスは御法度。その制約条件下での成長は称賛に値する

ネスレを世界一にした「連邦経営」 100年間の計略 (日経産業新聞、2014年8月5日



<ブログ内関連記事>

書評 『逆算力-成功したけりゃ人生の〆切を決めろ-』(高岡浩三、おち まさと=プロデュース、日経BP社、2013)-人生は有限だと感じることは究極の逆算思考である


ロジカル経営のための基礎

書評 『無印良品の「あれ」は決して安くないのになぜ飛ぶように売れるのか?』(江上隆夫、SBクリエイティブ、2014)-徹底的に「コンセプト」にこだわることがビジネス成功のカギ
・・ロジカル経営のために必要かことはコンセプト抽出作業と共通点がある


スイスとグローバル企業

「小国」スイスは「小国」日本のモデルとなりうるか?-スイスについて考えるために

書評  『ブランド王国スイスの秘密』(磯山友幸、日経BP社、2006)
・・ビジネスパーソンにとっては「ブランド王国スイス」という捉え方が面白い

書評 『民間防衛-あらゆる危険から身をまもる-』(スイス政府編、原書房編集部訳、原書房、1970、新装版1995、新装版2003)
・・スイスといえば、いまでは「国民皆兵」は日本人の常識になったことと思う。スイス人の家庭には、一家に一冊備え付けなのが、この本と銃器一式!


コーポレートブランドと製品ブランド(プロダクトブランド)

「正露丸」は超ロングセラーの製品ブランドだ!
・・コーポレートブランドと製品ブランドが異なる例

製品ブランドの転売-ヴィックス・ヴェポラップの持ち主は変わり続ける
・・・・コーポレートブランドと製品ブランドが異なる例正露丸の場合は、ブランドの担い手としての所有者に変更はないが、ヴェポラッブは二転三転。製品ブランドの生命力は会社の生命よりも長い(!)ということがある

ゼスプリ(Zespri)というニュージーランドのキウイフルーツの統一ブランド-「ブランド連想」について

大学ブランドというプライベート・ブランド(PB)商品について-玉川学園の「抹茶アイス」は新製品!

「泉屋のクッキー」-老舗(ブランド)には歴史(ヒストリー)=物語(ストーリー)がある

「ポルシェのトラクター」 を見たことがありますか?

「ブルータス、お前もか!」-立派な「クレド」もきちんと実践されなければ「ブランド毀損」(きそん)につながる






(2012年7月3日発売の拙著です)







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禁無断転載!




end

2014年1月30日木曜日

「正露丸」は超ロングセラーの製品ブランドだ!


全国チェーン店のドラッグストアの店頭にて正露丸の広告をみました。

おお、正露丸ではありませんか! 正露丸のプロモーションなんて見るのははじめて。「当店は受験生を応援しています」と、奥ゆかしく下のほうに書かれています。なるほど、試験会場で精神性××になっては大変ですからね!(* ××の部分はご想像におまかせします)。

しかしそれにしても、正露丸は「超ロングセラー」ですねえ。

「子どもの頃から知ってるよ」、といったたぐいの話ではありません。「親の子ども時代」、「そのまた親の子ども時代」から・・・。



「正露丸」はもともと「征露丸」という表記だったそうです。「征露」とは「ロシアを征する」という意味。つまり日露戦争の頃の話なんですよ! 百年前なんてもんじゃありません。

チョコレート菓子の「KitKat キットカット」(=きっと勝つぞ)ではありませんが、正露丸も「「征露丸」と考えれば、受験「戦争」を勝ち抜く「ゲン担ぎ」にもなりますね。


ブランドというものは、法的には「ラッパのマークの正露丸」が登録商標なので会社の所有物ですが、ほんとうは顧客一人一人のアタマのなかに存在するもの。長く生き続ける製品ブランドというのはそういうものです。

「マインドシェア」なんてコトバもありますが、正露丸と聞いて、CMソングのリズムとクレオソートの匂いと味、そして動物の××のようなカタチを思い出さない人はいないでしょう。(* ××の部分はご想像におまかせします)。視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚という五感をつうじて浸み込んでいるわけですから、たんにマインド(=アタマ)のなかだけの話ではありません

仁丹や正露丸のようなレトロな製品は、末永くご愛顧されていってほしいものでありますね!

受験生には、キットカットと正露丸、かな(笑) そしてお守りも。






<関連サイト>



「正露丸」に新風を吹き込んだ入社1年目 (日経ビジネスオンライン 2014年2月18日)
・・老舗企業の活性化はあたらしい人材で


<ブログ内関連記事>

製品ブランドの転売-ヴィックス・ヴェポラップの持ち主は変わり続ける
・・正露丸の場合は、ブランドの担い手としての所有者に変更はありませんが、ヴェポラッブは二転三転。ブランドの生命力は会社の生命よりも長い(!)ということがある

ゼスプリ(Zespri)というニュージーランドのキウイフルーツの統一ブランド-「ブランド連想」について

大学ブランドというプライベート・ブランド(PB)商品について-玉川学園の「抹茶アイス」は新製品!

