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2018年4月8日日曜日

「覆面リサーチ ボス潜入」(NHK・BSプレミアム)-経営トップはいかにして「現場」に体現された知恵を吸い上げることができるのか?


「覆面リサーチ ボス潜入」(NHK・BSプレミアム)という番組を始めて視聴した。土曜日の18:30からの1時間番組。

企業経営者が、別人になりすまして自社のさまざまな「現場」に潜入して、「現場」で頑張っている従業員たちのリアルを体験するというのが番組のコンセプト。いってみればドッキリものだ。 

経営者をゲストに招いた番組は「カンブリア宮殿」など多々あるが、こういうコンセプトの番組があるとはまったく知らなかった。こういう番組こそ見るべき番組だと実感。 

改善策の答えは、すべて「現場」にある。だが、経営トップと「現場」の距離は近くない。偉くなればなるほど「現場」から物理的にも意識的にも遠ざかり「現場」感覚を失ってしまう。

その結果、経営者の考える経営施策と従業員の考える改善策とのあいだにズレが生じて、いい結果がでてこないということになる。 

経営トップは、「現場」のことをわかっているつもりで、じつはわかっていない。さらにいえば、そのことに不感症になってしまっていうという恐ろしさも・・・・ 

今夜(2018年4月8日)の番組は防虫剤のエステーだったが(再放送)、1時間が短く感じられる好内容の番組だった。経営トップはいかにして「現場」に体現された知恵を吸い上げることができるのか?という問題意識をもって視聴すれば、得るところがきわめて多い番組。 

この番組は、今後もぜひ見なければ!


<関連サイト>

"現場の苦労"を大物社長にたたき込む方法『ボス潜入』が深い感動を呼ぶワケ(プレジデント・オンライン、2018年3月31日)

Undercover Boss (英国オリジナルのフォーマット)
http://www.channel4.com/programmes/undercover-boss/episode-guide/series-1


<ブログ内関連記事>

「非常時」には「現場」に権限委譲を!-「日本復興」のカギは「現場」にある

書評 『CoCo壱番屋 答えはすべてお客様の声にあり』(宗次徳二、日経ビジネス人文庫、2010 単行本初版1995に改題加筆)-お客様のクレーム情報を読み込んで得た数々の知恵が「生きた教科書」として結実

書評 『空港 25時間』(鎌田 慧、講談社文庫、2010 単行本初版 1996)-「現場」で働くナマの人間の声で語られた「仕事」=「人生」

書評 『星野リゾートの事件簿-なぜ、お客様はもう一度来てくれたのか?-』(中沢康彦、日経トップリーダー編、日経BP社、2009)-「現場」がみずから考え実行する組織はどうやったらつくれるのか

書評 『マクドナルドで学んだすごいアルバイト育成術』(鴨頭嘉人、新潮文庫、2015)-「仕事をつうじて成長する」、ということ




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2018年4月7日土曜日

書評 『禁断の説得術 応酬話法-「ノー」と言わせないテクニック-』(村西とおる、祥伝社新書、2018)-セールステクニックの紹介を超えた人生の書


ふだんビジネス書はほとんど読まくなっているのだが、この本は読みたいと思ってすぐに購入し、実際に読んでみたら、予想以上に面白かったので紹介しておきたい。

『禁断の説得術 応酬話法-「ノー」と言わせないテクニック-』(村西とおる、祥伝社新書、2018)というのがそのタイトルと著者だ。 https://amzn.to/2GjvLC8

村西とおるという人物については、1980年代後半のバブル時代に生きた男性諸氏なら知らない人はいないだろうから、あえてここでは説明しないが、そんな村西とおる氏が「昔の名前で出ています」といった感じで最近復活を遂げている。

事業の失敗でつくった借金がなんと50億円! そんな多額の借金ゆえに生死の崖っぷちに立ちながらも、なんとか完済。しかも、不治の病から生還しての復活だ。 その窮地を救ってきたのが「応酬話法」販売相手のお客様から投げかけられた疑問・質問・反論に対応するため、米国のセールスの世界でパタン化されたセールステクニックの話法のことだ。

村西とおる氏のこの本は、そんな「応酬話法」というテクニックの解説もされているのだが、高校卒業後に福島から上京してからの人生で実際に使用して成功してきた「応酬話法」が、数多くの実例をもって語られる。きわめて具体的なものなので、あまりにも説得力がありすぎる。読んでいて光景が目に浮かぶような気さえして、楽しみながら読んでしまう。

この本は、言ってみれば村西とおる氏の70歳(・・もうそんな歳なのだな)の七転び八起きの起き上がりこぼし的な人生の、問わず語りのような内容でもある。 活躍してきた分野がAVという世間的にはいかがわしいとされるものだとしても、事業家としてリスペクトしないわけにはいかないだろう。もちろん、成功もあれば失敗もある。その最たる例が、時代に先駆けすぎて失敗して結果の50億円の借金だ。

この本は、ビジネス書の域を超えた人生の書になっているといってもいい。面白くてためになる本としておすすめしたい。





<ブログ内関連記事>

書評 『思いが伝わる、心が動くスピーチの教科書-感動をつくる7つのプロセス-』(佐々木繁範、ダイヤモンド社、2012)-よいスピーチは事前の準備がカギ!
・・著者の処女作

『伝え方が9割』(佐々木圭一、ダイヤモンド社、2013)-コトバのチカラだけで人を動かすには

書評 『小泉進次郎の話す力』(佐藤綾子、幻冬舎、2010)-トップに立つ人、人前でしゃべる必要のある人は必読。聞く人をその気にさせる技術とは?

どんな話であれ「自分」を全面的に出したほうが、人はその話に耳を傾けるものだ ・・SUCCESS の法則というプレゼンの基本について。話の中身は自分を全面的に出す。これに話すテクニックが加われば、鬼に金棒だろう。私も日々精進の毎日である。

「人生に成功したければ、言葉を勉強したまえ」 (片岡義男)

書評 『言葉でたたかう技術-日本的美質と雄弁力-』(加藤恭子、文藝春秋社、2010)-自らの豊富な滞米体験をもとに説くアリストテレス流「雄弁術」のすすめ
・・「言論による説得には三つの種類がある。第一は語り手の性格に依存し、第二は聞き手の心をうごかすことに、第三は証明または証明らしくみせる言論そのものに依存する」(アリストテレス、池田美恵訳)




