テレ朝の昼の情報番組 「ワイド! スクランブル」。水曜日の放送には、山本晋也監督の「人間一滴」というコーナーがあります。
5月23日(水)で紹介されていたのが、『置かれた場所で咲きなさい』(幻冬舎)の著者である渡辺和子さん。現在85歳ですが、カトリックのシスターで、ノートルダム清心学園の理事長を約50年間務めておられます。教育機関の経営者でもあるわけですね。
9歳のとき、自分の目の前で父親が殺されるのを一部始終目撃することになったという壮絶な人生体験の持ち主。父親は、二・二六事件で青年将校たちに射殺された渡辺錠太郎陸軍大将。教育総監を務めていた渡辺大将は、勉強熱心で温厚な人柄だったそうですが、青年将校たちの怨みをかっていたのでした。
そんな渡辺さんを山本監督が岡山県倉敷市にある学園まで訪ねていって行ったインタビュー番組でしたが、著書のタイトルにもなっている 「置かれた場所で咲きなさい」という人生訓は、ほんとうにすばらしい。
このフレーズは、Bloom where God has planted you. という英語がもともとあるようですが、キリスト教の信者ではないと、神(God)がでてくるこのフレーズにはやや抵抗があるかもしれません。
ここはひとつ受動態の表現に書き換えてみましょう。そうすれば、日本語表現のように主語を消すことができます。
Bloom where you have been planted. これで日本語の「置かれた場所で咲きなさい」と同じ表現になります。直訳すれば、「植えられた場所で咲きなさい」、ですね。
一斉入社が行われる日本企業では、今年も4月に新入社員が誕生したことでしょうが、連休をなんとかやり過ごすことのできた新入社員たちも、なかなか自分の思うとおりの人生ではないことに落胆や不満をもっている人も少なくないのではと思います。
どんな人でも、最初に就職した会社の、最初に配属された職場の、最初の上司のもとでは、100%満足して毎日会社にいくのが楽しくてしょうがないなんてことはありません。
それは、会社員ではなくても同じだと思います。
でも、どんな仕事であっても、「その仕事を好きになって一生懸命取り組んでいれば、見る人はかならず見ている」というのは、わたし自身も新人時代になんども言われましたが、いまから振り返ればまことにただしいことだとわかります。
現状に不満をもつのではなく、「置かれた場所で咲きなさい」というコトバは、ほんとうに響く珠玉のコトバだと思います。
『置かれた場所で咲きなさい』(渡辺和子、幻冬舎、2012)静かな感動を呼んで、現在では11万部を突破しているそうです。
「置かれた場所で咲きなさい」。新入社員のみなさんたちには、ぜひこのコトバをかけてあげたい、と番組を見ていて思ったのでした。
<関連サイト>
学校法人 ノートルダム清心学園(岡山県倉敷市)
「ワイド! スクランブル」(テレビ朝日)
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