2012年5月18日金曜日
鎮魂 bk1-ブランドそのものが消えるとき、ロイヤルカスタマーであったファンはあたらしい所有者にはもはや愛着は感じない
bk1 のブランドが消えた。2012年5月17日、電子書籍の販売サイトである honto に吸収されてそのブランドを消した。電子書籍販売 honto と経営統合し、吸収されたためだ。
bk1は、ネット書店の黎明期に誕生し、激戦区のなかを10年以上にわたって存続してきた。
わたしは、bk1 からは amazon 以上に購入し、書評も多数投稿した。そして「書評の達人」という称号までいただいていた。
しかし、一ヶ月ほどの告知のあと、ほぼ完全に姿を消した。過去ログもコンテンツは残ったが、残ったのはコンテンツだけ、これまでの軌跡も埋没してしまっている。
淋しい限りだ。ネット世界の栄枯盛衰は激しいとはいえ・・・
以後、たまっているポイントを消化する以外、購入することはほとんどなくなるだろう。あたらしいサイトに書評を投稿することはもはやないだろう。
あたらしいサイトがキライだというのではない。あたらしいサイトには、そもそも愛着がないからだ。
bk1 もまた「ブランド」であった。
ブランドの持ち主は誰かという議論がある。
ブランドの法的な所有権は株主にあるが、ブランドそのものはファンのアタマとココロのなかにある。実体としてのブランドと情報としてのブランドは、かならずしも一致しないのだ。
ブランドのファンは「囲い込み」はできない。ブランドはあくまでも「この指とまれ」である。そのブランドを好ましいと思うからファンがつくのであって、囲い込まれたからファンがついているのではない。それがブランドロイヤルティの本質だ。
名前やロゴとしてのブランドが消えたとき、たとえ実体は引き継がれたとしても、ファンのココロはもはやそこにはない。
bk1は死んだ。RIP(=Rest in Peace)。 安らかに眠れ!
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鎮魂 bk1-ブランドそのものが消えるとき、ロイヤルカスタマーであったファンはあたらしい所有者にはもはや愛着は感じない (2012年5月18日)
(2014年8月29日 情報追加)
P.S.
honto は、プロモーション中だからだろうか、かなりたくさんポイントがつくのは魅力的である。新生 honto は、bk1 とは別物と考えるべきだろう。丸善&ジュンク堂のリアル店舗で購入しても一括してポイントがつくのも魅力的だ。これは否定できない(2012年7月23日 記す)
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