「泉屋のクッキー」-老舗(ブランド)には歴史(ヒストリー)=物語(ストーリー)がある

「ポルシェのトラクター」 を見たことがありますか?

ビーチボーイズの「リトル・ホンダ」(1964年)-製品ブランド名を広告宣伝に盛り込んで連呼させる手法

「ブルータス、お前もか!」-立派な「クレド」もきちんと実践されなければ「ブランド毀損」(きそん)につながる




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2014年1月11日土曜日

ビーチボーイズの「リトル・ホンダ」(1964年)-製品ブランド名を広告宣伝に盛り込んで連呼させる手法

(ビーチボーイズのシングルレコード)

イタリアのサッカーリーグ「セリエA」 の 名門 ACミラン に入団した本田選手が記者会見で、「心の中の小さな本田がミランと答えた・・」と語ったそうですね。 

彼が英語でクチにしたのは「リトル・ホンダ」(little Honda)。小学生時代の自分のことのようですね。小学生時代に「セリエAでプレーすると文集に書いて宣言したとのだと。

本人も英語でドリーム・カムトゥルー(dream come true)という表現をつかっていましたが、つよく念じれば実現するという好例でしょう。もちろん、その背後の努力は想像を超えてものがあるわけですが・・。

ここで話題にしたいのは本田選手のことではなく、「リトル・ホンダ」という表現について。

「リトル・ホンダ」といえばなんといってもザ・ビ-チ・ボーイズ! 

1964年(・・いまから50年前!?)のヒット曲「リトル・ホンダ」(Little Honda)ですね。「リトル・ホンダ」とはスーパーカブという小型バイクのこと。

当時のアメリカはハーレーなどの大型バイク全盛時代で、小型バイクはアメリカ市場には存在しなかったのでした。ホンダ人気は西海岸のカリフォルニアから火がついたというわけです。

一部のマニアむけではない「大衆商品」で、かつ「個人の機動力重視」というコンセプトは、スティーブ・ジョブズのパーソナル・コンピュータという思想にも通じるものがあります。ビーチボーイズの場合も、商品そのものに共感するものがあったからこそ協力したのでしょう。

このタイアップ曲のおかげで、ホンダのアメリカ進出が成功したというのは有名なエピソードです。

本田選手のACミランとの契約は3年半ということですが、すでに日本人サポーターのミラノに渡航するブームが起こる気配があるようです。イチローなどのベースボール選手のファンがアメリカに渡航するのと同じ動きですね。

本田選手がミラノで活躍すれば、イタリアでのホンダの広告宣伝にも影響を与えるかも知れませんね。

では、いきましょうか! Little Honda で Go !
https://www.youtube.com/watch?v=viYfWqSECAk





<関連サイト>

Beach Boys Little Honda '64 (YouTube)
・・日本人がイメージしてきたアメリカそのもの

Little Honda Lyrics (英語歌詞)
・・ザ・ビ-チ・ボーイズのこの曲は、なかなか巧みな歌詞に仕立てあげられていることがわかる



<ブログ内関連記事>

由紀さおり世界デビューをどう捉えるか?-「偶然」を活かしきった「意図せざる海外進出」の事例として

書評 『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか-世界で売れる商品の異文化対応力-』(安西洋之、中林鉄太郎、日経BP社、2011)-日本製品とサービスを海外市場で売るために必要な考え方とは?
・・「ローカル商品のグローバル化」において、「レッドブル」の事例とは異なる、進出先市場でのローカリゼーションについて書かれた好著

タイのあれこれ (22) タイのCMにみる日本などなど

タイのあれこれ (11) 歌でつづるタイ-DJ風に
・・タイを代表するロックバンドのカラバオがCMソングとして「ビア・チャーン」(象ビール)を歌いこんでいる。カラバオはまたタイではトヨタのミニバン Hilux Vigo のCMにも登場している

映画 『キャプテン・フィリップス』(米国、2013)をみてきた-海賊問題は、「いま、そこにある危機」なのだ!
・・意図せずにプロダクトプレイスメントになっている事例。海賊に奪われた貨物船はマースク社のもので、実話をもとにした映画なので社名とロゴがでかでかと映画に登場

最高の「ナンバー2」とは?-もう一人のホンダ創業者・藤沢武夫に学ぶ

映画 『ラブ&マーシー 終らないメロディー』(アメリカ、2015)を見てきた(2015年8月7日)-ビーチボーイズのブライアン・ウィルソンの人生を描いたヒューマンドラマ

(2016年6月4日 情報追加)




(2012年7月3日発売の拙著です 電子書籍版も発売中!)





