2010年10月12日火曜日
書評 『ユーロが危ない』(日本経済新聞社=編、日経ビジネス人文庫、2010)
■日本経済新聞社の欧州特派員が足で稼いで取材した「ユーロ危機」をめぐる現地報告■
日本経済新聞社の欧州特派員が足で稼いで取材した「ユーロ危機」をめぐる現地報告。文庫版オリジナルである。
本書を通読しての感想は、結局のところ共通通貨ユーロとは、かつてのドイツマルクの実質的な適用範囲を欧州全域まで拡大したものであり、共通市場と共通通貨によって一番メリットを享受したのが、ドイツそのものであったということだ。
にもかかわらず、「何よりも規律を愛するドイツ国民」(*注)である。有権者の90%が抱いていた「放漫財政国ギリシア」への感情的反発ゆえに、メルケル首相の政治的判断にブレが生じた結果、ギリシア救済のタイミングを逸し、ユーロ危機拡大を招いたのが真相のようだ・・・
(つづきは http://e-satoken.blogspot.com/2010/10/2010_12.html にて)