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2018年2月14日水曜日

「冬季限定」という売り方はロングセラーの条件!?-ロッテの洋酒入りチョコレート


洋酒入りのチョコレートは「冬季限定」の楽しみだ。定番はラムレーズン入りの「ラミー」(Rummy)。これが大好き。もう食べ始めて何年になることか。

こないだ初めて店頭でみたのが黄色のパッケージのカルヴァドス入り。カルヴァドスは、リンゴのブランデー。味はまあ、ブランデーですね、ちょっと甘めだが・・・。

それにしても「冬季限定」という売り方はうまいねえといつも感心する。冬が始まる前に店頭に出現し、冬が終わると店頭から消えるこのパッケージを店頭で見ると「買わなきゃ!」という気持ちにさせられるからね。

毎年、毎年おなじことの繰り返しとはいえ、これがロングセラー商品の秘密かも。

子どもの頃、ウイスキーボンボンが「禁断のお菓子」(?)だった。そういう記憶をもっているからかもしれないが、洋酒入りチョコが好きだ。






<ブログ内関連記事>

書評 『ターゲット-ゴディバはなぜ売上2倍を5年間で達成したのか?-』(ジェローム・シュシャン、高橋書店、2016)-日本との出会い、弓道からの学びをビジネスに活かしてきたフランス人社長が語る

バレンタイン・デーに本の贈り物 『大正十五年のバレンタイン-日本でチョコレートをつくった V.F.モロゾフ物語-』(川又一英、PHP、1984)

書評 『ゲームのルールを変えろ-ネスレ日本トップが明かす新・日本的経営-』(高岡浩三、ダイヤモンド社、2013)-スイスを代表するグローバル企業ネスレを日本法人という「窓」から見た骨太の経営書




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2017年12月30日土曜日

さすが100万部売れた商品は違う-『うまくいっている人の考え方《完全版》』(ジェリー・ミンチントン、弓場隆訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2013)


クリスマス・プレゼントにいただいた(・・というか、クリスマス・パーティーの引き出物?としていただいた)『うまくいっている人の考え方《完全版》』(ジェリー・ミンチントン、弓場隆訳、ディスカヴァー・トゥエンティワン、2013)

机上に置いてあるので、パラパラ開いてみては開いたページの項目を読んでみるが、その通りだなあと納得することばかり。というよりも、そうすべきだなあという項目ばかりというべきかな。そんな考えが見開きで100項目掲載されている。


「100万部突破」「限定プレミアムカバーで登場!」とあるので、花柄のカバーになっているのはそのためかと思って帯の裏側を見たら、「読者のみなさまの声」が3人分掲載されている。そのいずれも女性によるのもの。なるほど、この限定カバーは女性を意識したものなんだなあ、と。サイズも新書版だし、プレゼントには最適。


 「充実した人生」を送るには「自尊心」を高めること、そのためには「他人と比較しない」こと。これがいちばん難しいんだけどねえ。日本人向けに書かれたのではなく、そもそもアメリカ人向けの自己啓発本。日本語訳の訳文は読みやすいが、けっして「ですます調」ではない。

2013年の完全版以前のバージョンを含めれば、18年間で100万部売れるということはどういうことなのかなあ、と考えてみる。ベストセラーでかつロングセラーということであるが、もちろん内容が優れていることは当然のこととして、それだけではないだろうな、と。

マーケティングの4Pにあてはめてみよう。

プロダクト(商品)は、自己啓発で女性がメインターゲット、パッケージは持ち歩きに便利な新書版。プライス(価格)は、消費税抜きで1,000円。

プレイス(販売ルート)は、書店への直販(ディスカヴァー・トゥエンティワン社は、出版業界のなかでは例外的に下ろしを通さずに書店に直販するビジネスモデル)、さてプロモーションは? 

おそらく最後のプロモーションがキモかもしれない。

100万部達成の理由は、いろいろ考えてみる必要がありそうだ。






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「中華三昧が35周年!」-ロングセラーはファンにとってのブランドそのものだ

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製品ブランドの転売-ヴィックス・ヴェポラップの持ち主は変わり続ける





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2017年10月21日土曜日

書評 『ソニー歴代トップのスピーチライターが教える 人を動かすスピーチの法則』(佐々木繁範、日経BP社、2017)-スピーチはテクニックだけじゃない!


友人の佐々木繁範さんから、3冊目となる新著をいただきました。タイトルは『ソニー歴代トップのスピーチライターが教える 人を動かすスピーチの法則』(日経BP社)

タイトルにもあるように、佐々木さんはソニーで創業経営者の盛田昭夫会長と出井伸之社長(ともに当時)のスピーチライターをつとめた人。経営トップのスピーチ原稿づくりを担当していただけでなく、ソニーに転職する前は興銀の金融マンだったという異色の経歴の持ち主。本書でも、ご自身の失敗談を含めたエピソードが随所で「自己開示」されてます。

株式会社ロジック・アンド・エモーションというユニークな社名の代表ですが、「人を動かすスピーチ」はロジック(論理、ロゴス)だけでなく、むしろエモーション(感情、パトス)の要素が大事だという主張を体現したものといっていいでしょう。

それに加えて、「信頼」(エートス)と「非言語」(ノンバーバル・コミュニケーション)の重要性が説かれています。本書の分量からいっても、ロジックにかんする説明が1/4で、残りの感情などの要素の説明が3/4を占めていることからも、それがわかります。

結局のところ、人の心をつかみ人を動かすのは、プレゼンも含めて、小手先のテクニックではなくスピーチする人の人間性そのものなんだなあ、とあらためて気づかせてくれます。

仕事は一人でできるものではありません。人を動かしてこそ、ですね。そのために必要なことが盛り込まれた良書です。ぜひみなさんにもお薦めします!





目 次

序章 人を動かすスピーチの秘訣
第1章 メッセージを明確にする
第2章 主張には理由を添える
第3章 構造をシンプルにする
第4章 ストーリーを織り込む
第5章 心情と情景をありありと語る
第6章 自己開示する
第7章 相手に共感する
第8章 相手のために尽くす
第9章 本心を語る
第10章 言ったことは実行する
第11章 身体のメッセージを意識する
第12章 心をポジティブな感情で満たす


著者プロフィール
佐々木繁範(ささき・しげのり)株式会社ロジックアンドエモーション代表取締役。CEOスピーチコンサルタント/エグゼクティブコーチ。1963年福岡県北九州市生まれ。同志社大学経済学部卒業後、日本興業銀行に入行。90年にソニー株式会社に入社。盛田昭夫会長の財界活動をサポートした後、ハーバード・ケネディスクールに留学し、公共経営学修士号を取得。97年に帰国し、出井伸之社長の戦略スタッフ兼スピーチライターを務める。事業部門事業戦略部長、グローバル戦略部長を経験した後、事業会社にて現場変革リーダーを務め、2009年に独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)


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2017年4月16日日曜日

書評 『「一見さんお断り」の勝ち残り経営-京都花街お茶屋を350年繁栄させてきた手法に学ぶ-』(髙橋秀彰、ぱる出版、 2017)-京都独自の「会員制クラブ」の経営に学べるものとは?


