8月30日にプレジデント社から発売された 『ビジネススキル・イノベーション-時間×思考×直感 67のパワフルな技術-』、「ファンクショナル・アプローチ」によって劇的なコスト削減と改善を実践しておられる横田尚哉さんの最新刊です。
出版前に製作される「パイロット版」をいただいたので、さっそく読ませていただきましたが、ひさびさに、「本格的なビジネス書」に出会ったという思いです。
できるビジネスパーソンが、さらに「ワンランク上」を目指すための必読書といっていいでしょう。
とくに、30歳代以上の組織人で、チームマネジメントをすることになるプレイイング・マネージャーやリーダーが熟読・精読すべき本です。
ビジネスパーソンとしての個人スキルの向上だけでなく、組織で仕事をするための本質的な考え方にまで踏み込んだパワフルで充実した一冊になっています。
大きな仕事をしようと思ったら、組織で仕事をすることは避けて通ることはできません。たとえ個人としての能力が優秀でも、チームをマネジメントする能力がなければ優秀なビジネスパーソンとはいえないのです。後者の能力も、じつは個人能力のなかにふくめて考えるべきなのです。
「個人と組織の関係」をどうマネージしていくかは、「ワンラク上」を目指す人には必須のマインドセットです。本書は、それが主目的であるかは別にして、そのことについて真っ正面から踏み込んで書かれた本だといってもいいでしょう。
しっかりとした自分の「軸」を確立し、しかも組織のパフォーマンスを最大にすべく日々のビジネス活動のなかで格闘しているビジネスパーソンには、つよく薦めたいと思います。
参考のために「目次」を掲載しておきますが、ぜひ直接に本文にあたって読んでみて下さい。
プロローグ
第1章 1.4倍で時間を見積もる
01 予定が滞る可能性を顕在化する
02 リスクイベントをシミュレーションする
03 1.4倍でスケジューリングする
04 時間の質をコントロールする
05 マルチタスクでアイデアを熟成させる
06 捨てるべき仕事を見極める
07 ストレス仕事の価値を高める
08 やりたくない仕事の意義を考える
第2章 時間と感情のロスを減らす
09 伝え方より、コトバの変換に注意する
10 形容詞を使わず、数詞で話す
11 新人には明示し、達人には暗示する
12 時間軸でホウ・レン・ソウを区別する
13 仕事のリードタイムを短縮する
14 既決ボックスを撲滅する
15 分担作業ではなく、チーム作業をする
16 外発的因子でアイデアの連鎖を生み出す
17 根回しの効用を問い直す
第3章 チームをマネジメントする
18 仕事の役割と手帳をリンクさせる
19 会議の機能を数値化して見直す
20 議事録は、運営シートで兼用する
21 説明・遅刻・無発言を禁止する
22 ルールとモラルの違いを知る
23 マニュアルでなくガイドラインで考える
24 相互作用型の人材を育成する
25 模倣性と創造性のバランスをとる
26 一人一人の能力を引き出す
27 教えることで一段高い視点を獲得する
第4章 感性でリスクを察知する
28 未知の領域を意識する
29 長いタームで仕事をとらえる
30 0.5秒トレーニングで感性を磨く
31 データに頼った判断をやめる
32 予定と実績を可視化して比較する
33 プロセス管理の必然性を考える
34 手段と目的の優先順位を見極める
35 リソースは有限であることを意識する
36 確信につながる勇気をもつ
第5章 組織のムダを改革する
37 予算管理のジレンマを検証する
38 ゼロベースで予算を組む
39 コスト削減をイノベーションの契機にする
40 情報と知識の違いを明確にする
41 6割で判断する習慣をつける
42 集めて区別ではなく、区別して集める
43 情報は事例でなく、原理で理解する
第6章 個人の能力を最大化する
44 ネットとリアルのバランスを棚卸しする
45 海陸両様の生き方を目指す
46 人脈のファンクションを考える
47 時間の概念を人脈整理に取り入れてみる
48 名刺の管理をフローで効率化する
49 片づけの原則を再考する
50 通勤の役割を見つめる
51 割り込み仕事から自由になる
52 一つだけ見て、仕事に集中する
第7章 時代の潮流をつかむ
53 攻めを忘れず、守りの時代に対処する
54 得意領域でナンバーワンになる
55 不足を体験して知恵を身につける
56 アウトプットはつねにインプットで割る
57 知識はお金で、経験は時間で買う
58 創造のための環境・道具・動機を得る
59 セレンディピティを起こす
第8章 未来のつくり方を考える
60 プロアクティブに長期計画を立てる
61 感性で決め、知性で測り、理性で示す
62 積み重ねた時間の分、未来を見る
63 人生周期表で決断のタイミングを計る
64 目標はゼロベース思考で設定する
65 未来思考で理想の具現を目指す
66 過去を手放し、未来をつかむ
67 一日一瞬を生きることに集中する
エピローグ
著者プロフィール
横田尚哉(よこた・ひさや)
株式会社ファンクショナル・アプローチ研究所代表取締役社長。顧客サービスを最大化させる経営コンサルタント。世界最大企業・GE(ゼネラル・エレクトリック)の手法を取り入れ10年間で総額1兆円の事業改善に乗り出し、コスト縮減総額2000億円を実現させる。「30年後の子供たちのために、輝く未来を遺したい」という信念のもと、そのノウハウを潔く公開するスタイルは各種メディアの注目の的。「形にとらわれるな、本質をとらえろ」という一貫したメッセージから生み出されるダイナミックな問題解決の手法は、企業経営にも功を奏することから「チームデザイン」の手法としても注目が高まっている。著書に『問題解決のためのファンクショナル・アプローチ入門』『ワンランク上の問題解決の技術《実践編》』(ディスカヴァー刊)がある。 http://www.fa-ken.jp
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(2012年7月3日発売の拙著です)
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