2011年9月12日月曜日
「3-11」後の個人の価値観の変化に組織は対応できていますか?-個人には「組織からの退出」というオプションもある
女性誌 『CREA』 の女性向け総合メディアサイト CREA Web に「300人緊急アンケート! 3.11以後の価値観3.11でアナタの人生への価値観はどう変わった?」というアンケートの結果が掲載されています。
アンケート対象は、この雑誌の読者層である20歳台と30歳台の女性が中心です。
設問は以下の二つです。
Q1 仕事に対する考え方は変わりましたか?
Q2 震災がきっかけで転職を考えましたか?
設問の答えは、 「300人緊急アンケート! 3.11以後の価値観3.11でアナタの人生への価値観はどう変わった?」を直接ごらんいただきたいと思いますが、「仕事に対する考え方」の変化が、「転職」を実行したり、じっさいに転職を検討したりしていることにつながっていることが読み取れます。
「3-11」によって、個人の消費意識と行動が変化していることは、比較的多く指摘されているので目にすることもあるかと思いますが、タイムラグをおいて「働き方の意識」に変化が生じていることにも注意を払わなくてはなりません。
ひと言でいえば、「3-11」の前後で個人の価値観に大きな変化が生じているのです。男性にくらべて感受性の強い女性の意識の変化は、先行指標として注目する必要があるでしょう。
個人の価値観(バリュー)の変化は、当然のことながら組織の価値観にも影響を及ぼします。個人が組織に影響を及ぼす選択肢(オプション)は大きく分けて2つあります。経済学者のアルバート・ハーシュマンによる有名な分類です。
まずは、Voice(=声)。組織内での異議申し立てです。意見をいって組織内改善を志向するものです。つぎに Exit(=退出)組織からの退出です。つまり転職ですね。
上記のアンケート結果からも、この2つのオプションを読み取ることができると思います。
どんなポジションに就いているのであれ、組織のマネジメントにたずさわる人は、「3-11」後の個人の価値観(バリュー)の変化には敏感であってほしいと思います。
組織としてゆずれない原理原則がミッションやバリューとしては存在しても、時代の変化を敏感に感じ取り、組織の価値観を微調整していくことも必要なのです。
そうでないと、貴重な人材を失うことにもつながりかねませんし、顧客からも見放されることにもなりかねません。
「3-11」によって個人の価値観は大きく変化しているのです。あらためてこの事実を強調しておきたいと思います。
<関連サイト>
「300人緊急アンケート! 3.11以後の価値観3.11でアナタの人生への価値観はどう変わった?」|CREA WEB(クレア ウェブ 多くの人々の価値観を変えた、今回の震災。仕事、恋愛、そして人生。みんなの思いを緊急アンケート!)
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