知らない世界を知るというほど面白いことはない。わたしにとっては、「花街」のことは、ほとんど未知の世界に等しい。そもそも「花街」と書いて「かがい」と読むということすら知らなかったのだ。ずっと「はなまち」だと思い込んでいた。

『「一見さんお断り」の勝ち残り経営-京都花街お茶屋を350年繁栄させてきた手法に学ぶ-』(髙橋秀彰、ぱる出版、 2017)の存在を知ったのは、「レビュープラス」から書評執筆の打診があったからだ。二つ返事で引き受けたのは、自分にとってよく知らない世界を垣間見るチャンスになると思ったからでもある。

「一見(いちげん)さんお断り」というフレーズは、すくなくとも日本人なら、大人であれば知らない人はいないのではないのだろう。それほど京都のイメージを代表するものはないのではないかと思う。

「一見さんお断り」とは、閉鎖的だとか、敷居が高いとか、上から目線だとかいうネガティブなイメージがつきまとっており、「京のぶぶ漬け」のイメージともあいまって、なんだか取っつきにくいイメージを固定化させてしまっている。

だが、「一見さんお断り」のシステムとは、紹介がなければ入会できない「会員制クラブ」と考えれば、なんとなく理解できるような気もしてくるのである。会員として受け入れられれば、クラブの内部は、会員にとっては、きわめて居心地のよい世界である、ということであろう。

そもそも、「一見さんお断り」は不文律のルールであり、「京都花街」には明文化されたルールがあるわけではないし、「京都花街」の内側の人は、みずからについてほとんど語ることはない。「会員制クラブ」である以上、それは当然のことだろう。

著者は、そんな「会員制クラブ」の世界に入会を許され、身銭を切って遊ぶお客としてお客として中の世界を観察してきた人だ。しかも、公認会計士だが報酬を支払っていただく「クライアント」としてつきあってきたのではなく、あくまでも身銭を切った「個人」としてかかわってきた人である。お金をもらう側と、支払う側とでは、おなじ対象であっても、真逆の姿が見えてくるはずだ。

「花街」とは、お座敷を企画コーディネートし、芸妓(げいこ)や舞妓(まいこ)といったたタレントを送り出す「お茶屋」を中核に、タレント事務所である「置屋」、お座敷に料理を出す「料理屋」、「仕出屋」などによって構成され、「分業」によって成り立っている高度なシステムである。こんな精緻なシステムが、350年以上にわたってつづいてきたというのは京都ならではかもしれない。

「花街」の特徴を列挙すると、こんなふうになる。

●顧客のニーズを叶える、完全なオーダーメイドの「個別受注生産」
●リピート客が上質な新規顧客のみを紹介するシステム
●薄利多売・価格競争・広告宣伝とは無縁の永続経営
●馴染み客、一見さんの二つのラインの明確な分離

著者は、こんな「京都花街」のシステムには、学ぶべきものが多いとしている。ある点までは、耳を傾ける意味はあると思われる。「一見さんお断り」という仕組みは、じつに魅力的だからだ。

だが、このようなシステムは一社単独では成立不可能なものであろう。シリコンバレーについてよくいわれているように、IT関連のハイテク企業は、それを成り立たせるエコシステム(=生態系)があってはじめて生存可能である。「京都花街」も、たんなる「花街」ではなく、あくまでも「京都」の「花街」という限定つきの存在だ。異なる地域の、異なる産業の、異なる企業に「横展開」できるかどうかは、そう簡単には言えないのではないだろうか。

本書のちょうど10年前に出版されている『京都花街の経営学』(西尾久美子、東洋経済新報社、2007)を読むと、「京都花街」の特殊性と普遍性がよく理解できる。350年以上の歴史をもつ「京都花街」も、時代の変化と外部環境の変化のなかで柔軟に変化し進化してきたのであって、この点を見落とすことは危険である。とくに、舞妓(まいこ)の人材育成は、時代の変化の影響を大きく受けており、かならずしも昔そのままではないという点は重要だ。

とはいえ、日本企業でも非上場の中小企業であれば、「京都花街」を構成する中小企業と共通する面も多い。「分業制」や「紹介」で仕事を回す仕組みなど、基本的には共通している。ただし、「花街」の「分業制」は「下請け制」ではなく、あくまでも水平的なヨコの関係だ。

要は、時代の変化には柔軟に対応しつつも、変えてはいけない経営の根幹と、変えてもかまわない部分はわけて考えることが大事だということだ。この点は、「京都花街」から大いに学ぶべきものがあるといえよう。



著者プロフィール
 
髙橋秀彰(たかはし・ひであき)

髙橋秀彰綜合会計士事務所 代表。公認会計士・税理士・宅地建物取引士。昭和40年生まれ、愛知県出身。立命館大学理工学部卒。創業当初の資金状況の苦しい中でも「一見さんお断り経営」を貫き、公認会計士であるにもかかわらず経済合理性に反するリスクを背負った経営判断を行ったことから一目置かれる信用と実績を築く。とくに他の会計事務所では手に負えない高度な案件などを得意としており、数多くの相続対策や非上場企業の株主構成の再構築、資金繰り改善の実績を持つ。また、京都花街のお茶屋では稀有な顧客として知られ、京都花街の不文律や裏事情にまで精通している。


目 次  
はじめに
第1章 徹底的な顧客満足
第2章 価格競争への対応
第3章 馴染み客も一見さんも
第4章 経営者の役割
第5章 公認会計士・税理士的視点から見た日本的経営の魅力
おわりに







<ブログ内関連記事>

書評 『京都の企業はなぜ独創的で業績がいいのか』(堀場 厚、講談社、2011)-堀場製作所の社長が語る「京都企業」の秘密

書評 『「できません」と云うな-オムロン創業者 立石一真-』(湯谷昇羊、新潮文庫、2011 単行本初版 2008)-技術によって社会を変革するということはどういうことか?

書評 『全員で稼ぐ組織-JALを再生させた「アメーバ経営」の教科書-』(森田直行、日経BP、2014)-世界に広がり始めた「日本発の経営管理システム」の仕組みを確立した本人が解説

書評 『知的生産な生き方-京大・鎌田流 ロールモデルを求めて-』(鎌田浩毅、東洋経済新報社、2009)-京都の知的風土のなかから生まれてきた、ワンランク上の「知的生産な生き方」

神田・神保町の古書店街もまた日本が世界に誇る「クラスター」(集積地帯)である!





