中堅中小企業経営をとりまく外部環境の変化のなか、海外進出に活路を見いだす方向を選択することは重要な戦略となっています。
とはいえ、海外でのビジネス展開は、慣れ親しんだ国内マーケットという「ホームでの戦い」とは異なり、文字通りの「アウェイでの戦い」です。
海外進出がはじめての中堅中小企業にとっては、「アウェイでの第二創業」という位置づけで取り組むべき、困難かつ重大な全社レベルでの経営課題となるのです。
「アジア」といっても、この本は中国を中心にしてますが、日本の常識が通用しないという点においては、日本というホーム以外はすべてアウェイなのです。
ささっと読めてしまうので、あまりアタマのなかに残らないかもしれないのが難点ですが、この本に書かれていることは、アジアビジネスに乗り出そうとしている人は心しておきたいものです。
もちろん、進出先の国ごとに押さえておかねばならないポイントは本書に書かれていない項目が多数あります。しかも、本書の内容はとくに明記されていませんがB2C(=一般消費者向け)ですので、日本の中堅中小企業の強みであるB2B(=法人向けビジネス)への言及が少ないのがネックです。
あくまでも、アジアというアウェイでは日本というホームの常識が通用しないという教訓書として読むべきだといっておきます。
とはいえ、アウェイでの戦い方を知るには、手頃な読み物だといっていいでしょう。
目 次
はじめに
第1章 アジアビジネスのやってはいけないルール
第2章 アジアで“しっかり売って儲ける!”ための意識改革
第3章 アジアで強い会社にするための提言
第4章 すべての日本企業がグローバル化できるために覚えておきたいこと
おわりに
著者プロフィール
森辺一樹(もりべ・かずき)
1974年、神奈川県生まれ。法政大学経営学部卒。大手医療機器メーカーを経て、2002年、香港にて Strategic Decision Initiative (HK)Ltd. を起業、Co-CEO に就任。その後、中国に100%子会社の Strategic Decision Initiative (SZ)Ltd. を設立、董事に就任。2007年、ストラテジック・デシジョン・イニシアティブ株式会社として、本社を東京へ移転。代表取締役社長兼CEOに就任し、現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。
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(amazon で 2012年7月3日発売の拙著です)
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