2011年4月6日水曜日
「後工程」はお客様 (きょうのコトバ)
今回の「大震災」と「大津波」によって、人的な被害が大規模にのぼっただけでなく、多くの製造工場が被災したため、「サプライチェーン」に問題が発生しています。
このことは、製造業や流通業に従事しておられる方ならもちろんのこと、それ以外の方も経済記事として目にすることが多いと思います。
ところで、「サプライチェーン」とは何でしょう?
経済学を勉強したことがある人なら、サプライとは需要供給の「供給」であることはわかると思います。チェーンは「鎖」、あえて漢字で表現すれば、「供給連鎖」ということになります。
サプライチェーン(供給連鎖)とは、複数の企業の間に構築された、物流ネットワークのことです。製造業の場合、部品や材料の調達から、組立後の製品の販売まで、網の目のように精緻なネットワークが構築されています。
ところで、「後(あと)工程はお客様」という表現が、日本が世界に誇る生産管理の世界にはありますが、これは生産プロセス内の関係を、顧客に擬人化して語ったものです。
「前工程」からみれば自分がお客様、そして自分からみれば「後工程」はお客様。この連鎖が無数に続いているとイメージしてみてください。
会社を越えるサプライチェーンの場合も、まさに「後工程はお客様」。
経済活動も、法人や人間をつうじた「つながり」という関係のなかに存在しているのです。
組織内であっても、組織を越えた関係であっても、つねにこの「後工程」はお客様という意識をもっていたいものですね。
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