2011年9月9日金曜日
「使命感」をもったチームどうしの戦いは激しい-昨日(2011年9月8日)のオリンピック代表予選をみて思ったこと
昨日(2011年9月8日)の対北朝鮮戦では、1-1の引き分けと、かなりの苦戦を強いられた「なでしこジャパン」でしたが、その後の試合で、中国がオーストラリアに敗れたことによる得点差で、一番乗りで「予選突破」することができました。
ほっと胸をなで下ろした方も多いことでしょう。
いよいよ、2012年のロンドンが楽しみになってきました。
ワールドカップで世界の頂点に立ちながらモチベーションを保てたのは、「五輪でメダルを獲らなければ」という使命感があったからだ、と。キャプテンの澤穂希選手に強い「使命感」(ミッション)があることがスポーツ紙の記事には書かれています。
わたしは昨日(9月8日)の試合はリアルタイムでみていましたが、試合の大半で北朝鮮に圧倒されっぱなしだったので歯がゆい思いをしていたのです。日本のスポーツ報道は、きちんとこの事実について語るべきです。日本人としては、なでしこジャパンに勝ってほしい気持ちは山々ですが、チームの実力についてはシビアな観察が必要です。
けっして日本代表チームが弱いわけでなく、双方がともに技術的にはほぼ互角であるのにかかわず、北朝鮮代表チームが死にもの狂いだったのは理由があったのです。
じつは、本日9月9日は北朝鮮の63回目の建国記念日。北朝鮮代表チーム側には、絶対に負けるわけにはいかない(!)という「使命感」が強かったのですね。
TV報道によれば、北朝鮮の女子サッカー代表チームは、サッカーがうまいだけでなく、思想的にも "正しい" 人間でないと入団できないのだとか。
北朝鮮の選手の一人一人に、キム・ジョンギル総書記に対する強い忠誠心があり、強い内発性の動機が「勝たねばならないという使命感」を生み出して支えているのです。けっして罰が怖いからといった外発性の動機ではないようなのです。サッダーム・フセイン独裁下のイラクのサッカー代表チームとはひじょうに異なると思われます。
ですから、昨日の 「日本vs.北朝鮮戦」は、内発的動機に支えられた強い「使命感」をもったチームどうしの戦いだったのです!
そういう観点からみたら、日本代表チームはかなり善戦をしたといっていいかもしれません。
サッカーもまた、たんなる技術だけではなく、内発的動機にもとづいた、勝とうという強い信念と強い使命感に支えられてこそ勝利をつかみ取ることができるものなのです。
P.S. 結局、日本が一位、北朝鮮が二位でアジア予選を突破しました。本大会でも北朝鮮は要注意ですね(2011年9月12日 追記)
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