「目標」をもつことの重要性については、みなさんもよくご存じのことですよね。
目標は、将来の一定時点までに達成すべき一定水準のゴールのこと。
目標と現状とのギャップを埋めていくために必要なのが、方針としての「戦略」であり、方法論としての「戦術」です。目標はとくに数字で明確にすると、より効果があがります。みなさんもダイエットなどの数値目標をお持ちのことと思います。
しかし、「目標に到達するために~をする」ということと、「目標に到達するだろう」、ということはまったく違いますよね。
「希望的観測」(wishful thinking)とは、「そうあってほしい」とか「そうだったらいいな」という「希望」に基づいて判断を行うことをいいます。そうなるという確実な証拠があるわけでもなく、そのために何か具体的なことに取り組むというわけでもありません。
「わかってくれるはず」という思い込みもまた「希望的観測」のなせるわざですね。他人がどう考えるかなんてわかるはずもないのに。
「希望」というコトバは美しいコトバで一般によく使われますが、安易に使われすぎではないでしょうか? すくなくとも、ビジネスパーソンは安易にクチにすべきコトバだとは思いません。
「希望的観測」に陥ることなく、一歩踏み出す「勇気」。 「勇気」のほうが「希望」よりもはるかに重要です。私はこのことを、沖仲仕の哲学者といいわれた、アメリカ西海岸の哲学者エリック・ホッファー(1902-1983)のコトバに教えられました。
自己欺瞞なくして希望はないが、勇気は理性的で、あるがままにものを見る。希望は損なわれやすいが、勇気の寿命は長い。希望に胸を膨らませて困難なことにとりかかることはたやすいが、それをやり遂げるには勇気がいる。 闘いに勝ち、大陸を耕し、国を建設するには、勇気が必要だ。絶望的な状況を勇気によって克服するとき、人間は最高の存在になるのである。
(出典)『エリック・ホッファー自伝-構想された真実-』(中本義彦訳、作品社、2002)(P.52)
「勇気」をだして、一歩踏み込んでみませんか?
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自分のアタマで考え抜いて、自分のコトバで語るということ-『エリック・ホッファー自伝-構想された真実-』(中本義彦訳、作品社、2002)
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