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2016年9月10日土曜日

「中華三昧が35周年!」-ロングセラーはファンにとってのブランドそのものだ


車内広告で「中華三昧が35周年!」ということを知った。もうそんな年月になるのか!

ロングセラーの「中華三昧」は、すでにブランドというべきでありますね。「中華三昧」が新発売された頃からのファンとしては感慨無量です。

もともとは「グルメ麺」という位置づけで登場したわけですが、かつて存在していた「マダムヤン」などの競合に勝ち抜いたのは、ネーミングとパッケージ、メッセージの一貫性にもあるでしょう。

ですが、なんといっても製品の品質にかんして特徴があるというべきです。それは麺そのもについて。

「中華三昧」が新発売された当時、「ノンフライ麺」というのは、まさに画期的なイノベーションでありました。インスタントラーメンといえば油で揚げているのが当時の常識。ノンフライ麺はその意味では画期的だったのです。

以来、わたしはインスタント麺では、グリーンのパッケージの「中華三昧・北京味」一筋です。ある意味、生麺よりもうまいのではないか、と思うこともあります。「高価格即席袋麺市場No.1ブランド」に誇張はないというべきでしょう。

ロングセラーというものは、開発し製造発売しているメーカーにとってだけでなく、そのファンである消費者にとってのブランドでもある。そういっても言い過ぎではないでしょう。ですから、企業ブランドとしての明星食品と製品ブランドとしての「中華三昧」がそのまま結びつかなくても問題はないのです。

とはいえ、今後も企業努力を怠ることなく、50周年、100周年を目指して欲しいと思います。100周年は自分自身の目と舌で体験することはできませんが・・・。





<関連サイト>

中華三昧の歴史(明星食品)



<ブログ内関連記事>

「正露丸」は超ロングセラーの製品ブランドだ!

「泉屋のクッキー」-老舗(ブランド)には歴史(ヒストリー)=物語(ストーリー)がある

1783年誕生の英国の炭酸飲料シュウェップス(Schweppes)は、いま日本コカコーラが販売している

製品ブランドの転売-ヴィックス・ヴェポラップの持ち主は変わり続ける

ゼスプリ(Zespri)というニュージーランドのキウイフルーツの統一ブランド-「ブランド連想」について




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2016年7月2日土曜日

グローバル人材の人的資源管理(HRM)を初めて体系化したテキストが出版- 『国際人的資源管理』(関口倫紀・竹内規彦・井口知栄=編著、中央経済社、2016)


このたび『国際人的資源管理』(関口倫紀・竹内規彦・井口知栄=編著、中央経済社、2016)がようやく出版、編著者の一人である関口倫紀(大阪大学経済学部教授)より、献本いただきました。

中央経済社による「ベーシック+」シリーズの一冊で、基本的に大学学部の学生向けテキストです。献本いただいたのは、わたくし自身は執筆はしておりませんが、全体の構成や推敲等で、全面的に関与しているためです。(・・この件については「謝辞」を参照)。ちなみに、編著者の筆頭に名前があがっている関口教授は、わたくしの元部下の一人で、超優秀(!)な研究者です。


帯に記されているように、「グローバル人材のHRMを初めて体系化」したもので、「国際的な人材配置、育成、報酬、評価、労使関係、海外派遣者マネジメントなどを体系的に解説」したものです。HRMとは、Human Resource Management の略で、日本語でいえば人的資源管理、ひらたくいえば人事管理と労務管理をあわせたものと考えればいいでしょう。

内容的には大学研究者が執筆した学部学生向けテキストなので、ビジネスパーソン一般や実務家の観点からみたら違和感がなくもないと思いますが、「日本では初の体系化」であるので、そこは目はつむることにしましょう。実務者向けの実務書とは、ちょっと違った色合いの本があってもいかな、と。

「グローバル人材」というものは、コトバが流通している割には、中身の議論があまりなされていないだけでなく、使う人によって定義もまちまちですが、本書をキッカケに、いろいろ議論が活溌になればいいかな、と思います。ビジネスの現場に即していえば、国境が存在する以上、国際人材の管理となることは当然といえば当然です。

「目次」を紹介しておきましょう。目次でザックリと感じをつかんでみてください。体系化の一例となるでしょう。

はじめに
第1部 基本フレームワーク
 第1章 国際人的資源管理とは何か
 第2章 グローバル化と多国籍企業
 第3章 人的資源管理のフレームワーク
 第4章 国際人的資源管理のフレームワーク
 第5章 人的資源管理の地域別特徴
第2部 国際人的資源管理のサブシステム
 第6章 国際人材配置 
 第7章 国際人材育成
 第8章 国際報酬
 第9章 国際人事評価
 第10章 国際労使関係
 第11章 海外派遣者のマネジメント
第3部 スペシャル・トピックス
 第12章 戦略的国際人的資源管理
 第13章 社内言語・コミュニケーション
 第14章 国際的 M&A と人的資源管理
 第15章 新興国発多国籍企業の人的資源管理
 第16章 日本企業の国際人的資源管理)
索引


興味のある人はぜひ直接手にとってご覧いただきたく。






<ブログ内関連記事>

なぜ「経営現地化」が必要か?-欧米の多国籍企業の歴史に学ぶ

書評 『スミダ式国際経営-グローバル・マネジメントの先進事例-』(桐山秀樹、 幻冬舎メディアコンサルティング、2010)
・・「社長は、グローバルよりもトランスナショナル(trans-national)という表現を使うが、これは直訳すれば国境を越えたという意味だ。たとえ英語を共通言語にして人事交流を活発にしたとしても、国ごとに固有の文化や価値観に違いが残るのは当然だし、また現実のビジネスにおいては通貨も違えば、国によって法律や規制が異なるので、これを乗り越えるためには多大な経営努力が必要になるということなのだ」

書評 『ゲームのルールを変えろ-ネスレ日本トップが明かす新・日本的経営-』(高岡浩三、ダイヤモンド社、2013)-スイスを代表するグローバル企業ネスレを日本法人という「窓」から見た骨太の経営書
・・スイスのグローバル企業の日本法人は初めて日本人になった

書評 『ターゲット-ゴディバはなぜ売上2倍を5年間で達成したのか?-』(ジェローム・シュシャン、高橋書店、2016)-日本との出会い、弓道からの学びをビジネスに活かしてきたフランス人社長が語る
・・アメリカのグローバル企業の日本法人トップはフランス人

書評 『道なき道を行け』(藤田浩之、小学館、2013)-アメリカで「仁義と理念」で研究開発型製造業を経営する骨太の経営者からの熱いメッセージ
・・稲盛哲学をアメリカで実践する日本人経営者

NHKスペシャル 「“中国人ボス”がやってきた-密着 レナウンの400日」(2011年10月23日) を見ましたか?
・・外資系企業の傘下に入る日本企業。外資は欧米系だけではない

書評 『誰も語らなかったアジアの見えないリスク-痛い目に遭う前に読む本-』(越 純一郎=編著、日刊工業新聞、2012)-「アウェイ」でのビジネスはチャンスも大きいがリスクも高い!