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2011年10月7日金曜日

製品ブランドの転売-ヴィックス・ヴェポラップの持ち主は変わり続ける



 急激に寒くなったためか、不覚にも風邪を引いてしまった。

 鼻からのど、そしてのどから胸に降りてきて息苦しいが、日中は風邪薬は飲めないから、こんなときはこれに限る! ヴィックス・ヴェポラップ。塗る風邪薬。

 ドラッグストアで風邪薬のコーナーをさがしてようやく見つけた。「♫ ヴィ~ックス・ヴェポラップ」の節回しの CM ソングが耳に焼き付いている。アタマのなかでこの音楽を鳴らしながら、ドラッグストアで探していたのだ。

 さっそく買って持ち帰って、塗ってみる。匂いだけならタイガーバームとそれほど変わるわけではない。ふと箱に目をやったら、なんと「鷲のマークの大正製薬」 になっている。

 なんと、ヴィックス・ヴェポラップ(Vicks Vaporub)は買収されていたのか!

 だが、製品ブランドとしては生き残ったわけだ。これは、ブランド戦略の観点からいって、たいへん賢明な意志決定といえる。 

 ところが、大正製薬はヴィックス社(Vicks)から製品ブランドを直接購入したわけではないようだ。

 そんな話をフェイスブックでつぶやいてみたら、ヴィックス・ヴェポラップは P&G(=プロクター&ギャンブル)が買収したはずだったという指摘をもらった。

 さっそく調べてみたら、wikipedia の「日本ヴィックス」にはこんな記述があることがわかった。日本ヴィックスじたいは、いまはもう存在しない会社のようだ。

日本ヴィックス株式会社(非上場会社)は、かつて存在した日本法人の合弁企業で、アメリカの製薬会社・リチャードソン・ヴィックス社と日本の伊藤忠商事との共同で設立された医薬品会社。一般用医薬品(大衆薬)・健康食品専業。

沿革(抜粋)

1966年 ヴィックス製品を輸入販売していた阪急共栄物産(現・阪食)より分離・独立で設立。
1979年 日本ヴィックス株式会社に復名。
1985年 経営が悪化した米国リチャードソン・ヴィックス社に対してユニリーバがTOBによる買収を画策。この時、ユニリーバとの経営統合を嫌った経営陣がプロクター・アンド・ギャンブル (P&G) へ救済を求め、P&G傘下となる。
1988年 P&G傘下となっていた日本ヴィックスが社名を「プロクター・アンド・ギャンブル・ヘルスケア株式会社(呼称・P&Gヘルスケア)」に変更。
1994年 P&GヘルスケアはP&G傘下となったマックスファクター(現・P&Gマックスファクター合同会社)と合併し、「マックスファクター株式会社・P&Gヘルスケア事業部」に組織変更。
1997年 便秘薬「コーラック」の日本での事業を大正製薬へ譲渡
1998年 哺乳瓶消毒剤「ミルトン」の日本での事業を杏林製薬へ譲渡。
2000年 ニキビ治療薬「クレアラシル」の日本を含めた全世界の事業をブーツ・ヘルスケアへ譲渡。  
2002年 塗布風邪薬「ヴィックス ヴェポラッブ」、のど薬「ヴィックス コフドロップ」の日本での事業を大正製薬へ譲渡し、P&Gは日本での大衆薬事業から撤退した。
なお、日本以外のP&Gにおける大衆薬事業は「クレアラシル」を除いて引き続き行われている。

 そうだったのか!

 ヴィックスは、P&Gに身売りし、そして日本国内では、P&G はさらに、製品ブランドを大正製薬や杏林製薬などに切り売りしたというわけなのだ。

 だが、製品ブランドを事業ごと買収した大正製薬は、現在でもヴィックス・ヴェポラップのブランドは使用し続けている。日本以外での販売権はヴィックス本社などが所有しているようだ

 日本国内にかんしていうと、「♫ ヴィ~ックス・ヴェポラップ」の節回しは、日本人の耳にこびりついている。ブランドは、資産としては買収した企業が所有していても、ブランドそのものは、あくまでも顧客のアタマのなかに存在するものだからだ。

 だから、このブランドを捨てて、あえてあらたなブランド名をつけるのは無意味なことなのである。

 新たなブランドをゼロから立ち上げるよりも、既存のブランドを買収して、ランニングコストを支出しててブランドのメンテナンスにつとめるのであれば、そのほうが安くつくことは当然である。

 ただし、あたらなファン(=顧客)を開拓しなければ、いずれそのブランドは尻つぼみになっていく。今後は、ヴィックス・ヴェポラップも、追加投資によってテコ入れする必要もでてくることだろう。

 ファンとしては、このブランドがいつまでも生き続けてほしいものだと思う。顧客もまたブランドの持ち主なのである。





<関連サイト>

ヴィックス・ヴェポラップ(Vicks 本社のサイト)

ヴィックス・ヴェポラップ(大正製薬のウェブサイトの製品ブランドのページ)


<ブログ内関連記事>

「ブランド・ポートフォリオ」の組み替え-日立製作所 と LVMH にみる「選択と集中」

「風評被害」について-「原発事故」のため「日本ブランド」は大きく傷ついた






(2012年7月3日発売の拙著です)








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