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2011年6月6日月曜日

NHK・Eテレ 「スタンフォード白熱教室」(ティナ・シーリグ教授) 第6回放送-創造性はだれでも、どんな環境でも、発揮することができる!


 NHK・Eテレの「スタンフォード白熱教室」。ティナ・シーリグ教授の「起業家育成コースの集中講座」(Stanford Technology Ventures Program)。まさに、シリコンバレーのテクノロジー・ベンチャーのゆりかごであるスタンフォードらしい授業ですね。

 すでに授業は第6回目、いよいよ全8回の授業の終盤に近づいてきました。意表を突いた課題とその後のディスカッション、じつに中身が濃い授業になっています。

 まずはいつもどおり、ウォームアップから。ウォームアップじたいがチームビルディングになっています。毎回趣向を変えながら、アシスタントの主導で、メンバー全員を巻き込みながら、カラダを動かして肩のチカラを抜いていく。カラダがほぐれれば、アタマの回転と柔軟性はスタンバイ。

 今回(6月5日)のテーマは「トランプで創造性を学ぶ」。公式サイトの説明は以下のとおりです。

 新しいものを創り出す力は、新製品のデザインや開発段階だけのものではありません。
ビジネスのあらゆる場面で要求されます。
 学生たちはトランプを使ったユニークなゲームで、どんな企業でも、どんな役割やレベルでも創造性を発揮する機会はあることを学び、何が起きるか予想できない状況の変化に対応して、クリエイテイブな解決策を模索していきます。
 そのためには、自分がルールだと思い込んでいることから自分を解放することが創造的になれる第一歩であることを実感します。常識を覆す学生たちの鮮やかな発想をお楽しみに。


創造性を学ぶための課題演習

 課題は、タイトルにあるとおり「トランプで創造性を学ぶ」。まずは、いままでまったく組んだことのない3人で一組のチームをつくります。

 これをブロックでつくった壁で「二つの世界」に分ける。向かって左手が「テーブル派」、向かって右手が「イス派」

 「テーブル派」の世界には、それぞれのチームごとにテーブルが用意されています。「イス派」の世界には、人数分のイスがあるだけでテーブルはいっさいありません。

 それぞれの世界は、4チームの構成になっています。

 なぜ、壁で二つに区切ったのかは、課題終了後に明かされることになります。


課題内容とゲームのルール

 課題演習の内容とゲームのルールは以下のとおりです。所要時間は40分。

●各チームにトランプのカードを一束、チップを10枚(チップは1枚1点)。
●トランプで家をつくる 使うトランプは同じ絵柄のもの
●各階は赤または黒で統一 最上階は絵札を使用


 それぞれの世界に3組のトランプを枚数を間引いて4チームに分けられます。

 最終的に、得点数によって成果が表現されます。得点の集計方法は以下のとおりです。

●得点の集計方法① 使われたトランプ1枚につき1点
●得点の集計方法② 家の階数ごとにボーナスポイント1点加算
●得点の集計方法③ 52枚使った場合ボーナスポイント20点加算
●得点の集計方法④ 手持ちのチップの数もポイントに加える


 さて、演習の開始です。所要時間は 40分、開始時点の条件は「トランプは3種類、チームは4つ、配られ方はバラバラ」です。

 「ゲームのルール」は上記の 3つのみ。このルールをどう捉えるかも演習の大きな要素になります。
 
 じっさいに演習が始まると、それぞれの「世界」ごとに異なる動きがみられて面白いですね。なぜ壁をつくって二つの世界に分けたのか、当事者の学生たちには進行中はわかりませんが、ギャラリーである視聴者の立場からみると、あきらかに違う動きが展開しつつあることが見て取れます。

 10分ごとにあらたなルールが導入されていきます。

●10分経過 ステッカーをチップ1枚で販売
●20分経過 追加でトランプ3枚を配る
●30分経過 残りのカードを全部オークションで売る
●残り5分 引き抜きされたので、カード2枚もって別のグループに移るようとの指令が各グループのキャプテンにでる 

 競争条件であるルールはどんどん変わっていくもの。これは「現実世界」そのものですね。もっとも、「3-11」以後の現在の日本は、そんな程度の変化ではないでしょう。外部環境の大激変を体験中ですが・・・

 この課題演習では、与えられたルールと条件のもと、創造性をフルに発揮して、いまある資源(リソース)をいかに活用して最善の結果をつくりだすか、これが問われているわけです。そのためには、ありとあらゆることを試してみる意味がある。あるいは時間節約のため試してみないという選択もある。

 演習の結果については、得点数そのものに大きな意味があるものではありません。演習後のディスカッションがじつに多くの「気づき」の場になっていましたね! 