書評 『村から工場へ-東南アジア女性の近代化経験-』(平井京之介、NTT出版、2011)-タイ北部の工業団地でのフィールドワークの記録が面白い
・・経営する側ではなく、経営される側のローカル従業員たちはどう考えているかがわかる内容




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2016年3月3日木曜日

書評 『ターゲット-ゴディバはなぜ売上2倍を5年間で達成したのか?-』(ジェローム・シュシャン、高橋書店、2016)-日本との出会い、弓道からの学びをビジネスに活かしてきたフランス人社長が語る


『ターゲット-ゴディバはなぜ売上2倍を5年間で達成したのか?-』(ジェローム・シュシャン、高橋書店、2016)。書評執筆のためレビュープラスさまより献本していただいて読みましたが、これはじつにいい本です。おすすめです。

ゴディバ、売上2倍、フランス人社長、弓道と、読みたい(!)という気持ちをそそる要素がてんこ盛り。ゴディバはいうまでもなくベルギー生まれの高級チョコレートのブランドです。

ここでいう「売上2倍を5年間で達成した」のはゴディバの日本法人の話ですが、なんと日本市場の売り上げはゴディバ全体の3分の1にあたるのだとか。ということは、なおさら大きな意味をもつ数字だということになりますね。

しかも、売り上げ2倍は目標としてかかげたわけではなく、結果としてそうなったというのです。ターゲット(=お客様)を狙うのではなく、無心になってターゲット(=お客様)に集中し、ターゲットと一体になるのだ、と。ここらへんにフランス人社長が修行してきたという弓道の教えが反映しているようです。「チョコレートを通じて世界にハッピーをお届けする」という理念にもとづいた、売り込まない売り方です。

さらに、日本市場においての競争と協調を両立させることの重要性も強調されています。

 この本は一言で要約してしまえば、「弓道から学んだ知恵でビジネスにあたるフランス人社長が語る」ビジネス書ということになるわけですが、25年以上も修行してきた弓道の格言にあわせて語られる社長スピーチ20本といった感じですので、読みやすく面白い。

(ベルギーの首都ブリュッセルのゴディバ 筆者撮影)

スペインの高級磁器人形ブランドのリヤドロの日本法人社長も歴任していたので、ゴディバの話だけでなくリヤドロでの体験談もでてきます。ゴディバもリヤドロも、ともにヨーロッパの高級ブランドであるということが共通しています。

わたし自身は弓道ではなく合気道をやってましたが、フランス人の視点から語られる弓道の話はひじょうに興味深いものがありますし、日本人にとっては当たり前でも気づいていない長所についても教えてもらえます。

たとえば、見て学ぶことにたけている日本人の特性については、もっと意識的に取り組んでみるといいでしょう。これは「見て学ぶ」観察力を活かす「見取り稽古」という章で語られていることです。
既成概念にとらわれず、虚心坦懐に見て学び、自分でやってみることの重要性が何度も強調されています。

若き日に異文化の日本と出会い、弓道の修行に打ち込んできた経験が、ライフだけでなくワークにもおおいに活きてくるという事例だといっていいでしょう。自分と向き合い、自分を成長させることがビジネスパーソンとしての成長も実現させるのだ、と。

マーケティングとセールスを中心としたビジネス書であり、自己啓発書であり、異文化マネジメントでもある内容。 こういう本を読みたかったのだ、という気持ちにさせてくれる本。ぜひ読むことをおすすめします。






目 次

はじめに-ビジネス成功の秘訣は「正射必中」の考え方に
ジェローム・シュシャン 個人年表
第1章 ヒットを生む法則】
 1. 当たるビジネスの秘訣①・・・当てるのではなく、当たる
 2. 当たるビジネスの秘訣②・・・純粋な心
 3. 的(まと)に気をとられない・・・正射必中
 4. 会社の姿勢・・・正射正中
 5. セールスの基本・・・離れの心
 6. 前の射を忘れる・・・一射一射
 7. 結果を見て、原因を探る・・・矢所(やどころ)を見る
 8. 老舗ビジネスとイノベーション・・・心を開く
 9. 評価するのは外部・・・的(まと)は自分の鏡
 10. 挑戦から何かが生まれる・・・射即人生
第2章 日本とビジネス
 11. 見て学び、試してみる・・・見取り稽古
 12. 日本人と完璧主義・・・完璧の射はない
 13. 決断するタイミング・・・矢を放つ瞬間
 14. 日本発信のビジネス・・・牽引する力
 15. 季節で動く日本のマーケット・・・自然との一体化
第3章 人生を楽しくする仕事の仕方
 16. ハッピーな職場・・・内(うち)志(こころざし)正しく
 17. 会社の理念・・・大切なことは身体で覚える
 18. セカンドライフと日本人・・・新しい人生
 19. ビジネスで向上する方法・・・すべてを己に求める
 20. 人生はヒッチハイク・・・一射絶命
おわりに
参考文献
弓道とビジネスの世界の架け橋となったジェローム・シュシャン


著者プロフィール

ジェローム・シュシャン(Jerome Chouchan)
1961年フランス、パリ生まれ。HEC Paris経営大学院卒業。専攻はインターナショナルビジネス。1983年、大学在学中に旅行で初来日したのを機に日本文化に興味を持ち、29歳で弓道を始める。フランス国立造幣局、ラコステ北アジアディレクター、LVMHグループ・ヘネシーのディレクター、リヤドロジャパン代表取締役社長などを経て、2010年ゴディバジャパン代表取締役社長に就任。商品のパッケージデザインに世界の有名アーティストを起用、テレビCMなど、様々な施策により5年間で売り上げ2倍を達成。(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)






<関連サイト>

ゴディバ ジャパン (公式サイト)

 

<ブログ内関連記事>

マイク・タイソンが語る「離脱体験」-最強で最凶の元ヘビー級世界チャンピオンは「地頭」のいい男である!
・・弓道精神を体得したドイツの哲学者オイゲン・ヘリゲルの著書『弓と禅』について、マイク・タイソンは少年時代に恩師から聞かされていた


チョコレートのビジネス

バレンタイン・デーに本の贈り物 『大正十五年のバレンタイン-日本でチョコレートをつくった V.F.モロゾフ物語-』(川又一英、PHP、1984)

書評 『ゲームのルールを変えろ-ネスレ日本トップが明かす新・日本的経営-』(高岡浩三、ダイヤモンド社、2013)-スイスを代表するグローバル企業ネスレを日本法人という「窓」から見た骨太の経営書


ベルギーの食品関連

『ベルギービール大全』(三輪一記 / 石黒謙吾、アートン、2006) を眺めて知る、ベルギービールの多様で豊穣な世界

ベルギーとポテトの関係-ベルギー・ポテトの水煮缶詰が便利!


