2011年4月21日木曜日
Business as usual (きょうのコトバ)
「3-11」からすでに5週間近く、東北から関東にかけての太平洋岸の大地震と大津波の被災地と福島第一原発周辺では、まだまだ苦境が続いています。
関東の大半の地域では、食品スーパーの棚をはじめ、日常生活にかんしてはようやく「正常化」してきたようです。東京から脱出した外国企業も機能を戻しつつあるようです。
震災後の物流網の機能不全状態は解消、原発事故にともなう電力不足から行われた「計画停電」(輪番停電)によって混乱していた食料品供給にかんしては、現時点では「正常化」してきたといっていいでしょう。すくなくとも表面的には。
こういう状態をさして、英語では Business as usual といいます。「いつもとかわりない」ぐらいの意味でよく使われます。
ここでいう business は事業というよりも、物事や事柄などをさしています。つまり、Business as usual とは、「いつもどおりに」、「当たり前のとして」物事がとどこおりなく動いている、ということを意味しているわけです。
もちろん、現在でもサプライチェーンの問題が解決したわけではありません。一般消費者の目には見えないところでは、今回の激甚災害をつうじて、さまざまな構造的問題が顕在化しました。効率性を追求しすぎたために脆弱化したシステム。
現時点においては、とりあえず「正常化」しつつあるという状態であるのに過ぎません。問題解決されていないだけでなく、問題そのものがまだキチンと把握されていない状態のようです。
正しい問題発見がなかれば、問題解決にいきなり取り組んでも時間と労力のムダに終わってしまいます。さらなる疲弊を現場にもたらしてしまいます。
これを機会に、「変わってはいけないもの」と「変わらなければならないもの」について、じっくりと深く考えてみることが必要でしょう。
Business as usual と、言い切れるまでには、まだまだ時間がかかるのも当然かもしれません。
みなさんのお仕事は、すでに Business as usual になりましたか?
Tweet