課題演習後のディスカションにおける「気づき」

 さまざまな「気づき」を引き出すシーリグ教授の手腕も見事ですね。学生の発言を促し、発言に対しては絶対に NO とは言わない。いったん受け止めて、それを自分のコトバに直して学生の言わんとすることを抽出する。

 シーリグ教授のこの見事なまでのさばき方は、かつて放送されていた「あっぱれさんま大先生」を思い起こさせるものがあります(笑)。

 「あっぱれさんま大先生」とは、日曜日の午後放送されていた、小学生相手に明石家さんまが先生役をつとめていたトーク番組のことです。小学生は何を言い出すかわからないので、そうとうな技量が要求されるものであることは言うまでもありません。

 ディスカッションでは、重要な指摘がいくつかありました。わたしなりにメモしたことを箇条書きで書き出しておきましょう。

●まずはルールがどんどん変更されていくことに対して、現実世界はこのようなものだということ。
●ルールの変更は環境変化、いかに早く気づき、速く対応するかという瞬発力が重要なこと。
●思い込みから解放されることが重要なこと。
●ルール違反のギリギリとは、自分のイマジネーションを越えること。
●思考の枠組みは自分で設定していること。
●グループへの忠誠心のこと。
●いいアイデアを出すチカラをもった人が自然にリーダーとして認められていくこと。
●創造はグループのチームワークそのもの、ブレーンストーミングだけではないこと。

 
 「説明書は2種類あった」という種明かしもなかなか衝撃的(?)なものがありました。説明書の表現方法で思考の枠組みまで設定されてしまうことは、なかなか怖ろしいことですね!

 壁でへだてて「二つの世界」をつくった意味。この二つの世界の違いは、テーブルの存在の有無ということにあります。テーブルという物理的な空間が、思考の枠組みを設定してしまうのですね。

 グループごとにテーブルがあった「テーブル派」の世界では、テーブルが枠組みを設定してしまうのに対して、「イス派」の世界では、いちはやくグループの壁を取り払って合併する方向にいってしまう。固定的ではなく、流動的なわけです。なぜなら、合併してはいけないというルールがないから。 

 とかく日本人はルールは変更してはいけないと思いがちですね。常識にもとらわれがち。

 コンプライアンス(compliance)を法令「遵守」と日本語に翻訳して、さらにがんじがらめになってしまっていますが、起業家たるもの、常識にとらわれず、自分が主導してルールを破ってあらたなルールをつくっていくのだという心意気が必要ですね。新たな製品やあらたなビジネスモデルが、世の中のルールを替えてきたことは言うまでもありません!

 よくいわれるように、日本人はルールに対して「~はしてはいけない」」と捉えがちですが、米国人は「~以外はなんでもしていい」と捉えるといわれています。実際は、米国人でもルールを破ることにはためらいもあるようですが、規制にかんする行動には、思考パターンの違いが表現されてしまうものです。

 なによりも今回の授業で、わたしがもっとも深く納得したのが、「いいアイデアを出すチカラをもった人が自然にリーダーとして認められいくこと」という指摘です。

 「知識社会」というコトバだけが一人歩きしていますが、知識そのものに大きな価値があるわけではないことが重要です。実際の場で生きた知識であってこそ、あらたなアイデアを生む源泉となり、創造行為に大いに貢献するだけでなく、リーダーシップの源泉ともなる

 そしていいアイデアが生み出されれば、それを創り出す人だけでなく、いいアイデアに共感する人、いいアイデアを積極的に広めていこうとする人がでてきて、いい意味で伝染していく。いいアイデアはまたさらにいいアイデアを引き寄せ、創造性が大いに発揮される環境ができあがっていく。

 そして、いいアイデアがカタチとなって製品やサービスとなって社会に貢献することにつながっていく。

 シーリグ教授が何度も強調していたように、「創造性はだれでも、どんな環境でも、発揮することができる!」のです。マインドバリアを取り去って、創造性を発揮しましょう。

 もちろん、教授もいうように、官僚的な大企業組織では困難なものであるのは、日本でも米国でも変わりありません。

 しかし、いいアイデアがあればそれじたいが大きな貢献になるのです。日本でもむかしから、「アタマをつかって知恵を出せ!」といわれてきましたが、アイデアをつくりだすための方法論をみにつければ、誰もがアイデアのチカラで貢献できるようになる! 

 アイデアを創り出すということは、じつにすばらしいではないですか!

  ............................................................
 
 第1回からずっと一貫してますが、学生たちに課題をあたえて、創造的にものを考えさせる演習のあと、レクチャーでポイントを解説する授業のすすめかたは、きわめてプラクティカルで、アタマにすっと入ってきます。

 今回は課題演習もクリエイティブなものであるだけでなく、課題終了後のディスカッションがまた、中身が濃く、「気づき」の多いセッションになっていました。

 なんといっても、自分で考えて試行錯誤する経験を経たあとは、何が重要なのか理解しやすいものですね。


 放送予定は以下のとおりです。いよいよ、全8回の授業は終盤にさしかかってきました。学生たちの「最終課題」は進行しているのでしょうか?

5月1日(日) 第1回 「ブレーンストーミングで可能性を探れ!」
5月8日(日)第2回 「名札をめぐる冒険」
5月15日(日)第3回 「最悪の家族旅行を考える」
5月22日(日)第4回 「6つの考える帽子」
5月29日(日)第5回 「30分で新製品を作る」
6月4日(日)第6回 「トランプで創造性を学ぶ」
6月12日(日)第7回 「あこがれの起業家に学ぶ」
6月19日(日)第8回 「新しいコーヒー体験(仮)」

 次回は、起業家たちをゲストとして招待するという授業。起業家たちのナマの声を聞ける機会をもてる学生たちがうらやましいですね。

 学びも多いが、集中力も要求される中身のきわめて濃い授業。これほど濃い 1時間もないのでは? そんな感想をもつ番組です。あと2回になってしまいましたが、日曜日の午後6時が楽しみですね!



<関連サイト>

「スタンフォード白熱教室」番組概要(NHK)

自分で自分を社長にする(Tina Seelig:ティナ・シーリグ)(YouTube 映像)



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