ストーリー主導のマーケティング

「恵方巻き」なんて、関西出身なのにウチではやったことがない!-「創られた伝統」についての考察-


■製品ローカリゼーション

ディズニーの新作アニメ映画 『アナと雪の女王』(2013)の「日本語吹き替え版」は「製品ローカリゼーション」の鑑(かがみ)!

書評 『「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか-世界で売れる商品の異文化対応力-』(安西洋之、中林鉄太郎、日経BP社、2011)-日本製品とサービスを海外市場で売るために必要な考え方とは? 
・・「ローカリゼーション」にかんする必読書

プラクティカルな観点から日本語に敏感になる-藤田田(ふじた・でん)の「マクド」・「ナルド」を見よ!
・・日本マクドナルド創業者の藤田田は原音に近い「マクダーノー」では日本では成功しないと確信していた


■外国人の見た日本 自らの内なる知られざる日本

書評 『座右の日本』(プラープダー・ユン、吉岡憲彦訳、タイフーン・ブックス・ジャパン、2008)-タイ人がみた日本、さらに米国という比較軸が加わった三点測量的な視点の面白さ

世界のなかで日本が生き残るには、自分のなかにある「日本」を深掘りしてDNAを確認することから始めるべきだ! 
・・ジェトロがタイ政府の依頼で企画し、2006年にバンコクで開催した 「日本デザインの遺伝子展」の日本語カタログ





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2016年2月20日土曜日

ドイツ製文房具は機能的でかつデザインもよい-鉛筆に特化したシュテットラー社は「隠れたチャンピオン」


 いままでつかっていたミニ鉛筆削りを紛失してしまったので、代わりを探して購入することにした。ふだんはパソコンを使用して文章を書いており、メモをとる際にはボールペンが大半なのだが、本にチェックを入れたり線を引くときは鉛筆をつかっているからだ。

商品を探すときは最初から amazon で検索してみるのが速い。さっそく検索してみたら出てきたのがシュテットラーのミニ鉛筆削り。ドイツ製である。

署名用のボールペンも、ふだんつかっていないとはいえ万年筆もモンブランを愛用している私だが、とりたててドイツ製文具の愛好家というわけではない。だが、このシュテットラー(Staedtler Mars)の鉛筆削りは、じっさいに入手して思うのは、機能的でかつデザインもすぐれているということだ。


シュテットラー(Staedler)を調べてみたら、日本では英語読みでステッドラーとしているようだ。ステッドラー日本という日本法人があって、鉛筆、製図用品、シャープペンシルなど筆記用具、そのほか色鉛筆も取り扱っている。

シュテットラー社(STAEDTLER Mars GmbH & Co. KG)は「有限合資会社」(Kommanditgesellschaft)である。英米法でいうリミティッド・パートナーシップ(limited partnership)に近い企業形態だ。wikipedia の記述によれば、創業は1835年だが、さかのぼれば1662年頃までさかのぼれるという。ブランドであり日本でいえば老舗である。長寿企業である。


鉛筆に特化した企業で、従業員は全世界で3000名程度の中堅企業である。ドイツ経済を支えている「ミッテルシュタント」というカテゴリーに分類される企業で、いわゆる「隠れたチャンピオン」(hidden champion)というやつだ。ニュルンベルクに本社があるようだ。

500円以下でいい買い物をしたと思う。しかも、いままで知らなかったシュトットラー社について知ることもできた。ちなみに、ドイツ企業の製品だが「メイド・イン・ジャーマニー」ではなく「メイド・イン・チャイナ」である。シュテットラー社も、ドイツで製造している主要製品以外は海外生産もおこなっているようだ。






<関連サイト>

ステッドラー日本 (公式サイト)

シュテットラー社公式サイト(英語)



<ブログ内関連記事>

書評 『あっぱれ技術大国ドイツ』(熊谷徹=絵と文、新潮文庫、2011) -「技術大国」ドイツの秘密を解き明かす好著
・・「ドイツを特徴づけている、いわゆるミッテルシュタント(Mittelstand:中規模企業)だという。日本でいえば中堅中小企業がこれに該当するといっっていいだろう。 ドイツ人経営コンサルタントのヘルマン・ジモン(Hermann Simon)のいう「隠れたチャンピオン」(hidden champions)の一つと考えてよいのだろう。ニッチ市場に特化して、世界シェアを占める無名のミッテルシュタント(中規模企業)が活躍しているのがドイツなのである。 ポルシェやディーゼル、ツェッペリンなどの綺羅星のような発明家は本書でも取り上げられているが、世界的な知名度は高くなくても、現在でも多くの起業家を輩出している国がドイツなのである。たとえ、アメリカのソリコンバレーほどの派手さはないとしても。」

書評 『自動車と私-カール・ベンツ自伝-』(カール ベンツ、藤川芳朗訳、草思社文庫、2013 単行本初版 2005)-人類史に根本的な変革を引き起こしたイノベーターの自伝

「ポルシェのトラクター」 を見たことがありますか?

ドイツが官民一体で強力に推進する「インダストリー4.0」という「第4次産業革命」は、ビジネスパーソンだけでなく消費者としてのあり方にも変化をもたらす

書評 『世界に冠たる中小企業』(黒崎誠、講談社現代新書、2015)-知られざる日本の「グローバルニッチトップ企業」の紹介




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2016年1月10日日曜日

「見ざる、言わざる、聞かざる」(See No Evil, Hear No Evil, Say No Evil)-SNSで注意すべきこと

(日光東照宮の「三猿」 wikipediaより)

謹賀新年。あけましておめでとうございます。
   

今年2016年の干支は丙申(ひのえざる)。申年はサル年。

サルといえば「日光東照宮の三猿」。 「見ざる、言わざる、聞かざる」の「三猿」。これは日本人にとっては常識だといえましょう。

「見ざる、言わざる、聞かざる」。その心は、「余計なものは見ない、余計な話には耳を傾けない、余計な話には突っ込まない」という自己抑制にあります。

一般的には、悪いものから身を避けるという意味に解されていますが、そう言われると、「見たくなる、聞きたくなる、見て聞いたものはしゃべりたくなる」というのが人間の性(さが)。これが身を滅ぼしかねないからこそ、日本人は「さる」を三匹並べて戒めとしてきたのでしょう。

