全国チェーン店のドラッグストアの店頭にて正露丸の広告をみました。
おお、正露丸ではありませんか! 正露丸のプロモーションなんて見るのははじめて。「当店は受験生を応援しています」と、奥ゆかしく下のほうに書かれています。なるほど、試験会場で精神性××になっては大変ですからね!(* ××の部分はご想像におまかせします)。
しかしそれにしても、正露丸は「超ロングセラー」ですねえ。
「子どもの頃から知ってるよ」、といったたぐいの話ではありません。「親の子ども時代」、「そのまた親の子ども時代」から・・・。
「正露丸」はもともと「征露丸」という表記だったそうです。「征露」とは「ロシアを征する」という意味。つまり日露戦争の頃の話なんですよ! 百年前なんてもんじゃありません。
チョコレート菓子の「KitKat キットカット」(=きっと勝つぞ)ではありませんが、正露丸も「「征露丸」と考えれば、受験「戦争」を勝ち抜く「ゲン担ぎ」にもなりますね。
ブランドというものは、法的には「ラッパのマークの正露丸」が登録商標なので会社の所有物ですが、ほんとうは顧客一人一人のアタマのなかに存在するもの。長く生き続ける製品ブランドというのはそういうものです。
「マインドシェア」なんてコトバもありますが、正露丸と聞いて、CMソングのリズムとクレオソートの匂いと味、そして動物の××のようなカタチを思い出さない人はいないでしょう。(* ××の部分はご想像におまかせします)。視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚という五感をつうじて浸み込んでいるわけですから、たんにマインド(=アタマ)のなかだけの話ではありません。
仁丹や正露丸のようなレトロな製品は、末永くご愛顧されていってほしいものでありますね!
受験生には、キットカットと正露丸、かな(笑) そしてお守りも。
<関連サイト>
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(2012年7月3日発売の拙著です 電子書籍版も発売中!)
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