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2012年8月8日水曜日

ミッションに支えられた「思いの強さ」が勝利を導く-オリンピックをみる一つの視点


ロンドン・オリンピックで、女子サッカー日本代表チームの「なでしこ」が、準決勝でフランスを2-1で破ってメダルを確実にしました(2012年8月7日)。

しかし、オリンピックで金メダルをとることが、なでしこたちのミッションではないようです。

「耐え抜いたなでしこ 夢の2年連続世界制覇に王手」(47ニュース 2012年8月7日)には以下のように書かれています。 http://www.47news.jp/sports/olympics/london2012/400/117438.html

彼女たちは女子W杯優勝を一定の通過点としかとらえていない。日本では最も注目される五輪で勝ってこそ、真のチャンピオンとして認知してもらえると考えているからだ。女子サッカー人気を一過性のブームにとどまらせず、しっかりと根付かせたい。・・(後略)・・

目的と手段を明確に分離し、ミッションはあくまでも目的であって手段ではないことを明確に認識することは、ミッションを軸に据えた活動には不可欠といっていいでしょう。

いまは日本人として言えるのは、「なでしこガンバレ! 宿敵アメリカに勝利して金メダル獲得を!」ですが、彼女たちのなかには、さらに高い志というミッションがあることを知ると、心から応援したくなるものです。

一方、本日早朝(8月8日)、準決勝でメキシコと対戦した日本男子サッカー代表チームは、3-1でメキシコに敗れ去りました。

女子サッカーの対戦相手のフランス代表チームと同様、メキシコ代表チームもまたすさまじいまでの連続攻撃で怒濤のような勢いがありましたが、女子のなでしこは猛攻に耐え抜いたのに対し、男子は終了間際にもだめ押しの3点目を決められ完敗です。

技術力でも攻撃力でもメキシコが勝っていたという印象を、眠い目をこすりながら観戦していましたが、ミッションに支えられた「思い」の強さ、これが男子サッカーとの大きな違いであったように思われてなりません。

1968年のオリンピック開催国でありながら3位決定戦で日本に敗れ去ったメキシコ。44年前の雪辱を果たすという「思い」がきわめてつよかったメキシコ代表チーム死にものぐるいのメキシコに対し、日本はすでに「思い」のつよさで負けていたのかもしれません。

もちろん男子代表チームのメンバーはみな悔しい思いをかみしめていることでしょう。しかし、勝負というものは結果として明らかになるもの。3位決定戦の対戦相手は宿命のライバル韓国。メキシコ以上に手強い相手です。

何のために勝たなくてならないのか、その意味を一人一人が自分なりに理解しし、チームとして共有することの大事さを痛感させられます。スポーツは、まさに企業活動のアナロジーとなりうるのです。

ビジネスパーソンがオリンピックでチームスポーツをみる意味があるのは、そこにあると思うのです。


PS. 決勝戦(8月10日早朝)の結果は、2-1で日本女子代表チームはアメリカに敗れた。しかし、最後の最期まであきらめないなでしこの戦いぶりには、よくやったと声をかけてあげたい。死力を尽くしての結果であるから悔いはないだろう。負けたのは事実、負けた悔しさはぜひ未来につなげていってほしい(2012年8月10日 記す)





(2012年7月3日発売の拙著です)






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