この処世術がとくに必要なのが フェイスブックやツイッターをはじめとするSNSでしょうね。余計なサイトを見たがためにウイルスに感染し、余計な発言をつぶやいたがために炎上してしまう。迷惑がかかるのは当の本人ですが、それだけでは終わりません。ネットワークでつながっているからです。

自省をこめて、おおいに心したいものでありますね。

「三猿」には、そのすべてに「さる=猿」が織り込まれているので、日本固有だと思いがちですが、じつはそうではないという見解あります。

英語では "Three Wise Monkeys" (=三賢猿)というそうです。「見ざる、言わざる、聞かざる」は、"See No Evil, Hear No Evil, Say No Evil"、順番としてはこちらのほうがナチュラルですね。戒めの内容には普遍的なものがあるといってよいのでしょう。


では、本年もよろしくお願い申し上げます。


2016年1月吉日  

佐藤けんいち





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2015年12月15日火曜日

書評 『安売り王一代-私の「ドン・キホーテ」人生-』(安田隆夫、文春新書、2015)-「逆張り経営」の創業経営者が語る赤裸々な自伝


『安売り王一代-私の「ドン・キホーテ」人生-』(安田隆夫、文春新書、2015)を一気読みした。この本は面白い。一気読みさせるだけの熱がある。

「ドンキ」については、あえて説明する必要はあるいまい。著者は、そのドンキを一から立ち上げて現在に至るまで成功させた創業経営者である。

「ドンキ」を貫いてきたのは、一言で言えば「逆張り」。流通業の常識を知らない、無手勝流の素人ゆえ強みと弱み、成功と失敗。まさに波乱万丈の一代記である。

一から立ち上げた創業経営者であるからこそ隅々まで熟知しているのだが、みずからの人生の赤裸々な述懐には、同時に自らを突き放してみることのできる知性も感じさせる。

みずから「内圧」の強いと語る人による人生論として読んでも面白いのではないかと思う。

おすすめの一冊。






目次

はじめに 若者よ、「はらわた」を振り絞れ!
第1章 絶対に起業してみせる
第2章 ドン・キホーテ誕生
第3章 禍福はあざなえる縄の如し
第4章 ビジョナリーカンパニーへの挑戦
第5章 不可能を可能にする安田流「逆張り発想法」
終章 波乱万丈のドン・キホーテ人生に感謝


著者プロフィール

安田隆夫(やすだ・たかお)
1949年岐阜県大垣市生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、不動産会社に就職するも入社10カ月後に倒産。以降、長い無頼と放浪の時代を過ごす。78年、東京・杉並区にわずか18坪のディスカウントショップ「泥棒市場」を開店。深夜営業でヒットし成功を収めるが、5年で売却し、バッタ屋「リーダー」を設立。これも大きな利益を上げるが、小売業への再参入を決意し、89年に「ドン・キホーテ」1号店を東京・府中に開店。幾多の失敗や苦難を乗り越えながら急成長を続け、96年に株式店頭公開、98年東証2部上場、2000年東証1部上場。2015年6月にドンキホーテホールディングス代表取締役会長兼CEOを退任。現在は、ドン・キホーテグループ創業会長兼最高顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。



<ブログ内関連記事>

書評 『道なき道を行け』(藤田浩之、小学館、2013)-アメリカで「仁義と理念」で研究開発型製造業を経営する骨太の経営者からの熱いメッセージ

書評 『俺のイタリアン、俺のフレンチ-ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方-』(坂本孝、商業界、2013)-ビジネスモデル×哲学(理念)を参入障壁にブルーオーシャンをつくりだす

書評 『「できません」と云うな-オムロン創業者 立石一真-』(湯谷昇羊、新潮文庫、2011 単行本初版 2008)-技術によって社会を変革するといういうことはどういうことか?

書評 『不格好経営-チームDeNAの挑戦-』(南場智子、日本経済新聞出版社、2013)-失敗体験にこそ「学び」のエッセンスが集約されている

グンゼ株式会社の創業者・波多野鶴吉について-キリスト教の理念によって創業したソーシャル・ビジネスがその原点にあった!




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2015年11月27日金曜日

書評 『もしもあなたが「最高経営責任者」ならばどうするか? vol.1』(ビジネス・ブレークスルー大学総合研究所、大前研一=監修、Next Publishing、2015)-現在進行形の課題を CEO の立場に立って考え抜く


本書は、大前研一氏がみずから主宰するネット上のビジネスブレークスルー大学で実践してきたケーススタディの総集編の第一巻として出版されたものだ。

取り上げられているのは、The Coca-Cola Company、ローソン、NTT、UBER、任天堂、東京ガス、沖縄県、イオングループである。米国のベンチャーのUBER(ウーバー)と沖縄県以外は、ビジネスパーソンなら誰もが知っている有名企業である。

「もし自分がその企業の最高経営責任者であったらなら・・」という想定は、評論家ではなく、当事者として、責任者として、自分ならこの状況はこのように整理して、このように構想を練って、その構想を実現するために動くというサイクルを「頭で汗をかく」ことによって実行することを意味している。

だが本書掲載のケースはいずれも、公開情報にもとづいて作成されているため、どうしても情報量の多い大企業が中心である。こういった大企業の CEO となることは、残念ながら、たいていのビジネスパーソンにとっては、確率的にみてきわめて小さなものである。とはいえ、こういう思考訓練もたまにはいいかもしれない。

「解を見つけることが目的ではない、考えに考えた末に「自分なりの結論を出す」ことが重要なのであり、その積み重ねによって問題解決力が磨かれてゆくのである」、と大前氏は説く。

とはいいながらも、おそらく多くの人はすぐに解答を見てしまいたいという誘惑に打ち勝てないのではないだろうか? 本書でいえば「まとめ」に提示された戦略案である。だが、解答をみてから、その解答にあてはまるものを問題文から発見するという受験秀才型の方法は、ケーススタディ型の学習においては無用どころか有害である。

なぜなら、ケーススタディはあくまでも素材であり、それ自体が解答ではないからだ。素材をどう解釈して自分なりの解答を出したとしても、そもそもビジネスには唯一絶対の正解があるわけではないので、じっさいにyってみない限り、自分の考えが正しいかどうかを検証することが難しいのだ。したがって、ケーススタディほど自習に不向きなものはない。

だからこそ、ハーバード・ビジネススクールを筆頭に、ケーススタディはあくまでもグループ・ディスカッションとクラス・パティシペーション(=授業への積極的な参加と発言による貢献)が求めているのである。自分のアタマで考え抜いたことも、他者による解釈を聞くことによって修正を余儀なくされるのである。そしてそのうえで、さらに自分の考えを磨きぬいて授業に臨む。これがあるべきケーススタディ型授業である。

だが、そうはいっても、なかなか理想的なケーススタディの授業に参加することは難しい。しかも、大半のビジネススクールでは過去のケースが取り上げられている。この現状に意義を唱え、リアルタイムで進行するビジネスそのものを題材にしたケーススタディの授業が重要だと主張してきたのが大前研一氏である。

また本書は、NextPublishing によるオンデマンド(ペーパーバック)版である。リアルタイム性ということであれば、本書出版時点で、すでにすべてのケースがリアルタイムではない。それぞれのケースについて、読者はケース作成後の情報をすでに知りうる立場にあるからだ。

その意味では、本書に収録されたケースも、完全な意味ではリアルタイムに進行するものではない。それでも過去の干からびた事例の復習とは、まったく異なるものであり、おおいに意義はある。

本書のケーススタディでは内部資源についての情報がないので、あくまでも事業戦略にかんするものだろ認識したうえで取り組んでみるべきだろう。たとえすばらしい戦略であっても、絵に描いた餅に終わってしまうことが多々あるのは、よくあることである。思考訓練として取り組む教材と捉えるべきである。





目 次
はじめに
本書について
本書収録ケーススタディについて
CaseStudy1 あなたが The Coca-Cola CompanyのCEOならばどうするか?
CaseStudy2 あなたが ローソンの社長ならばどうするか?
CaseStudy3 あなたが NTTの社長ならばどうするか?
CaseStudy4 あなたが UBERのCEOならばどうするか?
CaseStudy5 あなたが 任天堂の社長ならばどうするか?
CaseStudy6 あなたが 東京ガスの社長ならばどうするか?
CaseStudy7 あなたが 沖縄県知事ならばどうするか?
CaseStudy8 あなたが イオングループCEOならばどうするか?
書籍特典
ビジネス・ブレークスルー大学について


<関連サイト>

ビジネスブレークスルー大学の教育メソッド Real Time Online Case Study (略称RTOCS®)について
・・「経営者としての問題解決力を向上させる教育メソッド Real Time Online Case Study (略称RTOCS®)とは、国内外のリーダーが取り組んでいる現在進行形の課題をケースとして取り上げ、「自分がその組織のリーダーであればどのような決断を下すか」を経営者の視点で考察し、「意思決定」に至る力を鍛える教育メソッド」



<ブログ内関連記事>

What if ~ ? から始まる論理的思考の「型」を身につけ、そして自分なりの「型」をつくること-『慧眼-問題を解決する思考-』(大前研一、ビジネスブレークスルー出版、2010)

慶応大学ビジネススクール 高木晴夫教授の「白熱教室」(NHK・ETV)

書評 『ハーバードの「世界を動かす授業」-ビジネスエリートが学ぶグローバル経済の読み解き方-』(リチャード・ヴィートー / 仲條亮子=共著、 徳間書店、2010)

put yourself in their shoes 「相手の立場になって考える」



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2015年11月15日日曜日

書評 『仁義なき宅配-ヤマト vs 佐川 vs 日本郵便 vs アマゾン-』(小学館、2015)-宅配便の「送料無料」は持続可能なビジネスモデルか?



物流を専門分野にするジャーナリスト横田増生氏の新作『仁義なき宅配-ヤマト vs 佐川 vs 日本郵便 vs アマゾン-』(小学館、2015)を読んだ。

この本はじつに面白い。物流(=ロジスティクス)ほどリアルビジネスにとって重要な機能であるのにかかわらず、当事者を除けば一般的な関心が低く、そのためあまり書かれることのない分野はほかにないからだ。

これまで著者が発表してきた『潜入ルポ アマゾン・ドット・コム』や『ユニクロ帝国の光と影』は、物流そのものではなく、ビジネスモデルのなかに物流を組み込んでいる企業であった。だが、最新刊の『仁義なき宅配』においては副題にあるとおり、業界二強のヤマトと佐川急便、そして復活してきた日本郵便に焦点をあてて深堀りしている。

この本を読むと、アマゾンを代表とする「送料無料」モデルの業者が求める過酷な競争条件が運賃低下をもたらし、そのしわ寄せが現場に集中していることが手に取るようにわかる。運賃の低価格化は、現場労働者の賃金低下をもたらすのである。宅配便のドライバーや、配送センターの仕分け作業員の現場が疲弊する理由はここにある。

このままでは「宅配便」という社会インフラが持続可能でなくなるばかりか、「送料無料」を前提にしたビジネスモデルが見直しを図られることが間違いない。

この本に書かれている実態を知れば、誰もがそう思うのではないか? 著者自身、ヤマトの「羽田クロノゲート」にアルバイトとして1ヶ月間夜勤で働いている。企業礼賛を目的とした提灯本とはまったく異なる結論が、この潜入取材から導き出されている。

ビジネスパーソンだけでなく、宅配便を利用する側の消費者にとっても、読むに値する内容であるといってよいだろう。




目 次

まえがき
第1章 迫り来る "宅配ビッグバン"
第2章 佐川「下請けドライバー」同乗ルポ
第3章 「風雲児」佐川が成り上がるまで
第4章 ヤマトはいかにして「覇者」となったか
第5章 日本郵便「逆転の独り勝ち」の真相
第6章 宅配ドライバーの過労ブルース
第7章 ヤマト「羽田クロノゲート」潜入記
終章 宅配に "送料無料" はあり得ない
あとがき


著者プロフィール

横田増生(よこた・ますお)

1965年福岡県生まれ。アイオワ大学ジャーナリズムスクールで修士号。1993年に帰国後、物流業界紙『輸送経済』の記者、編集長を務め経済の水脈とも言える物流から企業を調査・評価するという技術と視点を身につけた。1999年10月にフリーランスに。2005年に発表した『潜入ルポ アマゾン・ドット・コムの光と影』ではアマゾンの物流センターで半年間実際に働き、ウェブ時代における労働の疎外を活写して話題になった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたもの)。





<関連サイト>

著者は語る(週刊文春) 物流業界の光と影 『仁義なき宅配 ヤマトvs佐川vs日本郵便vsアマゾン』 (横田増生 著)


<ブログ内関連記事>

書評 『ユニクロ帝国の光と影』(横田増生、文藝春秋社、2011)-ユニクロのビジネスモデルを物流という観点から見たビジネス・ノンフィクション

書評 『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(大宮冬洋、ぱる出版、2013)-小売業は店舗にすべてが集約されているからこそ・・・

『JAL崩壊-ある客室乗務員の告白-』(日本航空・グループ2010、文春新書、2010) は、「失敗学」の観点から「反面教師」として読むべき内容の本




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